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「解体屋」である産業再生機構を支持するのが、古典派の竹中と、その同類である朝日だ。
http://www.asyura2.com/0411/hasan37/msg/825.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 11 月 28 日 15:41:42:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu83.htm
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ミサワホーム再生機構に支援要請へ UFJ銀と最終調整
大震災に備えて老朽化した住宅の建替が望まれる


2004年11月28日 日曜日

◆<ミサワホーム>再生機構に支援要請へ UFJ銀と最終調整
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041127-00000040-mai-bus_all

UFJ銀行の大口融資先で経営再建中の大手住宅メーカー、ミサワホームホールディングス(HD)が、年内にも産業再生機構に支援要請する方向で、UFJ銀と最終調整に入ったことが27日、分かった。傘下に住宅部門を抱えるトヨタ自動車がスポンサーの有力候補とみられている。

 UFJ銀の大口融資先では、ダイエーと大京が再生機構に支援要請し、双日ホールディングスなどが金融支援と低採算事業撤退などの再建策をまとめている。ミサワホームHDの再生機構活用が決まれば、UFJの大口融資先の再生問題はほぼ決着する。

 ミサワホームは積極的なM&A(企業の合併・買収)による拡大路線で業容を拡大してきたが、バブル崩壊で巨額の有利子負債が重荷になり、経営が悪化。01、03年度にUFJ銀から債務免除などで約1700億円の金融支援を受けた。今年3月末時点の有利子負債は約3000億円。より抜本的な再建を目指してトヨタホームを傘下に持つトヨタ自動車からの出資を模索していた。

 しかし昨年末まで約32年間にわたり社長を務めた創業者の三沢千代治氏がトヨタからの支援受け入れに反発し、独自の再建策を模索するなどしていたため、同氏の影響を排し、より透明性の高い再建を図るため、再生機構活用に傾いた。

 UFJ銀は現時点で「ミサワホームに、再生機構活用を要請した事実はない」としている。
 ミサワホームは、67年に三沢氏が設立。プレハブ住宅販売などで急成長した。しかし、経営不振の責任を取って、03年12月に三沢氏が社長を辞任した。03年8月、株式移転により、持ち株会社ミサワホームホールディングスを設立した。
(毎日新聞) - 11月27日14時39分更新

◆「産業再生機構」について ニュースと感想 (11月28日)
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm

 ミサワホームの経営再建に産業再生機構が関与するという。民間だけではうまくまとまらないようなので産業再生機構に頼りたいという銀行の意向が働いてるらしい。(読売・朝刊・1面 2004-11-27 )

 こういう記事を見ると、「産業再生機構もちょっとは役立つかな」と思う人もいるだろう。そして、その通りだとすれば、「民間企業だけでは経済はうまく回らないから、経済には国の関与が必要だ」という社会主義的な発想となる。で、「少なくとも経営破綻した企業の再建には、国の関与が必要だ」というふうな意見が出てきそうだ。

 私の判断は? なるほど、そういう面があることはある。ただしそれは、市場原理の中で、「国という新たな強力な参加者が出た分、市場原理の働きが強化された」という程度のことにすぎない。本質的ではない。

 本質は何か? 「不況のときには市場原理はまともに働かない」ということだ。このことを認識することが大切だ。とすれば、なすべきことは、「民間だけでは市場原理がうまく働かないから、そこに国も参加するべきだ」ということではなくて、「市場原理がまともに働いていない不況という状況自体を解決する」ということだ。ミクロの強化ではなくて、マクロの改善だ。

◆産業再生機構がやると、どうなる? ニュースと感想 (10月15日)

カネボウを見るとわかる。バラバラにして、切り売りするだけ。「再生機構」というのは、「再生」するのではなくて、「解体」するだけなのだ。

 仮に、「再生」するのであれば、再生する能力をもつ組織が担当する必要がある。それは、再生機構ではなくて、民間の企業である。で、再生機構は、その能力がないから、単に解体して切り売りすることしかできない。

 で、解体される方(ダイエー)は、「解体されないで売られたい」と望むのだが、再生機構というのは、それを嫌がる。どうしても自分が「解体」という仕事をしたい。解体だけをやって、「素晴らしい業績を上げました」と称賛されたい。……その対立が、今回の騒動だ。

 ともあれ、カネボウの例では、再生機構は、再生能力のある花王による買収を拒否して、自分たちで解体作業をやった。そのせいで、カネボウは、どんどん非効率な状況に転化していった。( → 5月18日 ) かくて、誰もがみんな悲しんだが、再生機構と銀行だけは喜んだ。

こういう「解体屋」である産業再生機構を支持するのが、古典派の竹中と、その同類である朝日だ。
 朝日は、「企業を解体すれば効率が良くなる」なんていう非論理を、13日・14日の社説で堂々と述べている。「非効率な部分を削除すれば、残りは効率的になる」という、排除の論理。

 呆れるね。それが成立するなら、日本の赤字企業のほとんどを倒産させれば、日本は全体的に効率が向上する、ということになる。不況解決ならぬ、不況悪化を望むわけ。「創造的破壊」という名の、狂気の暗黒政策。……ま、古典派の特徴だが。マクロ経済学音痴。( → 次項。)

◆「古典派とマクロ」について ニュースと感想 (10月15日)

 古典派には、マクロ的な発想がない。── このことを理解するには、ダイエー再建の問題が、格好の例となる。
 古典派の発想は、こうだ。

 「市場原理で最適化する」という原理に基づいて、「優勝劣敗・劣者退場による質的向上」を主張する。「市場で生きる力のない企業を無理やり延命させれば、長い目で見て日本経済にマイナスになる」(朝日・社説・2004-10-14 )と考えて、「ダイエーは劣悪な企業だ。市場で生きる力はない」と結論する。あげく、「ダイエーを解体するべし。そして、食品部門だけを残して、他の部門を売却すれば、黒字部門が残り、赤字部門が消える。ゆえに、質的向上を果たす」と処方する。

 結局、まとめて言えば、次のように言える。
  ・古典派経済学者 …… 風邪を引いた人を殺すべし、と結論する。
  ・ マクロ経済学者 …… 風邪を引いた人を治療すべし、と結論する。
 そして、ダイエー再建もまた、同様である。

 古典派経済学者の処方はこうだ。「風邪を引いたダイエーを(あるいは経営悪化した多くの企業すべてを)、さっさと殺してしまえ。そのために莫大な国費投入はやむを得ない」 → 結果的に、莫大なコストをかけて、日本経済を破壊する。

 マクロ経済学者の処方はこうだ。「責任は無為無策の政府にある。景気が回復すれば、ダイエーは自力で再建できる(あるいは民間で処理できる)。だから、ダイエーを生かすか殺すかではなく、日本経済を健全化せよ。ダイエーのためには、莫大な国費投入は必要ない」 → 結果的に、コストなしでダイエー問題は片付く。


(私のコメント)
ミサワホームの産業再生機構で再建がなされるようだ。プレハブ住宅の老舗メーカーですが、バブル期のM&Aやゴルフ場建設などの過大投資が裏目になり、銀行などから二度にわたる金融支援にもかかわらず、自立再建はならなかったようだ。今から思えば堅実に本業に徹していればということですが、バブル以前において経営の拡大を目指さないという事は考えられなかった。

ミサワホームは私とは浅からぬ縁があり、千葉に建てた超豪華マンションはミサワホームに建ててもらったものだ。建てて20年近くになりますが建物本体は新築時と変わらぬ外観を保っている。むしろ換気扇や湯沸かし器やスチール製の玄関ドアを換えたりして設備の傷みのほうが激しい。内装もリフォームして新築時と変わらない。地震などもありましたが建物は全く傷まなかった。

このようにプレハブ住宅は耐震性や耐火性に優れて、耐久性も良い。戦後間もないころ建てられた木造住宅は神戸大震災や中越地震に見られるように、耐震性がない。火災事故などを見てもプレハブ住宅は中は燃えても建物自体は残り、延焼もしない。だから老朽化した住宅の建て替えが望まれていますが、低金利にもかかわらず立替が進んでいないのは景気がおかしいからだ。

政府では恒久減税の廃止などが答申されましたが、これでは景気の回復は先送りにされるだろう。小泉・竹中内閣は一貫して財政再建路線をとり、何もしないことが経済政策と言っているくらいだから、積極的な景気回復政策は望めない。最近の景気は輸出産業が中国景気で良いようですが、これもいつまで持つかわからない。もし積極的な景気対策がとられていれば景気はもっと浮揚していたはずだ。

小泉・竹中内閣は不良債権を早期に処理させることを最優先にしてきた。しかしこの方法はリチャード・クー氏が指摘するように、金利が最低水準に落ち込んでいる以上、するべきことは財政政策なのだ。むしろ銀行の不良債権処理は急ぐべきでなく、景気の回復で処理していくのが正しいやり方だ。そのほうが国の負担も少なくて済んだはずだ。

小泉首相が財政再建を言えば言うほど円は高くなる一方であり、むしろ市場が望んでいるのは財政再建よりも財政出動なのだ。竹中大臣一派もマクロ経済がわかる人はいなくて、ダメな企業は潰せといい続けている。ダメな企業は景気の良いときでも潰れるし、良い企業でも国の政策が悪ければ潰される。これは本末転倒した議論である。

例えば米の豊作か不作かで、不作だったら消費者を殺して米の生産に合わせればバランスするという議論だ。まさにカンボジアのポルポト政権と同じ事をやっている。北朝鮮の金正日も95年の不作で300万人を餓死させた。米が不作なら借金して海外から米を輸入するのが正しいやり方なのに、日本のエコノミストやマスコミは財政再建、不良債権早期処理ばかり言っている。

マクロ経済学から言えば今しなければならないことは、需要の増大政策であり、そのためには政府の財政出動と国民の可処分所得の増大政策だ。そのためには減税と消費税の廃止と年金の負担減が望まれる。このようにマクロ経済的には総合的なバランスをとって長期的な見通しの下に政策を立てるべきだ。国民所得が増えていないのに増税すれば、それだけ消費が減って税収も落ち込む。マクロ経済がわかっていないからだ。

中越地震を見ればわかるとおり、老朽化した木造住宅は防災的見地から、国が補助金を出してでも立て替えさせれば良い。住宅メーカーは儲かるしそれに伴う家具や家電製品も売れるだろう。まさに一石二鳥の政策なのですが小泉内閣ではそのような政策は無理だろう。日本政府はカンボジアや北朝鮮と大して変わらないようだ。


ミサワホーム建築の千葉の私のアパートより海を望んだ所

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