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Re:オリハルさんへ、技術的な話をしておきます
http://www.asyura2.com/08/eg01/msg/144.html
投稿者 夏水仙 日時 2008 年 6 月 14 日 17:04:55: ghxGOTsRVj8tM
 

(回答先: 水だけで発電するWES(ウォーターエネルギーシステム) 投稿者 オリハル 日時 2008 年 6 月 13 日 02:24:19)

マスコミは必ずしも真実を伝えているわけではないのは、テレ東のWBSに関してはオリハルさんも
ご存知かと思いますが、例の湊氏のモーターも昔放送したわけでw
結局はモノにはなりませんでした。アメリカの特許はすでに期限切れ。日本も同様。

さて他の皆さんは感情的な対応をしていますが、私もフリーエネルギー関連では昔から調べていますので、
技術的な話をしておきます。

本題ですが、なんか胡散臭さ満点ですね。
というのも開発元のジェネパックスの公式サイトを見ても、肝心の
「水からどうやって水素を得るのか、あるいは分離するのか」
という点について、一切説明がないからです。

とここまで書いてきて日経誌のインタビューで社長が少し話した内容が分かったことと、
2chのスレでどなたかが特許の情報を調べてくれたようです。
以下特許情報の転載です。

>>特開2006−244714
>>【請求項1】
>>燃料極と酸素極を電解質を挟み対向配置させ、
>>前記燃料極に純水を供給し、
>>前記酸素極に酸素を供給し、
>>前記燃料極および前記酸素極で発生する電気化学反応により、
>>これらの極から直流電力を出力させ、前記燃料極として、ゼオライト、
>>コーラルサンドおよびカーボンブラックの微粒子粉末の焼結体に白金が
>>担持されたものを用い、前記酸素極として、ゼオライトおよびカーボン
>>ブラックの微粒子粉末の焼結体にルテニウムが担持されたものを用いる
>>ことを特徴とするウォーターエネルギーシステム。

また以下は日経誌の転載です。

>>金属または金属化合物には常温で水と酸化反応する金属を使っているとする。水と反応する金属は
>>LiとNa,Mg,K,Caなどがある。
>>今回発表したシステムの特徴はこの金属または金属化合物の反応性を制御して長時間に使うことを
>>可能にした点にあるという。
>>今回披露したシステムはMEA(膜/電極接合体)の燃料極内部にこうした金属や金属化合物をゼオライト
>>などの多孔質体に担持しているとする。水素生成反応による生成物は水に溶解し、システム中の水ととも
>>に排出される。反応が終了すれば、水素の発生も発電もストップする。

以上の内容からすると、今までパソコンなどの小型電子機器向けに開発されてきたダイレクトメタノール
方式の燃料電池と似ていることがよく分かります。それは触媒として白金やルテニウムを使用しているから
です。
知らない人に簡単に説明してきますが、ダイレクトメタノール方式の燃料電池とは、燃料を改質して
水素を得るのではなく、メタノールを直接触媒電極に触れさせることで水素イオンと電子を得ようという
方式の燃料電池です。
よく入力側の電極で水素と電子が発生するから、何らかのエネルギーを投入しなければ分解出来ないと
思い込んでいる人もいますが、ダイレクトメタノール方式ではメタノールを直接触媒電極に触れさせて
水素イオンと電子が得られるようになっています。これはいわゆる還元と呼ばれているものです。

ただ問題は燃料が水のみという今回の装置で、はたしてたくさんの電流が得られるのか?
触媒の劣化はどうなのか?という疑問点はたくさん残っています。
ダイレクトメタノール方式でも、最初は白金とメタノールが反応して徐々に分解されて
最後にCOHとH2Oとが白金と反応するという過程を踏んでいます。いきなり水と白金の反応を
起こすというのは今までの燃料電池の常識とはちょっと外れています。
また一般的な燃料電池において、燃料にアルコールとかガソリンを使用するというのは、化学式にH、
つまり水素が多いほうが水素の発生が多くなるし、水素イオンが多くなれば当然電子も多くなります。
それが水のみだとH、水素の量が圧倒的に少ないわけですから、その点に疑問が残ります。


次の問題点として、他の方がコードが細いという指摘をしていますが、あれはデモ用のスタックですから
別にコードが細くても問題はないと思いますがね。
今回の装置から発生する電流を直接モーターに送っているわけではなく、あくまでもバッテリーを充電する
ための装置ですから。
私の推測では、今回の装置は大きな電流を発生することは難しいのではないかと思っています。
よってバッテリーの電力が減る時間を延ばすという程度のものではないかと。
ダイレクトメタノール方式の燃料電池では入力側の触媒電極で二酸化炭素が発生してしまうという欠点が
ありますが、今回の装置は水のみですので二酸化炭素は発生しません。

ちなみに今回走行実験に使われた車は、タケオカ自動車工芸製の電気自動車だそうで、単に走らせる
だけでは今回の装置から発生する電力で動いているというよりは、ノーマルの電気自動車として走って
いるだけということにもなりかねません。
その点は差し引いて見るべきでしょう。
それでタケオカ自動車工芸の電気自動車はモーター電圧として交流の100Vで動いているそうなので、
余計今回の装置は怪しくなってしまうと思うのですよ。
電流は少ないだろうし、電圧を確保するにはスタックをたくさん並べる必要がある。

それとこういった技術は自動車メーカー、あるいは電池メーカーとで連携を組みながら共同開発して、
目処が立ったところで公開するという方法が有効だと思いますが、どうして自分たちのみで発表して
しまったのかに疑問が残ります。
もっとも相手が大手メーカーならば特許戦略で負けてしまうからという警戒感もあるかもしれませんが。  

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