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秘密漏洩捜査 『知る権利』に聖域なし―東京新聞[社説]
http://www.asyura2.com/07/senkyo30/msg/1172.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 2 月 17 日 10:38:37: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.tokyo-np.co.jp/sha/
社説 (2007/2/17)

秘密漏洩捜査 『知る権利』に聖域なし

 軍事にかかわる情報は安易に秘密扱いされやすい。主権者が政府の行動をきちんとチェックするために、たとえ機密として扱われていても、国民に知らせるべき情報は報道しなければならない。

 防衛庁(現防衛省)情報本部の元幹部に対する自衛隊警務隊による捜査は、新聞記者に対する情報提供が自衛隊法違反(秘密漏洩(ろうえい))に当たるという容疑である。昨今、自衛隊や米軍の実態が国民から見えにくくなっているだけに、重大な関心を持たざるを得ない。

 警務隊が問題にしているのは、二〇〇五年五月三十一日の読売新聞朝刊で「日米両国の防衛筋が確認した」として報道された中国の潜水艦事故に関する情報である。秘密を厳重に守らせるため、自衛隊内部の締め付けを目的とした捜査とみられ、記者は対象にしていないもようだ。

 だからといって報道機関としては座視できない。この際国民の「知る権利」に聖域はないことをあらためて確認したい。政府が隠している情報であっても、国民に知らせるべきだと自主的に判断した情報は報道するのがジャーナリズム倫理だ。

 むろん、報道によって国民の安全に脅威を与えたり、無用な社会不安を引き起こしたりする恐れがあるなど、慎重に扱うべき情報はある。

 だが、安全、脅威、不安などの可能性については政治家、役人など政府・公権力の側の恣意(しい)的な判断がまかり通りやすい。特に軍事情報は、秘密にする理由がなくても、軍事というだけで非公開が当たり前のような雰囲気さえある。

 現に今度の潜水艦事故の情報は格別秘密にするほどの内容ではなく、いずれは明らかになったはず、との見方が強い。

 日米間の軍事協力、情報の共有化が進むにつれ、米側から秘密保全強化の要求が強まっている。〇一年十月には自衛隊法が改正され、法制度としても秘密主義が拡大した。

 防衛相が指定する「防衛秘密」という秘密類型が新設され漏洩は処罰されることになった。従来の秘密漏洩の罰則も強化され、防衛省の業務に関係ある出入り業者も新たに適用対象とされた。報道記者は秘密漏洩教唆で最高懲役三年の刑を覚悟しなければならなくなった。

 だが、「知る権利」に奉仕する立場ではひるんではいられない。最高裁の判例では、取材行為が形式的に秘密漏洩教唆に当たっても、一般の刑罰法令に触れるなど特別の場合以外は違法とはならない。節度を守るのは当然だが、秘密の壁へのあくなき挑戦こそ報道機関の使命だ。


関連記事―「東京新聞」[特報]
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20070217/mng_____tokuho__000.shtml

米国絡めば 『機密』に昇格
 秘密漏えい 防衛省なぜ躍起

 南シナ海で中国海軍の潜水艦が事故を起こしているという読売新聞のスクープが、防衛庁(現防衛省)幹部のリークだったとして同省が幹部宅などを家宅捜索していたことが明らかになった。当局からの内々の情報提供はいろいろあるが、防衛省にとっての“不都合な秘密”って何?

 防衛省幹部が新聞記者へのリークが原因で捜索されるというショッキングなニュースが朝刊各紙に載った十六日朝、閣議後に記者団に囲まれた久間章生防衛相は複雑な表情でこう明かした。

 「非常に大事なこと、機微に触れることは漏らしてはいけないという一般論としてきちんとしようということだ。そうでないと日本に機微に触れる資材を提供できないとか、情報は漏らせないとなったら国益に反する」

 「資材を提供できない」「情報は漏らせない」という“相手国”はもちろん米国。今回の強制捜査も米国から提供された情報の保全と密接に関連しているようだ。

 問題になったのは、読売新聞が二〇〇五年五月三十一日朝刊に掲載した記事。中国の潜水艦が同月二十六日ごろ、南シナ海を潜航中に火災とみられる事故で航行不能になり中国・海南島に向けえい航されていることを「日米両国の防衛筋が確認した」と報じた。記事には米軍から提供された衛星情報も含まれているとみられている。

■識者懸念『重要な情報こそ開示を』

 記事の情報源と疑われているのは、防衛省情報本部所属の課長級職員だった一等空佐(49)。自衛隊の警務隊が同一佐の自宅などを家宅捜索し書類送検する方針で捜査を進めている。読売新聞記者の事情聴取は行っていないという。

 自衛隊法は「隊員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない」と規定。違反した場合には、一年以下の懲役または三万円以下の罰金に処すると定めている。警務隊は自衛隊内部の刑事事件を担当する捜査機関で、警察と同様の捜査権限を持っている。

 自衛隊員の守秘義務については、〇一年の自衛隊法改正で防衛庁長官(現・防衛相)が指定する「防衛秘密」が新設され、漏えいした場合には懲役五年以下という厳しい罰則が規定された。直接のきっかけは、二〇〇〇年に海上自衛隊三佐が駐日ロシア武官に秘密を漏えいした事件だった。

 当時の中谷元・防衛庁長官は国会審議で「機密」「極秘」「秘」が計約十三万五千件あると明かし、「この中から防衛上特に秘匿することが必要なものを選び、防衛秘密に指定する」と説明した。今回の事案が防衛秘密なのかどうかについては、防衛省広報課は「捜査段階なのでコメントできない」と話している。

 防衛秘密をめぐっては、自衛隊と取引関係のある民間企業も処罰対象になりうることや、報道関係者が漏えい教唆の疑いを持たれる可能性のあることが、国会で議論になった。

 防衛秘密の新設を審議した参院外交防衛委員会の公聴会で意見陳述した吉田健一弁護士は「取材・報道の自由を制約し、国民の知る権利を侵害する恐れがあると反対した」と強調する。その上で今回の強制捜査についてこう懸念する。

 「当時の心配が現実のものになった。重要な情報であるならば国民に知らせオープンに議論することが大事。それとまったく逆行してしまっている」

 では、今回の秘密漏えい事件の舞台となっている中国潜水艦事故には、防衛省が躍起になって捜査するほどの“秘密”が含まれていたのか。

 「今回の件は、秘密そのものより、非常に政治的なにおいがする。『米側が危惧(きぐ)している』の表現が出た時は要注意で、背景には外務省と防衛省との情報をめぐるつばぜりあいがあるのではないか」とみるのは元自衛隊員で軍事評論家の神浦元彰氏。

 防衛庁が省に昇格したことで、米国防総省の直接の相手は防衛省に。対米関係を一手に仕切っていた外務省は活躍の場が減り、ひいては影響力が低下する可能性はある。その勢力争いが影響している−という説だ。

 神浦氏は「情報衛星にしても、実際に運用しているのは防衛省。海外の日本大使館から入ってくる防衛関連情報も直接、防衛省に入るようになった。日米安保政策も防衛省がやることになる。当然、外務省はおもしろくない」と解説する。

 軍事評論家の稲垣治氏も重大な「秘密」が漏れたとされる点については懐疑的で、「マスコミも含め、外部の人間は軍事情報には近づくな、自衛隊内部に対しては、微罪でもやるぞ、との意思表示」とみる。

 事故は二年も前に起き、火災を起こした潜水艦も一九七〇年代建造のディーゼル型で、原子力潜水艦のようなデリケートな問題には発展しにくい。

 確かに、事故のあった南シナ海周辺は緊張が高まることが多い海域で、その状況を日米が衛星や電波傍受を通じて監視していたことは未公開情報。それが漏れたことが、問題といえなくもない。

 稲垣氏は「大切なのは、その秘密がだれにとって重要なのかだ。中国にとっては国の威信にかかわることでもあり、事故が明るみに出た後、中国海軍の幹部が解任された。しかし、日本や米国にとっては、事故が表に出て痛手を被ったと言えるのかは疑問だ」と指摘する。その上で「戦前には軍港の近くで泳いだだけでも罰せられたが、その状況に近づいているのではないか」と防衛省を取り巻く雰囲気がきな臭くなっていることを懸念する。

 一方、元航空ジャーナル編集長の青木謙知(よしとも)氏は「家宅捜索するからには、潜水艦事故のほかにも(漏えいしたものが)もっとあるはず。それを説明してしまうと、秘密が秘密でなくなるから説明できないだけ」と、防衛省の対応に一定の理解を示す。

■『米追従の現実映した』

 青木氏は八三年に大韓航空機が旧ソ連の戦闘機に撃墜された事件を引き合いに「この時も機密の扱いが論議を呼んだ。戦闘機と陸上基地の通信を自衛隊が傍受しており、米国は撃墜を認めないソ連に証拠として突きつけた。機密というのは国が指定するもので、その解除も国の基準で行うものだ」と解説する。

 七二年の外務省機密漏えい事件で毎日新聞記者として当事者だった西山太吉氏は「潜水艦の火災は、報道した方は知らせるべしと書き、情報を出した方も重大な国家機密を漏らした感覚はないだろう。かつて政府高官からの情報で、米原潜の日本初入港をスクープした。機密度はずっと上だが、罰せられた記憶はないね」。

 その上で、今回の事件をこう皮肉る。

 「大した秘密でもないのに、米国とともに潜水艦の事故を察知したというだけで、日本はがらっと対応が変わる。米軍にびくびくしてそうせざるを得ないような状況に日米の軍事同盟はある。図らずも、今回の件は日米関係の現実を映し出したね」

<デスクメモ> ハワイで米原潜とえひめ丸の事故を取材して感じたのは米メディアのペンタゴンへの食い込みのすさまじさ。原潜に民間人が乗っていたことや操舵(そうだ)状況まで抜かれ日本メディアは完敗だった。そこに「真実を伝える」意思を感じた。“国益”を守るため、われわれも秘密に立ち向かわねばならない。(蒲)


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