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右翼抗議 皇室劇中止の舞台裏 タブーに挑戦 下品さで自滅 (東京新聞)
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投稿者 彗星 日時 2006 年 12 月 19 日 08:02:11: HZN1pv7x5vK0M
 

特報
2006.12.19

右翼抗議 皇室劇中止の舞台裏
タブーに挑戦 下品さで自滅

 「こちら特報部」の「週刊誌を読む」欄でも既報の通り、皇室をテーマにした寸劇が週刊誌に非難され、その後、関係者らが右翼の攻撃にさらされている。劇団は謝罪文を発表、公演中止に追い込まれた。気になるのは、この週刊誌の広告に記された「不敬」の二文字だ。寸劇の内容が不穏当であれ、この二文字には「問答無用」の暗い時代を想起させる重みがある。事件の関係者らに聞いた。

 「ご皇室を敬愛される国民各位に多大な御不快の念をお与えしました。今後、ご皇室を寸劇でパロディーにしない由、堅く御約束申し上げます」

 風刺コント集団「他言無用」がホームページに掲載した文面だ。“全面降伏”した劇団関係者は「『反論権のない方に対しやるのはおかしい』という抗議に、その通りだと納得した。私たちは右でも左でもない。お客さんに笑ってもらう立場です」と言葉少なだ。

 今回の寸劇「さる高貴なご一家」は先月十九日、東京・日比谷公会堂で「週刊金曜日」主催の「ちょっと待った! 教育基本法改悪 共謀罪 憲法改悪 緊急市民集会」の一幕で演じられた。観客は約二千人。

 週刊金曜日などによると、皇后陛下にふんしたコントのメンバーが登場。観客にマイクを向けたりしながら、園遊会の場面のパロディーを演じた。その後、サルの人形を悠仁(ひさひと)親王に見立てて話しかけ「男の子ができたら、あなたに目はないのよ」と、人形を放り出すように付き人に渡した。

 この後、作家の矢崎泰久氏たちが舞台に上がり、コントのメンバーと掛け合いに。天皇陛下の前立腺がんにも触れ、矢崎氏は「あちらの生活も支障をきたしますね」と応じた。

 客席で見ていた月刊「創」編集長の篠田博之氏は「サルの人形やシモネタはちょっとハラハラしたが、みんな笑っていた」と話す。他方、客の一人だった主婦は「もっと教育基本法の話をすると思っていたので、エーッという感じ。あまり面白くなかった」と言う。

 この模様を「週刊新潮」十二月七日号が「『陛下のガン』も笑いのネタにした『皇室中傷』芝居」と報じて、事態は急展開する。特に広告では「『不敬で下劣』なイベント」と表現。

 これと同時に出演者の一人である永六輔さんの所属事務所などへの右翼の抗議が始まり「週刊金曜日」などには街宣車が約二十台も押し寄せた。劇団「他言無用」は九、十五日に予定していた公演を中止した。

 一連の抗議を受け、「週刊金曜日」も十三日「人権およびプライバシー上、一部の表現に行き過ぎや不適切な言動があったことで、誤解や不快の念を生じさせてしまいました」とする見解を抗議先に渡した。

 北村肇編集長によると、抗議は「天皇制について議論するのはよいが、ぬいぐるみに擬すのは児童虐待」「天皇のご病気の話は人権侵害」といった内容。同編集長は「(見解は)『他言無用』がまずかったと表明したことを前提に考えた。天皇制の問題は慎重にやるが、ああいう内容はマイナスだった」と説明する。

 一方、矢崎氏は「出演者の一人が出られなくなり、代わりに舞台に上がるよう頼まれた。やる前に打ち合わせはした」と説明。「ぬいぐるみの件もパロディーだと分かるし、まずい点はない」と主張した。

 この騒動の最中、二十一日から「さる高貴なご一家」を演じる劇団がある。かつて「他言無用」のメンバーが所属していた「ザ・ニュースペーパー」だ。

 ニュースペーパーは一九八八年、時事問題を鋭く風刺する集団として結成。翌年二月、昭和天皇の「大喪の礼」で「歌舞音曲自粛」のムードが日本中に広まる中で、大喪の礼をテーマにコントを上演。大きな反響を巻き起こした。

■週刊誌挑発、踊らされ…

 プロデューサーの杉浦正士氏は「週刊新潮の中吊(なかづ)りや新聞広告を見て、ほとんどの人がニュースペーパーがやったと思ったようで、心配して電話をかけてきた人もいる」と苦笑する。「私たちにもかなり影響があるだろう。(皇室ニュースを)どういうふうにやるのかという姿勢を問われる」

 その中身について、杉浦氏は「われわれの作品は思想劇ではない。反皇室でも親皇室でもなく、ニュースとして取り上げ、人間を演じてきたという自負がある」と「他言無用」との違いを強調する。その“ニュース”とは、例えば「皇室に嫁いだら男子を産まなければならないなどという理不尽」(杉浦氏)だという。

 「(自分たちのコントは)お客さんの共感を得られていると思う。メンバーは演じている小泉前首相にも、(皇室)ご一家にも共感を持って演じており、最初に人間の情がある」

 杉浦氏は「(『他言無用』は)乗せられてしまった面もあるようだ。根本をいえば、思想のない人間が思想を演じてしまった悲劇。反皇室や反体制を演じることと、われわれの芝居は違うと思う」と説く。

 「ご一家」で「大奥様」を演じる看板役者、渡部又兵衛さんはこうみる。

 「僕たちは子どもを猿にして放り投げたりするなど、人が嫌だと思うことは絶対やらないし、民間から皇室に入って苦労した人を描いている。ワイドショーも皇族のファッションを批評する時代。もう皇室はタブーではなく、ニュースのひとつになっている」

 ただ、そんな構えでも受け取る方次第という面がある。嫌がらせやテロなどの心配について、渡部さんは「僕たちがやっていることで怒ったら右翼もおしまいと思っている」と笑った。

 今回の事件を今年一月、「明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか」(大月書店)を出版した元通信社記者の板垣恭介氏は「内容が天皇批判でも感じたことを表現するのは大いに結構だし、高度な風刺劇なら人の心に入っていくだろう。だが、人形を投げたりするのはコントとしても成り立っていなかったのでは」と厳しい目で批評する。

 「自分も、場合によっては刺される覚悟で書いている。真剣な問題提起ではなく、抗議されてあわててやめるぐらいなら、最初からやるなと言いたい」

 新右翼団体・一水会顧問の鈴木邦男氏は「週刊新潮が一番悪い。抗議した右翼の話を間接的に聞くと『あそこまで書かれてしまったら、やらざるを得ない』ということだった」とメディアの責任に言及する。

 「天皇制は暴力や法律で守られるものではない」と考える鈴木氏は、それゆえ、自らは反対する「不敬罪」が復活しかねないと懸念。こう提案する。

 「これは行き過ぎとか、これは愛情表現だという話し合いはできる。公の場で『天皇制と笑い』というテーマで議論をすべきだ」

◆「皇室」に絡む主なメディア事件

1957 小説「三人の放火者」(筑摩書房)が「不敬」とみなされ、作家中野雅夫氏が右翼に襲撃され、重傷

 61 「中央公論」誌に掲載された深沢七郎氏の小説「風流夢譚(むたん)」を「不敬」とし、右翼が中央公論社社長宅に押し入り、家政婦を殺害、妻は重傷

 63 「平凡」(平凡社)で連載中の小山いと子氏の「美智子さま」が、宮内庁の抗議で打ち切り

 80 月刊「噂(うわさ)の真相」が皇室ポルノ記事を掲載したとして、右翼が印刷所などを襲撃。編集長が謝罪文を掲載

 83 「文芸」(河出書房新社)誌に掲載された桐山襲氏の小説「パルチザン伝説」が不敬だとして、右翼が同社に激しく抗議活動

 88 月刊「創」が天皇崩御Xデー用にテレビ朝日が作成した資料を掲載。右翼が両社に激しく抗議行動

 同 昭和天皇入院でテレビの娯楽番組などの休止相次ぐ

 93 反皇室報道があったとして、右翼が宝島本社と文芸春秋社長宅に発砲

 同 週刊「SPA!」(扶桑社)での小林よしのり氏の連載で、皇太子ご成婚を扱った際、編集サイドの判断でその回のみ休止

2004 週刊「女性セブン」(小学館)が「皇太子」の「太」の文字を「大」と誤植し、発売延期

<デスクメモ> 数年前には「教室で愛国心? まさか」と考えていたが、法律になった。この国には六十年前「不敬罪」があり、天皇の行幸への敬礼の際、ズボンの前ファスナーが開いていただけで捕まりかねなかった時代がある。そりゃ極端な例だ、と思いたい。でも「まさか」が「ホント」になってしまうのが現在だ。(牧)

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20061219/mng_____tokuho__000.shtml

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