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【論創社ウェブサイト】出版状況クロニクル 1 (2008年4月1日〜5月20日)【by 小田光雄】
http://www.asyura2.com/08/bun1/msg/179.html
投稿者 passenger 日時 2008 年 6 月 26 日 04:45:26: eZ/Nw96TErl1Y
 

(回答先: 【日本の古本屋メルマガより】自著を語る:『ブックオフと出版業界』(小田光雄著) 投稿者 passenger 日時 2008 年 6 月 25 日 18:25:16)


【論創社ウェブサイト】出版状況クロニクル 1 (2008年4月1日〜5月20日)【by 小田光雄】

たまたま見つけた論創社ウェブサイトの小田光雄氏のコラムが
非常に示唆に富んでいたので、記録のためにここにコピペにて
紹介しておきます。
(本好きの私としては、このコラムは出版業界の地殻変動を
 観察する試みとして、非常に有用であると思えた次第。)

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http://www.ronso.co.jp/chronicle/chronicle.html

出版状況クロニクル 1 (2008年4月1日〜5月20日)

小田光雄
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承前

『出版業界の危機と社会構造』以後の出版業界についてのメモである。本来ならば、〇七年九月から掲載するべきだが、スペース上の制約もあり、〇八年四月から五月二〇日にかけての状況から始めることにし、以後毎月更新する。なお同書に含まれる関連事項も取り上げる。〔 〕内は記録者のコメントである。
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1. 朝日新聞出版スタート。
〔八〇〇〇万円という資本金から考えると、たちまち膨大な赤字を積み重ねることになろう〕

2. 大分の明林堂書店、トーハンから大阪屋へ五二店帖合変更。
〔大阪屋のほうがトーハンを上回る取引条件を出したということなのか〕

3. 〇七年商業統計によれば、小売店百十三万店、三年間で十万店減。ピークは八二年の百七十三万店。調査開始時の五二年は百七万店。
〔商店数はほぼ占領時代に戻ったことになる。これは偶然だろうか〕

4. 公取委、流通実態ヒアリング開始。再販制廃止の方向にあると伝えられる。
〔『出版業界の危機と社会構造』の影響か〕

5. 大阪書籍、民事再生、負債六六億円。
〔戦前において、国定教科書は大阪書籍、日本書籍、東京書籍が独占していた時代もあった。その一角が崩れたということは出版業界の一方の柱でもある学習参考書出版社も危機に見舞われているのだろう〕

6. アーカイブ出版、民事再生、負債九〇〇〇万円。
〔占領や高度成長期の写真資料の出版社で、書評や紹介もよく出ていたが、たちまち行き詰まってしまったようだ〕

7. アマゾン、新刊委託を大阪屋から日販へ。
〔これも日販が大阪屋を上回る取引条件を出したということなのか〕

8. 草思社、文芸社の子会社化。
〔サラ金が銀行を傘下に置くような印象〕

9. 丸善、大日本印刷の出資拡大、議決権四〇%。

10. 丸善と大学店舗事業で組んだam/pm一二二億円の債務超過が発覚。同社は牛角などのレックスホールディングス傘下にある。
〔CCC出身の新社長小城の就任以来、すでに一年経ったが、am/pm提携事業以外に新たな動きは見られない〕

11. ブックオフ、日本著作権協会などに一億円寄付を申し入れ。
〔〇七年の『週刊文春』によるバッシング、小林よしのりの「ブックオフは文化破壊だ!」(『ゴー宣暫』一所収、小学館)などへの配慮か〕

12. 『広告批評』休刊、『本の雑誌』と並んで、八〇年代には地方小の看板雑誌だった。
〔広告が新聞、雑誌、テレビからネットに移行する時代を背景にしての休刊は象徴的である〕

13. 学研、小学生宅配雑誌『科学』と『学習』から撤退を表明。
〔明らかに塾との競合、少子化の影響だろう〕

14. 大手書店閉店ラッシュ。旭屋銀座店・水道橋店、三省堂町田店・八王子店、紀伊国屋パークタワー店・船橋店。
〔今年の後半はさらに激しい閉店ラッシュとなるだろう〕

15. 日書連加盟組合員数、二二年連続減少し、ついに六〇〇〇店を割り、五八六九店。
〔八七年のピーク時には一万二九三五店あったので、まさに半減したことになる。来年は確実に五〇〇〇店を割るだろう〕

16. TSUTAYA、「Wonder Goo」(雑誌、書籍取り扱い九四店)を手がけるワンダーコーポレーションの商物流一体化。

17. CCCのTカード事業、TSUTAYA、ブックオフ、ファミリーマートなど四三社二万九〇〇〇店、加盟会員二千七百万人に達する。

18. CCC、法人向け事業戦略の立案、統括するCCCライフスタイル総合研究所設立。消費者向け事業はTSUTAYAホールディングスと二本立てになる。
〔TSUTAYA、CCCの動きは明らかに脱書店、脱レンタルの方向に向かっているように見える。それならば、MPDはどこに向かおうとしているのか〕

19. TSUTAYAのコミックレンタルはマンガ喫茶の春うららかな書房が担当。
〔とすれば、ゲオも同様か〕

20. 新星堂、創業者一族退任。大和証券系ファンドとTSUTAYAの支援先だが、さらに十億円の第三者割当増資を予定。引き受け先は未定。
〔やはりTSUTAYAが支援しているすみやと同じパターン〕

21. 音楽ソフト卸大手でインディーズ系音楽CD販売のダイキサウンド、CD販売事業の落ちこみでファンドによる第三者割当増資。

22. ヤフーとUSENによる動画配信事業開始。

23. ゲオ、フォー・ユーを子会社化。
〔TSUTAYAとCCCの動向の背景には21、22、23のような関連業界の出来事が反映されていると思われる。〕

以下、次回更新分に続く。
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