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ネット社会の情報リスク:「掲示板へのクレーム対応」(その2)【日経BP】
http://www.asyura2.com/0406/it06/msg/956.html
投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 12 月 03 日 22:40:06:WmYnAkBebEg4M
 

(回答先: ネット社会の情報リスク:「掲示板へのクレーム対応」(その1)【日経BP】 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 12 月 03 日 22:38:40)

ネット社会の情報リスク:「掲示板へのクレーム対応」(その2)【日経BP】
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/rep02/334561

2004年09月30日 15時40分

前回、掲示板の現状や、東芝サポート事件の教訓、書き込む人間の心理などについて紹介した。そして今回の相談内容は、緊急の対策が必要なケースであると書いた。

詳しくは第二回をお読みいただきたい。

ここで再度、相談内容を確認しておこう。

「掲示板に不良品と書き込まれ、どう対応すればよいか」という内容である。年商300億円、某製造会社の総務部長からのものである。

ネット情報セキュリティ研究会

ご担当者 様

いつもメルマガを拝見し、勉強させていただいております。

実はご相談があってメール申しあげました。

弊社は・・・(中略)・・・で年商300億円の中小企業で、○○○など製造する会社です。

・・・・(中略)・・・・○○掲示板において、弊社製品が不良品であるとのクレームが匿名で書き込まれ、それをみた別の顧客から問合せが増えており、どのように対応すればよいか、困っております。問題が深刻化すれば、法的な手段も視野に入れた対応も検討しております。

今後どのように対処していけばよいか、アドバイスいただけないでしょうか。

           (○○○株式会社 総務部長 ○○)

緊急の対策が必要なケースとしたのには理由がある。それは書き込みを見て心配になったユーザーから、問合せが増えているという事実があるからだ。だが時間もかけられない。放置しておくと悪評はスパイラル的にネット上に拡大する。

それではどうするか。

もし自らの会社でこのようなことが起こったとき、どう対応していけばよいかと悩み焦るのは、誰もが同じでないかと思う。

法的手段とそれ以外の対策について、ざっとポイントを整理してみよう。


最初にすることは事実確認

まず不良品とするクレームが事実かどうか、この点の調査を迅速に行うことが重要である。匿名での書き込みであるからといって、他のユーザーから問合せが増えている事実は、クレーム内容に信憑性があるかもしれないと疑ってかかる必要がある。影響が少ないと判断すれば、放置した方が良い場合もある。いずれの場合でも、事実を確認するということが大前提となる。それ次第でその後の対策が異なるからだ。

前回も書いたように、掲示板の匿名での書き込みの多くが、別の原因から書き込んでいるケースが多い(窓口サポートの不満など)。書き込まれた文面を読めば、本当に不良品として告発しているのかどうか、おおよそは判るものだ。

今回のケースでは、書き込みをみた他のユーザーから問合せが増えているため、その点を重視した対策をどうするか、整理した。

今回の相談を例にして、何について判断し、どう対処すればいいのか、一緒にスタディしていこう。


【法的対応への準備】

掲示板にクレームが書き込まれた当事者になれば、誰でもまず考えるのは法的に何とかならないか、ということである。取り得る手段と手順、考え方を簡単に紹介しよう。


証拠を保全する

URL と掲示板に書き込まれた内容、日付、掲示板の名称など、全体をファイルして保存しておく。合わせてカメラで画面全体の写真を撮り、プリンターで印刷出力しておくことも忘れてはならない。掲示板の特性として、何度でも書き換えられるし、管理者が削除する場合もあり、後日提出する場合に証拠能力が問われることになる。改ざんが可能なテキスト形式などでの保存は、避けること。

放置するにしても法的対応を検討するにしても、証拠保全だけはしておく。


放置の判断

書き込まれた掲示板をよく観察し、書き込まれたクレームの前後を読み取る。前後のスレッドなど文脈をみれば、それが根拠の無い不当なクレームであったとしても放置したほうが良いと思われる掲示板の方が多い。掲示板のレベル、例えば、「2ちゃんねる」に書かれたのか、「価格ドットコム」に書かれたのか、影響力は自ずと異なる。ヘタなアクションを起こすとかえって耳目を集めることになり、対策が裏目に出る。影響力が小さいと判断した掲示板は無視、放置したほうが良い場合がある。

一方、価格ドットコムのような、製品ユーザー同士で活発に意見交換されている良質な掲示板の場合、社会的に関心が持たれ、社業への影響が大きい。不当な内容のクレームが書き込まれた場合、不法行為に基づく民事訴訟、信用毀損に基づく刑事訴訟を提起するのも良いが、判決が出るまで時間がかかりすぎる。これらは後回しにして、まずプロバイダーや掲示板管理者に削除要請を、プロバイダー責任法に基づき行う措置をとる。


削除要請をする

要請先は、プロバイダーかネット掲示板管理者に対して行う。また削除要請に必要な「侵害情報の通知書」を内容証明郵便で送付する(通知書の書き方については、また回を改めて紹介する)。この通知書を受け取ってから7日以内に、プロバイダーないしネット掲示板管理者は、書き込み者に対して削除に応じるかどうか照会することになっている。照会の結果返事がなければ(実際に多い)削除を拒否しないとみなし、削除していいことになっている(プロバイダーや管理者の情報発信者に対する免責要件)。


仮処分申請の判断

通知を出したが一向に返事がない、削除もされない場合、仮処分の申請を裁判所に申し立てることになる。法的手段をとったことで書き込みの不当性を表明する効果はある。ただ、裁判所は決定するまで相手方の主張も聞くため、決定が出るまでに1カ月近く要するのが普通である。また、裁判所が決める保証金を申請者が供託せねばならず、弁護士等の費用もかかるので、信用毀損や経済的損失の程度を勘案しながら、慎重に判断しなければならない。東芝サポート事件では、東芝側が仮処分の手続きをとったことから、事態を一気に悪化させたという先例がある。こうした教訓を踏まえ、法的手段は最後の手段とすべきであろう。


【信用毀損を食い止めるための方策】

法的措置の準備をしながらも、一方でネット上で広がる無責任な風評被害に対し、緊急の対策を並行して行わなければならない。これには、対外的な対策と対内的な調査を、合わせて実施することが重要である。


説明責任

対外的に行う対策は、「説明」である。

クレームが事実か虚偽か、未だ不明の場合でも、噂を知った他の顧客に不安感や不信感が増大している。とすればその解消に努めるのが企業の責務といえる。それは企業の株主に対する責任、社会的な説明責任から必要なことだが、企業利益に適うことでもある。経営者の判断、物の考え方が試される部分でもある。

ある経営者は、「一部掲示板に指摘されている製品不良に関する問題を調査しましたが、弊社で事実を確認できませんでした。同様の問題がある場合は、弊社○○窓口までご連絡ください」といった内容を自社のホームページに掲載などして対応したほうが良いとする。

もう一方の経営者は、「そこまでしなくとも、静観しておこう。そのうち収まるだろう。下手に騒がない方が利益だ」とした態度で望む。

いずれが正しいかは、置かれた状況、風評被害の深刻度、経済的損失の側面から総合的に判断されるものである。

確かに、対外的に何らかの対策を行うことは、掲示板の書き込みの影響度合いを見て慎重にすべきである。かえって耳目を集めて、企業イメージを損なう可能性があるのも事実だからだ。

しかし一方で、不良品とするクレームが後日事実であったと認定された場合、静観せず、クレームを知った時点で説明責任を果たそうとした態度は、企業利益に合致した行動と受け取られる(後日、損害賠償請求など起こされた場合、有利な場合がある)。


クレーム原因の把握

クレームの原因が何なのか調べていくことで、新たな事実を発見する場合がある。

顧客が不良品とする問題を本当に抱えているのであれば、会社のサポート窓口に電話をしてくるはずである。

もしかしたら、以前電話をかけてきたことがあるのかもしれない。その時、窓口の対応がおろそかだったり、話がすれ違ったりしたことに不満を抱き、掲示板に匿名でクレームを書き込むという結果になったのかもしれない。

とすれば、会社に非があるのかもしれず、クレームには誠実に対応する態度が求められる。掲示板に書き込まれた日付を頼りに、前後の期間、会社にクレームの電話がなかったかどうか調べ、メールのアクセスログを調査し、該当する情報発信者がいないかどうか把握する。把握できれば当時対応した窓口の社員から事情聴取して、採るべき対策を立てる。


万一を想定した検査

並行して製品の検査担当部局にすぐ連絡をして、掲示板に書き込まれた内容に沿って、製品のテスト、再検査を行う。

しかしここで問題が発生することに気付く。サポート窓口に連絡があれば、使用状況などから何をテストすればよいか把握が可能である。しかしながら匿名で書かれた掲示板の内容からだけでは、十分なテストも行えないのだ。これについて一つの方法は、自社のホームページなどで告知し、積極的に多くの情報提供を呼びかけることである。


特別なケース

このほか、これはめったにないことだが、担当者ないし担当部局がクレーム発覚を恐れて、意図的に隠蔽しようとした結果、「告発」にいたったケースもある。

これはまったく違った話になる。一般にいうところの「クレーム隠し」である。信用毀損、風評被害でなく、早急な製品回収、修理、謝罪をする事案である。クレームへの対応は、このあたりの可能性まで視野に入れて、対応することが求められる。


【最後に】

小生が主宰するNIS研究会に寄せられる相談も、様々である。相談者の立場に立ってアドバイスするよう心がけているが、一方的に自分を被害者と決め付けて、何とかできないかと相談してくる方も少なからずいる。事実関係や背景を調べていくと、何とかしてほしい掲示板(相談者にとっては社会から葬り去ってほしい掲示板)自体が、ユーザー同士のクチコミサイトなどであり、糾弾されている相談者の会社の側に問題があるのではないかと思う場合も少なくない。

よほどのことがない限り、単に掲示板に書かれたことをもって、直ちに法的手段を講じるのは逆効果になる場合が多い。客は消費社会の一個人であり、法的な手段の行使は企業側の弱者いじめと映り、分が悪い。したがって極力避けるべきである。

但し、断固戦わなければならない場合もあろう。

詳細の対応方法についてはここで書くには限界があるので、詳しくは拙著「ネット(攻撃・クレーム・中傷)の傾向と即決対策」(明日香出版社)を参照されたい。


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■田淵 義朗(たぶち よしろう)

1980年 (中央大学法学部法律学科卒)大手メディア関連企業(出版、ソフトウエア、映画)でコンテンツビジネスを長く経験する。

2003年 ネット情報セキュリティ研究会(NIS)設立。企業の情報リスクマネジメントについて、形にとらわれない現場での経験を踏まえたわかりやすい語り口が好評。

2004年より東洋学園大学国際コミュニケーション学科講師。政府関連、地方自治体、経済団体、大学などで、講演多数。朝日新聞、毎日新聞、週刊アエラのコメンテータ。

日経BP社SmallBizに「どうする?IT時代の人事管理」を2年近く連載。

NPO学校法人経理研究会「田淵のわかる!情報セキュリティ講座」執筆連載中。

著書に「インターネット時代の就業規則」 「ネット(攻撃・クレーム・中傷)傾向と即決対策」(明日香出版社)がある。

プライバシーマーク取得支援、ISMS構築支援にとどまらず、企業広報(掲示板書き込みや違法メール、ネット上の顧客クレーム対策)および企業総務・人事(時代にあった就業規則、業務管理規定の作成支援)まで、企業の抱える情報リスク全般のコンサルタントとして、企業の相談にのっている。

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