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「史上最も幸福な帝国」 狂った美食と飽食
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投稿者 てんさい(い) 日時 2005 年 5 月 15 日 14:14:00: KqrEdYmDwf7cM
 

(回答先: これでいいのか飽食の日本(リンク全文引用) 投稿者 てんさい(い) 日時 2005 年 5 月 15 日 14:12:41)

★阿修羅♪「史上最も幸福な帝国」
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●美食と飽食

 さて、その衣と住に対する飽くなき志向をかいまみることができだか、それ
に劣らず、食に対するすさまじい情熱ぶりにもまた唖然とせざるを得ない。

 ローマの宴会の豪華さについては、耳にされた方も多いだろう。ローマの宴
会はだいたい四時に始まり深夜にまで及ぶ。この間延々と食べ続けるわけであ
るが、その量にも驚かされるが、その内容の多さ、贅沢さは現代に匹敵するか
あるいはそれを上回るかもしれない。

 ローマ人の美食のために、リビアのザクロ、ガリアのハムとワイン、スペイ
ンのピクルスといったものが世界中から運ばれてきたわけであるが、それに加
えて、様々な「珍味」が珍重された。例えば、ポィニコプテルス(紅鶴)の
「舌」、これは、ローマの散文家セネカによって「王侯的奢侈」、「途方もな
い贅沢」の見本とまでいわれたという。その他反芻を行う唯一の魚類であるス
カルスという魚の内蔵、ロンブスやアキペンセルという魚などが、いずれも遠
方でしか捕れず手に入りにくいという希少性だけで、珍重され、「奢侈により
食欲を新たにするため、宴席を有名に」(ペトロニウス著・岩崎良三訳『サテ
ュリコン』)したと当時の散文家ペトロニウスは評している。「牡蠣や雲丹も
珍重された。牡蠣はキルケーイーとか、ブリタニアの海岸とか、バイアィのル
クリヌス湖などのものが貴ばれ、ルクリヌス湖のものは養殖であった。雲丹は
ミーセーヌムのものとされた。(中略)ボーレートゥスという蕈も珍重された
高価な料理であった」(弓削達著『素顔のローマ人』)。

 このような当時の風潮に対してセネカはこういっている。「牡蠣と蕈は生涯
断つことにした。これは食物ではない。満腹している者にまだ食えと強いる道
楽にすぎない」(樋口勝彦訳『手紙』)。

 その他、現代の日本でも人気の伊勢海老も非常に珍重され、この当時既に伊
勢海老の養殖が試みられているという。

 このような傾向は、獣肉についても同様で、豚やウサギなどの普通の肉では
満足することができず、豚の乳房とか子宮などが珍重されていたが、その中で
も特に孔雀は貴ばれた。ローマ人が孔雀を珍重していることについて、ローマ
の詩人ホラティウスは次のように皮肉っている。「……虚栄に心を奪われてい
るからだ。珍しい鳥だというので、黄金を似て買わねばならないし、色どった
尾が見事な光景を呈しているからだ。そんなことはいくら価値を添えるわけで
はあるまいに。……肉は鶏と大差がないのに、美しい外見の差があるために惑
わされて、鶏よりも孔雀を求めようとするのか」(ホラティウス・樋口勝彦訳
『サトゥライ』)

 このような宴席は、普通三コースからなっていたが、時には七コースにもな
る場合があった。「三コースの第一はプロムルシウスと呼ばれ、蜜割葡萄酒
(ムルスス)を飲み、卵、オリーブの実、腸詰め、ちしゃなどを主とするいわ
ば前菜であった。第二はケーナ・プリーマといわれ、魚鳥類、獣肉を主とした
料理で、ここで、前述の珍味が競われた。最後のケーナ・セクンダはいわばデ
ザートで、りんご、ざくろ、はたんきょう、なつめ、しゅろの実などの果実と
麦粉とミルクと油でこねて焼き、これに蜜をかけた甘い菓子が主役であった」
(『素顔のローマ人』)。

 そして、これは有名な話だが、ローマ人はより味覚を貪るために、宴席で意
図的に食べた物を吐くことを習慣としていた。例えば、ウィテリウス帝は、大
食漢として知られ、「食事は常に三度、ときには四度にもわたって、朝食と昼
食と夕食と夜更けの酒盛りを摂り、いつも嘔吐によって、どの食事も難無くこ
なしていた」(スエトニウス著・国原吉之助訳『ローマ皇帝伝』)といわれ
る。あるとき、ウィテリウス帝のローマ帰還を祝って、祝宴が供されたが、そ
のときには、入念に吟味された二千匹の魚と七千羽の鳥が食卓に供され、ウィ
テリウス帝自身が奉納した大皿には、ベラの肝臓、キジと孔雀の脳みそ、フラ
ミンゴの舌、やつめうなぎの白子が混ぜ合わされていたという。

 吐くためには、鳥の羽で喉をくすぐるのがよく用いられていたが、その他
に、かっこう草の根や水仙の根が吐瀉剤としして使われていた。セネカはこの
習慣を批判し、「彼らは食わんがために吐き、吐かんがために食べている。世
界中から集めた食物が消化に値しないとでも考えているのだ」(セネカ・国原
吉之助訳『ヘルウィアへ、慰めについて』)と述べている。

 そして、吐いた汚物は平然と便所や道端に投げ捨てられたそうである。

 このような、美食、飽食の結果として、どうなったか。モンテネッリはこう
述べている。「人びとは肥満体となった。禁欲時代のローマの肖像はやせすぎ
で骨張っているのに、この時代のものは例外なく閑暇と栄養が満ち足りて、ま
るまるでぶでぶと肥っている」(『ローマの歴史』)。

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コメント
 
1. 2018年4月22日 12:28:49 : 0ig7ZazlDP : FVBK8GiZcwY[1]
安倍晋三とスシトモ達の豪勢な酒宴のようだ。
安倍の腐敗政治はローマ帝国の末期そのものである。

2. 2018年4月22日 19:05:52 : Zp9yJkdg0I : mP3vmqVvwuU[1]
塩野さんの本は勉強になるなぁ。
マレーシアのヒンズー教徒と孔雀に会ってきたことがあった。
マレーシアでは安いパンが一番美味しいのでこれを食べておりました。
他の食べ物は付き合い程度。


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