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郵政事業は「税金」が投入されていることでうまく運営されているという話
http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/697.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 8 月 22 日 02:21:47: Mo7ApAlflbQ6s
 

ワヤクチャさんが『郵政民営化の ごまかし』( http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/155.html )で紹介してくれた共産党の論に対する感想です。


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機会があれば郵政資金問題について詳述すると書いていながらなかなか書く気にならない一つの要因は、郵政事業の公営を主張する論者が郵政事業は独立採算で税金は投入されていないということを主たる根拠にあげているからである。
(ほんとうはきちんと論議していかなければならないテーマだと思っているので、機をみて説明したい)

表層的・形式的に言えば、確かに、郵政事業に税金は投入されていない。

しかし、郵政事業のなかの郵便事業が現在のサービス体制及び料金体系で黒字を維持しているのは、郵便貯金・簡易保険の分野で税金を原資とする膨大な金融収益があるからである。

※ このような話は、大量の公債を保有している銀行など他の金融機関にも言えること。現状の銀行や生保が公債から得る利息がなければどうなるか考えて欲しい。

現在の郵政事業は、郵便貯金・簡易保険の運用収益に大きく支えられている。
端的に言えば、郵貯・簡保で預かった資金で国債・地方債を購入したり財政投融資の預託金とすることで受け取っている利息が現状の郵政事業全体を維持している。
(受け取り利息から貯金利子や支払い保険料を超える保険金ないし解約金を差し引いたものが郵政の金融利益となる)

国債・地方債・財政投融資から得る利息は、財政投融資を除けば、原資は将来のものを含めて税金である。(財政投融資は、石油公団や政府系金融機関のように事業主体が焦げ付きを発生させれば税金で穴埋めされることになる)

郵政事業は、銀行をはじめとする金融機関や個人なら自己(私的)の利益とするはずの公的債務からの受け取り利息を同じ政府部門の内部にとどめることで安くかつ緻密なサービスを実現してきたのである。

言い換えれば、外形的に税金とわかる資金を投入せずに、税金を原資とする公的債務の利払いを内部にとどめることで全体をうまく運営してきたのが郵便事業なのである。


郵政公社の損益計算書では、全体の経常利益が2.5兆円で、郵便事業でも1.9兆円の営業利益が上がっているとなっている。
しかし、人件費だけみても、全体で2.4兆円なのに郵便事業では515億円しか計上されていないことから、経費を郵便貯金事業や簡易保険事業にシフトすることで、郵便事業の“黒字性”を維持していると推定できる。
郵政公社の決算が事実なら、郵便事業は全人件費の2.1%で運営されていて、郵便貯金及び簡易保険のために人件費の98%近くが使われていることになる。
地位の上下で俸給のばらつきはあっても従事する事業の違いでのばらつきは限定的なはずだから、郵政事業は正規社員27万人のうち5千7百人でこなしていることになるが(金融事業に26万人強従事していることになる)、それが本当なら、郵便事業は付け足しでしかなく“日本金融公社”と名乗ったほうがふさわしいだろう。

小泉式「郵政民営化」法案は4分社化をうたっている。
この分社化は、収益源である金融(郵貯・簡保)事業とそれに支えられながらサービスの質と低料金を維持してきた郵便事業を切り離してしまうことを意味する。
それは、首都圏など大都市圏路線や新幹線から得られる収益を地方ローカル線の維持に回すことで全体の運営が可能であった「国鉄」の分割民営化と同じ轍を踏むことである。
郵便事業はローカル線であり、金融(郵貯・簡保)事業は大都市圏路線や新幹線なのである。


従来から、国家財政は、その支出形態は様々でも余剰の人から不足の人に通貨を移転させることに本旨があると考えているので、ナショナルミニマムを達成するために必要な事業には税金を投入しなければならないと考えている。


郵政事業には税金が投入されているわけではないから郵政を民営化する必要はないという主張は、80年代以降の新自由主義思潮や小泉流「構造改革」路線の土俵に乗っかった論でしかないと思っている。
このような論は、「税金」を投入しなければならない事業は切り捨ててもしかたがないというムードを醸成し、「構造改革」路線をサポートしかねないものである。


私は賛同しないが、郵便事業はサービスの質を落とす地域があったり受益者負担で料金を上げてもいいじゃないかという論を認める。

しかし、「財政改革」の一環として郵政民営化を主張する論は認めない。
なぜなら、金融(郵貯・簡保)事業が得る純金融利得である2兆円強を政府部門にとどめたほうが「財政改革」に貢献し、金融(郵貯・簡保)事業の売却は財政をさらに悪化させるからである。

郵政全体を10兆円!!(今は3兆円弱説)で売却したとしても、たった5年間分の金融純利益にしか相当しない。
事業分野の経費分担を厳密に行えば、郵政の金融純利益は3兆円近いはずである。
郵政の金融部門は、売却するより政府が保有し続けたほうが「財政改革」に資するのである。
政府債務を郵政資金の残高未満にまで減少できるのなら別だが、現状で郵政資金が財政投融資で使われ財政を悪化させているといったような論は意味をもたない。
郵政資金を何に使うかは政府及び国会の政治的判断であり、郵政資金が悪であるかのような論は自己の責任を回避する許しがたい暴論である。
さらに言えば、「財投債」という国債で資金調達がされている今、その問題は、特別会計を含む財政支出全般に関わる政治テーマである。

(郵政資金が民間の事業資金に貸し出しされることで税収が増大するというのは虚妄である。現状の日本経済は、銀行までが国債を買いまくることだけでもわかるように、「資金不足」ではなく「資金余剰」なのだから)


「財政改革」に資する郵政改革は、郵便事業のサービスを万国郵便条約や国民多数派が受容できるレベルまで下げるかたちにし、それでも生じる赤字を金融(郵貯・簡保)事業の金融利得から補填するほうがずっと合理的である。(念のため、それに賛同しているわけではない)

「民間ができることは民間へ」をスローガンに郵政事業を売却してしまえば、これまで政府債務を実質的に軽減してきた郵政の金融純利益がなくなり、その分増税もしくは国債発行の増加(将来の増税)をしなければ現在規模の財政が維持できなくなる。

それは、新しい「郵政金融会社」の株主に政府が利益を引き渡す代わりに、その他の国民及び企業は増税を負担させられることを意味するのである。


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