★阿修羅♪ 現在地 HOME > 政治・選挙・NHK9 > 335.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
「メタンハイドレート」
http://www.asyura2.com/0502/senkyo9/msg/335.html
投稿者 外野 日時 2005 年 4 月 24 日 02:14:41: XZP4hFjFHTtWY

(回答先: メタンハイドレートの場合 投稿者 オリハル 日時 2005 年 4 月 24 日 00:46:47)

国連の件については不勉強で知りませんが「メタンハイドレート」について二つの文を紹介しておきます。
--------------------------------------------------------

 『日本のゆくえ アジアのゆくえ』広瀬隆著(2004年09月20日刊)より

 ◆日本近海に眠るメタンハイドレートの正体

 さて期待がかかるのはクリーンなガスである。ガスは、天然ガス、石油ガス、メタンハイドレートのいずれも、エネルギー源の主役として、次のような使い方がある。
○そのままメタンガス、プロパンガス、ブタンガスの形で使用する
○ガスから水素を取り出して使用する
○メタノールの形で使用する
○自動車用燃料電池のための合成ガソリン(GTL)として使用する
 これらを、燃料電池かマイクロガスタービンのようなクリーンな装置で、効率よくコジェネシステムとして利用し、そのほか従来のように工業用熱源や家庭用ガスとして利用するのが、地球規模で進んでいるエネルギーの全体像である。
 このうちメタンハイドレートは、天然ガスと同じメタンだが、シベリアやアラスカなどの凍土地帯や日本の深海にシャーベット状になって眠っているものである。前頁の図67のように世界各地と日本近海に分布し、従来の天然ガス埋蔵量に匹敵するほど膨大だと言われていたが、現在では世界の埋蔵量は四〇〇兆立方メートルと推定されている。BPの統計によれば二〇〇二年末の世界の天然ガス埋蔵量は一五六兆立方メートルなので、その二・五六倍にもなる。また世界の天然ガス消費量は二・五兆立方メートルなので、その一五七年分になる。従来の天然ガスとメタンハイドレートを合計すると、埋蔵量は二〇〇年分を超えるわけである。これからは消費量が増加するはずだが、天然ガスも次々に有望なガス田が確認され、二〇〇四年八月には北海道より南の日本海域として初めて、新潟県上越市の沖合でメタンハイドレートが発見されたという朗報が流れた。こうして天然ガスは、埋蔵量が減るどころか逆に年々増加しており、相当長期まで近未来の生活を保証する天然資源であることは間違いない。
 図68のように、メタンハイドレートは、グラフの折れ線より下の”低い温度”と”高い圧力”の条件のもとで、海水の大きな水圧によってシャーベット状になって深い海底に閉じ込められ、折れ線より上になるとメタンガスとなって気化する。日本近海の海底埋蔵量は、ほぼ一〇〇年分の埋蔵量がすでに見込まれ、「資源小国・日本」にとって、初めてのエネルギー資源だと期待されてきたが、すでに試験的な採取に成功している。これからは、ただ採掘するのではなく、どのようにすれば効率よく、しかも環境に影響を与えずに取り出せるかという研究開発が着実に進められよう。
-----------------------------------------------------------

Hotwired Japan
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050322305.html

2005年3月17日 2:00am PT

凍った天然ガス「メタンハイドレート」:米で採掘調査開始
Stephen Leahy

 海底には凍結した天然ガスが眠っており、この資源が持つエネルギー量は全世界の埋蔵原油を凌ぐという――そして、研究者たちは最近、この資源の利用に向けて一歩前進した。

 膨大な埋蔵量のメタンハイドレート(メタン水和物)――天然ガスの一形態――が今後数十年にわたり、全世界にエネルギーを供給するかもしれない。しかし深海で凍結したこの埋蔵物の採掘には、技術的な課題が山積している。

 約5700兆立方メートルのメタンハイドレートが海底に存在すると推定されており、米エネルギー省では2015年までに商業生産を目指す、本格的な調査のための『国家メタンハイドレート・プログラム』 http://www.netl.doe.gov/scngo/Natural%20Gas/hydrates/index.html を進めている。

 ブルックヘブン国立研究所 http://www.bnl.gov/world/ の研究者らは13日(米国時間)、海底での高圧・低温という状態を再現する卓上の研究装置の完成を発表 http://www.bnl.gov/bnlweb/pubaf/pr/PR_display.asp?prID=05-17 した。これにより、科学者たちは不安定な凍結ガスを海面まで運ぶ方法を研究できるようになる。

 数百万年という長い年月にわたって、海底の堆積物の中で微生物が有機物を分解し、メタンを生成している。水深300メートルを超える低温・高圧の環境では、個々のメタン分子は凍った水が形成する「かご」の中に閉じ込められる――これがメタンハイドレートだ。

 海底から引き上げると、この氷のかごは音を立てて融け、閉じ込めていたメタンを放出する。マッチの火を近づけるとこのガスが燃える――文字通り「燃える氷」なのだ。

 ブルックヘブン国立研究所の化学者、デビンダー・マハジャン氏(PDFファイル) http://www.bnl.gov/est/files/pdf/DM-BNL-Webpage.pdf は、新しい装置でハイドレートの「調理」に成功した――そのレシピは簡単なもので、マハジャン氏によると、「容器に氷と堆積物を入れ、メタンガスを注入し、高圧下(約100気圧)で冷却する。数時間するとハイドレートが形成される。摂氏4度で安定する」という。

 天然の堆積物のサンプルについては、ハイドレート形成に関するこうしたデータがほとんどない。さまざまなサンプルを使って研究を行ない、どういった圧力と温度の組み合わせでメタンを固定できるかがわかれば、メタンガスの放出を最小限に抑えながらハイドレートを海面まで引き上げる実用的な方法が見つかるかもしれない。

 ブルックヘブン国立研究所の実験装置は最初の一歩に過ぎない。肝心の採取作業を進めるためには、メタンハイドレートの埋蔵場所や組成を特定する信頼性の高い方法が必要だ。

 マハジャン氏によると、埋蔵された原油やガスを見つけるための地震探査法は、ハイドレートの場合は使い物にならないという――誤検知が発生しやすいためだ。

 マハジャン氏などエネルギー省の国家メタンハイドレート・プログラムに関わる人々は、誤検知をなくすべく地震探査法の精緻化に取り組んでいる。また、埋蔵されたメタンハイドレートが深さによって組成や密度、性質が変わるかどうかも、解明したい考えだ。

 今月出航する『アンクル・ジョン』号によって、それらの答えの一部がもたらされるかもしれない。アンクル・ジョン号は半潜水型海洋採掘を行なう探査船で、メキシコ湾を35日かけて航行し、水深約1300メートルに堆積しているメタンハイドレートのサンプルを収集するという史上初の試みを行なう。

 エネルギー省国立エネルギー技術研究所(ウェストバージニア州モーガンタウン) http://www.netl.doe.gov/ の技術マネージャー、レイ・ボズウェル氏は、「直径約9センチの棒状の堆積物サンプルを引き上げ、海底と同じ状態で保存する」と説明する。

 この探査は、エネルギー省と米シェブロンテキサコ社 http://www.chevrontexaco.com/ が2300万ドルの費用と4年の歳月をかけて、海洋からサンプルを採取・分析するという取り組みの一環だ。マハジャン氏らは、海底でのメタンハイドレートの性質を調べ、埋蔵量を見積もる方法を確立するためにサンプルを調査する予定だ。

 「研究所の試験室では、温度を上げたり下げたりして、何度ぐらいになるとメタンガスが放出されるかを調べられる」とボズウェル氏。

 ボズウェル氏は、切望されているメタンハイドレートの性質に関する基礎研究を進めることで、メタンハイドレートの安全性、エネルギー生産、環境における役割――近年この問題はとくに重要になっている――に関する疑問への解答が浮かび上がってくることを期待している。

 たとえば、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の海洋地質学者、ジェイムズ・ケネット氏 http://www.geol.ucsb.edu/People/TempFacultyWebSites/Kennett/welcome.html によると、約5500万年前に海洋から膨大な量のメタンガスが放出された(日本語版記事 http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20041101305.html )という。

 メタンは強力な温室効果ガスで、海洋からのメタンガス放出は、突然の地球温暖化によって生じた海水温上昇の結果だと考えられている。「人の寿命ぐらいの期間に平均温度が7度上昇したようだ」とケネット氏。

 海底の凍った泥からメタンガスが放出されるほど海水の温度が上昇した理由は解明されていない。その時期に激しい火山活動が起こったという説もある。しかし、こうした過程がいったん始まると、海洋の温度上昇とメタンガスの放出という循環が続くことになった。

 ケネット氏によると、大量のメタンハイドレートが不安定になることはまずありえないが、北極地方の急速な温暖化が問題を引き起こす可能性はあるという。北極海や凍土地帯のメタンハイドレートの埋蔵量は少ないが、この地域でメタンハイドレートが維持されているのは、圧力が高いせいではなく温度が非常に低いせいだ。

 「この地域で今後何が起こるか監視が必要だ」とケネット氏。

 注意深く管理し、運がよければ、メタンハイドレートは将来重要なエネルギー源になる可能性があると、ボズウェル氏は語る。

 日本とカナダが北極地方で行なった調査 http://sts.gsc.nrcan.gc.ca/permafrost/arcticgas.html で、沿岸部のハイドレートから得られるメタンガスの量で十分に採算が取れることが明らかになったと、ボズウェル氏は述べている。アラスカの北極地方の陸上にあるメタンハイドレートは限られているのに対し、アラスカなどの沖合にあるハイドレートの量ははるかに多い。

 「遠い将来、これ(海洋ハイドレート)が重要な米国のエネルギー源になることを大いに期待している」と、ボズウェル氏は語った。

[日本語版:高橋達男/高森郁哉]
---------------------------------------------------------------------

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 政治・選挙・NHK9掲示板



フォローアップ:


 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。