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「ベルリンの北斎」(RFI、ユーロニュースの記事より)
http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/536.html
投稿者 無段活用 日時 2011 年 9 月 27 日 15:05:30: 2iUYbJALJ4TtU
 


(Hokusai à Berlin, rétrospective inédite pour l’inventeur du « manga »: RFI)
http://www.rfi.fr/europe/20110919-hokusai-berlin-retrospective-inedite-inventeur-manga


ドイツ/展覧会−記事発表:2011年9月20日火曜日−最終更新:2011年9月20日火曜日

北斎、ベルリンに現る、「漫画」の発明者のための未公開作品の回顧展

記者:パスカル・チボー



『武陽佃島』(『冨嶽三十六景』より、1831年)墨田区


ベルリンのマルティン・グロピウス・バウの展覧会主催者たちは、30年間この日を夢見ていた。その日本人画家が残した440点の作品、その中には『神奈川沖浪裏』など、日本から持ち出されることが一度もなかった数多くの絵画があるが、そうした作品群が10月24日まで、ドイツの首都で見ることができるのだ。

その膨大な点数のために、ヨーロッパで1世紀見ることができなかった作品の展覧会。日本の文化史に顕著な功績を残したのみならず、世界の他の地域にも影響を与えた、多様な作品を多数残した画家の全体像がここに明かされる。

70年の創作活動。数万点の作品から成る堂々のバリエーション。この、30もの筆名を使って描かれた作品の全てが、この傑出した画家のさまざまな時期を物語っている。絵画、デッサン、版画などで、人気の高い作品を残し、1849年に89歳という、当時としては聖書のような長寿を全うした日本人・北斎は、あらゆる分野の作品を後世の人々に残している。


日本の自然美

『婦女風俗図』より(1792-93年)葛飾北斎美術館


象徴的な内容が多かった創作を通して、北斎は一つの繁栄期を経験していた彼の国、日本の日常生活を描いている。その画家は、美女、太鼓腹の男、力士、役者、恐ろしい鬼を作品に描いている。数々の絵画を通して日本の自然美を描き、また、動物を人間のように描いた「肖像画」を世に出している。

この何でも屋は、後世にあらゆる分野の作品を残したというだけではない。彼はまた、極めて長い画家人生を通して、芸術的なジャンルを増やし続けてきた。6歳で絵を覚え、12歳で江戸(東京の旧称)を題材とした連作の一枚を既に書き上げ、18歳で版画の技能を既に習得している。北斎はデッサン、小説の挿絵、カルタや扇の図案を手がけている。彼は「即興の素描画」くらいの意味で、「漫画」という言葉を創作した。


冨嶽三十六景

北斎の最も知られた作品『神奈川沖浪裏』も、ベルリンで展示される。これは、彼の価値を国際的に知らしめた『冨嶽三十六景』という題の連作版画の一点だ。彼は−外の世界に閉ざしていた国では珍しく−それまで日本でほとんど取り入れられることがなかった、プルシアン・ブルーを使うという革新的な行為を、抵抗なく続けていった。そのプルシアン・ブルーが今回ベルリンで展示されるのは、歴史の皮肉だ。この作品群は日本様式の象徴となり、全世界を魅了した。何しろ、北斎の評価は、日本国内よりも国外の方が高いのだ。日本では、彼の作品は大衆美術というよりも、むしろ、野卑な美術に分類される創作が最初に始まった時代に関連づけられた。


ドガ、マネ、ゴーギャン、影響を受けた画家たち

1858年に日仏修好通商条約が調印されると、数々の日本の版画がフランスに輸入される。ドガ、マネ、ゴーギャンなどの印象派は、この美術に魅了される。さらに後で、北斎はピサロ、トゥールーズ−ロートレック、ヴァン・ゴッホに影響を与えることになる。1862年にパリで、彼の作品の展覧会が初めて開催された。その30年後にニューヨークで、さらに、20世紀初頭にウィーンで、彼の回顧展が催された。

それから100年以上経ち、今回のベルリンの回顧展では、これまで一度も日本から持ち出されることがなかった数々の作品によって、彼の堂々たる創作の全体像を見ることができる。その作品群は、89歳の北斎が死の床で語ったという言葉を否定するだろう。「天が私にもう5年くれたなら、私は偉大な画家になっていただろう。」



『神奈川沖浪裏』(『冨嶽三十六景』より、1831年)墨田区


北斎回顧展は、ベルリンのマルティン・グロピウス・バウで10月24日まで。

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(Katsushika Hokusai expo opens in Berlin: Euronews-en via Dailymotion)
http://www.dailymotion.com/video/xkub5f_katsushika-hokusai-expo-opens-in-berlin_news


葛飾北斎展覧会、ベルリンで開かれる

投稿者:euronews-en


Katsushika Hokusai expo opens in Berlin by euronews-en

新たな展覧会がマルティン・グロピウス・バウ美術館で開催されている。葛飾北斎は日本の有名な芸術家・画家・版画家だ。彼は1760年に生まれ、60歳を過ぎた画家人生の後期にかけて、非常に有名な作品を生み出した。... http://www.euronews.net/

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(投稿者より)

北斎回顧展がベルリンで開かれるとの記事をRFIサイトで見ましたので、日本の浮世絵が欧州でどのように評価されているのか興味があり、日本語に直してみました。同じテーマを扱った動画記事をデイリーモーションで拾いましたので、こちらも併せて投稿いたします。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。

文中、「聖書のような長寿」("un âge biblique")とありますが、旧約『創世記』の登場人物は、アブラハムが175歳、イサクが180歳、ヨセフが110歳まで生きたとのことです。そう言えば『古事記』に登場する方々も、長寿の方が多かったと記憶しています。

次のリンクは、美術館によるプレスリリースです。北斎が生きた時代、北斎が欧州に及ぼした影響などが紹介されています。
http://www.berlinerfestspiele.de/media/2011_1/gropiusbau_8/flyer/mgb11_japanese_information_hokusai.pdf  

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コメント
 
01. 2011年9月28日 09:42:46: RqaLisZpcU
>そのプルシアン・ブルーが今回ベルリンで展示されるのは、歴史の皮肉だ。

プルシアンブルーはセシウム結合物質ですね。EUのいくつかの国では、牛肉、牛乳などの放射能汚染を抑える目的で、家畜用飼料に用いられています。セシウムと結合し、体外への排泄を高める作用があります。セシウム吸収量を数分の一に低下させるとのことです。

日本では認められていませんが。


02. 無段活用 2011年9月28日 10:28:47: 2iUYbJALJ4TtU : ObZzj5zsy2
>>01

「北斎が使ったんだから、放射能で汚染された日本で使えばいいだろう。それを、
原発を捨てることにしたドイツで見る」ことは、確かに皮肉ですね。

「プルシアン・ブルー」とは、「プロイセンの青」という意味です。プロイセンはド
イツの一国で、ベルリンがその首都でした。この色が最初に調合されたのがベルリン
のようです。当時の画家たちが使っていた青の顔料は、時間が経てば色あせるが、
この顔料は色あせない、ということのようです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Prussian_blue

当時、この顔料は日本では生産されず、専ら輸入に頼るしかなかったのですが、その
「プロイセンの青」を効果的に使い、美術史に名を残したのは、実は日本人の北斎
で、それをプロイセンの末裔たちに見せつける行為が「皮肉」であると、解釈してい
ました。

RFIのベルリン駐在記者がこれを書きました。彼は時代を読み込んだ上で、「皮肉」
という言葉に二重の意味を持たせたわけですね。

ありがとうございます。


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