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マスゴミ再生の道は記者クラブ廃止「メディアが権力を追及していたら、とうに自民政権は終わっている」 元NHK 川崎泰資氏
http://www.asyura2.com/08/hihyo8/msg/452.html
投稿者 ブッダの弟子 日時 2008 年 10 月 04 日 16:19:32: WrVq5GKL9DWTY
 

JANJAN
全文
http://www.news.janjan.jp/media/0809/0809237909/1.php


 今の大手マスコミは「会社の広報と同じ。政治記者が政府自民党の広報をやっている。こんなにひどいジャーナリズムはない。日本のメディアは権力を追及しないんだ。追及していたら、とうの昔に自民党政権は終わっているよ。

 首相が二代続けて政権を突然投げ出し、メディアは政治権力を批判するどころか政府の広報となるなど、日本の数多くの劣化現象の最たるものは政界とジャーナリズムにあると元NHK政治部記者の川(さき=表示不可)泰資は厳しく批判する。

 「自民党は政権担当能力なし。創価学会・公明党は自民党にどこまでもついてゆく『下駄の雪』だった。しかし、ここ数年変わった。『下駄の雪』が下駄を選ぶということを言い出した。“福田ではなく麻生”だとか、“定額減税をのめ”とか。それが今回の騒動(福田首相辞任)の原因。自民党もほんとうに情けない」と指摘する。

 今回の自民党の総裁選は最初から結果が分かっている「茶番」で、メディアと自民党だけが大騒ぎしていると川さきは言う。「候補者らしい候補者は与謝野馨と麻生太郎だけ。あとの候補者はただテレビでの露出度が高いというだけで出ている。でも、なぜ山本一太などが出てこようとしたの?」と信じられない表情だ。また、自民党は今回の事態に関して謝罪も反省もまったくないと言う。

 自民党中心の政治はだめになったが、ジャーナリズムはそれと同程度かあるいはそれ以上に悪くなっていると川さきは指摘する。「日本にメディアはあっても、ジャーナリズムはなし」と繰り返し強調する。

 9月1日の福田康夫首相の突然の辞任会見自体はとくに驚かなかったが、会見の様子は元政治記者には「異様」に見えた。日本のジャーナリズムも「ここまで落ちたのか」とあきれる。大新聞社、共同通信、NHKの記者などは会見場の一番前方に陣取っているが、首相に「あなたは責任を感じないのか」、「二代続けてやめるなんて自民党としてどうなっているんだ」、「ほんとうにやめる原因はなんだ」などと聞いた者は一人もいないと指摘する。

 しかし、最後に中国新聞の記者が首相の会見が「人ごと」のように聞こえると言ったら、首相は「自分は客観的に見える。あなたとは違うんです」と感情をあらわにした。

 「中国新聞の記者の質問はごく普通なもので当然聞くべきもの。『あなたとは違う』という発言は、 “政治の世界ではそんな質問はするべきではないと皆は分かっているのですよ、分かっていないのはあなただけですよ、あなたの質問は永田町のルールに反した質問ですよ”とそういう意味なんだ」と川さきは首相の言葉を解釈する。

 しかも、その後、大手マスコミは、「政権放り投げ」の首相や自民党を追及するのではなく、新聞の一面やテレビのトップニュースで日本相撲協会の当時理事長であった北の湖ばかりを追及したと川さきは指摘する。「そんなの社会面でやればいい。一面は政治でしょう」

 その大相撲の横綱審議会委員長が、失脚した元NHK会長海老沢勝二だというのも皮肉な話だ。海老沢は政治記者ではなく、「政治業者の成り上がり」だと川さきは痛烈に批判する。「彼の生き方からしたら大成功したかもしれない。だが、ジャーナリズムのかけらもないじゃないか」

 川さきは政治記者時代、首相官邸の会見の場に座り、カメラが回っているなか、当時の田中角栄首相を厳しく問い詰めた。福田親子(赳夫、康夫)もよく知っているという。

 メディアは、福田首相に小泉政権の路線を変えるのか継承するのかといったことを何も聞かなかったが、このようなことは昔の政治記者には有り得ないことだという。例えば、首相が交代するたびに聞いた質問の一つは、非核三原則の堅持か否かであった。「『守らない』とは言えない、『守ります』と言ったらそれが内閣の公約となる。それがずっと続いてきた。いまやそれも聞かない」 

 小泉政権が行なった市場主義の無制限な導入により、格差はさらに拡大、非正規労働者は増大したが、国民の多くが直面しているそのような問題に関してもメディアは検証できていないと言う。 

 「小泉の有名なフレーズは『自民党をぶっ壊す』で、それでメディアは盛り上がったが、小泉は自民党をぶっ壊したのではなく、日本の社会をぶっ壊したのだというのがほんとうのところ。自民党は半壊ぐらいだが、社会は全壊したと私は思っている」と川さきは言う。

 今の大手マスコミは「会社の広報と同じ。政治記者が政府自民党の広報をやっている。こんなにひどいジャーナリズムはない。日本のメディアは権力を追及しないんだ。追及していたら、とうの昔に自民党政権は終わっているよ。メディアは自民党に対抗しようとする勢力に対して、すぐにケチばかりつける。自民党の連中が言っていることと同じことを記者が言っている」

 たしかに、小沢一郎にも民主党にも問題があるが、ジャーナリズムは、日本の社会にとって、今、何が大切かを考えるべきだと川さきは強調する。「権力は自分の力で何でもできる。その権力をチェックして、世の中のバランスを保つのがジャーナリズムの役目でしょう。しかし、メディアの方から自民党に歩み寄っている。そのほうが、自分たちにとっても、自分の社にとっても安全だと思っている」

 そのような報道機関では、若い人がジャーナリズムの仕事がしたいと志を持って入って来ても、彼らを教えることができていないと川さきは言う。

 「(報道機関の)トップがジャーナリズムを知らない。上司がジャーナリズムを実践していない、だから日本のジャーナリズムは敗北した、死んだと言っているのですよ。大きな組織の中でジャーナリズムを貫徹しようとすればクビになるか、クビにならないまでも左遷される」

 それは本人が最もよく知っていることだ。NHK政治部記者時代、NHKはジャーナリズムと川さきを守るどころか、自民党田中派の圧力に屈服、政治記者であった川さきを左遷した。左遷場所のNHKの別の部署に着いた初日、彼には椅子も机も用意されてなかったという。現在、川さきは学校法人椙山女学園の理事を務める。

政府の審議会の委員になっている大手マスコミのジャーナリストも相変わらず少なくない「(官僚は)そのようにして記者を取り込む。だから、ジャーナリズムではなくなっている」のだと言う。

 元朝日新聞論説委員である柴田鉄治との共著「組織ジャーナリズムの敗北 続NHKと朝日新聞(岩波書店)」は、日本の大手マスコミを真正面から批判する数少ない著書の一つだろう。二人とも長年それぞれの報道機関に勤めていたこともあり、NHKの番組改変問題など大メディアが直面するさまざまな問題の分析も鋭い。しかし、日本の多くのタブーについて語り、テレビ局、大新聞社をすべて敵に回しているから、他のメディア批判の書と同様、彼らの著書も新聞の書評には登場しないと川さきは言う。

 川さきはNHKを批判しているので、局への出入りは禁止になっていると言う。「NHKの玄関には入っていけないことになっている。批判するやつは入れないということになっているらしい。政権担当能力がない自民党が政府にいたら、国がおかしくなってしまうのと一緒で、NHKの経営能力がない人間がやるとこうなってしまう」と言う。

 柴田と川さきは、「戦時中は、ただただ戦争を煽り、『勝った、勝った』と大本営発表を伝えるだけだった新聞とラジオが、戦後、様変わりしたその変化に目をみはるとともに、民主主義を支える重要な柱の一つであるジャーナリズムの役割に興味を持った」と彼らの著書で述べている。しかし、現在、その柱が激しく劣化しているのだと彼らは指摘している。

 日本のジャーナリズム再生のためには、記者クラブ廃止しかないと川さきは強調する。
「ぼくはそういう結論に達している。朝日、読売、NHKなどは記者クラブなしでもやっていける。しかし、記者クラブは弱小な媒体とテレビの救済の場。記者クラブに座っていれば、情報が入ってきて、他の記者が質問したのを聞いて、『あーそういうことだったんだ』と納得する。そういう機関になっているのです」

 「(新聞とテレビの)系列化をやめることは、言論の多様性を確保するうえからも必要だ。また、放送について総務省が監督官庁になっているのは世界の先進国のあり方からみてもおかしい。(中略)政府から離れた独立の行政委員会に戻す必要がある」


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