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商品生産社会の矛盾の止揚のその向こうにあるもの
http://www.asyura2.com/0411/dispute20/msg/946.html
投稿者 ジャン 日時 2005 年 4 月 24 日 22:19:13: tV9DFzLB7Zpg6
 

(回答先: 共同的生産手段で労働する事 投稿者 ワヤクチャ 日時 2005 年 4 月 23 日 18:43:52)

いろいろと、書いていただきましたが、1日2投稿くらいしか書けないもので・・かためて書きますと・・

まず、労働力が生産手段だといわれて、まあ、そういう考え方もあるかもしれないけど、ちょっと変かな。それと、どこまでいっても商品生産は残るようですが、そのあたり、社会主義より反官僚主義が前面に出すぎた結果、そういう把握なのかなという気がします。

以前に紹介したサイトからの引用ばかりで申し訳ないですが・・・
どうも、ワヤクチャさんのいっておられるマルクスのその一節については、下の説明のほうが、私には正しいように思えます。

「・・・生産物が商品の形態をとる社会では、人間労働は、それ自体として直接に社会的な労働の支出という形態をとらず、無自覚な形で支出されているということでした。
 しかし、このことは他面からみると労働がすでに社会的な性格をもっていること、商品の生産そのものが他人の欲望を充足させるものとして、交換を目的として、なされていることを明らかにしています。社会主義とは、こうした商品生産の社会における労働の社会的性格を徹底的に全面的に承認し、人間の意識的な統制のもとに生産をおしすすめる社会のことです。商品生産社会では、人間関係が商品というモノの関係を通してあらわれるという特徴をもちますが、社会主義社会では人間の意識的な統制のもとに個々人の労働は直接に社会的な総労働の一環にくみこまれ、人間関係はモノを媒介することなく直接に明らかになっています。
 従って、社会主義は商品生産社会の中で発展してきた労働の社会的性格を否定するのでなく、社会的労働が商品の形態、価値という対象化された形態をとることを否定することになります。
 マルクスの「資本論」は、この辺の事情を第一章の第四節で説明しています。すなわち「自由な人間の一つの協同体」=社会主義社会について次のように述べています。
 「人々は、共同の生産手段をもって労働し、彼らの多くの個人的労働力を、意識して一つの社会的労働力として支出する。ロビンソンの労働の一切がここでくり返される。ただ、個人的であるかわりに社会的であることがちがっている」。
 ここにいうロビンソンとは例の孤島にたどりついた人間のことで、彼は自分の欲望を充足させるために、道具をつくり、家具を製造し、猟をしたりします。彼は生きるためにいろいろな生産的労働をしますが、彼にとってそれらは人間労働の支出にすぎないことを知っています。必要が彼の労働時間の配分を決定します。ここでは個々の労働が彼の総労働の中でどんな位置を占めているかは、全く明白です。
 この同じ原理が、社会主義社会では個人的でなく社会的な形で実行されるのです。ロビンソンの場合に、すべての生産物はもっぱら彼の個人的生産物でしたが、社会主義社会では、一つの社会的総生産物となります。この生産物の一部は社会的再生産のために、他の部分は成員に分配され消費されます。ここでは、社会全体の見地から――その社会の必要性に従って、総労働時間は計画的に配分され、個々人は自分が支出した労働時間から、社会的生産等に必要な部分をとり除いた部分を受けとります。
 それは、ある意味で「価値規定」の内容を引きついでいます。つまり、等価物交換(社会的に必要な労働時間の長さが同じ)の原則が貫かれているのですが、しかし事情は一変しています。なぜなら、個々人の労働時間は社会全体の総労働時間の一部であること、生産物が商品(価値物の)形態をとる必然性は何一つないからです。
 「労働時間の社会的に計画的な分配は、各種の労働機能が各種の欲望にたいして、正しい比例をとるように規制する。他方において、労働時間は、同時に生産者の共同労働に対する、したがってまた共同生産物の個人的に費消されるべき部分に対する、個人的参加分の尺度として役立つ。人々の労働とその労働生産物とにたいする社会的な連結は、このばあい生産においても分配においても簡単明瞭であることに変りない」。
 だから、社会主義では人間と労働、労働生産物に対する関係は、明瞭であり、生産物が価値物といった形態をとる必然性は全くありません。スターリンがかつて言い出したように「社会主義社会では、価値法則を利用する」などという主張は、全くの誤りであるのです。

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