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妊産婦死亡率、1950年は10万分娩に対して176人、2000年には6.3人。もしも昔の医療水準に戻ってしまったら...
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/319.html
投稿者 どっちだ 日時 2006 年 11 月 05 日 20:18:27: Neh0eMBXBwlZk
 

(回答先: Re: 安全確保のため、公立病院の分娩料値上げを求める ;分娩は病気にあらず 投稿者 北かばさん 日時 2006 年 11 月 02 日 17:16:22)

もちろん、正常な経過をたどるお産は疾病ではありません。


したがって、正常分娩の費用は健康保険では支払われず、自費になっています。

分娩費用は、アメリカでは最安クラスでも約300万円ですが、日本の最高クラスは聖路加国際病院や山王病院などで、合計150万円程度です。公立病院のほとんどでは、住民サービスを口実として35〜40万円に設定されているようです。民間病院や助産所の多くは公立病院と横並びに分娩費用を設定せざるを得ません。

これが安過ぎるために、現場が助産所も含めて、過酷な状況に追い込まれている。この値上げからまず着手しなければ、
(1)「 必要なスタッフを確保し、医療設備の向上を図る 」ことも、
(2)「 産婦人科医師の過剰勤務を早急に是正 」することも、
(3)「 地域の周産期医療を崩壊させない 」ことも、
全ては解決できないのです。これは助産所も含めてのことですので「助産婦制度の利用を心がけるべし。」と主張されても解決にはなりません。

助産所での分娩の問題点は、正常な分娩経過の途中で突然予期しなかった異常事態が起こった時です。

予期不能な突発的に生じる異常分娩の発生率は一定程度あります。助産所での出産の安全を確保するには、異常が起きてもすぐ対応可能な病院が事前に確保(つまり、受け入れ病院側にスタッフと設備の空きが準備)されており、時間をおかずに安全な搬送が実行(助産所側で高機能救急車を準備)できなければなりません。(これでもまだ、院内助産所で異常発生した場合より相当に不利です)助産所でこのための準備をするとしたら、そのコストはどれほどになるとお思いでしょう。

現在の我が国の周産期医療は世界でもトップレベルの水準に達していると考えられますが、これを昔の水準に戻すことは許されないでしょう。表題の件が問題なのです。

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http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/
ある産婦人科医のひとりごと
産婦人科医療全般、産婦人科医不足の問題、地域周産期医療の現状と未来、当医療圏の産科問題に対する取り組み。


http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/01/post_2938.html
2006/01/01
『自然分娩』と『医療で管理された分娩』

昔は普通だった自宅分娩は、1950年には95%、 1960年でも50%を占めていましたが、その後は減少し、1990年頃には自宅分娩は0.1%程度まで減少し助産所の扱う分娩を併せても1%強に過ぎなくなり、この数字はその後ほとんど変わっていません。

近年、病院・診療所での分娩が全体の99%近くを占めるようになり、分娩は昔とは比較にならないくらいに安全性が高まりましたが、病院の『医療で管理された分娩』に不満や反感を抱く妊産婦さんも決して少なくないことは事実です。

分娩全体の95%までは正常分娩ですから、たとえ分娩場所が病院であっても、妊娠・分娩経過が正常であれば、助産師の介助で『自然分娩』を目指すべきなのは当然です。

問題は正常の分娩経過の途中で異常事態が起こった時で、産科では結果が不良の場合は医事紛争が多発します。残念ながら、医療事故による医事紛争は産科がもっとも多いです。これは『お産はうまくいって当たり前』と一般の人が考えるようになったことも一因だと思われます。

リスクを持たないと考えられる低リスク妊婦であっても、破水後になかなか陣痛が始まらず分娩が遷延したり、微弱陣痛・回旋異常・狭骨盤などのために分娩が停止したり、胎児仮死の症状が現れたり、正常分娩の後に弛緩出血を起こしたりなど、分娩の前後にはさまざまな異常が発生する可能性があり、その発生前の予測は非常に困難です。

従って、分娩の経過が正常であれば、余計な医学的処置は一切ひかえて『自然分娩』を目指すのは当然のこととしても、分娩の途中で医学的処置が必要となった時点において直ちに必要な医学的処置が実施できるような分娩環境が望ましいと思います。

また、分娩を取り扱う医療施設は、『低リスク妊婦の自然分娩』を中心として患者サービスに尽力する一次医療施設(民間の診療所など)と、『ハイリスク妊婦の分娩管理、異常分娩の緊急救命処置』を中心として集中的な治療を行う高次の医療施設(総合周産期センター、地域周産期センターなど)の2群に分化しつつあり、医療施設間の緊密な連携(病診連携、病病連携)が不可欠と考えられます。


http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/01/post_0830.html
2006/01/02
もしも昔の医療水準に戻ってしまったら...

我が国の妊産婦死亡率の推移を見ると、1950年は10万分娩に対して176でしたが、2000年には6.3となりました。また、周産期死亡率(早期新生児死亡率と妊娠28週以後の死産率との合計)の推移を見ても、1950年は出生1,000に対して46.6でしたが、2000年には3.8となりました。

これらのデータから、この五十年間で分娩の安全性が著しく向上したことがわかります。また、現在の我が国の周産期医療は世界でもトップレベルの水準に達していると考えられます。

しかし、今でも実際には、1,000人に4人の赤ちゃんが、また1万人に1人の母親がお産で亡くなっているわけですから、現在の医療水準であっても、必ずしも、一般に信じられているように『お産は母児ともに安全』とは限りません。

まして、万一、このまま地域から産婦人科医が絶滅してしまって、昔(五十年前)の医療水準に戻ってしまったら、現在の何十倍もの母児がお産で亡くなりかねないということを一般の人達にもよく理解していただきたいと思います。

崩壊の危機に直面している地域周産期医療体制を守ってゆくために、我々は今何をしなければならないのか?何ができるのか?それぞれの地域の実情に合わせて、長期的な視野に立って、地域全体で考えてゆかなければならないと思います。


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http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/10/post_9bd9.html
2006/10/06
地域周産期医療について(自ブログ内リンク集)

自ブログ内リンク集

05/12/25 周産期医療の危機的状況
05/12/26 分娩に伴うリスクの説明責任
05/12/27 分娩における安全性の確保
05/12/30 周産期医療体制の崩壊を阻止するために
05/12/31 持続可能な周産期医療システムの構築
06/01/01 『自然分娩』と『医療で管理された分娩』
06/01/02 もしも昔の医療水準に戻ってしまったら...
06/01/12 分娩件数、手術件数の急増
06/01/17 ハイリスク分娩に適切に対応できる病院の体制とは?
06/01/25 当医療圏の産科問題に対する取り組み
06/01/28 地域周産期医療体制の今後の流れは?
06/02/12 産婦人科医の急減&高齢化について
06/02/15 将来の産婦人科医療を支える新人医師の育成
06/02/21 今後の周産期医療の方向性について
06/02/23 医師の集約化、地域連携、および次世代の育成
06/03/19 シンポジウムのお知らせ
06/03/20 本年度の医学部産婦人科への新規入局状況
06/03/23 産科問題について地域住民との意見交換
06/03/23 産科医不足問題、長野でシンポ
06/03/24 今後の地域医療(福島県)
06/03/26 産科 厳しい現実に尻込み
06/03/28 長野県の分娩施設 5年間で20施設減少
06/03/30 日本の周産期死亡率:過去、現在、未来
06/04/01 激務と出産・育児 悩む女性医師
06/04/02 若手医師、地方離れ 新研修制度で流出
06/04/05 産科医不足問題(島根・隠岐諸島、神奈川県、長野県)
06/04/07 産科医集約(北海道・砂川市立病院の例)
06/04/10 産婦人科継続を求める署名活動
06/04/14 読売新聞: 多い訴訟…減る産科医と医院
06/04/15 読売新聞: 深刻な産科医不足 集約化加速
       医師不足 過酷な勤務実態背景
閉院危機から存続へ 上田市産院
       国は処遇改善を(信州大・小西郁生教授)
【記者から】「望むお産」思い切実 
06/04/16 県立こども病院の一般診療化 県医師会会長が反対
06/04/18 読売新聞: 医師不足 負の連鎖
06/04/19 信濃毎日新聞:安曇野で母親グループ意見交換会
06/04/20 信濃毎日新聞:産科医不足 お母さんの声を、もっと
06/04/21 病院の広報:当院産科の状況
06/04/23 産婦人科医療を安定的に供給する体制の提案
06/04/25 産婦人科常勤医、2年で8%(412人)減
緊急提言:ハイリスク分娩は3名以上の常勤医を!
06/04/26 衆議院厚生労働委員会 奥田美加先生発言
06/04/27 拡大産婦人科医療提供体制検討委員会配付資料
06/04/29 東京新聞:地方中核病院の勤務医不足
06/04/30 地域周産期医療の現場で、我々が今なすべきこと
       は何だろうか?
京都新聞社説:医師不足 地域医療が壊れそうだ
       湘南新聞:産婦人科医不足(神奈川県の場合)
05/01 「立ち去り型サボタージュ」別名「逃散(ちょうさん)」
05/03 米紙ワシントン・ポストで、日本の産科医減少を解説
     隠岐病院産婦人科の後任常勤医師問題
05/04 読売新聞:[解説]産科医減少 対策は
05/05 河北新報:東北の産婦人科医療の実態
05/06 朝日新聞:地域の病院が分娩から撤退
05/07 河北新報:過酷な現場産科、やまぬ悲鳴
05/10 産婦人科医不足で相次ぐ提言
西日本新聞:地域が安心できる医療を 医師「偏在」
05/11 隠岐島内での出産再開不透明に
    医療施設の集約化が不可避
    出産施設の集約化(三重県の事例)
05/12 岩手日報:産婦人科医不足、安心して産める体制を
05/14 朝日新聞:全国138病院が分娩休止 出産の場急減
05/16 隠岐病院、11月から複数医師赴任の見通し
05/17 岩手日報:小児医療、産科と併せ危機打開を
05/18 朝日新聞:どこで産むの?
朝日新聞:自治体 危機感薄く
朝日新聞:近所の医院も分娩受けず
05/19 朝日新聞:産婦人科選んだ研修医、3年で半減
NHKの取材の様子について
05/21 朝日新聞社説:産科の減少 産める場所はどこに
05/23 共同通信:若手医師、半数が大学離れ
05/24 必修初期研修修了後の進路の動向
    神戸新聞:正平調(相次ぐ分娩取り扱い中止)
05/25 日本産科婦人科学会が厚生労働大臣と意見交換
05/28 公的病院での分娩再開を求める運動について:
加西病院:産婦人科医、来月からゼロに
05/29 新潟日報:守れるか「地元でお産」
05/30 日本医学会会長:『妊婦さんは喫煙しないでください』
    上田市産院・廣瀬副院長 産科の集約化を非難
05/31 南信州新聞社:「院内助産院」勧める意見も
    朝日新聞:お産が危ない、加賀市民病院も休診へ
06/01 毎日新聞 山梨:「出産診療取りやめ」次々
    神戸新聞:県内の産科、10年で3割減
    北海道新聞:室蘭・日鋼病院から産婦人科医引き揚げ
06/03 朝日新聞 神奈川: 助産師の活躍期待
06/06 妊婦死亡、医師を書類送検 大和高田市立病院
06/08 毎日:産婦人科医不足をどうする 分娩施設の集約化を
06/11 青森県内30市町村で産科医不在
06/12 産科医がいなくなる!
06/13 読売新聞: “お産難民”深刻に
06/14 現実にらみ 産院存続運動
 <産科医全国調査>04年末比で施設4割、医師数2割減少
06/15 毎日新聞社説:医師不足 地域医療を崩壊させるな
06/16 読売新聞:大病院の分娩室を“開放”
06/17 読売新聞:“マイ助産師”見つけよう
  出産扱う産科は65% 3000施設、常勤医は8000人 学会調査
06/18 毎日:産婦人科医不足をどうする 有効な応急対策ない
MRICインタビュー:もはや医療崩壊は止まらないかもしれない
  朝日新聞:産科医、厳しい労働くっきり 厚労省研究班が調査
06/20 医学部入試の「地域枠」拡大
06/21 婦人公論:産科が病院から消える日
06/24 産科医不足、地方で不足深刻
06/25 人口35万人の中核市・いわきの医療体制
お産の場どう確保
06/26 北海道の産科医不足の状況
06/27 神奈川県の産科医不足の状況
06/28 女性産科医の仕事を支援(学会が委員会を設置)
06/29 産科「利便性より安全性」、拠点病院への集約化を提言
07/01 絶滅危惧種: 産科医
07/02 病院の産科における助産師の役割
07/03 九州・沖縄地区の産婦人科希望医師が激減
07/05 新臨床研修制度のもとでの今後の地域医療
07/07 兵庫県の産科医不足の状況
07/10 地方国立大で「地域枠」を創設・拡大する動き
07/11 後期研修プログラム 現地説明会
07/17 不足深刻な小児・産科医の数、22道府県「把握せず」
07/27 医師不足、新研修制度のせいではない (読売新聞)
07/30 医学部の「地域枠」急増 (読売新聞)
07/31 秋田県の産科医不足の状況
08/02 医師はどこへ/市町の利害を超え新モデル探れ
08/04 助産師不足? 適正配置に課題 (神戸新聞)
小児科・産科など医師不足解消へ 信大 養成事業に力 (信毎)
08/05 今後の地域医療の目指すべき方向性は?
08/06 岩手県の産科医不足の状況
08/07 群馬県の産科医不足の状況
08/08 産科医不在、報酬5500万円、医師招く 三重・尾鷲市
08/09 産科医不足の三重県南部 「医師集約、不可欠」
08/10 総数増加も地域・科で格差拡大(毎日新聞)
中国地方の産科医不足の状況
08/15 東北大病院「総合産科医」養成ヘ 緊急時の対応習得
08/16 Blogのご紹介、Dr.rijinのギモン
08/17 辞めないで!女性医師(東京新聞)
08/18 お産難民、産科セミオープンシステム
08/19 産科施設、適齢期女性が多い大都市も不足
08/20 医学部定員を一時増員(読売新聞)
08/22 第4回産科問題懇談会の協議内容について
08/23 産婦人科医を集約 「大病院に偏在」拍車 三重大
08/31 お産難民 助産師が足りない 人材、大病院に集中
09/02 無資格内診事件 激務の産科に打撃(中日新聞)
09/03 尾鷲市で産婦人科医消滅の危機
09/04 飯伊地区の産科分業態勢 順調に進展
09/11 産婦人科医と小児科医の集約化の問題点
09/14 南和歌山医療センター:「院内助産所」を開設、
年内には妊婦受け入れへ(毎日新聞)
09/24 産科医不足の現状浮き彫り 24日深夜・日テレ系
NNNドキュメント (読売新聞)
09/26 臨床研修医:人気ない大学病院 小児科、産婦人科
志望は減らず−−厚労省意識調査 (毎日新聞)
09/27 小児科・産科の集約化に伴う一つの問題点
10/03 検診・出産、施設で分業 筑波大・吉川裕之教授に聞く
10/04 上田でお産の課題話し合う (南信州新聞)
10/05 「大阪のお産を考える-迫り来る周産期医療の崩壊」
公開シンポジウム(毎日新聞)
10/07 テレビ番組の紹介 (ここで産みたい〜産科医不足・
試される現場から〜)
10/15 尾鷲総合病院、産婦人科医を2人確保
10/18 転送拒否続き妊婦が死亡 分娩中に意識不明
10/19 奈良県警が業務上過失致死容疑で捜査へ 妊婦死亡問題
10/20 産婦人科医会「主治医にミスなし」 奈良・妊婦死亡で県産婦人科医会 (朝日新聞)
10/21 妊婦転院拒否、断った大阪に余裕なし 満床や人手不足 (朝日新聞)
06/10/22 <母子医療センター>4県で計画未策定 国の産科整備に遅れ
10/25 奈良の妊婦死亡、産科医らに波紋 処置に賛否両論
10/26 医療機関整備で県外派遣産科医の撤収へ 奈良・妊婦死亡 (朝日新聞)
10/28 夜学で助産師資格の取得 (厚労省方針)
10/30 産科医不在地域 妊婦の宿泊・交通費に補助金 (産経新聞)
10/31 分娩施設における医療水準の保持・向上のための緊急提言 (日本産科婦人科学会)
11/01 産科医の現場離れ深刻
11/02 産科医不足問題 松川町で母親の会 医師ら提言、勉強会
11/03 産科・小児科医師不足の対策探る 県検討会初会合 (信濃毎日新聞)
11/04 女性医師にも働きやすい職場環境

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