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映画「戦争と人間」で徐在林を演じた地井武男さんが亡くなった。
地井武男 戦争と人間 第二部
http://youtu.be/DcpUPU4MDdk
戦争と人間 第二部 1971年公開 原作は五味川純平の同名小説です。
この映画で抗日パルチザンの朝鮮人指導者 徐在林を演じた地井武男さんを知り、強烈な印象を受けました。
地井武男(徐在林) 木村夏江(全明福)
地井武男さんのご冥福をお祈り申し上げます。
<参照>
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http://22437959.at.webry.info/201206/article_5.html
徐在林を演じた男(サロン・ド・夢酒)
1975年頃か、たしか有楽町のそごうで、山本薩夫監督の『戦争と人間』三部作が一挙上映されたのである。
友達と二人、午前中に入って、終わったときには外はすっかり暗くなっていた。
ひとりの登場人物と、鮮烈なシーンが、いつまでも脳裏から離れなかった。
その人物の名は徐在林。朝鮮人で抗日パルチザンの頭目である。
徐在林は粗暴で冷酷で、日本人への憎しみだけを支えに生きているような男である。日本軍に家族を皆殺しにされ、村を追われ、飢えと貧困にあえぎながら、抗日武力闘争に身を投じたのだ。
徐在林は孤独である。誰も信用しない。友軍であるはずの中国共産党さえ、彼には朝鮮人を差別する敵に映った。
そんな徐在林にとって唯一の安らぎは、同胞のうら若い女性闘士、全明福だった。戦闘と略奪に明け暮れる中で、彼女といるときだけ、徐在林は少年のような笑顔を取り戻す。
ある時、徐在林は闘争方針の相違から共産党の幹部と激しく衝突し、全明福を連れて山岳アジトを離れる。
しかし、下山の途中で討伐隊と遭遇し、全明福は銃弾に斃れた。
徐在林は冷たくなっていく全明福を抱いて、真っ白な雪原をよろよろと歩く。そして力尽きる。
「勘弁しろよ。俺は、もう、腹が減って、お前を抱いて歩けないんだ」
「お前も俺も遠いところから、こんなところまで渡り歩いてきた。いつもいっしょだった。いっしょに寝た。同じものを食った。いっしょに戦った」
徐在林は号泣しながら全明福の亡骸を雪に埋める。
「・・・来年ここに花が咲くだろう」
「・・・俺は来てみる。来年、ここにな。桃色の花を咲かしてくれ。いまは、雪で、どこをみても同じようにしか見えんからな。桃色の花が見えたら、そこがお前のいるところだとわかるように、桃色の花を咲かしてくれ」
泣くだけ泣くと、徐在林は銃を肩に掛けて立ち上がった。
その後の徐在林の行方はわからない。
野獣のような鋭い目。全身から発する狂気じみた憎悪。家族を奪われ、故郷を奪われ、守るべき恋人まで失った男の恨みが、凄まじい迫力で演じられていた。長いセリフは全て朝鮮語である。
徐在林を演じた若い俳優の名が「地井武男」であると、後に知った。
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【関連サイト】
抗日パルチザン徐在林(土佐高知の雑記帳)
http://jcphata.blog26.fc2.com/blog-entry-2702.html
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