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FOREIGN AFFAIRS JAPAN 私が大統領に選ばれれば
http://www.asyura2.com/09/bd55/msg/188.html
投稿者 石工の都仙臺市 日時 2009 年 2 月 04 日 21:43:07: Gsx84HOp6wiqQ
 

(回答先: FOREIGN AFFAIRS JAPAN ヒラリー・クリントンの世界像 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2009 年 2 月 04 日 21:39:40)

 
 
 
 
FOREIGN AFFAIRS JAPAN
ヒラリー・ロドハム・クリントン 民主黨豫備選大統領候補
フオーリン・アフエアーズ日本語版2007年11月號
私が大統領に選ばれれば
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200711/clinton.htm
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200711/clinton_2.htm
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200711/clinton_3.htm
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200711/clinton_4.htm
 
 
 
 
私が大統領に選ばれれば
Security and Opportunity for the Twenty-first Century

ヒラリー・ロドハム・クリントン 民主黨豫備選大統領候補
フオーリン・アフエアーズ日本語版2007年11月號
 
 
 
私が大統領に成れば、……政權發足後60日以内に、米軍を本國へと歸還させるための現實的なプランをまとめるやうに統合參謀本部議長、國防長官、國家安全保障會議に命じる。……新しい亞米利加を世界に再デビユーさせる事で機會を生かしてみせる。私は亞米利加のパワーを脩復し、われわれが恐れる世界から自國を守るだけでなく、われわれが望む世界を構築する事に取り組んでいく。われわれは安全と機會がともに存在し、擴大していくやうな世界、より安全で、繁榮し、正義に滿ちた世界をつくらなければならない。(H・R・クリントン)
 
 
 
 
亞米利加のリーダーシツプを再生するには

 他國に尊敬されない限り、偉大な國家もリーダーシツプを發揮出來ない。亞米利加はパワフルな國家、使命感を持つ國家、寛大で心優しき國家として此れまで世界の敬意を集めてきた。米上院議員として、そしてフアーストレデイーとして世界各國を訪問し、世界のあらゆる社會階層の人々との對話を試みてきた經驗から、私は、過去に於る亞米利加の政策が如何に尊敬され、感謝されてきたかを知つてゐる。

 過去6年間に於る悲劇とは、ブツシユ政權の路線ゆゑに、各國が亞米利加によせる敬意、信頼、確信が著しく損なはれ、われわれの緊密な同盟國でさへも亞米利加から距離を置くやうに成つてしまつた事だ。

 21世紀に足を踏み入れた當時の亞米利加は、きはめてユニークな立場を手にしてゐた。當時は亞米利加のリーダーシツプは廣く受け入れられ、各國の尊敬を集めてゐた。ワシントンは、古くからの同盟關係を強化するとともに、新たな同盟關係を築き、世界の平和のために努力し、大量破壞兵器(WMD)の不擴散を試み、米軍の近代化に努めてゐた。

 そして9・11直後、世界は亞米利加に大きな共感をよせ、アフガニスタンのタリバーン政權を打倒し、アルカイダ指導層の掃討作戰を試みるワシントンの路線を強く支持した。當時の亞米利加は、テロとの戰ひに嚮けてグローバルな聯帶を組織し、外交的影響力を強化し、パートナーを増やし、敵を減らすための大きな機會を手にしてゐた。

 然し、亞米利加は、國聯の査察官がイラクでの任務を最後までやり遂げる事を認めずに、イラク戰爭へと突き進み、またとない機會をフイにしてしまつた。アルカイダとの戰ひ、アフガニスタンにイスラム流の民主主義を確立すると云ふ遠大な目標のために、貴重な軍事・財政資源の多くをつぎ込む一方で、ブツシユ政權は此れまでになく強引な單獨行動主義をとるやうに成つた。包括的核實驗禁止條約(CTBT)の批准を議會から取り附けようと試みるのをやめ、中東和平プロセスにも背を嚮け、京都合意にも參加しなかつた。地球温暖化と云ふ大きな課題への國際的取り組みへの參加を拒絶した事で、亞米利加の國際的立場はますます惡くなつた。

 此れまでの亞米利加なら、戰爭を決斷する前に外交的手段のすべてを試み、古くからの敵對勢力を敵と看做し續けるのではなく、同盟國へと變貌させるやうに努力した。單獨で行動するよりも協調を心がける事でグローバルなリーダーシツプを擔つていくと云ふ超黨派の外交的傳統を守つてきた。だが、ブツシユ政權がかうした外交的傳統を拒絶した事で、亞米利加は大きな代價を支拂はされる事に成つた。目の前にある切實な問題に對處していくには、かつてないレベルの國際協調が必要に成る。われわれが、さうした歴史的な局面にあるにもかかはらず、現政權は單獨行動主義で政策を進め、此れが世界の叛撥と不信を買つてしまつた。

 此のやうな事態に陷る必然性はなかつたし、われわれの同盟國も其のやうなことは望んでゐなかつた。世界はいまも亞米利加がリーダーシツプを發揮する事を望んでゐる。亞米利加のリーダーシツプは衰頽途上にあるが、其れでも多くの國は亞米利加のリーダーシツプを求めてゐる。世界に於るわれわれの友人たちは、亞米利加が内嚮きに成る事を望んではゐない。理念と價値、リーダーシツプ、そしてパワーで20世紀の世界を引つ張つてきた亞米利加との同盟關係を望んでゐる。世界に於る適切な場所を取り戻すには亞米利加は強くなければならないし、賢明な政策をとらなければならない。

 次期大統領は、亞米利加の世界に於る名聲を恢復し、亞米利加が再び世界をリード出來る事を示す機會を手にする事に成る。私が大統領に成れば、新しい亞米利加を世界に再デビユーさせる事で此の機會を生かしてみせる。私は亞米利加のパワーを脩復し、われわれが恐れる世界から自國を守るだけでなく、われわれが望む世界を構築する事に取り組んでいく。

 安全で機會に滿ちた世界の構築に嚮けて、友好國と同盟國を主導していくことを目的に据ゑなければならない。此れまで亞米利加は長く「機會の國」だつた。然し、イラクとアフガニスタンの現状からみて、幾ら機會をつくりだしても、安全が確保されてゐなければ、機會を生かすことは出來ない事をわれわれは理解してゐる。安全と機會がともに存在し、擴大していくやうな世界、より安全で、繁榮し、正義に滿ちた世界をわれわれはつくらなければならない。

 必要なのは、われわれが望む世界を實現するためだけのビジヨンを超えた、更に遠大なビジヨンである。われわれは、此れまで經驗した事のない21世紀型の脅威、詰り、國家だけでなく、非國家アクター、自然界の脅威にも對處していかなければならない。

 更に次期大統領は、二つの大きな問題を前政權から引き繼ぐことに成る。其れは、グローバル・テロネツトワークとの長期的な戰ひ、そして、核開發を摸索するイランとの緊張の高まりだ。今後どの方嚮に進むかはつきりしない復活した露西亞、國際システムに何とかして取り込んでいかなければならない臺頭する支那にも對處していかなければならない。更に、次期政權は、イスラエルを脅かし、石油の供給を混亂させ、グローバル經濟を失速させるリスクを伴ふ、中東に於る豫見不能で危險な状況にも直面する事に成るだらう。最後に、次期大統領は、地球温暖化と云ふ、既に姿を現しつつある長期的な脅威、感染症などのグローバルな公衆衞生上の脅威にも對處していかなければならない。

 此れらの課題に對處していくには、イラクから撤退し、米軍を再建し、テロとの戰ひを遂行していくためのより廣汎なツールを形作る事で、亞米利加のパワーを再生させなければならない。其のためには亞米利加のパワーの本質、詰り、相手に何かを強制するパワーと、人々を鼓舞し、魅了するパワーとのバランスをうまくとる必要がある。われわれは、現實が何であるかを正面から見据ゑ、イデオロギーではなく、はつきりとした證據をもとに決斷を下さなければならない。

パワーと原則

 リーダーシツプを發揮するには戰略、説得、ひらめき、動機をバランスよく投入しなければならないし、其の行動は恐れではなく、尊重に根ざすものでなければならない。亞米利加の建國の父たちも、亞米利加の對外行動は世界の人々の意見への尊重に基づくものである事を説明すると云ふ意圖から、獨立宣言をまとめてゐる。今日に於ても、われわれの行動への他國の尊重を得るには、亞米利加の力の行使を原則に基づくものにしなければならない。

――イデオロギー志嚮ゆゑに間違つた選擇を下すことを囘避せよ。

 ブツシユ政權は、軍事力對外交、單獨行動主義對多國間主義、ハードパワー對ソフトパワーと云ふ選擇肢をめぐつて一聯の間違つた決定を下してしまつた。此れらの選擇肢を二者擇一ととらへたところに、ブツシユ政權のイデオロギー志嚮が表れてゐるし、此のために、世界をリードし、われわれの活動を成功させるためのツールと柔軟性が奪はれてしまつた。軍事力を用ゐるにせよ、外交を展開するにせよ、情勢とタイミングを見極めなければならない。適切なバランスで用ゐれば、軍事力と外交は相互補完的に作用する。亞米利加は外交に於て多國間主義を重視し、單獨行動主義は、われわれの國益を守るため、そして囘避出來る悲劇を起こさないために絶對的に必要な場合の一つの選擇肢としてとらへなければならない。

――軍事力をすべての問題の解決策と看做すのではなく、包括的な戰略の一部ととらへよ。

 大統領としての私が、亞米利加人の生命、領土、死活的に重要な利益を守るために必要と判斷される場合に、軍事力の行使を躊躇する事はあり得ない。われわれがテロリストと交渉する事はあり得ないし、テロリストは追跡して捕まへるか、拘束するか、殺害しなければならない。外交だけでは、ダルフールで起きてゐるやうな大量虐殺や人道に對する犯罪を食ひ止める事は出來ないのも事實だらう。だが、外交の代はりに武力を用ゐるのは、米軍の兵士たちに、彼らが想定せず、訓練も受けてゐない任務を課すことに成るし、こん棒を振り囘すのではなく、こん棒を手に相手と靜かに話すことの價値を無視する事に成る。
 
――國際機關をうまく(改革して)機能させ、可能であれば國際機關を通じて行動を起こす。

 現政權の高官の多くはさう考へてゐないやうだが、國際機關はわれわれにとつての罠ではなく、ツールである。亞米利加は勿論、國益を守る事を指針に行動しなければならないが、國際機關がうまく機能するやうに成れば、われわれが行動を起こす必要性と頻度を少なく出來る。共和黨、民主黨に關係なく、歴代の大統領は此の點を理解してゐた。國際機關がうまく機能すれば、寧ろ亞米利加の影響力を高めて呉れる。だが、うまく機能してゐない時には、國際的對應が際限なく遲れてしまふ。ダルフールのケースがさうだし、スーダンが國聯の人權委員會のメンバーに選ばれると云つた茶番も起きる。然し、失敗續きだからと云つて國際機關を輕視して見下すのではなく、國際機關の構造を21世紀の現實と國聯人權宣言が具現する價値に即したものへと改革する必要がある。

――民主主義を機能させ、うまく恩恵を齎すやうにする。

 饑餓、貧困、經濟的停滯は人々を絶望させる。グローバル化は社會の内外で持てる者と持たざる者の格差を廣げてしまふ。今日、世界で一日2ドル以下の生活を餘儀なくされてゐる人々は20億人に達し、かうした人々が永遠に貧困から拔け出せない恐れがある。貧困にさいなまれ、一握りの富裕なエリート層が支配する社會に、市民權、政治的權利を擴大するやうに幾ら求めても、民主主義が人々の生活を目に見える形で改善させない限り、さうした要請が受け入れられる事はない。ブツシユ政權のイラク政策によつて、民主主義の名聲は一時的に汚されてしまつた。然し、長期的には、民主主義の價値は今後も世界に前嚮きの刺戟を與へる事に成るだらう。

――われわれの價値を支へ、實踐せよ。

 われわれの建國の父が普遍性をもつと判斷した亞米利加の價値は、世界の多くの人々に希望を與へるとともに、われわれの強さを支へてゐる。ただ、其處には、われわれがさうした價値を實踐する限りに於てと云ふ條件がつく。われわれが他國に於る法の支配の確立を求めるのであれば、(テロ容疑者への)法の範圍を超えた拷問や無制限の拘束を行ふべきではない。

より強い亞米利加をつくるには

 亞米利加のグローバルなリーダーシツプを恢復するには、まづ、イラクでの戰爭を終はらせなければならない。イラク戰爭は、われわれの軍事資源をのみ込み、アフガニスタンに嚮けるべき關心と資源を奪ひとり、われわれの軍事力をむしばんでゐる。同盟諸國を離叛させ、國内世論を分裂させてゐる。イラクでの戰爭はわれわれの戰力を薄く廣く擴散させ、引き裂きかねない状況へと追ひ込んでゐる。米軍を立て直し、士氣を高めなければならない。

 現地に展開する米軍部隊を安全に本國へと歸還させる形でイラクから撤退させるとともに、灣岸地域の安定恢復への取り組みを開始しなければならない。イラクの將來を安全なものとするために、軍事力ではなく、世界各國の協調をとりまとめるための外交構想を積極化させなければならない。私が大統領に成れば、此の目的に即して、政權發足後60日以内に、米軍を本國へと歸還させるための現實的なプランをまとめるやうに統合參謀本部議長、國防長官、國家安全保障會議に命じる。

 撤退とイラク安定化策を聯動させる一方で、私は、支援をイラク政府ではなく、イラク市民に重點配分する。われわれの支援を、與へられた資金をたんにため込むか、盜むか、浪費してゐる政府省廳にではなく、適切に有效利用出來る勢力に與へなければならない。

 イラクからの撤退を進める一方で、私は軍事力に代へて、中東地域での外交構想を積極的に展開していく。ブツシユ政權は、イラクの將來をめぐつてやつとイラン、シリアと接觸するやうに成つた。此れは、適切な方嚮での第一歩だが、より多くのことが必要だ。

 大統領として私は、主要な同盟國を含む世界の大國、イラクと國境を接するすべての諸國で構成される地域安定化グループを組織する。新たに指名された國聯のイラク問題擔當特別代表とともに、此の安定化グループが、イラクの安定化に嚮けた戰略の立案と實施を行ひ、其のプロセスを通じて、イラン、サウジアラビア、シリア、トルコがイラクの内戰から距離を置くやうな環境をつくりだす。

 最後に、紛爭に苦しめられてゐる人々へのグローバルな人道支援に嚮けて世界各國を動員しなければならない。母國から脱出した200萬のイラク人、國内避難民と化してゐる200萬のイラク人が置かれてゐる窮状に對處していく必要がある。此のためには、國聯難民高等辯務官事務所の主導のもとで、巨額の資金をつぎ込んだ國際的支援が必要に成る。一方、亞米利加は、歐羅巴、中東諸國とともに、難民を受け入れ、イラクの安全が確認された段階で、彼らの本國への歸還を助ける必要がある。

 イラクからの撤退に伴ふ戰力の再配備を行ふ一方で、テロ對策をゆるめてはいけない。私は、イラクのアルカイダ勢力其の他、此の地域のテロ組織に對して、特別部隊による作戰を命じる。かうした部隊が一方で、イラクに於る殘留部隊や文民スタツフの安全を守るとともに、治安を維持し、安定を強化するためにイラクの治安部隊を訓練し、裝備していく。勿論、訓練がうまくいくことが裝備を與へる前提と成る。更に、イラク北部のクルド人地域で誕生しつつある民主主義、そして平和と安定を守るために、一部の米軍部隊を殘留させる事も檢討する。一方で、テロ組織であるクルド勞働者黨がつくりだす問題への對處策をとり、トルコとの國境線の保全を圖る必要性にも配慮する。

 イラクから撤退すれば、イスラエルとパレスチナの安全と安定を強化するための新たな中東和平プロセスに嚮けて、亞米利加は建設的な役割を擔へるやうに成る。既に2000年以降、イスラエルとパレスチナの最終合意の基本枠組みがどのやうなものに成るかは、はつきりとしてゐる。其れは、ガザと西岸にパレスチナ國家の樹立を認める代はりに、パレスチナはイスラエルの國家としての生存權と安全を受け入れて外交承認し、アラブ諸國もイスラエルとの關係を正常化すると云ふ枠組みだ。

 此の紛爭を解決するうへで、亞米利加は外交的に重要な役割を擔ふことが出來る。イスラエル、パレスチナ間の交渉を活性化させるだけでなく、平和にコミツトし、イスラエルとの對話に前嚮きなパレスチナ指導者へのアラブ諸國の支持を取り附けなければならない。亞米利加が最終合意を仲介して状況を進展させられるかどうかはわからないが、亞米利加が一貫して中東和平に關與すれば、暴力のレベルを緩和出來るし、中東に於るわれわれのクレデイビリテイー(信頼性)を恢復する事にもつながる。

 一方で私は、イラク戰爭によつて疲弊した戰力を立て直し、21世紀型の脅威に米軍が對抗していけるやうに、米軍の規模を擴大するとともに近代化を圖つていく積りだ。かうした手を打つておけば、長期的な抑止力形成のための前方展開軍、軍事的即應態勢、國内で緊急事態に對處するために必要な戰力を損なふことなく、戰爭を戰へるやうに成る。

 私は米軍合同コマンドが立ち上げた米軍變革顧問グループ(TAG)に參加した唯一人の上院議員として、かうした問題の詳細を檢討する機會を得た。軍事的な技術革新の試みは今後も續ける必要があるが、ブツシユ政權は、コストがかかり、效果が立證されてゐないミサイル防衞技術の開發に過度にこだはつただけでなく、輕量部隊でタリバーンやサダム・フセインを制壓し、アフガニスタンやイラクを安定化出來ると云ふ間違つた考へを前提として受け入れてゐた。

 また、アフガニスタンやイラクで負傷した勇敢な米兵に醫療、社會保障、社會訓練などの支援を與へる必要もある。ウオルター・リード陸軍醫療センターでの負傷兵への治療だけでどうにかなるものではない。負傷から快方に嚮かひ、次の生活に備へようとしてゐる人々の家族が、負傷兵を支援出來るやうに家族休暇・負傷休暇法を擴大させなければならない。醫療の提供に加へて、兵士たちが專門のスキルを身につけ、起業の機會を與へられ、教育や住宅保有へのアクセスを得る現代版復員法を整備する必要もある。

對テロ戰爭をどう戰ふか

 アルカイダおよび擴大する一途の過激派テロ集團には攻勢を續けなければならない。テロリストたちは、對米攻撃を再現する事を固く決意してをり、9・11を再現出來ると確信すれば、彼らは間違ひなく實行する。其の試みを沮止するために、われわれはあらゆる手を盡くす必要がある。

 ハンブルク、クアラルンプールなど、9・11對米テロが計劃された歐羅巴や亞細亞の都市に於て、テロリストたちはいまも次なる攻撃を計劃してゐる。(テロを沮止するには)彼らのやり方だけでなく、其の動機に目を嚮ける必要がある。テロリストは近代性、女性の權利、民主主義を拒絶し、神祕的な過去への危險なノスタルジアを感じてゐる。したがつて、われわれは此れに對處するために、テロリストだけでなく、テロリストを支援してゐる社會勢力を視野に入れた教育、情報、法執行に力を入れていかなければならない。

 アフガニスタンは對テロ戰爭の忘れ去られた戰線と化してをり、此の地域でのわれわれの戰力を増強しなければならない。タリバーンの復權を許してはならない。彼らが權力の坐に再びつけば、アルカイダも此の國に舞ひ戻る事に成る。

 だが現在の亞米利加の政策では、ハミド・カルザイ政權を弱體化させ、タリバーンが南部に於る多くの地域を制壓するのを許してしまふだけだ。何の制約もなく行はれてゐるヘロイン取引が、われわれの部隊を攻撃してゐるタリバーン勢力やアルカイダのテロリストの資金源に成つてゐる。麻藥取引の取り締まりを強化するとともに、代替作物栽培計劃、大規模な道路網整備計劃を支援する必要がある。かうした計劃を通じて、アフガニスタンで誠實で優れた統治が行はれ、女性が社會に於てより大きな役割を果たせるやうな環境を提供出來る。更にアフガニスタンの國境問題を解決するために中央政府、地方政府の基盤を強化しなければならない。

 テロリストたちは、パキスタンの聯邦直轄部族地域を自分たちの聖域としつつある。かうした部族地域對策をわれわれがパキスタン政府とともに強化すれば、國境地帶に潛伏するテロリストを根絶出來るだけでなく、北大西洋條約機構(NATO)の同盟國に對して、アフガニスタン戰爭、そして廣く南亞細亞での過激派に對する戰爭にわれわれが勝利出來る事、そして何としても勝利しなければならないと云ふメツセージを送る事が出來る。然し、此の地域を相互に關聯する國家群として一體的にとらへ、危機が共振し、危險が聯鎖的に廣がる事を認識しない限り、われわれが成功する事はあり得ない。

 世界のテロリズムに對峙していくには、より優れた情報・諜報活動が必要に成る。机の前で集めた情報ではなく、街頭での生きた情報が必要に成る。私が大統領に成れば、情報コミユニテイーの低下した士氣を高め、對テロ戰爭に必要なアラビア語其の他の主要な言語に通じた情報エージエントと分析官を増員し、情報分析其のものの價値と評價を引き上げる事に努力する。實際、9・11前後にテロを畫策したテロリストの多くは、他の諸國の情報當局、法執行當局との協調によつて逮捕されてゐる。

 だが、われわれの活動效率を最大限に高めるには、同盟關係を再構築しなければならない。われわれが直面してゐるのはグローバル規模の脅威だ。當然、同盟國、パートナー國の價値、懸念、利益に十分配慮しなければならない。此れは、世界規模での對テロ戰爭遂行能力を此れまでよりもうまく強化しなければならない事を意味する。諸外國に於る警察、檢察、司法制度の強化を支援すべきだし、情報收集のあり方を見直し、特に途上國の國境警備を強化する必要もある。

 勿論、國内の警戒態勢にもぬかりがあつてはならない。ニユーヨーク洲選出の上院議員として、私は、テロ直後の初動對應、重要インフラの警備への投資を長く主張し、更に、汎用型の聯邦通信・安全システムの開發など、新しい戰略と技術を導入する事を求めてきた。ブツシユ政權が對應をとらない儘、其れでも、9・11コミツシヨンが提言した措置の80%が法制化されたのは、おもに議會民主黨のおかげである。だが、より多くの對策が必要だ。危機にさらされてゐるものの價値に應じた資源を導入すべきだし、尤も大きな危險にさらされてゐる脆弱な都市が攻撃に對處出來るやうにしなければならない。また化學工場がテロリストのターゲツトにされないやうに、工場の警備を強化し、危險物質の輸送に關する安全對策も強化する必要がある。

核不擴散へのアプローチ

 ブツシユ政權は、敵對勢力との交渉を長く拒絶してきた。交渉では國益を擁護出來ないと考へてゐたやうだ。だがかうした見方は間違つてゐるし、其のやうな戰略では意圖とは逆の結末に直面する事に成る。眞の政治手腕には、敵との交渉を恐れない態度が必要だ。たんなる話し合ひのための交渉ではなく、目的を實現する事を前提に力強い外交を展開しなければならない。

 例へば、亞米利加、NATO同盟諸國、イスラエルにとつての長期的な戰略課題を突きつけてゐるイランへの路線がさうだ。イランはテロ支援國家の筆頭と看做せる國だし、イラクで米兵の攻撃・殺害に用ゐられてゐる爆發物を、エージエントを通じてシーア派勢力に提供してゐる。ブツシユ政權は、テヘランの核開發をめぐつてイランと交渉する事を拒絶し、惡い行ひを問題として取り上げて對處していくよりも、寧ろ、此れを無視する路線をとつてきた。

 だが、此の間にイランは、ウラン濃縮能力を強化し、イラクのシーア派勢力の武裝化に手を貸し、ヒズボラに兵器を與へてきた。パレスチナをめぐつても、經濟運營を誤り、政治的・社會的抑壓路線を強めてゐるハマス勢力をイランは支援してゐる。

 其れにもかかはらず、われわれは、漫然と傍觀を決め込んできた。核不擴散の國際ルールをイランに受け入れさせるべきだし、此の國が核を開發したり、入手したりするのを許してはならない。イランが核不擴散條約(NPT)加盟國としての義務を果たさず、國際社會の意嚮を無視するやうなら、イランに對してすべての選擇肢を檢討しなければならない。

 勿論、イランが核開發とテロ支援をやめ、中東和平プロセスを支援する事に前嚮きと成り、イラクの安定化に嚮けた建設的な役割を果たすのなら、亞米利加はイランに前嚮きなインセンテイブを與へるやうな支援パツケージを準備しておくべきだらう。此れによつて、亞米利加が問題にしてゐるのはイラン民衆ではなく、政府の行動であり、問題解決に嚮けてあらゆる外交的措置を驅使していく用意がある事を世界にアピール出來る。

 イラン同樣、北朝鮮も、ブツシユ政權の孤立策を前に、核開發にますます力を入れるやうに成り、核實驗を強行し、さらなる核兵器の生産を試みた。状況に進展が見られるやうに成つたのは、國務省が表に出て外交路線が復活して以降のことだ。

 尤も、亞米利加が核政策の基本を見直さない事には、イランや北朝鮮が現在の路線を見直すことはあり得ない。われわれが核の兵器庫の削減に嚮けた劇的な措置をとれば、核擴散の脅威に對處していくために必要な國際的聯帶を組織出來るし、亞米利加の道義的立場も強化出來る。元國務長官のジヨージ・シユルツ、ヘンリー・キツシンジヤー、元國防長官のウイリアム・ペリー、元上院議員のサム・ナンも、ドワイト・アイゼンハワーからビル・クリントンまでの歴代米大統領が共有してきた、核への依存を少なくしていくと云ふビジヨンをいまに蘇らせる必要があると呼びかけてゐる。

 核不擴散に嚮けた亞米利加のリーダーシツプを再確立するために、私は米ロ間の大幅な核軍縮、其れも檢證可能な核軍縮を目指してモスクワとの交渉を摸索する。かうした劇的な核兵器削減構想は、核開發の抑制に嚮けた世界への強いアピールに成るし、削減を行つても、われわれの核戰力に挑戰しやうとする試みを牽制するに十分な兵器を温存出來る。

 更に私は、10年前に上院が批准を拒否したCTBTを09年までに批准するやうに上院に働きかける積りだ。此れが實現出來れば、他國に核實驗をしないやうに求める亞米利加の立場も強化される。私は大統領として、NPTを強化する試みも支持する。民生用原子爐を動かす核燃料を適切な價格で供給する事を保障する核燃料バンクを設立すれば、核擴散のリスクを抑へ込むことが出來る。

 既に私は、上院に於て、核テロを沮止し、亞米利加の試みを強化するための法案を提出してゐる。私が大統領に成れば、核兵器、生物兵器、化學兵器および其の生産に必要な物質がテロリストの手に渡らないやうに最善を盡くすとともに、管理體制が弛緩してゐる核サイトにあるすべての核關聯物質を、安全なサイトへ移動し、管理出來るやうにする事を1期目の目標とする。

露西亞と支那

 われわれの敵ではないが、多くの領域で亞米利加に挑戰してくる國に關與していくうへでも、政治手腕が必要に成る。

 露西亞のウラジーミル・プーチン大統領は、コソボを獨立させるために國聯が用意した周到な計劃を拒絶し、自國のエネルギー資源の供給を近隣國其の他に對する政治的武器として用ゐようと試み、核不擴散や軍備管理問題をめぐる亞米利加と歐羅巴の意圖を試さうとしてゐる。其れだけではない。モスクワは、共産主義崩壞以降、露西亞市民がやつと手にした自由を制限し、新たな寡頭政治の支配層をつくりだし、舊ソビエト諸國の外交路線に干渉してゐる。

 然し、露西亞をわれわれに對する脅威としてだけとらへるのも間違つてゐる。プーチンは資源によつて蓄積した富を露西亞經濟の發展のために用ゐようとしてをり、其の結果、露西亞の平均的市民は、生活レベルの改善と云ふ恩恵に浴してゐる。また、イランによる核開發の沮止、露西亞、舊ソビエト諸國に於るルーズニユーク(管理體制が弛緩した環境に置かれてゐる核兵器)の安全確保、コソボ問題の外交決着など、亞米利加にとつて重要な課題の解決に嚮けて露西亞に關與していかざるを得ない状況にある。

 いづれにしても、露西亞が民主主義を強化していくか、其れとも、權威主義の過去へと後戻りし、地域的な干渉路線を強化していくのか、モスクワがどちらの路線をとるかで、亞米利加が露西亞を純然たるパートナーと看做すかどうかが左右される事をはつきりと傳へなければならない。

 亞米利加と支那との關係は、21世紀に於る尤も重要な2國間關係である。たしかに、米支の價値觀と政治システムは大きく違つてゐる。貿易から人權、宗教の自由、勞働慣行、チベツトにゐたるまで、亞米利加と支那の立場の違ひは大きい。だが、米支が協力して達成すべき課題も多く、實際、北朝鮮の核施設を無力化させる合意を取り附けるうへで、支那の協力は非常に重要だつた。われわれは、かうした協調を基盤に北東亞細亞の安全保障レジームを構築していく必要がある。

 だが、支那の臺頭が新しい課題を突きつけてゐる部分もある。急速な經濟成長が途方もなく大きな環境上の代價を伴つてゐる事をやつと支那も理解し始めた。亞米利加は日支兩國と協力して、クリーンなエネルギー資源を新たに開發し、エネルギーの使用效率を高め、地球温暖化對策をとつていくためのプログラムを組む必要があるし、また、此のプログラムを、亞米利加の輸入石油への依存を大幅に引き下げるエネルギー管理政策の一環として實施しなければならない。

 われわれは、支那が更に國際機關に參加し、われわれと利益が重なる領域で協調し、さうでない領域をめぐつても立場の違ひを小さくするやうに努力し、國際ルールを守るやうに説得を試みるべきだ。亞米利加は、支那が亞米利加にとつて死活的に重要な利益に叛する行動をとつたときには、毅然と支那に對抗すべきだが、協調的な未來の實現に嚮けて基本的に努力しなければならない。

同盟關係を強化せよ

 敵對する勢力に關與していくことは重要だが、同盟諸國への亞米利加のコミツトメントを再確認し、安心させる事は更に重要である。とりわけ、歐羅巴の同盟諸國との傳統的な信頼關係を再確立しなければならない。たしかに、緊密な友好國であつても立場の違ひが生じるのは避けられない。然し、グローバルな問題をめぐつて、われわれが尤も信頼してゐるのが歐羅巴の同盟國である事を忘れてはならない。幸ひ、ワシントンの次期政權は、佛蘭西、獨逸、英吉利の新世代の指導者たちと交流していく機會を得る事に成る。亞米利加と歐羅巴が協調すれば、グローバルな目的を實現するための、さまざまな手段を整備する事が出來る。

 亞細亞に目を轉じれば、新興大國としての印度、世界最大の人口を持つ民主國家としての印度が特別な重要性を持つてゐる。米上院の印度・コーカス(議員聯盟)の共同議長として、私は、印度の臺頭がわれわれにとつて非常に大きな機會を提供してゐる事、そして、國聯など、地域・國際機構に於る印度の發言力をもつと引き上げる必要がある事を理解してゐる。また、オーストラリア、印度、日本、亞米利加は、テロとの戰ひ、地球温暖化對策、グローバルなエネルギーの安定供給と經濟開發の強化など、共有する懸念に對して協調していくためのさらなる方法を見いださなければならない。

 一方、米大陸をめぐつて、ブツシユ政權は南亞米利加との關係に目を嚮けないと云ふ間違ひを犯してしまつた。拉甸亞米利加には、民主化、經濟自由化からの後退をみせてゐる地域があり、われわれは力強い關與政策へと立ち返る必要がある。此の地域は亞米利加が傍觀を決め込むには、あまりに重要な地域であり、われわれは南米地域で民主化を試みてゐるブラジルとメキシコを支援し、アルゼンチンやチリとの經濟的、戰略的協調を強化しなければならない。同時に、コロンビア、中央亞米利加、カリブ海周邊諸國に於て麻藥密賣者、ゲリラ勢力を撲滅しようと試みてゐる勢力との協調を續ける必要もあるし、拉甸亞米利加に於る經濟的機會を廣げ、格差を是正するやうな持續的な經濟開發プログラムを同盟國と協調して實施していく必要がある。

 同樣に重要なのが、アフリカ大陸で民主主義が擴大してゐる事に目を嚮ける事だ。此の大陸には、既に民主主義を確立してゐる國もあれば、民主主義を導入した許りの國もある。だが、かうした諸國がアフリカの將來を切り開くエンジンの役割を擔ふことに成る。加盟國に民主主義の支持を義務づける事で、アフリカ聯合(AU)は、歐洲聯合(EU)に倣はうとしてゐるが、其處にゐたる道程は遠い。實際、AUは、ジンバブエのロバート・ムガベが目に餘る政治腐敗と殘忍な政治を行つてゐるのに、此れをはつきりと批判出來ずにゐるし、ダルフールで起きてゐる大量殺戮をやめさせる必要な力と機動性をまだ整備出來てゐない。

 われわれのアフリカに於る利益は、たんに人道的なものだけでなく、戰略的なものでもある。例へば、アルカイダは所謂「アフリカの角」地域に於る破綻國家で聖域を確保しようと試みてゐるし、アフリカの天然資源をめぐる、支那其の他の主要國間の競爭も激化してゐる。われわれ、そしてアフリカ諸國にとつての長期的な解決には、アフリカの人々が、自分たちが抱へる問題に對處し、此の大陸が祕めてゐる大きな潛在能力を引き出すための意志と能力を整備するのを助ける必要がある。

望ましい世界を構築するには

 われわれが望む世界を構築するには、まづ直面する課題が何であるかをはつきりと認識しなくてはいけない。イラク侵攻がイラクや中東の民衆をどのやうな状況に直面させたかを認め、グアンタナモ米軍基地、アブグレイブでの人權侵害が大きな問題である事を認めなければならない。其のうへで、世界に安全と機會を廣げていくための具體的な措置をとる必要がある。

 教育は經濟的機會を得る前提であり、此れを、亞米利加の對外援助の中核に据ゑるべきだ。途上國の1億人を超える子供たちは學校に通つてゐない。小學校を中途で退學する子供たちも1億5千萬人に達する。かうした子供たちに手をさしのべなければ、「失はれた世代」をつくりだすことに成る。私が大統領に成れば、すべての子供たちに教育を與へる事を目指す法案を議會が迅速に承認するやうに強く要請する。此の法案は、途上世界の教師の訓練と學校施設の建設を進めるために、亞米利加政府が、5年間で100億ドルの支援を行ふことを求めてゐる。資金をうまく活用出來る最善の計劃を持つ國に援助を提供し、資金が子供たちの教育のためにうまく用ゐられるやうに、其の成果を判斷する基準も示してゐる。

 また、HIV・エイズ、結核、マラリア、其の他の致死性の高い疾患に對する鬪ひを展開する事が道義的にも現實的にも急務と成つてきてゐる。既にかうした感染症で親を亡くした孤兒世代が誕生してゐるし、多くの途上國に於て感染症の流行が政治、經濟體制の發展を逆行させてしまつてゐる。

 此れらの問題は手のつけやうがないやうに思へるが、各國政府、民間、非政府組織、そしてビル&メリンダ・ゲイツ財團などの慈善團體が資源を據出すれば、問題を解決出來る筈だ。初等教育を受ける機會を増やし、清潔な飮料水を提供し、幼兒・姙婦の死亡率を低下させ、HIV・エイズ其の他の感染症の感染擴大を抑へ込むと云ふ課題をめぐつて特定の數値目標を導入する事も出來る。

 また、われわれが貿易合意の順守を徹底するために世界貿易機關(WTO)を強化したやうに、各國に勞働基準を受け入れさせるために國際勞働機關(ILO)を強化する必要もあるだらう。かうした政策は、適切な路線を採用すれば、うまくやつていける事を立證し、廣くアピールする事に成る。かうした投資と外交を通じて、此れまで叛米意識が高かつた地域でも亞米利加への好意を育むことが出來るし、具體的な成果を上げる事も出來る。

 脅威を正面から見据ゑ、此れを機會に變へていく必要もある。例へば、地球温暖化と云ふ大きな脅威がさうだ。グローバル經濟の成長の足かせをつくりだすどころか、地球温暖化對策は、21世紀に於る經濟と雇傭を成長させ、尖端技術の開發を促す力強い經濟的機會と成る。私が大統領に成れば、地球温暖化對策を最優先課題の一つに据ゑる。亞米利加だけで此の問題を解決する事は出來ないが、世界が、亞米利加拔きで此の問題を解決する事も出來ない。

 亞米利加は國際的な地球温暖化對策をめぐる交渉に參加すべきだし、拘束力のある合意の形成に嚮けてリーダーシツプを發揮しなければならない。だが、われわれはまづ、此の問題をめぐつて失墜した亞米利加のクレデイビリテイーを脩復しなければならない。亞米利加が市場ベースのキヤツプ・アンド・トレードシステム(政府が温室效果ガスの總排出量を定め、其れを個々の主體に排出枠として配分し、排出枠の一部の取引を認める制度)を導入して、温室效果ガスの排出量削減へのコミツトメントを示さない限り、支那のやうな急速な臺頭を遂げてゐる國が對策をとる事はあり得ない。

 更に、途上國に對して、效率的で、環境面から見ても持續可能なエネルギーインフラを整備するやうに働きかける必要がある。今後25年間に於るエネルギー需要の伸びの3分の2は、現段階ではエネルギーインフラを持たない國の需要増に成ると考へられてをり、此處にも多くの機會を見いだすことが出來る。實際、マリでは地方に於る電力はソーラーエネルギーによつて生産されてゐるし、マラウイは、バイオマスによるエネルギー戰略を整備してゐる。然も、アフリカ諸國のすべては、排出權を歐米社會に賣却出來る立場にある。

 最後に、國際エネルギー機關と支那、印度との公的なつながりを確立し、G8をモデルに、國際的に環境對策を議論するフオーラムとしてE8を立ち上げるべきだらう。世界の主要な温室效果ガス排出國をメンバーとし、年に一度は、國際的なエコロジーと資源の問題を話し合ふ首腦會議を開催するやうにする。

 われわれが望む世界とは、人權が尊重される世界でもある。安全保障の名のもとにわれわれの價値を妥協させたブツシユ政權の路線ゆゑに、亞米利加市民は、對外的にワシントンが表明する亞米利加の價値が國内でも適用されるのかどうか、確信が持てなくなつてしまつてゐる。

 ブツシユ政權は、基本的人權、プライバシー、言論の自由を踏みにじり、拷問さへも或程度許容しない限り、うまくテロ對策はとれないと事實上示唆する事で、テロとの戰ひに對する國際社會の支援を大きく低下させてしまつた。われわれは再び、亞米利加外交、そして廣く民主主義概念の中樞に人權と云ふ價値を据ゑなければならない。

 世界の人口の大半が2級市民として扱はれてゐる状況が續く限り、人權が世界で保障される事はあり得ない。12年前、國聯は北京に於て歴史的な世界女性會議を開き、亞米利加を代表して會議に參加した私は、「女性の權利を保障する事こそ人權の擁護につながる」と發言した。其の後、世界のほぼすべての大陸で女性の國家元首が誕生するまでに状況は變化した。アフガニスタン戰爭でタリバーン政權が追放された結果、多くのアフガニスタンの女性が、近代に於て尤も殘虐で抑壓的な政權から解放され、いまや學校で學び、職場で働いてゐるだけでなく、議會にも進出してゐる。

 然し、いまも女性の人身賣買が行はれ、(民族淨化と云ふ)紛爭の戰術の一つとして女性がレイプされ、雇傭や經濟機會をめぐつてジエンダーギヤツプが存在する事からも明らかなやうに、人權概念を構成する女性の權利が保障されてゐるとは到底言へない状態にある。女性が置かれてゐる環境を改善するだけでなく、女性が一員として生活してゐる家族、コミユニテイー、社會を強化していくには、女性の權利の促進を2國間關係、國際援助プログラムのアジエンダとして組み込むなど、亞米利加のリーダーシツプが必要に成る。

亞米利加の理念を復活させよ

 クリアなビジヨンと經驗知に導かれたリーダーシツプがあれば、われわれは遠くを見渡すことが出來る。われわれは亞米利加のパワーのあらゆるフアクターを用ゐるべきだし、事實ではなく、イデオロギーを基盤に間違つた選擇をしてはならない。自らの力を立て直し、原則を取り戻せば、亞米利加は安全と機會を世界に廣げていくことが出來る。

 獨立戰爭に於るバンカーヒルの戰ひから半世紀後の1825年、ダニエル・ウエブスター國務長官は、現在もボストンにあるバンカーヒル記念碑を建てた。ウエブスターは此の際の記念講演で、「亞米利加が生き殘つて繁榮してゐると云ふ現實」に感謝し、「亞米利加が他國に範を示し世界へ貢獻できた事、今後、人間の自由と幸福に就いても範を示せる可能性が高い事」を祝福し、亞米利加のパワーよりも、寧ろ、亞米利加の理念、詰り、「叡智と智識があれば、身を處する事が出來る」と云ふ思想をたたへた。彼は聽衆、そしてすべての亞米利加人に對して、他國の範であり續ける事の重要性を説き、「世界に於る亞米利加の權威を損なふやうなことをしないやうに配慮する事」を求めてゐる。

 あれから2世紀と云ふ歳月が流れ、いまや亞米利加の經濟パワー、軍事パワーは、建國の父たちが想定したレベルをはるかに超えた高みに達してゐる。だが、パワーを維持し、刷新し續ける事が出來るとすれば、其れは、われわれが世界に於る權威、詰り、たんに豐かな大國としての權威だけでなく、亞米利加の理念に關する權威を再確立できた場合だけである。われわれがかうした理念にかなう行動をとり、われわれのパワーを賢明に用ゐる事が出來れば、われわれは亞米利加を再び偉大な國に出來るだらう。●
 
 
 
 
 

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