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ネオリベラリズムと竹中平蔵:自由競争原理と経済格差 財・資源の分配機能の全てを市場経済に委ねてはならない
http://www.asyura2.com/0411/hasan38/msg/861.html
投稿者 TORA 日時 2005 年 2 月 12 日 16:22:05: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu88.htm
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ネオリベラリズムと竹中平蔵:自由競争原理と経済格差
財・資源の分配機能の全てを市場経済に委ねてはならない

2005年2月12日 土曜日

◆ネオリベラリズムと竹中平蔵:自由競争原理と経済格差 考える脳髄プラスα
http://d.hatena.ne.jp/cosmo_sophy/20041127

経済成長を最大の目的とし、市場原理と自由競争に基づく市場経済のメカニズムに信頼を寄せるネオリベラリズムは、経済的自由を最大限に尊重します。
経済的成功者でない人たちの抱くネオリベラリズムの大きな問題点や不信の一つと考えられるのは、経済成長と自己責任を過度に強調する事で弱肉強食型の社会モデル*1を正当化する恐れがある事です。

現在の日本の小泉政権の経済政策のブレーンである竹中平蔵氏は、日本を代表する新自由主義の経済学者です。アメリカ型の市場原理主義のグローバリズムを肯定するネオリベラリズム(新自由主義)の流れを汲み、市場経済システムを万能視して、政府の市場への介入を辞める構造改革のヴィジョンを持っています。

それは、政治的権力による財の再分配である『福祉政策・社会保障・公的投資(公共事業)・公的年金・医療介護・公的教育』を最小限にして夜警国家的な『小さな政府』*2を志向するものです。

緊縮財政、社会保障の縮小、国公立大学の行政法人化、医療介護等の自己責任の明確化などを特徴としますが、こういったネオリベラリズムの隆盛は、財政を逼迫させ、個人の生活維持の自己責任を曖昧化させる福祉国家的リベラリズムへの反動として起こりました。

その正当化の論拠は、リベラリズム政権の元では、財の再分配である社会保障制度にただ乗りして働かない怠惰で無責任なフリーライダーが増加し、勤勉で責任感のある経済的成功者ばかりが高い税金を支払って社会保障を維持するのは不公正であり、モラルハザード(倫理観の欠如)につながるのではないかというものです。

世界経済のグローバリゼーションの結果として構造的な貧困層が固定化する恐れがある場合に『経済格差の容認』をするのか否かは政治思想の立場を超えて考えなければならない問題ですが、国内経済のグローバリゼーションの結果生じる『構造的な富裕層と貧困層の固定化』に対して特別な再分配による政策的措置を講じなくて良いとする立場に竹中平蔵氏はあるようです。

そのネオリベラリズムの思想の現れは、竹中氏の税制改革の姿勢にも現れていて、彼は所得の増加に従って納税率を上げる現在実施されている累進課税制や財産を目減りさせ結果として経済格差を緩和する相続税*3にはいたく批判的で否定的です。

つまり、俗に言う“金持ち優遇税制”である所得の大小に関係ない累進度の低い税制に移行しようとしていて、理想的な税制としてフラットな人頭税(収入に関係なく、個人に一律に課税する税金)を意図しているようです。

所得税等の直接税から消費税等の間接税などへの税源移行もどちらかといえば高額所得者に有利な税制で、食品・衣服・日常雑貨・医薬品など生活必需品と趣味、嗜好によって変わるあってもなくてもよい娯楽品との間に税率の格差をつけることも余り考慮していないようですね。

日本の新自由主義は、構造改革進行の途中にあり未だ不完全なもので、小泉政権の経済政策には矛盾や言行不一致*4が多いのも事実ですが、基本的な路線として経済的社会的弱者には厳しい『自己責任を貫徹する強い個人』を想定した政治です。

財の再分配によって貧富の格差の緩和を行わない新自由主義は『強い個人』観に立ち、財の再分配によって貧富の格差を是正する福祉国家的リベラリズムは『弱い個人』観に立っていると言えるでしょう。

『結果の平等』は間違っているが、『機会の平等』は促進すべきだという意見は一般的なものですが、教育や医療、介護などの分野では機会と結果を完全に切り離して考える事が出来ない所にアポリアがあります。経済的に厳しい家庭であれば、その子どもの資質や能力とは無関係の部分で、高い教育を受ける機会を掴むチャンスを逸したり、予備校や塾といった補助的教育機会において格差が生まれてきます。

小泉政権及び竹中平蔵氏が構造改革を妨害して不良債権処理を遅滞させる『日本型経済システムの短所・欠点』として取り上げている『政府による経済活動の規制・特定産業の保護・護送船団方式・横並び体質』は、過度な結果の平等主義や公平性の要求に繋がると確かに民間経済を圧迫し活力を落とす原因にもなるかと思いますが、公的部門の肥大化や非効率を改善する事と経済的弱者を切り捨てる事を同列に考える必要もないと思います。

新自由主義では民間の資本・労働・環境・土地を最大限に効率的に有効利用する事を考え、それを最大限に有効に利用する手段として市場メカニズムを考えます。ただ、その思想の欠落は、資源の最適配分までもが市場によって実現すると盲信してしまうところにあるのではないかと思います。アダム・スミスが想定したような『神の見えざる手』は市場経済には存在していない事は、経済の歴史の過程を見れば明らかでしょう。

肥大化して無駄遣いの多い公的部門の経費削減とスリム化の必要性は感じますが、財・資源の分配機能の全てを市場経済に委ねる事には否定的です。

私はそういった意味では、自由経済化で経済や民生がガタガタになってしまった中南米の実情などを踏まえ、最低限の文化的生活を保障する程度の再分配を行うヨーロッパ型の成熟社会や社会民主主義を参考にする必要を感じます。

しかし、古典派の自由放任主義から政府介入型の有効需要創出のケインズを経て、またまたハイエク、フリードーマンなんかが旗手となり今人気のクルーグマンなども唱えるネオリベラリズム的経済学が主流になっているのは興味深いですね。

ヨーロッパの場合には、社会権の伝統があるので、国民が経済的・文化的に最低限の生活を国家によって保障されるべきだとする考えが根強くあり、伝統的なカトリシズムとも相まって、それが北欧型の高負担・高給付の福祉社会につながり、劇的な成長や進歩を望むのではなく安定した循環型社会を理想としているのでしょう。

伝統的なカトリシズムというのは、キリスト教民主主義とも呼ばれ社会民主主義の普及と深い関係があるとされています。その二つの思想信仰の潮流がアメリカ型の新自由主義(ネオリベラリズム)の強硬な対立軸を作ったと言えます。

また、政府と市民個々人が参加する利益団体との間で利害調整を行いながら政策形成を進めていくヨーロッパの伝統的なコーポラティズムも多数決ではなく交渉対話(ダイアログ)を重視するという意味で社会民主主義に大きな位置付けを得ています。

新自由主義を語るには、サッチャーやレーガン、中曽根などの政治理念とその帰結を考えたり、ネオリベラリズムが中南米の人々の生活にどのような影響を与えたのかを調べる必要がありますが、また時間のある時に考えたい問題です。

もっと大きな地球規模の視点では、市場経済システムの問題は、環境問題やエネルギー問題、資源枯渇問題として長期的観点をもって臨まなければならないでしょう。

◆「米国・市場原理主義」に翻弄された90年代の意義 伊丹敬之
http://www.president.co.jp/pre/20040830/004.html

80年代に入ると、イギリスのサッチャー、アメリカのレーガンが指導者となり、小さい政府、市場に任せる経済を、スローガンに掲げ始める。いわば、戦後に行われた市場社会の「修正」をもとへ戻す作業を始めたのである。そうした市場原理主義的哲学が世界の流行となり始めたのである。
 この流れは、90年代に入るとますます加速した。ソ連邦の崩壊は二つの意味で、80年代の流れを正当化してしまったように見えた。一つは、市場経済原理の正しさの正当化。第二は、冷戦にアメリカが勝ったというアメリカの覇権の正当化。さらに市場社会修正版の二大国であったドイツと日本がそれぞれの理由で90年代に経済的に低迷したことも、「戦後の修正の否定」という反転の正当化に貢献してしまったのであろう。ドイツは90年の東西統合のコストの重みで、日本は91年のバブル崩壊のキャピタルロスの大きさの重みで、それぞれに長期的な低迷に入っていったのである。
 しかし、市場社会修正版からの反転を世界が始めたわずか10数年後の90年代の終わりからすでに、新しい流れが生まれてきたようである。市場原理主義の行き着く先の容赦ないグローバリゼーションへの世界的な反発である。イラク戦争に対する世界的な反発は、その象徴であろう。歴史の流れが早くも再反転しそうである。もちろん、社会主義の復活ではない。第三の道の模索である。
 日本の90年代は、大きく見れば修正資本主義の枠の中での模索の10年、と位置づけられる可能性がある。国内の悲観主義と金融システムの不安定性から解放された日本がさらに力強く第三の道を模索することは、世界史的にも意義のあることである。


(私のコメント)
連日ライブドアの会社乗っ取り騒動を書いてきましたが、市場原理主義が行くところまで行ってしまうと、会社が商品となり売買の対象となり、金のある資本家達が株式市場を思いのままに操作して、企業を次々と乗っ取ってしまうのは正常な資本主義ではない。さらにはライブドアの背後にはリーマン・ブラザーズが日本のメディア産業を乗っ取りを画策しているのではないかと言う疑いすらある。

ライブドアの堀江社長は自分は勝ち組と思い込んでいるようですが、リーマンの甘い囁きに乗ってニッポン放送の株の買占めに乗り出したのだろうか。こんな事を繰り返していたら日本の産業はみんなアメリカの国際金融資本に乗っ取られてしまうだろう。竹中平蔵はアメリカから送り込まれたエージェントであり、市場原理主義を日本に持ち込みハゲタカの動きやすいようにしている。

90年代はまさに共産主義に勝利してアメリカの市場原理主義が勝利したような錯覚に陥り、丁度日本のバブルの崩壊が同時に起きたのは偶然ではなく、まさに用が済んだ日本を料理しにかかって来たのだ。バブルの崩壊は日本経済に一千数百兆円もの損害をもたらしましたが、何とか踏みとどまって韓国や東南アジアのような全面的な外資の買占めに合わずに済んでいるが、堀江社長のような「なりすまし外人」が動き始めたのは危険な兆候だろう。

日本政府部内にも竹中平蔵のような日本人の顔をした「なりすまし外人」がいることが一番の問題であり、国会議員たちは何が起きているのかわからぬまま、竹中大臣のやりたい放題にさせている。小泉・竹中内閣に自民党の実力者も手が出せないのは、背後にアメリカ政府の目が光っているからであり、小泉首相に代わるべきライバルは次々と失脚させられた。

マレーシアのマハティールのような骨のある政治家がいれば、日本経済も素早く立て直すことが出来たはずだ。ところが日本ではマスコミが市場原理主義を賛美してアメリカのやり方をグローバルスタンダードと言いふらした。現在では誰もグローバルスタンダードと言う和製英語を使わなくなった。むしろアメリカ経済のほうが双子の赤字を抱えて先にパンクしそうになっている。

私はヨーロッパのような社会民主主義的なやり方の方が正しいと思って主張してきたし、日本に市場原理主義を持ち込めば日本企業そのものがおかしくなってしまう。ソフトバンクの孫社長やライブドアの堀江社長のような人物が出てきた事がその象徴なのでしょうが、このようなアメリカ的な経営者をマスコミは賞賛した。しかし彼らのやっている事を放置したら結果的にみんな外資に乗っ取られることになるだろう。

それで何が悪いと言う馬鹿なエコノミストもいるが、今の外資に乗っ取られた韓国経済を知らないからそんなことが言えるのだ。一部の勝ち組と大多数の負け組が出て社会的な不安が増大して政治が不安定になり、結局は中南米のようなアメリカに食い荒らされたような状態に陥ってゆく。

中南米のような国では一部の成功者が国内で再投資せずにアメリカに金を持っていってしまう。政治が不安定だからいつでもアメリカに亡命できるようにしているのだ。韓国でも金持ち達はアメリカやカナダへ移住できるようにしている。竹中大臣もいずれはアメリカに逃げ出すのだろう。私のような貧乏人の負け組はそんなことも出来ない。

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     \|  °ヽ   ° ヽ  L/^)  | 私は日本を構造改革して
       |    ,  、     ) |/ < アメリカの恒久的な繁栄の為に
       ヽ  /ヘ--- \    |   | 小泉首相を支えてゆきます。
       \ |┌----- ヽ  /    \_________
        ヽ、------|ヽ/
         ヽ、___/

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