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戦争の意味を問う一枚の写真 「海兵の結婚」 花嫁の視線の先にあるもの(机の上の空 大沼安史の個人新聞)
http://www.asyura2.com/07/war95/msg/366.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 9 月 03 日 21:26:20: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2007/09/post_32a1.html から転載。

2007-09-02
〔コラム 机の上の空〕 戦争の意味を問う一枚の写真 「海兵の結婚」 花嫁の視線の先にあるもの

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)に、イラク戦争で負傷した米兵の「写真集」が掲載されている。
 ニューヨークの女性写真家、ニナ・バーマンさんが撮影したものだ。

 11枚の「スライド・ショー」。

 6枚目の写真を見て、息をのんだ。

 結婚式の記念写真。新郎と新婦、ふたりきりの。

 写真のタイトルは「海兵(マリーン)のウェディング」。

 写真右手に立つ新郎は、ティ・ジーゲルさん(24歳)。左手の新婦は新婦のレニー・クリネさん(21歳)。

 昨年、アメリカ中西部の田舎で撮影されたものだ。

 軍服姿の新郎の左の胸には勲章がいくつか。
 どれがどれだか見分けはつかないが、そのうちのひとつが戦傷者に贈られる「パープル・ハート」勲章だという。

 海兵隊員だった新郎は2年前、イラクの戦地にいた。自爆攻撃で乗っていたトラックが炎上し、顔面を含む頭部を焼かれた。

 テキサスの病院に運ばれ、整形手術を十九回、受けた。
 頭蓋骨はプラスチック製に代わり、顔面から「目鼻立ち」と「表情」が消えた。

 その新郎のそばにたたずむ新婦の「表情」に微笑みはない。

 口を結んだまま、大きく目を見開いて、左前方へ視線を向けている。

 怖いものを見たような彼女の視線は、写真を観る者の前を過ぎり、かすかに上昇しながら一直線に画面の右手に飛び出して行く。

 その視線の先にあるものを、新婦を横から見ている(らしい)新郎もたぶん、知らない(花嫁に向かって、何を見てるの?と聞いているにも見える)。
 知っているのは、花嫁ただひとり。

 しかし、写真を観る者は、新婦が見ているものを想像することはできる。彼女はおそらく、その場の空間の一点に、ふたりの「運命」を決定付けたものを見て取り、直視しているのだ。

 「イラク戦争」を決定し、夫が「戦傷」する舞台を用意したものの姿を、彼女はその真っ直ぐな視線で、見極めようとしている。

 「スライド・ショー」の解説記事の中で、タイムズ紙の記者は、ふたりの姿は「あまりに孤独」(と見えるかも知れない)だ、と書いている。

 戦場で戦傷した者の帰還は「生還」ではなく「死を携えての帰還」である。迎える者の喜びの中に死の影が射し込むのは、如何ともしがたいところだ。

 が、タイムズ紙の書くところによれば、二人の結婚式は、喜びに満ちた、祝福されたものだったという。

 
 生よ竦(すく)むなかれ、死よ驕(おご)るなかれ!

 白と黒のコントラストが鮮明な二人の写真は、死と生、苦難と希望、戦争と平和の区分を明確化する現代世界のポートレートのようにも見える。
  
 花嫁のウェディング・ドレスと、花婿の正装の腹帯、首から上の「白」は、ふたりして生き抜こうとする決意の色であり、戦争を告発してやまない正義の色であるだろう。

 二人の写真は、イラク戦争の終結へ向けた、ささやかで、しかしながら決定的な記念碑的な一枚である。

 その写真に向かって、わたしも声をかけることにしよう。

 おめでとう、お幸せに、と。


http://www.nytimes.com/2007/08/22/arts/design/22berm.html?ex=1188878400&en=e6914b3204d55b58&ei=5070

http://www.nytimes.com/slideshow/2007/08/21/arts/20070822_BERMAN_SLIDESHOW_10.html

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コメント
 
1. かっぺたんパッチ[372] gqmCwYLYgr2C8YNwg2KDYA 2015年12月20日 12:45:18 : ea87LB8lXE : QLXs07ycaI8[631]
治安部隊っていうけれど、
本当の事を言うと、アメリカのアメリカ人がなぜここまで
外国に行って、負傷したり死なないとならないのか、
つまり武器を没収して、それで海外は、武器無しで暮らしてくれたら、
それほど悪い事にもならないし、
アメリカ兵が行かないでいいと思うんだ。

いや、あんまり英米とかフランスとかドイツとか行ってると、
幾分だけ死ぬでしょう、それで人種の種が保存できなくなるし、
増して日本人が行く必要もないし、戦わなくていいっていうか、
よその事はよその事でいいんじゃないかって思うんだ。


それで、国内の不審な動きが、この2年くらい多かったんで、

もっと国内治安や、対外妨害を

周辺から阻止するっていう事に

務めたほうがいいと思うんだね。

アメリカ人もさ、外で死んでばかりじゃね。

それに、ほんの1862年頃まで、それほど大勢死ななかったろう。

人種が絶滅すると思うんだ。

ヨーロッパ系白人やまあブラックの人達もね。

あんまりやってるとね。

これは、精一杯の私の愛なんだが、

ねえ。




[32初期非表示理由]:担当:関係が薄い長文を大量にスパムしているので全部初期非表示

2. かっぺたんパッチ[373] gqmCwYLYgr2C8YNwg2KDYA 2015年12月20日 12:48:23 : ea87LB8lXE : QLXs07ycaI8[632]
問題は、だからなんで海外に武器をやるのかなと。
これもさ、アメリカの一部の自滅行為だよねって思うんだね。

そして、誰もいなくなったみたいになっていくよね。

ま、もう安倍君がどこに行こうと、私はとめない。

同じ目に遭いたければ、行くがいい。

でも、私の普通の仕事の妨害しないでくれる?



[32初期非表示理由]:担当:関係が薄い長文を大量にスパムしているので全部初期非表示

3. 知的上級者さん[82] km2TSY_ji4mO0oKzgvE 2019年2月23日 18:03:08 : VTH59AY6XQ : WWk1VDA0bXVWVGM=[2] 報告
まぁまぁ色々と最悪なスレが何で浮上してるんだか
>>1>>2を非表示にする阿修羅は無礼千万、なに様になったつもりでいるのか

本文は、罪もない人々を殺したテロリストである米兵を批判することなく美化し
最後は、お幸せにときたもんだ

そして本人は凝りもせず軍服を着てウエディングか
色々と狂っていて気持ちの悪いスレだわ

4. 2019年2月25日 05:29:47 : g5uyi9Mk8E : bUkwdXNWMkQ1V1k=[10] 報告
同じような、民間から強制的に徴兵され傷ついた
戦傷兵が
先の戦争でもたくさん生まれていました。
万一無事でいられて生還し、また
身体に傷は無くとも、
心に大きな傷を負っていたのです。
命令したり計画した者らは、大儲けしたばかりか
まんまと逃げおおせて裏で笑い、今も
のうのうと暮らしています。

本当のテロリストは、
国で戦争を司る者です。

5. 2019年2月28日 19:38:47 : FTVWLPwUQk : Ym5UZTRrQ2RuMC4=[43] 報告
アメリカ兵の死者負傷者数よりケタ違いに多いイラク人の死傷者がいる。ブッシュ(ジュニア)には見えない。
6. 2020年11月06日 14:12:54 : fKkQda7Cxw : a01WR1RYQWZoY00=[947] 報告
戦争反対。
紛争解決に武力を行使してはいけない。
当たり前のことがなぜ出来ないのだろう。
正しい方でなく強い方の言い分が通るっておかしいだろうに。

世界的にはいまだ戦国時代が続いている、
国連の統治が望ましいのだがその前に
無知蒙昧のナショナリズムが消え去る必要がある。

7. 2021年6月15日 20:29:40 : AQzGupEFdw : am9XTlg5azNXZlE=[28] 報告
治安部隊=侵略軍、進駐軍

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