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地震についての国会答弁にて興味深い内容入手!(そもそも発端は石油発掘調査だった)
http://www.asyura2.com/0601/jisin14/msg/109.html
投稿者 姫 日時 2006 年 7 月 14 日 13:21:20: yNQo0naya4Ss.
 

(回答先: 若干訂正と、追記 投稿者 姫 日時 2006 年 7 月 12 日 12:06:40)

石田地震研究所より
http://www.ailab7.com/kokkai.html


第033回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号

昭和三十四年十二月二日(水曜日)


    午後一時二十三分開議

○村瀬委員長 これより地震予知等に関する問題について参考人より意見を聴取することにいたします。


 本日御出席の参考人は、東京大学理学部教授松沢武雄君、地震学会会員、東京都立雪谷高等学校教諭宮本貞夫君及び、ただいま決定いたしました気象庁気象研究所地球電磁気研究部研究官石川業六君、気象庁研修所運輸技官高木聖君、以上四名の方々であります。

 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。


 本日は御多用中のところ、本委員会の調査のためわざわざ御出席を賜わりまして、ありがたく御礼申し上げます。


 ただいまより地震予知等に関する問題について御意見を伺うことといたしたいと存じます。なお、御意見は、宮本貞夫君、高木聖君、石川業六君、松沢武雄君の順序で伺うこととし、時間は約二十分程度としていただきまして、そのあと、委員諸君の質疑があれば、これにお答え願いたいと存じます。


 まず、宮本参考人よりお願いをいたします。


○宮本参考人 私は、ただいま御紹介にあずかりました宮本でございます。地震予知の問題につきまして、本日当委員会において審議される運びとなりましたことは、私の無上の喜びとするところでございます。

 地震学界の定説といたしまして、現段階においては地震予知は不可能である、そういうふうにされておりますことはよく承知をしているものであります。しかし、大地震の場合におきましては、各大学の専門家によりまして地電流または地磁気のような現象におきましては非常に顕著なる前兆をつかんでいるという例は相当にあるのであります。換言すれば、地震等の完全なる解明がなくても、その前兆を科学的な器械で記録しさえすれば相当な正確さをもちまして予知ができる、そういうことは別の角度から成立するのではないかと思うのであります。ここに陳情して参っておりますところの、地震予知にきわめて有効であると理論づけ、かつまた立証できる器械である高木式無定位磁力計と申しますものは、気象庁高木聖技官が電気関係者のヒントによりましてその原理を追求し、かつまた改善をし、組織的観測も過去においてなしたものでありますが、地震前の異常を一ないし五日くらい前に明確に記録するものなのであります。私は地震学会における高木君の幾つかの研究発表に興味を持ちまして、約十年くらい前より地震及び地震予知の問題につきまして高木氏と相当に意見を交換しておったのであります。実は私は、その当時は地震の伝わり方の変化から地震予知の研究をしておりまして、福井地震前後につきましても、私としましては相当によい例を学会に発表いたしたのでございますが、残念なことには、地震計の精度がその問題を論議するにはまだ不十分である、そういうような御批判を地震学会でいただきまして、私としましては、その点において行き詰まっておったのでございます。かつまた、その方法は海上遠くにおいて起こる地震に対しましては、全然有効でないという事実が実はあったのであります。その当時は、今から約七年前でありまして、そのころに、高木聖君が私のところへこの問題になっておる磁力計を持ってこられまして、実は、設備もされて観測をしてはどうか、こういうふうな、個人的ではありますが、友人的な範囲で依頼があったわけであります。私は半ば疑いを持っておりました。このような簡単な器械で予知できるはずはないと私は思っておりました。ところが、元地震課長の鷺坂清信氏がその著書「地震と津波」――これは目黒書店から出ておると思いますが、その著書の中に、南海道地震の前におきましては、高木君の器械で、約三週間にわたりましてきわめて顕著なる特別な変化があった、原理はわからないが、注目に値するという記事を見まして、実は、それを一つの私の重要な根拠といたしまして、これはできるだけ研究をして、明らかにしたい、そういう意欲がわいたのであります。しかしながら、場所の条件がはなはだ悪くて、数年間なし得なかったのであります。しかし、その後幸いにいたしまして、観測場所のやや適当なところを得ましたので、私は、三年くらい前から、普通の磁力計とこの磁力計との比較研究を続けて参りました。そして、その両者の特徴の差につきまして大体見当がつきまして、この磁力計を使いまして地震前の特別な変化を記録し、かつ研究を続けて参ったのであります。

 この図で最近の例を説明させていただきます。実はことしの八月から現在までの状況をしるしておるのでございますが、少なくとも、大きな地震でありますと、その数日前、小さい地震でありますと、わずか一回くらいの小さな異常でございますが、私が最近驚きましたのは、ことしの十月初めより、今までに見られないような大きな変化が続出したのであります。すなわち、磁石の振動に直しますと、約一・五度の振幅を持っているということをテストによって確かめております。しかも、この十月の十一日、十二日におきましては、合計六時間以上に及びまして、かつ、回数も三百回程度を越えております。そのような顕著な異常がありましたので、私は、この事実と、過去五年間の高木君時代の記録との相関を求めてみまして、これは相当に大きな地震が関東地方またはその周辺に起こることを予想いたしまして、気象庁地震課にも連絡をいたしました。ラジオ東京よりも依頼がございまして、やや不確実な予想ではございますが、十五日以後三週間以内にはある程度の地震が関東地方あるいはその近くに起こるのではないかと発表いたしました。実は、その当時、地震課としては、少なくとも重大な関心は寄せなかったのであります。しかしながら、現実にはこの予想は、予想した期間の二十六日、言いかえれば、発表してから十一日くらい後に、福島沖海上百七十キロの地点で、相当に大きい地震が生じたのであります。東京からは三百五十キロも離れておりましたので、東京ではわずかに震度が一で、相当注意しないと気がつかないというふうな小さい地震であったのであります。しかしながら、この地震のエネルギーといいますものは、昭和二十年に死者二千、負傷者千人、全壊家屋五千五百日を出したところの三河地震に相当に接近をしたエネルギーであるということを実証いたしましたので、私の予想はほぼ正しかったものであると考えております。言いかえれば、不完全ながらではありますが、これは、科学的資料で地震予知をいたしましたところの、実は第一回目のものではないかと私は考えるのであります。今回は、幸いに震源地が海上であったからよかったものの、もし陸上であれば相当の被害があったのじゃないかと思うのであります。しかし、私のは一カ所の観測地点しかございませんので、震源地の方向が全くわからないのであります。もし、関東地区で少なくとも十カ所に近い観測点がございましたならば、大体の震源地の予想はできたと思うのであります。今申しました特徴を別の角度から申しますと、海上二百キロ程度離れておりました地震でも、大地震であるならば、また観測点が多ければ、相当な確実さにおいて予想し得るということであります。他の方法ではとてもこのような期待ができないはずであります。

(中断つっこみ。原研が地震を予測したら予想はほぼ当たるでしょうね。阪神大震災みたいに阪神に近い海底が震源地なら100%的中でしょう。テポドンが落ちた場所が震源地なら、その周辺の地形で地質の水分保有量が鍵となるでしょう。震災地を100%望み通りの場所に起こし、それを予想するとなると、地層の調査も必要です。まあ、なんて金のかかる!!事業だこと。)

その一例といたしまして、京都大学が逢坂山のトンネル内部で観測をいたしておりまする伸縮計の記録をお見せいたします。


    〔図を掲示する〕


 この赤く塗ってある部分が福井地震の前兆ではないかと地震学会で発表されております。しかしながら、この異常は、当然気温、湿度、雨量等、あるいは地殻、潮汐というような各種の変化がまじってきておりまして、むしろ、それらの方が大きな影響をする場合が多いのであります。しかし、ごらんになりますように、二つの破線で囲まれた領域といいますものは、過去十年くらいのデータによりまして求められたものでありまして、この幅をはみ出た場合だけが異常である。ということは、設置すれば直ちに前兆がわかるというものではありません。十年近い観測データによって初めてこの幅が確認されるわけであります。


 それから、もう一つは、この器械は、温度の影響その他を除去するために、トンネル内または地下百メートル、またはそれ以上であることを必要とする欠点の一つが考えられるのであります。しかし、この記録計の場合は、地表のどこに置いてもよろしい。わずかに鉄道線路から一キロ以上離れればいいというのでありますから、この制限はほとんどないということが特徴とされると思います。


 また、同じ件でありますが、気象庁付属の長野県松代にある地震観測所のトンネル内に設置されております伸縮計及び傾斜計は、約十年に近いところの観測であるにもかかわらず、相当に近い、また相当大きい地震に関しましても、全くいい例はいまだ発見されておらないということを関係者から聞き及んでおるのであります。言いかえれば、地震との関係が明快でなくとも、継続観測、言いかえれば、気象庁といたしまして業務観測を行なっておるのであります。伸縮計は、土地が伸び縮みという意味においてわかっておりましても、地震との関係は的確にわかっておらないのであります。ゆえに原理不明な場合においては、気象庁がこれを業務観測できないという根拠は全くないということを、ここに事実として確認できるものであると思っております。これは相当に重要な点であると思うのであります。それからまた、現在気象庁が各地で行なっておりますところの地電流、地磁気の観測も、現在の器械では地震以外の原因の変化量が大きくて、地震の前兆は一般的にはほとんど記録し得ないのであります。そのおもなるものは、一日を週期とする電離層の変化が大きく影響するわけであります。柿岡地磁気観測所の相当長年にわたるデータにおきましても、地震等の的確なるデータはあまりないように聞いておるのであります。かつ、現在使っておる器械は、電車線路より少なくとも十数キロ離れなければならないという困難な点もいわれております。しかしながら、この私が問題にしておりますところの高木式磁力計とも申すべきものは、市内電車線路より一キロメートル、郊外電車の線路の場合ですと、わずかに五百メートル離れれば十分に観測可能でありまして、私が今行なっておるところは、わずかに百数十メートルの距離であります。言いかえれば、枕木がその絶縁体となりまして、郊外電車の場合はきわめてわずかの量しか地面に電流が逃げないのであります。また、この磁力計は気温、湿度、雨量等に左右されることもなく、土地の振動とは全く無関係な記録を示し、地震の前兆はきわめて明確に区別できるわけであります。伸縮計の場合は、混同して記録しておる。その点、この器械は明確に区別できるという点を強調したいと思います。そして、さっき申し上げましたように、設置場所はほとんど制限がない。かつ、無定位磁力計と申しますものは、完璧なものでなくとも、現実に私が作った不完全なものでも十分にその性能を発揮しておるのであります。


 以下、特殊なる影響によるものを説明いたします。すなわち、電車線路より地面に逃げる少量の電流の影響は、この図のごとく中央の線が下または上に変化をいたすのであります。電車の停留所におきまして電流が異常に急激に流れる、そのような変化のために中央の線が変化いたします。また、これは私の実験によりましても、完全に再現をすることができるのであります。それから、倍率四十倍の水平動を記録する地震計を、磁力計より約五メートル離して、土地の振動の記録との関係も現実に調べております。

 次に、遠い地震ですが、私はここに現実に記録を持ってきております。千島の地震の場合、大きく拡大をいたしますと、初めと終わりが徐々に変化をする。ここにモデル的に書いております千島の地震の場合が、大体これに該当いたします。それから、関東地方の地震、言いかえれば、五十キロあるいは百キロ前後の近い地震でありますと、最初数十秒かかりまして振幅が増大し、そうして減少をしていきます。すなわち、初期微動継続時間に該当する間におきましては、徐々に振動は増加をしてきます。私も実験によって大体これを確かめております。言いかえれば、今まで地震学者の大半は、地震計にも記録し得ないような、かすかな土地の振動によってトタン板が振動し、その影響ではないかとの疑いを持っておったのであります。かって検討した石川業六氏も、もしもトタン板がコンクリートで固められていたら振動によるものではないだろうという観点に立つ、しかし、床に置いたままでは、絶対にそのような保証はできないから、振動であるかもしれないという疑いがある、ゆえに、私に、ぜひともそういった実験をやることを勧められた事実もあるのであります。しかしながら、地震との関係を調べれば、一目にしてこれは明らかでありまして、振動による場合は全然違うタイプの変化をいたすのであります。

(中断つっこみ開始:線路が曲がる温度は2500度。水素と酸素の核分裂でも起きないと線路は湾曲しないですよね。そこんところの認識はどうなんでしょう。地震の伝播を調べるって地下爆発の調査に金かけて、コア分離事業体になってますよね。この新形態が鳥インフルエンザじゃないんですかね!!)

 気象庁は、この磁力計の検討を昭和二十一年に気象庁付属の茨城県柿岡の地磁気観測所で行なったのであります。当時の検討をした石川業六氏の報告書を私は読みました。また、石川氏から直接数回にわたりまして聞いたところを総合しますと、残念にも、磁石の振動を早くとめるために、この図のごとく、直径三センチメートルの金属の円板を油の中につけて、そのために抵抗を作りまして振動を早くとめるというような目的を持つ部分品をつけたのであります。言いかえれば、感度が相当悪くなっている。弱い磁場変化が生じましても、これは振動できない。かつまた、実験のときには鉄板を敷いた場合もあるということを報告書から知ったのでありますが、四カ月にわたる継続観測のときには、一番大事なトタン板を敷かなかったというふうに石川氏自身から私は聞いたように覚えております。ゆえにこそ、地震前に何らの異常を示さなかったのは当然のことであると思うのであります。ゆえに、右報告書の最後には、地震との関係は全く不明であるという結論が出ているのであります。しかし、大事なことは、第三者は、むしろこの磁力計の過去の異常も、地震との関係はないのではないかというふうに拡大して解釈する傾向を生んだのであります。しかし、右の検討は全く別種の磁力計でやったことになりますから、少なくとも、過去五年間の記録もことごとく地震とは無関係であろう、そのような拡大解釈は断じて成立しないものであります。


 終戦後の人員整理と予算不足も影響しまして、私の聞いているところによれば、昭和二十四年よりこの観測は廃止されてしまいました。これはきわめて遺憾なことであったと私は思います。なぜならば、もし二十一年の当時より全国的に観測網を作っていたならば、福井地震も場合によれば予知し得て、五千人の死者も出ずに済んだかもしれないと思います。神戸における高木君の観測によりましても、相当な異常が出ております。その後、今市地震、十勝沖地震、房総沖地震と相次いで大きな地震が起こっておりますが、今申しましたように、全国的に観測網があれば、ことごとくその近い観測所においては異常を確認し得たであろうということは、火を見るよりも明らかであります。

(オイオイ、日本の石油発掘事業を停止させるための大戦だったのか。人柱内閣が負けようが勝とうが、国民を犠牲にする体質は存在してた証拠だな)


  今回の席上では、松沢教授ははっきりと仰せにならないのでありますが、非常に重大な提案を私はずいぶん前に聞いたのであります。その記録を見ましても、観測点があと数カ所あるならば、どの異常はどれに対応するのかわかるのではないかということなんです。私もそれは前から考えておりました。一カ所なるがゆえに、十七日のあの長い異常が小区域のものか、あるいは二十六日の地震の前兆なのかわからない。もし、少なくとも関東地方にあと六地点でもあればよろしい。そういたしますと、たとえば、水戸地域の地震であれば、水戸観測所の異常が大きくなる。あるいは箱根方面ならば、そういった地方のものが大きくなる。あるいは前橋方面ならば内陸地方、海岸地方なら海岸地方全体の異常が大きくなって、内陸地域の異常は小さくなるはずですが、一カ所では、方向性は残念ながらわかりません。磁石の振動の大小によって大体の見当だけはつくが、松沢教授の言うように、一カ所だけではだめなんです。関東地方だけについて言いましても、あと十カ所、少なくとも数カ所あればよろしい。


 そこで、全国的に四十カ所ほど設けたときにおける確信について申し上げますと、私自身いろいろな立場からこれを見ていてはっきり言えますことは、終わってからならば、たとえば、あの図で見ましても、二十三日異常がある、あるいは九月の五日、六日、七日異常がある、これは明らかに顕著地震の前兆であろうということは気がつきます。しかしながら、起こる前だと、異常が続いても、大きいのか小さいのかわからない。ところが四十カ所設けたならば、確信を申し上げますと、少なくとも、今回程度の地震あるいはもっと大きな地震であるならば、確実に予知できるということであります。どうしてかと申しますと、私が一番最初に申し上げたことを御記憶願いたいですが、連続的異常です。たとえば、南海道大地震程度ですと、約一週間前に連続的の異常がある。普通のぽつりぽつりの変化ではなく、もう数分の休みもなく連続的な異常が四、五日以上、あるいは一週間以上続いたときには、もう大破壊的な地震がわかるわけです。ゆえに、われわれの目的としましては、さっき申しました通り、率直に言いまして、私は地震学科から出ておらず、地理科学から出ておりますので、地震学者の欠点をつくことはできるが、すべての小さい地震まで予知できない限りにおいては、観測業務には入れないとおっしゃるけれども、これは科学を否定するものです。もっと大切なことは、一番緊急な目的に合うならば、実用範囲において利用するということであります。すなわち、超大型の地震ならば、この器械が四十カ所あれば確信を持って予知し得ます。言いかえれば、小さい地震ならば、百個あっても、そのうち二十個しか当たらないかもしれません。しかし、超大型の地震ならば、少なくとも、福井地震程度以上のものであるならば、一〇〇%確実に異常が出ると思います。ただ、はっきり申しますと、四十カ所ではまだ完全ではないのでありまして、測候所が全国に二百十カ所ありますか、少なくとも二百カ所くらい設けるならば、ほとんど一〇〇%予知できると思います。今の質問にもう一度答えますが、少なくとも四十カ所程度あれば、ほとんど確実に予知できるとお答えができると思います。

(今は確実に40以上の観測所があるが、いまだに予測は難しいということだぞ。ロケット打ち上げのように、失敗続きのほうが安全に予算を引き出せるんだろうな。マッチポンプ体質がばれる。敗戦後、地震が日米共同調査体質になったんだろうね。そもそも役所や外郭団体はアメリカを真似て肥大化してったわけですしね。アメリカでは山火事が絶えないことからも、水素ガスの噴出の疑いは濃厚ですね。)

○原(茂)委員 それとの比較が学問的にむずかしいから、しろうとの私に説明ができないかもしれませんが、どうも、ちょっと言えないとおっしゃる。ただ、これの特徴は、当時研究部門が正式に研究のテーマとしてお取り上げになるときに、二十四時間という短い時間を切っての予知も含まれているんだという説明があったのですが、この場合には、ある場合には二週間、ある場合には三週間なり、もっと短いときもあるでしょうが、とにかく、二十四時間以上前に予知をするという新しい考え方も、これには一つ入っているわけです。ですから、私は、これはこれなりの特徴もあると思うのです。要するに、私の言いたいことは、当時、伸縮なり傾斜というものを取り上げるときですら、やはりこういった次元で考えたときに、これが予知に関して業務観測として取り上げるに値しないほど、まだいろいろな不安定な要素を持っている、不明確な点があるんだというのと同じようなものが――やはり、どの場所でどういうふうに伸縮が起き、傾斜が起きたら、どの地点でいつごろ、どのくらいの振幅のものが起きるんだということを、これと同じように考えていこうとするなら、当時伸縮であろうが、傾斜であろうが、それを調べたときですら、今と同じように疑問点がだいぶあったと思うのです。私は、なければおかしい、必ずあったと思う。それがきわだって大きく、これとはここと、ここが違うんだということは出てこないのじゃないか。そうであるとするなら、今日気象庁の研究部門が現在持っておるテーマを、学者なり、なんなりの研究を取り上げたという過去があるなら、これも、地磁気に関する勉強というものはむずかしいんだ、電磁気は非常にむずかしいものだ、しかも、電磁気を中心にたくさんの学者が今研究しているんで、一高木式あるいは宮本先生の研究だけを今取り上げるということは、なにか不公平な感もあるし、どうもちょっとそれを取り上げる勇気に今は乏しい、こういったところがほんとうの気持じゃないかと私は思うのです。

 それは一つの問題としておいて、二つ目にお伺いしたいのは、現在、和達さんも地震学者で、大家でございますが、三百数十名の学者、先生方が研究した中で、どちらにも片寄らないでお聞きになれば、今、宮本先生の説明になったこの方法が、このデータだけを見ても、これはあながち地震と関係がないという否定は私はできないと思う。これは多分地震と関係がないんだ、こう言い切ることは松沢先生もおやりにならなかった。だから、あなたもおできにならない。従って、では、これは完全に地震との関係があるんだ、こういう立証もできない。そういうふうなものが現在の地震学界における姿だと思うのです。現実に何百人おられようと、何千人いようと、とにかく予知できないというか、これは非常にむずかしいんだというのが現状だろうと思う。これはその一つだと思います。しかし、そういったいろいろわからないファクターを持っているそういう学者の研究の中で、公平に見て、一体これとほかのものを比べて、これに似かよった――違った方法でやってきてもけっこうですが、似かよった観測の仕方、あるいはこれと全然反対の観測の仕方、機械的のみにたよる観測の仕方というようなもの等々、いろいろあるでしょうが、それと比較した中で、どうも理論的にはいろいろなことがあるけれども、これが今、宮本先生の説明のように、もし一〇〇のうち三五%くらい、まあ、まあ感ずるんだとすれば、ほかの、今、地震学界においておやりになっている研究の中に、まあ、まあ三五%くらいは聞いても当たるような気がするというようなものが現在あるのでしょうか、ないのでしょうか。この点を一つお伺いしたい。


○和達政府委員 まことにおっしゃる通りで、私もおっしゃる通りに思いまして、そのようにやりたいと思っております


 それで、地震予知の現状としましては、今の地震学者は、大体第一番は地形変動を確かめたい。これは直接的でもありますし、今まで地震の前とあととに二度測定しましても、前から変化をして、地震があると、また変わる。それをもとにして――これはずいぶんたくさんの研究もして、資料でもって大体わかっておる。外国もその方向で相当やっておる。これは全国的にその測量をやる、あるいは場合によれば、試験的ならば、ある地方に限ってでもいいから、再三繰り返していくということは、地震学者の非常な熱望でありまして、費用が幾らかかるだろうとか、いろいろ考えて、よっぽどそれを地震学界から国家的にお願いしようということも考えましたけれども、数億という勘定をしまして、とてもわれわれこれでまだできるか、できぬかもわからないのにというので、しり込みしたのが、昔地震予知委員会というのがあったときの状況で、私、そのとき委員長をしておりましたが、もっと勇気を持ってやるべきであるということも、私も十分考えますし、また、御激励のお言葉もいただきましたから、そういう点についても、もう少し今後学界あるいは測地学審議会というものなどもございますが、そういうところで勧告することもございますし、そういうところでもっとやりたいとは思っております。


 これに移りますけれども、これは先ほど言いましたように、ちょっと間接的と言うと、なんですけれども、電磁気を使っておりますので、つかまえ方が非常にむずかしいが、うまくつかまえれば利器であります。ですから、学者はみなこれを相当考えてやろうとしておりますが、なかなか理屈が十分わからないのと、つかまえ方がむずかしいので、いわば二の次に置かれておるような感もございます。おっしゃられれば、なるほどやり方が困難であろうとも、この方面も十分にやるべきであるということは私も考えますので、今後、私ども関係しております学会あるいは科学技術の方面、また、気象庁におきましても、地震予知に対する電磁気学的方法ということについてはもう一ぺん力を入れてやってみたいと思っております。


○原(茂)委員 こういった種の研究の成果というものは、これは食い物も同じですが、食べてみたい、それで食べてみたが、どうもうまくなかった、とにかく毒もない、栄養もとれたというので、これを食い物にしようというので、食い物もできたのです。研究も、やはり学者のいろいろな研究なり、学説を積み上げて、実際には勘といいますか、先に理論的な裏づけが全部できないうちに、実験がたくさんできて、やってみたらこれはいい、そうなって、あとから立証しているものがずいぶんあるのです。どんな研究でもある。これもそういう種類のものだと思うし、これからそうでなければならぬと思う。今の和達さんのお言葉を伺いましても、はっきり否定もできないし、重要な研究の一つではあるということだけは言えると思う。その意味では宮本先生に敬意を表するわけですが、非常に御苦労さまだと思います。こういった研究を、先ほど、当分今すぐ気象庁では正式に取り上げようとは考えられない、だけれども、あなたが研究家の方と一緒にでもやってみたら、あるいは研究所なり大学の研究室に依頼してやってみたらどうかというのですが、実際は、宮本さんはすでに力尽きておる。自分がどっかに背負っていくだけでもおそらく、足代たけでも大へんだと思うし、お仕事の関係からなかなかそれもできない。それで、さっきのお言葉の含みですが、やはり研究には値するから、その研究は、気象庁のこの種の研究部門へとにかく話に来なさい、そうすれば、気象庁として正式に今取り上げるんだといって、上から下に命令を出したり、何か研究をせよということを予算をつけたり、正式に担当者をきめてやるようなことはしないけれども、宮本さんが持ち込んでこられるなら、研究部門においては協力をさせてやる、そういうような含みをさっきおっしゃったのですか、それとも、そういうこともできないが、お前の勝手の力で、とにかくできるだけもう少しやってみろ、こういう突っ放した意味か、その含みを一つ。それから、もし、そういったような研究をするのに、ここにも官房長その他おられるそうですが、新たにこの研究部門において、それでもこれを正式に研究課題として取り上げていくのだということになれば、ただ宮本さんが来て、一緒にやろうといったときだけ手伝わせるわけにもいかないから、担当者を一人とか二人とかきめなければならぬ、その人数は最小限度どのくらいか知りませんが、そして研究しようということになったとすると、この研究には、予算は一体どれくらい必要なのか。電力計といいますか、磁力計というものが十数万円だといいますけれども、現在は十数万円でできるかどうか知りません。あるいはもっとかかるかもしれません。そういったものを含めて、人件費なども加えて、最小限度どのくらいか。この研究を気象庁として研究の一部に取り入れていく――かって藤原先生の意向で始めたものを何となくやめてしまったのだけれども、藤原先生の意向に対しても、これはかくかくの理由でだめなんだという答えがはっきり出るまでやってみようじゃないか。いやしくも前長官の遺志なんだから、その遺志を、もう一度今の和達長官の手で取り上げてみて、だめならだめだという一つのけじめをつけるという意味からも、故人に対する敬意を表しながら研究をするんだということにきめた場合に、その費用というものは最小限度どのくらいかかりそうなのか。概略でいいです。


○和達政府委員 ただいまの最初の部分は、私突っ放すという意思は毛頭ございません。しかし、研究というものは、研究者がそれぞれの確信と目的を持ってやっておるのでございまして、研究所でいろいろ共同研究なんかする場合には、研究者の意向も相当尊重しなくちゃなりません。私がそう思いましても、ここではっきりと、研究所でどうするということは、一応研究者にも相談をして、研究者の賛成を得たいと思ったから、申し上げなかったのであります。


 それから費用でありますけれども、これは規模次第でありまして、宮本さんが今なさっておる費用というのは、失礼ですけれども、非常に少ないんじゃないかと思うのであります。それに比べれば相当の費用を持って――研究所というものは研究のための経営費を持っておりますので、格別の費用をいただかぬでも、これが有効であるかどうかということをきめるために原理を確かめる、あるいはスタートを切ることはできると思います。これが有効であり、さらに拡大をするという場合には、これが何千万のけたになりますか、これはもう少し研究さしていただきたいということを申し上げておるのであります。


○原(茂)委員 原田官房長おいでになっているそうですから、これに関連してお伺いしておきたい。少なくとも、科学技術庁そのものは、今次災害に関連して、この委員会にも台風科学対策小委員会等を設置して、科学技術庁として、科学の面からする災害防止、災害対策等を考究していくんだということをはっきりきめてスタートしているわけですが、そういう点から言うと、災害の中の王者とでもいうべき地震でございますから、当然この地震というものを取り上げて、今までより以上の強い大きな意欲をこれに注いでいく、そういう必要が出てくるだろうと思いますし、そのために、気象庁におけるこの種の研究部門に今までより以上に予算が必要だということになってきたときには、その予算を科学技術庁としては十分にあっせんをしてやって、大蔵省との間に折衝を行なうお気持があるか、また、今の段階では、地震に対する研究が現在説明されたような範囲で停滞していると考えられるのか、科学技術庁としては、もう少し地震に対する研究を突っ込んでここで思い切ってやってみる気持があるのかないのかという二点を、ここで聞かせていただきたいと思います。


○原田(久)政府委員 まず、前者の方についてでございますが、前者と申しますのは、気象庁その他におきまして地辰の予知に関する研究を推進する場合に、科学技術庁としては、予算その他の角度からどういうような感覚でこれを持っていくかという点につきましては、当庁におきましては、科学技術に関する関係行政機関の事務の相互調整をやる職務を持っております。毎年各気象台が作成いたします予算案につきましてもそれぞれ調整をいたしまして、その意見を大蔵当局にも提出して、その反映を期しております。従いまして、本件の問題が、気象庁当局において十分御検討の上、今後取り上げていかなければならぬ問題であるというような線が出て参りまして、予算の調整その他の立場になりましたならば、本日の当委員会の御趣旨の線にも沿うように調整して参りたいと思っております。


 それから、第二の問題でございますが、今後、こういった問題については、関係方面とも十分検討いたしまして、さらに進めるべき手があるということであれば、そういう点につきましても手を打って参りたいというふうに考えております。


○原(茂)委員 科学技術庁長官がおられないので、原田さんにお伺いしておるのですが、私が二つ目に聞いたポイントは、きょう、今までここでお聞きになっていたと思うのです。そのお聞きになった上で、地震の観測が不可能なのか、あるいはできそうなのか、どっちでもないような、とにかく何か興味をお持ちになった。原田さんも私もしろうとだけれども、初めて非常に興味を持った。これは今までも地震学者が研究していたそうですから、それを和達さんからいろいろお伺いしたのですが、新聞などにもいろいろ出ておるけれども、予知は不可能だ、予測することは無理だ、ということで逃げているのかどうか知りませんが、そう言っておるのに、とにかく、勇敢に宮本さんが、ここで、この装置を二百ヵ所か、二百十カ所とも言われましたが、やれば、福井の地震以上の大きな地震なら一〇〇%やってみせると言っておるのです。こう言っても、学者の立場からいうと、それでは学理的には一体どうなのかということになると、いろいろ問題がある。しかし、しろうとの私が聞いておると、何か希望が持てるような気がする。宮本先生以外のだれかの研究も、よく聞くと希望が持てるものがあるかもしれぬ。しかし、幸か不幸か、新聞等に今まで出るものを見ていると、予知はむずかしいんだ、できないんだと言っておる。宮本さんは一〇〇%やってみせると言っておられる。私は非常に希望を持ったわけです。何かできるんじゃないかという感じを、しろうとなりに持っておる。原田さんもお聞きになっていて、多少とも興味をそそられたのではないかと思うのですが、科学技術庁の立場では、先ほども冒頭に言ったように、災害対策に関しては特に力を入れ、災害の科学的な調査と予防の点に科学的な力が何か利用できないものかといったようなところで取り上げて、正式に考えられることになっている。そこで、そういった災害の中では地震なども大きな災害の一つですから、こういう地震に関して、科学技術庁としては、希望が持てたらやろうというのではなく、気象庁から要求があればでなくて、思い切って科学技術庁独自の立場で、それぞれきょうのような問題を検討されて、逆に気象庁に、これをもう少し突っ込んで研究したらよかろうというサゼスチョンをする、あるいは真剣な努力をするという意欲があるかどうか、そういうふうにやっていただけるかどうかということをお聞きしたい。


○原田(久)政府委員 科学技術庁といたしましては、地震予知の問題については、従来から資源調査会というのがございまして、そこで地震に対するいろいろな観測の仕方について報告を出しております。従いまして、そういう角度からも関心を持っております。特に、今回御説明のありましたような新しい予知の方式が、はたして将来に向かって地震の有効な予知方式であるかどうかという点につきましては、ただいま伺いましたいろいろな御意見なり、資料なりを参考にいたしまして、関係方面等にも出ていただきまして、この問題は――本日大臣がお見えになりませんので、私が推察して、大臣の意思を体したつもりで申し上げる次第でございますが、おそらく、大臣もこういった問題については強い関心を持たれると思います。従いまして、ただいまの御趣旨に沿うような方向で検討を進めて参りたいと考えております。


○原(茂)委員 松沢先生に一点お伺いしたいですが、結局この観測のやり方は十分納得のできない節はあるのだけれども、地震を予知するという点からいうと一つの重要な手がかりだ、こういう方法をやはり真剣に研究題目として取り組んでいくべきだ、これは決してむだじゃないんだ、こういうふうにお考えになられますかどうか。先ほど、何か今のゆれと地震との関係が明瞭じゃない、これに対して宮本先生からも、松沢先生が言われた過去の言葉を引用されたのかどうか、数カ所に同じような観測器があって観測していたらなあというお言葉があった。しろうとの私でも、一カ所だけの観測ではちょっと疑問を持ちたいので、何カ所かやはりやりたいと思う。従って、今第一段にお伺いいたしましたように、地震の観測、予知という面では、これは一つの手がかりになるし、非常に重要な研究だ、こういうようにお考えになるかどうかという点が一点と、それから、もし、そういう重要な観測であるということになったときに、実際にこれを研究するために観測をしようというときには、一カ所とか二カ所でなくて、数十カ所か、ないし数百カ所にこういうものを設置して観測しないと、はっきりしたデータが出ないだろう、こういうふうに言えるものかどうか、この二点をお伺いしたい。


○松沢参考人 私の考えを申しますと、これは先ほども申しましたけれども、電磁気現象と、それから地震の発生、この問題は、過去三十年ぐらいの間非常に議論の多い問題でありまして、非常に関係のあったように見える場合もありますし、そうでなかった場合もあります。これは前にも申しました。しかし、今非常に確かであるという結果の出ている場合も、二つか三つはあげることができます。しかし、そのほかの場合でありますと、あまり確信は持てない。そういうわけでありまして、電磁気と申しましても、主として磁気と地震の関係でございますけれども、これもそういう一つの場合に当たっていると、私はちょっと考えておるのであります。これも、つまり非常にあれでありますから、とことんまでこれを突き詰めておく必要はむろんあると思うのです。


 それから、今の何カ所やったらよろしいかということは、これは土地の特性の問題がございますから、あらかじめ、こことここということをはっきり申すことは、私にはできないと思います。ただ、やってみて非常にうまくいくところと、そうでないところがある。これは地震のような現象ではしょっちゅうあることでございますから、これも予想はなかなかむずかしいと思うのです。ですから、何百カ所置いたらよろしいか、あるいは数カ所でよろしいか、そういうふうなことは、現在はっきり申し上げるだけの知識を私は持っていない次第です。ともかく、これに限らず、電磁気の現象と地震との関係というのは、この際とことんまで調べておくということは大切なことだと思います。


○原(茂)委員 宮本先生に一点お伺いしたいのですが、先ほど石川さんから御説明があった中で、しろうとの私は、どうもいやな言葉を使ったなとびんと思った。学者はそういう言葉を使うのかもしれませんが、宮本さんのやっておられることは、何を研究しておられるのかわからない、こういう言葉をお使いになった。宮本さんの御説明でも、私たちも、きょうは地震の予備観測といいますか、そういうものの研究をしているんだという前提で話を聞いたし、それからまた、御質問もしているわけです。ところが、学者仲間のそういう言葉かどうか知りませんけれども、とにかく、何を研究しているんだかわからないという。十三年前の気持でしょうけれども、お考えになっのでしょう。そこで、これは重要だと思うので、私はそれを聞きっぱなしで、今まで学者の和達先生や何かが言っていることを総合してみると、何を研究しているんだかわからないということはないと思うのです。宮本先生からも、これを確かに地震の予知のための研究なんだ、その理由はかくかくの点にあるということを、最初に言われたことと同じになるかもしれませんが、簡単に、一つお答え願いたい。かくかくの研究をやっている、これは地震の予知の観測をやっているのだ、こういうふうな御答弁をお願いいたします。


 それから、これは宮本さんには関係がないのですが、時間が切迫しておりますから、もう一点お伺いしておきたいのです。これは宮本先生でなく、広野さんですか、いつかの新聞に、もうすでに私どもの方ではこれは結論が出ているのだ、つまり、地震予知のための努力は必要であるけれども、あの装置による継続観測がどれだけの意義を持つか疑わしい、ということで、疑わしいという結論が出ている。疑わしいということと、もう私どもの方では結論が出ているということとは違うのではないかと思いますが、その点、新聞に出ていることがあやまちかどうか知りませんが、とにかく、広野課長さん談として、村瀬委員長の談の次に出ておりますので、あの研究に対する結論が出ているというならば、その結論とは一体何かということをお答え願いたい。それが、疑わしいという言葉がからんでおりますから、疑わしいということがほんとうなんで、結論が出ているということは言い過ぎであって、間違いであるというならば別ですが、もし結論が出ているならば、その結論をお聞かせいただいて、その結論に私は再質問をしないから、宮本先生からその結論に対する感想をお伺いして終わりたい、こう思うわけであります。


○宮本参考人 では、御質問の趣旨に沿って、まず、お答えをいたします。つまり、石川さんが、何を観測しているかわからないとおっしゃったことに対する私の感想を由しますと、石川さんの研究の論文を私は見ましたが、非常に限られた試験だけしかやっておらないから、私の研究の意義、内容が十分把握されていないと思います。結論を最初に申しますと、これは当然地震の前の前兆を研究しておるのでありまして、それは一目してわかるように、南海道地震の前にだけ非常に顕著な異常があり、それ以後にはとたんに完全になくなっているということであります。これは日本歴史上最大の一つとさえ言われている大地震でありまして、その限りにおいては、この資料を見ましては、地震の前兆以外のものを研究しているということは成り立たないのであります。すなわち、石川さんのおっしゃっておられることは、私の資料の解釈及び材料の検討が不十分であるから、ただ部分的にどういう現象を直接につかんでおるのかわからないということだけであって、目的は石川さんよく御存じであります。地震の前兆、言いかえれば、電磁気学的な現象を研究している最短コースといいますか、和達長官がずいぶん前からおっしゃっているようなことは、実に学界の定説であります。しかし、私がここにあえてつけ加えて言いたいことは、和達長官及び広野課長さん方は毎日のお仕事に非常に忙しいために、速達で出しましたが、お出かけいただけなかったのでありますが、十一月二十四日の地震研究所の談和会で、所長さんの特別の御好意によりまして特に三十分ほど発言さしていただきまして、磁力計の効能、というよりは過去の事実を述べまして、河角教授を初め二、三の教授たちが非常に大きな関心を持ちまして、ぜひトタンあるいは鉄板で全部囲んで、磁気を遮断した研究をしたらどうかとか、あるいは、そのほかいろいろな二、三の要求というか、ぜひこういうテストをしろというようなことで、学界の情勢は一変しております。もう少し言葉を励まして言わしていただきますれば、和達長官のおっしゃっておられる学会と称するものは地震学会をさしていらっしゃるのであります。実は、残念にもわれわれの発表が不十分であったということが最大の原因で、申しわけないのでありますが、非常に理解しておらなかったのであります。再三再四申し上げますが、歌代とか、あるいは坪川とか、地球地磁気方面の最高権威の人たちが私のアイデアを認め、これはぜひとも観測しなければいけないのだ。つまり、専門家といいましても、地震の専門家ではだめなんであります。地磁気の専門家が、ぜひとも多数観測試験をなすべきであると言っておるのであります。ゆえに、地震関係者は謙虚に、長官といえども、これらの地磁気専門の学者のお考えを直ちにいれられて、私個人は、もう経済的に破壊状態になっておりますから、とてもできないのであります。ゆえに、協力するという形はだめでありまして、もっと積極的にいいますと、そういった機関――いかなる小規模な研究室でもよろしい、いかに一人でもよろしいですから、国家的な組織に基づいて、最少限度三カ所でも四カ所でもいい、とにかく、組織観測を始めねばならないと思います。長官として、はっきり再検討は必要だしとおっしゃり、かつ、文書にもされております。再検討は必要だと言いながら、個人がやるのはけっこうだ、これは国民の利益を無視してしまって、単に言いのがれをしておると思うんです。私は、これ以上声を励ましたくありませんが、国民の利益を守るという意思を持っておるならば、はっきり申しますが、ある個人に対して、この検討は必ずなすべきである、かつての検討が誤りであったということは、部会的にはなすべき研究をしておらなかった、この事実は、長官は率直に認められるのが当然であると強く主張ます。

(なんで国民の利益のためにやらねばならぬ事業なのか?それと、電磁波を中心に300人委員会だなんて、今はそれ以上だろう。それとなんで台風の調査とも関連してるんだ?マグマをコアとした外郭団体だな)

 石英というものが花崗岩に相当含まれております。大体地下少なくとも五キロ以上でありますと、花崗岩が一般に多いとされております。地震の深さは大体五キロから六十キロあたりが普通でございます。五キロは浅いのであります。グラニット、すなわち花崗岩の多い部分は非常に強烈な圧力が働きますと、大地震であれば、一月前にもさかのぼって相当強烈なものが働くということは、地震波の伝わり方の変化からでもわかります。そうしますと、御承知と思いますけれども、音響測深をやる船からの場合でも、水晶に電気的振動を加えると超音波が発射され、それが海底からはね返ってくる。超音波が水晶に当たりますと電気的振動に変わるので、そういうことに用いられておりますが、水晶のある特定な結晶軸に対して圧力を加えますと電気が生ずるのでございます。それは名古屋大学の――私はその一部のアブストラクトを持っておりましたが、今ちょっと持ち合わせておりませんので、あとで出します。これらの水晶に非常に強烈な、最大と思われるような圧力を加えますと、一ボルトの電気が生ずるというふうに、熊沢という名古屋大学の若い方が発表されました。大体計算をしますと、大きな地震は八キロとか六キロという非常に大きな範囲で、強大な五千ボルトとか六千ボルトという電位差が、非常に短い時間に、圧力がぱっと加わった瞬間だけ働く。そのような磁場変化がどのように伝わるかと申しますと、直接空間を経てやってくるのもあるでしょうが、それは非常に弱いわけです。距離が百倍になると百万分の一、地電流として流れれば、距離が遠くても案外強くある量が流れる。私の推定では、地磁気の観測を何年間か続けた人の合作というか、私のアイデア・プラスその人のアイデアですが、地電流というものが相当遠くまで及ぶので、長い週期ではなく、今言ったように、一秒から十分の一秒程度の短い瞬間的変化が起こると、そこから少なくとも何十キロ、何百キロの範囲においては相当磁場変化が起こる。その磁場変化によりましてトタン――要するに鉄板でございます。トタン板というよりは、本質的には〇・三ミリの鉄板と考えて、その厚さが適当だと考えております。それに注目していいかどうかは疑問でございますが、要するに、感応磁気というものが生じて磁石になる。その磁石によって、前に申し上げましたように、下の磁石に対しては、上の磁石に対してよりも距離の関係が非常に作用するので、強く回転力を与えます。もう一つ、私は自分の言葉の足りないことをざんきにたえないのでありますが、このタイプは、確かに非常に了解しやすいので、私の今申し上げました二、三の地磁気専門の学者も、こういうことはあり得ると言っています。ゼロ線ともいいますが、この中央線がずれるということは、この磁力計の器械的な不十分さによるかもしれないのであります。このつり糸の延長線上に重心がきていないかもしれません。私はセメダインでぼんぼん張りつけておりますが、重心はアルミ板の外側にずれているのではないかと思う。ゆえに重心が、このタングステン糸の中心線に磁場変化が生じたときには、中央線が変化するかもしれません。ゆえに、私が今の段階で主張したいことは、一秒の十分の一 これでは少し小さ過ぎますが、十分の三とか十分の七秒という短い時間の磁場変化というものは、さっき申し上げましたように、地殻内部の地震の数日前の強大な圧力によって説明できる。なぜそう強く主張する根拠があるかといいますと、南海道地震のときに、津波がくるのではないかと思って地方の高等学校の先生が海岸で見ていたのでありますが、強烈な発光現象があった。初めは数秒間隔で、だんだんと数十秒というふうに長い間隔で発光現象が生じたのでありまして、合計して三十分くらいに及びました。海上には高圧線がないので、スパークと考えることはできない。自然の発光現象と考えることができるわけであります。圧力が加わることによって電気的な何ものかが起こっているのであります。和達長官も本に書いておりますが、相当強烈な発光現象が起こっておりました。ゆえに水晶に圧力を――石英と申した方がいいと思いますが、石英に圧力を加えることによって瞬間的に電気が生ずる。それによって説明することができるのではないか、こう私は思っております。


○岡本(隆)委員 宮本さんの今までの地震の予知に対する異常な熱情には敬意を払うのです。また、今の御説明でおぼろげながら、ある程度のなにがあるということがわかりました。この問題については、これはまだまだこれからいろいろな立場から学問的に研究し、解明していかなければならない問題だと思うのです。しかしながら、今の御説明を聞きますと、やはり相当多くの――たとえば、少なくも二十カ所に装置を置かなければこの問題の解明ができないというふうなことになって参りますと、非常な難関に逢着しているということになると思うのです。あるいはまた、ほかの学者もそれぞれの立場から地震の予知の研究をしておられると思うのです。一つ起こりますと、南海にいたしましても、福井にしても、ことには、関東の大震災のごときは数万の人を瞬時にして殺すというふうな大惨害を起こすのでありますし、いつ起こるかわからない。何にいたしましても、これの予知の研究というものは国防に準じた考え方で臨んでいただかなければならないと思うのです。従って、われわれが国防費に相当の経費を投じるなら、この地震の予知というものに相当な経費を投じても、これは決して惜しい費用ではないと私は思います。従って、学問的には、まだこれが十分熟していないものと専門家のあなた方からお考えになってお思いになるかもしれませんけれども、しかしながら、宮本さんも地震学会に入り、相当な学問的な経歴も持っておられる、その方がこれだけの熱情をもって今まで数年の間献身的に情熱を傾けてこられたということに、私はやはり敬意を表さなくてはいけないと思うのです。従って、学問的には、まだあなた方に多少の御得心のいかないなにがありましても、これを一応研究題目として取り上げていただいて、研究的な形でもって、全国に二十カ所が無理であるなら、たとい十カ所でもこれを配置して――理論的には、それはまだまだむずかしい問題が出てくるかもしれませんけれども、しかしながら、こういうふうに地震と関連性のあるこの経験を、あちらこちらの散在したところの研究所で積んでいけば読みが出るのではないかというふうな意見を出しておられるのでございますから、一応こういうふうな研究をお役所の研究題目として取り上げて、来年度から出発するというふうなことを始めていただいたらという意見を希望的に申し上げて、私の質問を終ります。

(「一ボルトの電気が生ずるというふうに、熊沢という名古屋大学の若い方が発表されました。大体計算をしますと、大きな地震は八キロとか六キロという非常に大きな範囲で、強大な五千ボルトとか六千ボルトという電位差が、非常に短い時間に、圧力がぱっと加わった瞬間だけ働く。」これって地下爆発では???)

○広野説明員 傾斜でございますが、昭和十八年の鳥取地震の前に生野鉱山の地下に京都の大学で傾斜計を設置しております。その傾斜計が地震の起こる前に一方的にどんどん傾斜してきまして――たしか生野鉱山と鳥取の距離はそう遠くはなかったと思いますが、突然その傾斜が反対方向に変わりました。変わりましてから数時間後に地震が起こりました。それが非常に顕著な例としまして教科書その他いろいろな場合に引用される現象でございます。それから、今、傾斜と申しましたのは、要するに、地殻が変化するわけでございます。それを記録した。


 それから南海道地震の場合には、その二年前の東南海道地震、これは昭和十九年、戦争中に紀伊半島の東側に起こりましたが、非常な災害を及ぼしました。このときまで紀伊半島はどんどん先下がりの運動をしておりました。ところが、この地震が起こってからも、なお先下がりの運動をしておりましたので、なくなった今村先生は、この地震は解消していない、なお近いうちに大地震があるだろうということをおっしゃっていましたが、はたして、その二年後に南海道地震がやはり紀伊半島の西側の潮岬の北方に起こりました。そういう傾斜地殻運動に並行した例がございます。その場合には、先ほどの生野鉱山の例のようなはっきりしたことはわかりませんでしたが、それは水準測量といいまして、ときどき測量して運動が続いているとか、いないとかを判断をするわけでございます。生野鉱山の場合には、ちゃんと自記をしまして絶えず記録がとれるわけでございます。それは地震が起こったあとで、そういうことがわかったということでございまして、地震の前に、それによってはっきりしたという例はあまり聞いておりません。


○村瀬委員 生野鉱山の場合に数時間前に傾斜によって予知ができた、それから南海地震のときは、水準測量でいつ、どうということなしに、名分もう一度あるだろうという単なる想像であった。こういう事実と、それから、本日一時からいろいろ意見が戦わされまして、このように原因はともかくとして、また偶然の一致だったかもしれぬが、ともかくも、このように一週間も十日も前からわかることが明らかになった。しかるに、あなた方は、わずかに数時間前に予知されたケースが、それも一回。それがためには四百二十万とか、千万とか九千万を投じて措しくないと言っている。ところが、このように何回も何回も、しかも、何日も前からわかることを、これは原理がわからぬからほうっておくというのは、どういうお考えなんでございますか。


○広野説明員 われわれが観測しておりますのは、地球物理学的に何をはかっておるかということがはっきりしているものにつきまして、はかっておるのでございまして、確かに地震予知というのは副産物として出ておりますけれども、やはり学問的基礎のある現象を主としてやっておるわけでございます。そして宮本さんの場合は、先ほどお話しいたしましたように、まだ書いておるものが何であるか、たとえば、ここに震動が出ておりますが、これは何を表わしておるか、たとえば、磁気の波の強さを表わすとか、あるいはこれを幾らで割れば何が出るというような、はっきりしたところがまだわかりません。つまり、地球物理学的な根拠というと変ですけれども、これをたといはかりましても、まだそれを使ってどうするということがちょっとできないものですから、業務としては取り扱えないものと思います。


○村瀬委員 先ほどから和達長官もよく言われた言葉でありますが、業務としてはとか、なかなか組織的にはやれぬというお話を聞くのでありますけれども、とにかく、幾千万円かの予算を年々お使いになっておる。それで一体どれだけ予知が進んだのですか。今までお話を聞けば、数時間前に生野鉱山で一回わかっただけという。ところが、この高木技官の研究されたものは、何回か出ておるじゃありませんか。しかも、これは、私はしろうとでございますけれども、特に専門家のあなた方に一つ敬虔な態度で聞いていただきたいと思いますことは、これは何も一宮本教授が道楽で始めたことじゃありません。名利にとらわれて始めたことじゃないのです。もともと吉塚技官とか何とかという方が、これは軍の要請であったかどうか知りませんが、地殻の何千メートル底の油を掘り出すのにはどういう変動があるか調べよという命令で、最初こういうことで調べたら、偶然にも何かの変化がそこに起こる、これはおかしいというので高木・技官にこれを依頼されたという、動機はきわめてきれいな動機でございます。これによって学位をとろうとか、名誉品を得ようといった問題ではございません。これを受け継いだ高木技官が、これもあなた方の同僚の役人でありますが、前の藤原長官にお伺いを立ててお始めになったことでございましょう。これは決して荒唐無稽な、何か先ほど石川参考人は神がかりのようなことでは取り上げられぬとおっしゃったけれども、決して神がかりでも何でもない。事の起こりというものは、実に学者的な、偶然の一つの現象に対して、これを解明したいというところから起こったのでございましょう。それを先ほどから、業務としては行なえないとか、何が原因やらわからないから取り上げぬのだという。これは私は、学者としてそういう態度を本日初めて聞いて、不思議に思うのであります。今日の学者の皆さんのやっていらっしゃることは、これはおかしい、何の原因であろうかという疑問に発して、それを解明しようというところに、すべての学問は出発しておると私は思う。何か知らぬ、偶然が一致する、その事実は認める。むしろ、それもまだ認めぬというなら、あえて私は質問をいたしませんが、それは認めて、こういう現象は認めておるが、その現象の原因の原理がわからぬから飛ばしてしまう、そういうことで学問が進むでございましょうか。これははなはだ失礼な申し分でございますが、松沢教授にも私は一つ何とかお考えをいただきたい。松沢先生は、とことんまできわめておく必要があると先ほどおっしゃいました。それならば、なぜとことんまできわめてみていただけないのでございましょう。なぜ学校も気象庁も研究所もこれをお取り上げにならないのでございましょう。毎年々々何千万円の国費を使って、そうして一ぺんだけ生野鉱山で、しかも、数時間前――数時間前にわかったって大した効果はございません。しかも、こっちは、偶然かもわかりませんよ。研究してみたら何でもなかった、何か太陽光線か何かの反動であったかしれません、あるいは火星人か何かの電波かもしれません、しかし、なぜそれをきわめようとなさらないのであるか。こういう現象がわかっておりながら、これを取り上げようとなさらないところに、私は気象庁長官に対しても釈然としないものがあります。長官に対しては、私は、かつて中共を昭和二十九年に訪問いたしました当時、非常におごりさかっておった周恩来に対しまして、ひとり敢然として、人類の台風その他気象との戦いを何回も何回も食い下がって、そうしてあの北京の紫光閣において信念を披瀝されたことについて、私は当時から非常に尊敬しております。その結果、中共は日本に三百カ所くらいの気象のいろいろなわかりやすい暗号等も送ってきてくれているそうであります。これは気象庁長官の何ものをもおそれない、人類のために自分の信念を貫くその御態度に、ずっと私は尊敬をしてきておりました。ところが、私はきょうのこの科学技術特別委員会におけるいろいろなお話を伺っておりますと、あのときの和達長官の御信念があるならば、これが今ごろこんなところでうろうろしていることはないと思うのであります。私は、この点、原理がわからねば手をつけないという点について、もう一度お考えを伺っておきたいと思います。長官にお願いします。


○和達政府委員 いろいろおっしゃられましたが、冒頭に、気象庁が役に立つ科学的研究をして、そして、それが人々のしあわせになることにどうしてちゅうちょしましょう。私は全力をあげていたしたいと思っております。気象庁の地震の予算を申されましたが、あれは地震予知に関連もございますが、全国百カ所以上にわたる地震観測でございます。そして、これは震災のときの設計の基礎にもなるいろいろな地震の観測でありまして、国際的に協力してやっている業務でありまして、それは年間四百二十万でやっているのであります。それが関東震災以来あまりに老朽しておって、外国ととても太刀打ちできないような事態になりましたので、全面的にかえたいというような去年からの計画で、本年は一千万円いただいて一部をかえておるのであります。地震予知に関しましては、研究所が主になって、研究所の経費でやっているのでありまして、その予算は聞いておりませんけれども、きわめてわずかと存じます。しかし、必要ならば予算をとりまして堂々とやりたいと思いますが、私の力及ばず、現状におきましては、それほどの予算をいただいておるわけではありませんので、たくさんあるいろいろな地震のテーマの中で、これはと思うもの、研究者がこれはやりたい、見込みありと信ずるものをやっておる次第であります。それで、ここに宮本さんのができたのでございますから、私はできるだけ応援してやりたいと申しておるのであります。ただ、私どもがあまりに役人的で、これを経営業務に織り込むということは経営の予算が要るのでありまして、いろいろめんどうなことがありますので、この次の予算には、それは出しておりませんということを申し上げたのでありまして、この研究が進み、そして役に立てば、とことんまでやるということはお受けしてよろしいと思います。


○村瀬委員 長官は、いろいろのテーマのある中で、学理的に原理のわかったものをやろうというような御答弁のように承るのでございますが、しかし、その原理のわかったものじゃ何も予報にならぬじゃないですか。とに宮本参考人が長い間やってみて生野の鉱山で数時間前にわかった、それ一つでしょう。ほかに何がありますか。ところがこの宮本式といいますか、高木式といいますか、これを見ても、ずっと一度や二度じゃないはずです。南海地震のときだって、ああいうふうにちゃんと出ておる。そうすれば、これはただ学理をもてあそぶ場合ならば、それはそれでもよろしゅうございましょう。われわれは国民の生命を直接あずかっておる政治をやろうとしておるのであります。たとい、それが荒唐無稽なものであって、全然何らの関係のないものであっても、ここに五日前、十日前に二、三回も妙な現象が起こつた。先ほど石川業六氏は、にじが起こったからといって取り上げられぬという。にじでもよいと私は思う。ある妙なにじが、地震の必ず五日前に起こるというのならば、それでもいいと思うのです。何か原理、原理といって象牙の塔にじっと閉じこもっておって、それで直接国民の自然との戦いはできるものじゃないと思います。来年度の予算には今要求はしてないとおっしゃいますが、こういうものこそ、私は大いに取り上げていただかねばならない性質のものであり、こ、長官に対しまして、きょうはなかなか激越な言葉も使われましたが、これも非常に熱心のあまりであって、長官におかれましても、今まで宮本氏に非常な協力、援助を惜しまれておらなかったので、ありまするから、長官としてはおおらかな気持でおくみ取りなさることであろうと思うのでございますが、もともと、これは宮本氏を何も対象にするものではないと思います。日本の気象庁の直木技官が考案されたものであり、もともと気象庁の身内の研究なんでございます。何もこれが成功したからといって、宮本さん個人に名をなさしめるものでも何でもないのであります。私は、そういう観点からこの問題をもっと――まだ予算も決定したものじゃございません。それは各省から概算要求も出ておるかもしれませんが、さらに一つお考えを願いたいと要望をする次第でございます。


 時間がありませんから、私は、最後に一つ石川参考人にお尋ねしてみたい。参考人でございますから、礼を尽くすべきでございますが、一つ責任もお感じになっていただきたい。と申しますのは、これは四年も五年も、前の藤原気象台長のお考えによりまして調査が進んでおったのであります。もし、これが今後研究の結果、有効なものであると決定をいたしますならば、石川業六氏の責任はきわめて重大であります。中途においてこれだけの空白を来たし、また、これだけの議論をここにもせねばならなくなったということは、石川さんが役所の費用を使ってお調べになって、そうしてある一種の結論的なものをお出しになった、これが今日これだけ大きな議論をせねばならない直接の原因だろうと私は思うのであります。石川さんも、確かに学究的な、良心的な研究家としていろいろ御研究になったと思うので、私も尊敬をいたすのでございますが、ただ、先ほどの御意見の発表には、意が通じなかったのか、私には非常に矛盾したことが考えられたのであります。絶対だめだという反証は起こっていないという最後のお言葉はありましたけれども、大体先ほど各委員が言いました通りに、何を研究しているのかわからない、そういうふうにおっしゃいましたし、また、統計的な結果が出ない限りは取り上げるわけにいかぬというお話があったのであります。なぜ統計的な結果が出るように進言をなさらなかったのでございますか。やめてしまっては、統計的な結果が出る気づかいはないのであります。統計的な結果を出すには、さらにたくさんの場所と時間をかけて研究してこそ、統計的な結果が出るわけなんであります。この点は、一つの独断をもって処置されたか、一つの結論を出されたかに響いた点もあるのでございますが、もう一度御意見を承りたいのであります。


○石川参考人 先ほど私申し上げましたときに、言葉がまずかったもので、だいぶ誤解を受けておると思います。私の申し上げた言葉の中で、まず誤解を受けたことは、何を研究しているかわからないというふうにお取りになったような気配があるのですが、そういう議論を申し上げたことはございません。速記録を調べていただければわかると思いますけれども、何を観測しているかがわからない、こう言ったはずです。その何をという意味は、地震の予知を目的とした、そういう抽象的な意味の何をという意味でなくて、どういう要素を観測しているかがわからない。もっと具体的に言いますと、たとえば、寒暖計というものは温度という物理的な量を観測しておる。ところが、この器械ではどういう要素を観測しているのかわからない、こういう意味で私言ったのであります。それを誤解なすった点もありますので、まず、それを申し上げます。


 それから、ただいま私の責任問題をいろいろ申されたのですが、まことに感ずるところはございますけれども、私がやりましたことは、第一、私が柿岡の観測所におりましたときに何をやれと言われたかといいますと、無定位磁力計というものの機械的な性質をとことんまで機械的な性質として研究しろ、こういうことであります。これを地震の予知に結びつけて、地磁気観測所にいながら地震の予知をやるようにと申されたわけではございません。私の専門は、どこまでもその場合に地磁気の研究でありましたし、地磁気の機械についての研究をやったわけであります。それで私のやりましたことは、この無定位磁力計の機械的性質をできるだけとことんまで研究したわけであります。その報告は出ております。その報告には、先ほど宮本さんがちょっとおっしゃいましたが、一番最後には、地震との関係というものは、少なくとも私が用いました機械で観測した限りでは――その機械というのは、先ほど申し上げましたように、二点において現在ここで使っている器械とは多少違うのでございますけれども、それをやった限りにおいて、何ものも奇妙な現象は出ていなかった、しかし、それは今後の問題として研究すべきである、こういう結論を出しておいたはずであります。それだけ申し上げます。


○村瀬委員 何も出なかったけれども、今後研究を要する、何も出なかったら、もうそれでやめるということになると思うのでありますが、今後の研究に待つという報告が石川さんの報告にあったといたしますならば、これはやはり、あなたにも、何かあるなというお考えがあったから、今後なお研究をする必要があるとつけ足されたと思うのであります。そこで事態は、ややはっきりして参りました。高木技官がこれをお調べになって、心身ともに疲れておやめになられたのもやむを得なかったと思います。また、石川さんがいろいろお調べになって何も出なかった、しかし、それはああいう何とか油をつけたりした他の観測器によった、何も出ないのが当然であるかもしれません。そういう点、私は専門でございませんからわかりませんが、しかし、何も出ないけれども、なお研究する必要がありとしてつけ加えたといたしますならば、私は気象庁においてこれは当然続けるべきであったと思うのでございます。


 時間がございませんから、私は結論を申しますが、先ほどからの長いお話を聞いておりまして私が非常にこの問題で不審に思いますることは、たとえば、地震の予測の場合も、時間とか、位置とか、大きさがわからねば効果がないというお話もございました。また、この間の宮本さんが予言なさったことも、海で起こったからよかったというだけでは困るというような、どなたかのお話もありました。しかし、実にこれはオール・オア・ナッシング、全か無かという考えだと思う。そういうものではございません。それは時間もわかり、位置もわかり、大きさもわかれば完全でありましょう。海で起こったからよかったでは困るということも、私はそうだと思います。しかし、何でもかまわない、ちょっとでも予知できるということは、非常に人類にとってしあわせであります。たとい、最初位置や大きさや時間がわからなくても、また、海やら陸やらわからなくても、私はけっこうであると思うのであります。そういう完全なものでなければ手をつけられない、予算も見まい、あるいは原理がはっきりしてからでなければ手がつけられない、そういうお考えは私は必要ないと思うのであります。それならば、現在行なっておる傾斜とか伸縮による分もむだな金を使っておることになってしまうのであります。私は、一歩々々順を追うて、少しでもこれはあるいは予知ができるかもしれないと思うことは、全部どしどし勇敢にやっていただきたいと思うのであります。もしそれ、こういう問題に、だれが言い出したからというようなことはないと思いまするが、多少でもいろいろとらわれた事項のためにこの問題がおくれておるといたしまするならば、それは日本全体にとっての不幸であります。ことにこの問題は、何度も申し上げまする通り、気象庁自体が手をつけられた問題であります。途中において、これがなぜか中止された問題でございます。ある学会と学会との対立でもなければ、ある地域的または学閥的な対立などは全然ない問題でございまするので、どうかこの問題につきまして勇敢に研究、調査を進められまするように、特に要望をいたしまして、私の質問を終わります。

(やっぱ、石油発掘調査!! 前兆がはっきり分かり、国民に掲示するために年1000万!)

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