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尖閣問題で熱い中国ネットメディアや愛国者をスルーする人々
http://www.asyura2.com/09/china02/msg/513.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 9 月 22 日 12:49:12: xbuVR8gI6Txyk
 

http://ascii.jp/elem/000/000/556/556067/

GoogleEarthの尖閣諸島に多数の中国語の書き込みhttp://ascii.jp/elem/000/000/556/556068/img.html

 沖縄県尖閣諸島で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突し、日本側が中国漁船の拘置期間延長を決めたことに対し、中国政府は「強烈な対抗措置」として、日中間の閣僚など高官レベルでの交流を停止した。

 尖閣諸島について、領土問題ではないことは日本国外務省のページで書いてあるが、この問題について中国メディアと中国サイトの反応はどうだったのか。


動画共有サイト「優酷(YOUKU)」では大きく日中関係のニュースについて紹介http://ascii.jp/elem/000/000/556/556077/img.html

 人気動画共有サイトの「優酷(YOUKU)」や「土豆(TUDOU)」などはトップページの目立つ場所で掲載。中国で著名なポータルサイト「QQ」「新浪(Sina)」「捜狐(SOHU)」「網易(NetEase)」のニュースページでもトップ記事で掲載した。



ポータルサイト「QQ」の尖閣問題特設ページ(左)http://ascii.jp/elem/000/000/556/556072/img.htmlと尖閣問題の一面的解説(右)http://ascii.jp/elem/000/000/556/556071/img.html

 ところがネットがすべてこうした論調かというとそうでもなく、国営の新華社による新華網では控えめな場所にトピックが掲載されている。また各都市の新聞もトップでこれを掲載せず、1面ではないページでそこそこのページを割いてこのトピックを紹介している。日本で言えばニュース番組での紹介とワイドショーでの紹介の差(関連記事1)というのだろうか、このトピックに対する力の入れ具合が、ネットユーザー御用達のサイトと、あまり見向きもされないメディアによって違うわけだ。



国営インターネットテレビ局「CNTV」中国版(左)http://ascii.jp/elem/000/000/556/556074/img.htmlでは大きく尖閣問題を紹介。一方でCNTV英語版(右)http://ascii.jp/elem/000/000/556/556073/img.htmlでは、右側に例の話題が

 こうした事象でもっとわかりやすい例では、国営のインターネット放送局「CNTV」(中国網絡電視台)の中国語サイトでは、トップの目立つ場所にこのニュースを配置するが、同局の英語サイトなど外国語サイトではトップニュースとして扱っていない。

 つまり多くの中国人のネット利用者が訪れる民間サイトでは、注目が集まりやすくPVが稼ぎやすいトピックなのだろう。ネット利用者を満足させるべくこのニュースを大きく扱っている。しかし、どうも国営サイトや外国向けサイトを見る限り、国内ネット利用者に向けてほどの大きくアピールしたいニュースではないことが見て取れる。

 CNNIC(中国インターネット情報センター)が7月に発表した調査結果によれば、今年6月末の時点で4億2000万人のネット利用者がいて、そのうちの8割強が10〜30代、別名「90后」(ジョーリンホウ。90年代生)、「80后」(パーリンホウ。80年代生)、「70后」(チーリンホウ。70年代生)である。また7割強が都市部育ちだ



国営サイト「新華網」は自国の食品の安全のほうが日中関係より重要だhttp://ascii.jp/elem/000/000/556/556075/img.html 国営サイト「人民網」は台風のほうが日中関係より重要だ http://ascii.jp/elem/000/000/556/556076/img.html


 つまり抗日系記事をトップページにでかでかと載せたのは、都市部在住の若い世代向けの記事であり、若い世代は大変重大な問題と認識することになる。一方でネットをしない40代以上の世代は新聞を読むため、新聞を介してニュースを知った結果、そのニュースがいくつかある記事の中の1つの記事程度の認識がされる。

 もちろん中国語のブログを「日本製品不買」「抗日」「小日本」などで検索すれば、「背後には米国がいるから武力行使でなく日本製品不買運動だ」「なぜ中国政府は弱腰外交なのだ」といった内容の新鮮なブログ(のコピペブログ)が多数出てくる。こうした中国人の反応を生暖かく見守る人にとっては面白いネタだ


すべての中国人が怒りに震えているわけではない
QQの日本語学習者のチャットグループに尖閣問題をアピールも、グループメンバー全員に「黙れ」といなされる http://ascii.jp/elem/000/000/556/556069/img.html

 アニメファンや日本語学習者など日本絡みの掲示板や、チャットソフトQQ(関連記事3)のチャットグループなどでは、国と国が絡む面倒な話題を頑なにスルーしているやりとりを見ることもできる。日本のアダルトビデオの人気を背景に、この話題をAV女優の話で茶を濁すなんてことも茶飯事(関連記事4、関連記事5)。

 CNNICの同調査結果によれば2010年6月末の段階で3億6381万人のブロードバンド利用者がいて、うち2億6544万人、つまり4人に3人が動画共有サイトを利用し、さらにその35%にあたる9290万人がアニメを視聴している。ブロードバンド利用者の4人に1人がアニメを見ているわけだ。


左手で抗日の握り拳をつくり、右手で日本のコンテンツを見るべくマウスを動かす人もいるが、一方で筋の通った純粋な日本好きも2005年の反日デモのときに比べてぐっと増えていると感じる。

 アニメやゲームなどで日本語をかじった一部の若者は、現地の「日本語コーナー」「日本語サロン」と呼ばれる日本語学習者の集いや日本語学校で武器を磨き、就職で有利になるべく日本語能力検定試験を受ける。

 この試験、最難関の1級から4級まであり、約二十万人が中国で受験(日本で学ぶ留学生は含まれない)、最難関の1級でさえ7万人超が受験している。中国人受験者は最多で、韓国の受験生ですら中国の3分の1程度である。日本を恨むために日本語が学べようか。

 2005年の反日デモにネットの影響を受けて参加した抗日・反日の若者は5歳年をとった。受験戦争が激しいゆえに、大学受験終了までPCで遊ぶのは御法度な中国だから、反日教育の影響を受けたと言われる若者は、今20代中盤、下手すれば30代に突入している。5年前のネット利用者は約1億人。今となってはその1億人はネットでは少数派のヘビーユーザーだ。

 「1万人の観光客一団が訪日中止」という中国の報復が「経済に影響あり」と日本で話題となっている一方、中国でもここ数日「日本の粉ミルクが買えなくなると困る。愛国者は毒粉ミルクでも子に飲ますつもりか」というブログも散見した

日本の空き缶に粉ミルクを詰め込んだ業者が捕まったニュース http://ascii.jp/elem/000/000/556/556078/img.html

 中国国内では、日本の粉ミルクの空き缶にニセモノの粉ミルクを詰めて販売するニュースが最近伝わったばかり。確実に日本からホンモノの商品を取り入れない限り安全確実とはいえない状況で、日中関係が冷たくなるのは非常に困るようだ。

 まさに2005年の反日デモの主役たちが結婚・出産適齢期を迎えている。2005年の反日デモの写真には女性も多数混じっているのに、今回の反日デモで若い女性が滅多にいないのはその影響もあるのではないか。


百度のブログサービス「百度空間」で熱い書き込みをするブロガーたちhttp://ascii.jp/elem/000/000/556/556079/img.html

 普段デモが起こりえないのにデモが発生するとか、日本政府や日本企業や日本人にありもしない理由で怒りをぶつけられたりしたら理不尽と不快感を感じるのは日本人として至極当然。中国に多数の日本人が在住する中、在中国日本大使館は在住日本人向けに注意喚起を行なっている一方、ここ数日中国で日本人の怪我人が発生したという報告はされていない(施設のガラスが割られるという怪我に繋がる事件は残念ながら発生しているが)。

 すべての中国人が愛国心ゆえに怒りに震えるわけではない。筆者の推測ではネットで愛国を訴える人は、ネット利用者の3、4%程度であろう(関連記事6)。今回のネットメディアに煽られた人々は少数派であることを知っておくべきだ。

山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人〜ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)


 

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