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メーソンリーの起源ーヘブライ語写本より 第十八章 第十九章 第二十章
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投稿者 忍 日時 2008 年 1 月 04 日 11:17:26: wSkXaMWcMRZGI
 

(回答先: メーソンリーの起源ーヘブライ語写本より 第十四章 第十五章 第十六章 第十七章 投稿者 忍 日時 2008 年 1 月 02 日 20:40:49)

第十八章  第三位階はヒラム・アビウデの葬式
 アドニラムに割り当てた仕事が完了すると、我々は、この問題を議論する為に会合を開いた。会議の間に、ブラザー・アドニラムが次の原案を読み上げた。

 「我々はみな、ヒラムをアグリッパ王と同じ程高く評価しています。
 そして、陛下が第三位階を『マスター・ヒラムの位階』と名付けるよう、命じられた事も知っています。
 この位階を更に導く、王ばかりヒラムへの忠誠のしるしとする為に、これから読み上げることを、第三位階の儀礼の一部にするべきと信じます。

 1、ブラザー・ヒラムの遺体を、入り口の開いた暗い部屋に安置する。部屋には、彼の外套、
  衣類、指輪、その他に、遺体と共にあった木の枝を置く。
 2、我々の内二人は、遺体を求めて辺りを歩き回り、見出せなかったことを嘆きながら戻って
  来る。
 3、其れから、五人が同じ目的を持って歩き回り、遺体を見出せないまま泣きながら戻って来
  る。
 4、其れから、我々全員が、分かれて辺りを捜し回り、ようやく隠れた部屋で遺体を発見する。
 5、次いで、棺と黒い外套を用意してから、何人かが戻り、遺体とヒラムの所持品を取り、棺
  に収めて黒い外套で覆う。
 6、我々は、遺体を神殿に持ち帰り、外套の上から『死』と『生』の言葉を書く。それから、
  喪に服し、各自は泣きながら、悲しみと嘆きの言葉を口に出す。
 7、我々は、三つのランプに火を灯す。二つは東の方位を向く彼の頭の上に、三つ目のランプ
  は彼の脚の上で灯す。これは、我々がイエスを磔にするのに使った三つの釘のシンボルであ
  る。
 8、総裁が、彼の性格と働き、結社に与えたその恩恵を述べながら、彼の霊魂に祈りを捧げる。
  彼は結社の創設者であり、宗教的義務の為に殉死したことを思い起こす。だから、彼は生き
  ているのである。彼はいつまでも我々の中に、今述べたこれらのシンボルの中に生きている
  からである。
 9、我々は、棺の覆いを取り去り、彼が話し掛けているかのように、遺体に見入る。其れから、
  総裁はこのように話す。『ヒラムよ語れ。あなたの戦いについて私達に語りかけ、誰があな
  たを殺したのかを述べよ。あなたが自然死を遂げたのではないと聞かされているから』
 10、総裁は、遺体の頭の近くで跪き、ヒラムに代わって、次の言葉を述べる。
  『兄弟よ、私はあなた方を戦いの最中で捜したが、最後の時にも、誰も見出せなかった。
   確かに私は自然に死んだのではない。一つの手が私を殺したのだ。敵か、さもなければ彼
  等の信者の手が。
   私は、あなた方から遠く離れて死んだ。だが、私の記憶は、時の終わりまで、あなた方の
  中に生き続ける。私の記憶と原則をいつまでも保ち続けよ。
   我等の宗教を分裂させたペテン師の信徒を攻め、私が戦ったように戦え! 恐れるな。私
  の為に嘆くな。私は死んでいない。私は、時の終わりまであなた方と共にいる。
   我等の宗教を結束させる使命を捨ててはならない。私は、何処にいてもあなた方を助ける。
  私の魂は、常にあなた方の為に祈り、目はいつまでもあなた方を見守っている。我が不滅の
  掟の秘密を守り続けよ(「この目」が、1ドルのピラミッドの上の目になったのである!ガ
  ブリエル)。
   私は、あなた方にこの秘密の建造物を建てるのに使った道具を伝えよう。
   私は、あなた方に、一つの名といつまでも生き続ける記憶を与えよう。
   あなた方の敵を、ペテン師の信者等を攻撃せよ。増え、成長せよ。私はここで、あなた方
  の行いを見守っている。世の終わりに、<おお、ヒラムよ、あなたは私達と共に生きていた
  のです>と叫ぶあなた方の声を聞く時に、私はあなた方を裁こう(悪魔の審判!ガブリエル)。
   兄弟なる創設者達よ、私はこの荒地からあなた方に呼び掛け、あなた方に挨拶し、あなた
  方と結社の為に命を求める。あなた方の敵に死を!』
 
 ヒラム自身が話したかのように、総裁が跪いたままこの朗読を終えると、神殿の傍らに用意した墓に遺体を収める準備に入る。
 この後、第三位階(即ちヒラムの位階)の候補者が置かれるべき最初の状態は、我等が死んだ兄弟のヒラムになりきり、結社の掟を守る為に、彼が戦いの中で受けた屈辱と苦しみを自ら受けると云う事。志願者は、ヒラムの遺体を象徴する棺に、身を横たえなければならない。棺は、彼を入れたまま、暗室に放置される。これは荒地で死んだヒラムを象徴する。それから、棺は神殿に運ばれ、ヤキンとボアズの二本柱の間に置かれる。
 さて、兄弟達よ、大事な事を知って頂きたいのです。第三位階に至った者は、その秘密を、自分以下の者達に漏らしてはなりません。後者は、この秘伝を終える時までは、秘密を一切知ってはなりません」

 話を終える前に、アドニラムは「この提案をいかが思われますか」と語った。これに対し、我々は彼の案の正しさを認め、記録に留めた。
 翌日、私達は採択された手順に乗っ取り、ヒラムの遺体を埋葬した。遺体を埋葬してから、我々九人は忠誠を誓う夜祭を行い、最後にアドニラムが言った。

 「兄弟達よ、これらのシンボルは、我々九人とその後継者の為のものです。この為、九人の後継者の間だけの、記憶と秘密となることでありましょう。それ以外のブラザーは、誰一人、この儀礼がヒラム・アビウデに向けられたものである事を、知ってはなりません。其れが露見すれば、我々の結社が、イエスの信者達と戦う為に、つい最近結成されたものである事が分かり、新たに加入しようとする者達を遠ざけて、面倒な事になりましょう。
 我々の目的を実現し、秘密をいっそう強める為に、これらのシンボルの他にも、ソロモン神殿の建築家ヒラム・アビフに関わるものや、シンボルを加えなければなりません。私がそれらを準備し、あなた方に説明しましょう。
 こうすれば、秘伝者はヒラム・アビフを象徴していると誰もが信じ、結社が遠い昔から受け継がれて来た、極めて古い性格のものであると、確信することでありましょう[ヨナ註:私達の先祖の滑稽な伝説であり熱狂主義である。結社が存続する限りこのシンボルも残すよう彼等は主張した。本書の第一部(『ヘロデの呪いー暴かれたユダヤ古写本』の中の第一部構成は、英国がどのようにして近代フリーメーソンを設立したかをユダヤ人との関係で説明されている!愛)にも書いたことだが、私達の先祖のジョセフ・レビがデザギュリエに先ず求めたのが、このシンボルと伝説の保持だった]。
 この位置は、最も重要な伝統を帯びるものである事を、覚えておかねばなりません」


第十九章  神殿に入る際の認識合図と手順
 アドニラムは言った。

 「我々は、結社のシンボルを、星や、建設用具、偽者が話した事、行った事から取り入れました。今度は、我々九人だけではなく、秘密の者達誰もが知って差し支えない、一般的な合図を考案しなければなりません。彼等が、どんな場所にいても、互いを認識出来る為に。
 私が考案したものをここで述べましょう。

 1、神殿に入ろうとする者は、神殿議会が彼を『秘密の者』と認識出来ぬ内は、中に入る事は
  出来ない。彼が秘密の言葉で正しく答える事によって、其れがわかるようにする。
 2、神殿に入る時には、規定通り、三歩目で二つの柱の中央に来るようにしなければならない。
  それから、次の儀礼をもって、総裁に拝礼する。先ず、右手を頭上に挙げる。次に、其の手
  を降ろし、首のすぐ下の胸に、開いたままもって来る。この儀礼を三度繰り返す[ヨナ註:
  私自身が行ったメーソンリーの研究によってもわかるように、近代メーソンリーは、これら
  のシンボルを幾分発展させていることは明らかである]。総裁は、立ったまま槌を三度打ち
  鳴らし、脅すように、訪問者の頭上にこれを振りかざす。それから、総裁は席に座り、訪問
  者も座る。訪問者の動作は、会員になった時に授かった誓いを三度すること、彼が活発に結
  社に奉仕していること、忠実で決して裏切らないことを表している。総裁の動作は、裏切り
  に対する死の報復を表している[ヨナ註:新メーソンリーでは、これは変更されている]
 3、秘密の者達は、自分を知らしめたいと思う時には、その仕草が人目につかぬという条件で、
  どこででもこの動作を行う。
 4、危険が迫った時、助けを呼びたい時には、握り拳を頭上にかざす。近くに仲間がいれば、
  彼に援助の手を差し伸べる。
 5、目による認識。先ず、額を見る。次に、左肩を見、それから右肩に視線を移す.相手が
  『秘密の者たち』であれば、彼も同じように行い、認識する[ヨナ註:新メーソンリーでは、
  これを変更されている]。
 6、接触による認識。言葉に表すのが難しいが、これは次のような形で行う。二人が握手をし
  て挨拶を交わす際に、ブラザーは、親指で相手の人差し指の第一関節を軽く押す。相手が結
  社のメンバーであれば、彼も同じサインを返して認識し合う[ヨナ註:この挨拶は、新メー
  ソンリーでも保たれている。それは、それは、最初の基本動作の一つであった為、先祖のレ
  ビが保持するよう強く求めたからである]。
 7、話による認識。『合言葉』を作るのが適切と私は信じる。其れは我々にとって聖なる言葉
  でなければならない。私は、『BOOZ』と云う語を提起する。組織の者かと尋ねられたな
  ら、先ず『B』と答える。相手は『O』と言葉を返す。すかさず『O』と答え、相手は『Z』
  と答える。こうして、互いに認識し合う[新メーソンリーでは修正されている]
 8、年齢による認識。イエスとその行動と教えを、ありとあらゆるもので軽蔑する我々は、結
  社の位階の数を、彼の歳と同じ”33”とした。私は、『秘密の者達』の年齢を次のように
  定めたい。

  A 第一位階から第三位階までの結社員は3歳とする。ペテン師が三日間墓の中にいたと云
   う信仰を嘲る意味が、ここに込められている。
  B 第四位階から第三十位階までの結社員の年齢は、ペテン師の歳を嘲る33歳とする。
  C 第三十一位階から第三十三位階までは、ペテン師が墓から甦り天に昇って永遠に生きる
   との信仰を皮肉り、年齢を無制限とする[新メーソンリーでは修正されている]
  D 我々は、結社が人類創造の時から始まっているものと見なす。そこで、『寡婦の母の年
   齢は』と聞かれたなら、天地創造の時からと答えねばならない。

 『寡婦』は我々の結社。その最初の総裁であられたアグリッパ王は、寡婦の子にして我等の大兄、ヒラムの記憶を新たにする為に、このように命名されたのでありました。あなた方は、この掟を世時の終わりまで保っていかなくてはなりません」

 この話は、満場の一致をもって記録された。

第二十章  第三位階の式次第
 トバルカイン・アビウデは言った。

 「私は、伯父のヒラム・アビウデが死んで何年か後に、アグリッパ王の遺志と私達の初期の法令を実行に移す責任を感じました。
 其れは、第三位階すなわちマスター・ヒラムの位階が、法に定められた位階であることを、結社の他の神殿に知らしめるというものです。私は、自分の意見を、我が八人の同志達に告げ、この案を採択していただきました。
 約束通り、我等がブラザー・アドニラムが、ソロモン神殿の建設者ヒラム・アビフを仄めかし、彼に由来する補足資料を整えています。この件について、アドニラムがご報告いたします」

 アドニラムが口を開いた。

 「どのブラザーであれ、第三位階に昇格する者は、私達九人がヒラム・アビウデを弔う終夜祭で行った儀礼を皆、体現しなければなりません。其れは、次の方法で行います。
 棺を暗室から神殿に移し、総裁の言葉を含む、全ての儀礼が終了してから、我々の宗教戦争の殉教者、ヒラムを象徴する志願者(他神殿の特殊儀礼から、ブラザー・ヒラムを暗示するものを全て外し、ヒラム・アビフを暗示するものに変える事を忘れてはなりません)は、棺から目隠しされたまま起こされ[ヨナ註:古代メーソンリーでは、第三位階(マスター・ヒラムの位階)に昇るときのみ、「秘密の者」は両眼を覆われたようである]、総裁は彼を神殿の閉じた入り口の一つに導いて声をかける。
 『ドアを三回叩き中に入れ』
 志願者はドアを三度叩く。
 委員の一人が内側からドアを開け、ペテン師イエスの槌[イエスの釘付けにするのに使った槌である]を手に、志願者を中に入れ、この槌で志願者の背中を叩いて言う[象徴なので、この打撃は軽い。新メーソンリーでは、打撃の場所は変更されている]。
 『あなたはどこにいたのか。どこに行こうとするのか』
 志願者は答える。
 『私は今まで怠けていました。今から戦いに行くところです』
 委員は答える。
 『あなたは道を間違っている。他の道を行け』
 ここで、先導役は別の戸口に志願者を導き、そこで三度ドアをノックさせる。中から別な委員がドアを開け、今度は、志願者の額を槌で叩く。前と同じ問いかけがあり、同じ答えが返される。ここで、委員は志願者に告げる。
 『あなたは戦う道に迷っている。道は険しく危険だと云う事を知り、私に付いて来なければならない』
 彼は、志願者を三つ目の扉ないしは同じ扉に導き、その間志願者は多くの障害物や転倒を体験する。茨や岩の上に倒れたり、丘を昇り下りさせられる。こうした障害物は、儀礼の為に神殿の中に用意される。
 三つ目の戸口の前で、彼は再びノックする。ドアを開き、委員は、槌で志願者の頭を叩く。この時、付き添いは、志願者を死人のように床に投げ出す。それから、目隠しをしたまま彼を棺に入れ、上から外套を被せる。
 その場で、総裁かその他の委員が演説を行う。
 『兄弟達よ、あなた方は、この伝統的行事の中で、気高い目標を象徴する光景を幾つか目撃した。それは、苦しみと疲労と厳しさに耐える事なくしては得られぬものである。
 その目標は、人を死から生へ解き放つ事にある。これは、最も大きな死の苦しみを経験する事なくして不可能である。新しい志願者が耐えねばならない苦しみが、今述べた事を象徴している。
 新参者は、ソロモン神殿の建設と云うつらい仕事を遂げる、ヒラム・アビフを象徴している。建設と云う職務の秘密を死守する中で、彼が、三人の職人[ヨナ註:先祖のメーソンリー(秘密の力)では、ヒラムを殺した三人の石工の名前は記載されていない。新メーソンリーでは、彼等の名前は、ジュビロ、ジュビリア、ジュビルムになっている]から迫害を受け、重い罰と苦しみを受けてから三つ目の扉で殺されたのは、この為だった。
 これによって、戦いの道が、いかに険しく危険であるかが理解されてくる。だが、我々はそれを恐れてはならず、逃げてもならない。勇気を持って道を貫き、気高いこの結社の基本原則を固める目標を遂げなければならない』
 話し終わると、総裁は、志願者に立つよう命じ、彼は二本柱の真中に立ち、目隠しを外される。総裁は次のように話す。
 『この聖なる位階の志願者よ、あなたは、苦しみを象徴するこの棺に横たわったまま、私の話を聞いた。あなたは、勇猛果敢な精神を体現させた。秘密を死をかけて守り抜いたヒラム・アビフを体現させたのだ。ヒラムが選び、ソロモン神殿の背に立てた、この二本柱を見よ。この柱のようであれ。強い意志を持ち、堅固に掟を守れ』
 志願者は次の言葉を話す。
 『私は力と遺志と決断と堅固さそのものです。私は、誰に対しても、低い位階の”秘密の者たち”にさえ、自分の見聞きした秘密を、一切明かしません』
 このようにすれば、新しい第三位階のブラザーは、自分の儀礼の中でヒラム・アビフを象徴していると信じ、この忠誠の儀が結社の創設者、我等が兄弟ヒラム・アビウデの記念行事だと云う事に気付くことなく、従って、この組織が最近結成されたということにも、その創設者が我々九人であるということにも、気付かずに終わることでありましょう。
 兄弟達よ、このようにすれば『秘密の者たち』にも、結社以外の誰にも知られることなく、我等が兄弟ヒラム・アビウデの記憶を再現することが出来ましょう。結社の創設者にして、我々の情熱と感謝の泉、父であるヒラム・アビウデの名を不滅のものにするという、我々の真意を知られることなく。私が今読んだものを採択されますか」

 アドニラムの意見は全員に採択された。我々は其れを記録に留め、全ての支部神殿が第三位階の手順を知り、緻密に、極秘にこれを実施出来るよう指令書を送った。


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