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【御用メディアをバッサリ&本人ブログを始めたとか】『華氏911』大興奮の公開第1週【マイケル=ムーア日本語サイト】
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/602.html
投稿者 転載バカボン 日時 2004 年 7 月 14 日 02:13:41:kkVgFyCLlyr/.
 

http://www.michaelmoorejapan.com/
『華氏911』大興奮の公開第1週

2004年7月4日(日曜日)

友人のみなさん

 どこから話を始めよう? この1週間、ぼくは仰天しまくりだった。『華氏911』が全米NO1の映画になり、ドキュメンタリー映画史上最高の興行成績をあげたのだ。もう頭がクラクラしちゃってる。8週間前には配給元を失ったんじゃなかったっけ? ブッシュの首席顧問カール・ローブは妨害工作に失敗したのか? ブッシュは荷物をまとめはじめてるのかい?

 先週はメディアの映画部門から毎日新しいニュースが届いた。1つのショックを乗り越えきらないうちに、また次のが頭にガツンときた。
「公開当初の週末に『華氏911』を見た人の数は、9カ月間に『ボウリング・フォー・コロンバイン』を見た人の数より多かった」
「『華氏911』は、上映館が1000館未満の映画が最初の週末にあげた興行収入で、『ロッキー3』が保持していた最高記録を破った」
「『華氏911』は、公開当初の週末の興行収入で『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』を抜いた。
「『華氏911』は、全米公開映画の1館あたりの観客数で、たちまち史上第2位に」

 映画を見てくれた人たちにどうお礼をいったらいいだろう? ほんとに頭がぶっ飛びそうな記録だ。これらのニュースはハリウッドに――そしてもっと大事なことは、ホワイトハウスに――激震を走らせたのだ。

 でも、まだそれでは終わらなかった。映画への反響はミステリー・ゾーンに突入したのだ。先週の日曜日、テレビのチャンネルを渡り歩いていると、〈フォックス・ニューズ〉が何百万人もの視聴者を持つNASCAR自動車レースの中継をやっていたが――突然、アナウンサーたちが、何度も優勝しているデイル・アーンハート・ジュニアが前日の夜にチームを連れて『華氏911』を見にいったという話題を持ちだしたのだ。〈フォックス〉のスポーツキャスター、クリス・マイヤーズは、アーンハート・ジュニアが述べた感想を視聴者に伝えた。「彼はこういいましたよ。政治的立場がどうあれ、あの映画は連帯感を高めるのにいいよ。アメリカ人があれを見るのはいいことだ、とね」おーっと! NASCARファンの諸君、ジョージ・ブッシュの陣地に深く攻めこむのはきみたちかもね! ホワイトハウス御用達の引越し屋さん――トラックのエンジンをかけてくれ!

 さらに〈フォックス・ニューズ・チャンネル〉のロジャー・フリードマンが、映画を絶賛して、「本当にすばらしい作品で、どの政党のメンバーも絶対に見るべきだ」といった。《ビレッジ・ボイス》誌のリチャード・ゴールドスタインはこう推理する。〈フォックス〉のオーナー、ルパート・マードックは、すでにブッシュを敗者と見て、新政権に色目を使っているのかもしれない、と。真偽のほどはわからないけど、ぼくが〈フォックス〉から好意的なお言葉をいただくのは、これが初めてなんだ。次はショーン・ハニティ(訳注)からラブレターが来たりしてね。
(訳注)〈フォックス〉の保守的なパーソナリティ。

『デイビッド・レターマン・ショー』でやってた、「『華氏911』についてジョージ・W・ブッシュが抱いた不満、トップ10」なんてのも読んでみます?

10. あの大統領役の役者はぜんぜん大統領らしく見えないな。
9. わたしが大統領選で票を盗んだ方法を単純化しすぎてるぞ。
8. アタマのいい大学生が使うような言葉が多すぎるよ。
7. あと何カ月か待てば、わたしがムーアを国外追放にする話を入れられたのに。
6. 煙草を吸いながら、指を鼻のわきにあてて、やーいと人をバカにするサルが出てこなかった。
5. マイケル・ムーアの主張で正しいのは97%だけだ。
4. でも自信ないな……途中でポップコーンが喉に詰まって気絶しちゃったから。
3. スパイダーマンはどこに出てたんだよ?
2. チェイニーがそばで口汚く罵るから、映画の音声はほとんど聞こえなかったよ。
1. ドッジボールの映画だと思ってたのにな。
(訳注)6は子供向けアニメによくあるシーンがないということで、たぶん特定の猿のことではない。1はいまアメリカでヒットしている映画『ドッジボール』に引っかけている。

 でも、ぼくが本当にブッとんじまったのは、全米の映画館からの反響や報告を聞いたせいだ。劇場の支配人が次々に電話をくれて、クレジット・ロールでスタンディング・オベーションが起きたといった――ノース・カロライナ州グリーンズボロやオクラホマ・シティなどだ――それと、映画が終わったあとの客出しに苦労しているとも。観客はしびれたように動けないか、座席についたままほかの観客といま見た映画について話し合おうとしたっていうんだ。コネティカット州トランブルでは、映画が終わったあと、1人の女性が椅子の上に立ちあがって、「集会を開きましょう!」と叫んだ。サンフランシスコのある男性は、ラストでブッシュが登場したとき、靴を脱いでスクリーンに投げつけた。タルサのある教会の女性信徒グループは映画を見にいき、見終わったあとで泣いた。

 この最後のグループは、公開前に物知り顔の評論家たちがした予測をくつがえしてしまった。評論家たちは、『華氏911』を見にいくのは一部の熱心な「聖歌隊」だけだといったのだ。保守的な深南部や中西部の劇場も、観客数の自己記録を更新した。そう、イリノイ州ピオリア(訳注)でも満員札止めだった。テキサスのラボックでも。アラスカのアンカレッジでも!
(訳注)そこの住民は平均的なアメリカ人だと昔からいわれている地方都市。

 新聞が次々と信じられないといった調子で伝えたのは、「無党派」や「共和党支持者」を自称する人たちが、感動の涙を流しながら映画館を出てきて、ジョージ・W・ブッシュに投票することは良心が許さないと宣言する姿だった。《ニューヨーク・タイムズ》紙は、フロリダ州ペンサコラに住む、共和党支持の保守的な20代の女性の言葉を伝えている。この女性は映画を見ながら泣き、あとで記者にこう語ったのだ。「この映画を見て、大統領に対する疑問がわいてきました……大統領の本当の目的について疑問がわいてきました……」

《ニューズデイ》紙は自称「熱烈なブッシュ/チェイニー支持者」のコメントを紹介した。この男性はロング・アイランドで映画を見たあとで冷静にこう述べた。「この映画はいま起きていることについて、立ちどまって考えてみる機会を与えてくれました。ブッシュの政策は多くの点で……評価の切り下げが必要ですね」この男性は映画の前売り券をさらに3枚買ったという。

《ロサンゼルス・タイムズ》紙は、「(ブッシュを)熱烈に支持した」母親の話をリポートしている。この母親はミズーリ州デペーアで映画を見た。「マイケル・ムーアの『華氏911』を見て出てきたレズリー・ハンサーは、目を涙で濡らして、やっと理解できたと語った……。この気持ちをどういったらいいか……≠とは両手を振って内心の混乱を示した。わたしたちはいままで真実の全体を見ていなかった気がします=v

 これらの報道は、月曜日の朝に仕事を始めたホワイトハウスにとって、最悪のニュースだったに違いない。たぶん呆然としてしまったせいで、予定より2日も前に、イラクに主権を「移譲」しちゃったんだ!

 何人ものニュース編集者の話では、彼らはホワイトハウスから(つまり、カール・ローブから)Eメールと電話で「爆撃された」という。ホワイトハウスは映画とぼくを攻撃することで、この修羅場を切り抜けようとしているのだ。ブッシュの広報担当補佐官ダン・バートレットはホワイトハウスの記者団に、この映画が述べていることは「言語道断の誤り」だといった――ただし映画は見ていないけど、とつけ加えて。バートレットはあとで〈CNN〉に「これは実際に見なくても事実の誤りに満ちていることがわかる映画なのです」と述べた。少なくとも連中の発想は首尾一貫しているようだ。大量破壊兵器を1つも見てなくても、アメリカの若者たちを死地に追いやっていいと考えたのだから。

 多くの報道番組がこのホワイトハウスの宣伝をホイホイ信じた。『華氏911』が批判したのは要するにそのこと――怠け者で従順なメディアが、イラクに侵攻する必要があるとするブッシュ政権の嘘を鵜呑みにしてしまったことなのだ。メディアはホワイトハウスが出してくれる甘ったるい飲み物で満足して、戦争が始まる前にしておくべき厳しい質問をほとんどしなかった。

 映画は主要メディアが本来の仕事を怠ってブッシュ政権の片棒をかついだことを「暴いた」――というか、彼らがまるでスポーツの応援みたいに戦地におもむく部隊に声援を送りつづけた、あの恥ずかしい振る舞いを忘れられる人がいるだろうか?――で、それを「暴いた」からこそ、メディアは大きな文化的現象になりかけている映画を作ったぼくを許そうとしない。テレビ番組は次々にぼくを批判した。その執拗さを、ぼくたちにとって脅威ではなかった主権国家に侵攻する必要があると嘘をついた連中に向けてほしかったものだ。高給とりの有名ジャーナリストたちがそんな態度に出るのも無理はない――映画の中で、彼らはマヌケなおべっか使いにしか見えないから、ぼくに思いきり腹を立てているのだ。『華氏911』を見たNASCARファンは、〈ABC〉や〈NBC〉や〈CBS〉のニュースを二度と信じなくなるんじゃないだろうか?

 先月にぼくがやったメディアとの攻防戦については、来週あたりに報告しよう(それから、映画でとりあげた事実についての詳しいFAQコーナーも作るつもりなので、保守的な義兄とカンカンガクガクの議論をするときに役立ててください!)。とりあえずいまは、『華氏911』で提示したことはどれも紛れもない事実だということをいっておきたい。この映画は、たぶん現代のドキュメンタリー映画で最も入念な調査と検証を行なった作品だろうと思う。弁護士や元《ニューヨーカー》誌の辣腕校閲者のチーム3つを含めて、10数人が、間違いのないよう細かくチェックした。あれはほんとじゃない、これは嘘だなんて、誰にもいわせないでほしい。そんなことをいう人は嘘をついているのだ。映画で示される「意見」はぼく個人の意見で、反対する権利は誰にもある。反駁の余地のない事実にもとづいて提示するさまざまな疑問も、ぼく個人が抱いた疑問だ。ぼくにはそれらの疑問を投げかける権利がある。答えが得られるまで、ぼくは問いつづけるつもりだ。

 最後に、一番励ましになる反応は、兵士たちとその家族からの反響だったことをお伝えしておきたい。軍隊色の強い町の映画館も満員だという報告が国中から届いてきた。兵士たちは真実を知っているのだ。自分の目で直接見ているからだ。彼らの多くが、本当に自分たちの側に立った映画ができたことに信じられない思いを抱いている――兵士たちの側に立つとは、彼らを生きて国に帰し、本当に最後の手段として必要にならない限り、2度と危険な土地へは送らないという立場に立つことだ。どうかこの、ノース・カロライナ州フェイエットビルの新聞に載ったすばらしい記事を読んでいただきたい(http://www.michaelmoore.com/words/latestnews/mikeinthenews/index.php?id=56)。フェイエットビルは近くにフォート・ブラッグ基地がある町だ。ぼくはこの記事を読んで、胸が張り裂ける思いを味わった。いくつもの軍人家族と、ある陸軍歩兵の妻が、公然とぼくの映画を支持している――そのことでぼくは、これからもできるだけ多くのアメリカ人に映画を見てもらおうと決意を固めたのだ。

 みなさん、ご支援ありがとう。ぼくたちは一緒に歴史に残るようなことをしたのだ。『ジェダイの復讐(リターン・オブ・ザ・ジェダイ)』が好きなみなさん、ごめんなさい。11月には『テキサス人のクロフォード帰還(リターン・オブ・ザ・テクサン・トゥ・クロフォード)』(訳注)をプロデュースして、償いをしたいと思う。
(訳注)クロフォードにはブッシュ大統領の私邸である農場がある。

 茶番政権はまだ続く。でも、もう少しの辛抱だ。

マイケル・ムーア
http://www.michaelmoore.com
mmflint@aol.com

PS. 国中の人が劇場での経験を語ったり、映画の感想を書いてくれたりしている手紙は、ここで読める(http://www.michaelmoore.com/words/latestnews/breakingnews/index.php?id=55)。

PPS.それと今度、ブログ(ウェブ日記)を始めることになった! 今夜からだ! どうかチェックしてほしい。

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