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人間の宗教心理(信仰心)の在り処は?
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投稿者 如往 日時 2004 年 11 月 25 日 18:54:10:yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: そのスタンスがあるべき姿だと思います。 投稿者 Carry That Weight 日時 2004 年 11 月 25 日 00:34:36)


 Carry That Weightさん、初めまして、こんにちは。
 Carry That Weightさんは心理学専攻とのことですが、私は学部の時には哲学専攻で、修士の時には心理学専攻(宗教心理学)でした。但し、修士課程は諸々のやんごとなき事情で一年ほどで中途退学しています。


 私が宗教心理学を志そうと思い立ったのには、所謂新左翼運動の末端にいた頃の、周囲の人間達が運動から離れていくときの動機にたいする不信感が少なからず関係していたと思っています。例えば、女性の闘士に憧れて運動に参加し、しかしあえなく振られて、事もあろうか原理研(勝共連合⇒統一教会)に入会し、数日後には無神論者がバリバリの有神論者にConversionしている事例等、そんなことを目の当たりにしていると人間不信が募るばかりでした。当時、東大はじめ京大や教育大(現・筑波大)等の元来が民青の巣窟だった各処でも、新左翼運動勃興の蔭では原理研という新興勢力が地盤を固めようとしていたのです。私も彼等の街頭活動に無関心な一方で、時には悪戯の気持ちも手伝い、当時の中心的教場の野方教会(?)に出向いては論争を吹っ掛けたりもしたのですが、案の定、論拠に及ばない彼等の反論は全く要領を得ぬものばかりでした。
 さらに、特に恋人や配偶者が信者だったりするときには入信の切っ掛けや動機になる傾向は否定できないようですが、そうした場合には第三者が介入のしようがありません。しかし、一神教としてのキリスト教が有する原理を日本の国に育った人達がどれほど消化し血肉化しているかについては、甚だ疑問であると感じましたし、今でも疑問視していることに変わりありません。

 ところで、現在の私は宗教の教義については殆ど関心がありません。もちろん、日本の「古事記」も同様ですが、聖書についてもある意味では神話の集大成ですし、アナロジーを展開し教義の認容にまで及ぶに至っては、信じる者か否かによって、即ち信仰心の有無によって規定されるもので、本来的に学際的な見地が介在のしようがないと見ています。ですから、信仰心の何たるか、つまり人間が持つ宗教的心理に立脚してみないと宗教の本質に肉迫できないのではと想われるのです。
 人間の宗教心理(信仰心)を論究した宗教心理学者としては、東大教授時代の松本滋氏を挙げることができると思いますが、『宗教心理学』(1979)においても一神教にたいする信仰心の発生の解明が十分になされているとは考えていません。けれども、後年松本氏は天理教の理論的支柱となられるのですが、、日本人の信仰心に関する考察の中でも『父性的宗教・母性的宗教』(1987)については、天理教への傾斜を割り引いて考えても肯けるところが多いと感じています。

 「何故人間は信仰心を持つのか、何故信仰心を持つ人間と持たない人間がいるのか」について、心理学的な視座によるCarry That Weightさんの見解を伺いたいと思い立ってレスした次第なのですが、私自身にとってこのテーマ追究の空白期間は余りにも長く、未だに体系的な論述ができるところに達してはいません。それにも拘わらず、宗教をシステムと捉えている今でも、この問いだけは相変わらず心の一隅を占めていて時折胆石のように転がり出でることがあります。同様に、今般のアンチキリスト666さんのスレッドには聖書の矛盾が明示されることによって、その背後に潜む「こんなにも矛盾点があるのに、どうして信じている人がいるのか、どうして人は信じてしまうのか。」といった疑義が浮き彫りにされて来ていると感じます。何れにしても、システム化してまで宗教の教義を刷り込もうとする力の存在は無論のことですが、受け手の側にも刷り込まれ易い心性あるいは心理状態と云ったものがあるようです。

 また、会いましょう。

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