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暴漢が開き直り「おれの親父が法律だ」今度は副県長一家が刺傷事件、公安が事件隠蔽に荷担か
http://www.asyura2.com/09/china02/msg/814.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 08 日 01:35:11: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110705/221297/?ST=print
日経ビジネス オンライントップ>アジア・国際>世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」
暴漢が開き直り「おれの親父が法律だ」今度は副県長一家が刺傷事件、公安が事件隠蔽に荷担か

2011年7月8日 金曜日
北村 豊


 2011年6月、中国のあるネット掲示板に「山西省永和県の副県長“馮双貴”の親族4人が夜間に民家へ押し入り、主人に暴行した末に刃物で刺して重傷を負わせた」という内容の文章が書き込まれた。

 その書き込みによれば、馮双貴の次男で、暴行に参加した“馮源”は、被害者から「国法というものはないのか。他人の家に勝手に侵入して暴行を働くとは何ごとだ」と詰問されると、すかさず「俺の親父は県長だ。永和県では俺の親父が国法だ」と応えたという。その横暴極まりない態度がネットユーザ−の反感を買い、当該書き込みは多数のネット掲示板に転載され、大きな反響を巻き起こしたのだった。

爆竹を鳴らした邪気ばらいがきっかけ

 事件は5月10日午後1時半頃に永和県で発生した交通事故に起因する。この交通事故はガソリンスタンドの出口で発生したもので、馮双貴のしゅうとめ(妻の母親)がクルマにはねられて死亡した。同日の18時頃、このガソリンスタンドの改造工事で取り壊し作業を請け負っていた“柳文”が、地元の風習に従って、事故現場で爆竹を鳴らして邪気ばらいをしたが、これが馮双貴一族の不満を募らせた。柳文は「二度と同じような事故が起きないように」と縁起を担いだのだが、馮双貴一族はこれを誤解して、しゅうとめの急死で残された家族が悲しみに暮れている時に、わざわざ爆竹を鳴らして邪気を追い払うとは、「ざまみろ、いい気味だ」と思っているのに違いないと考えたのだった。

 しゅうとめの遺体を墓地に埋葬してから2日後の5月17日の夜10時頃、白い喪服に身を包んだ、馮双貴の妻の“康燕”、次男の馮源、義弟(妻の弟)の“康龍”、義妹(妻の妹)の“康麗”の4人が清めの酒、線香と紙銭<注1>を持って柳文の家を訪れた。4人は柳文の家の門前で線香と紙銭を燃やし、大声で柳文に対する悪口雑言の限りを尽くし、それから殴り込みをかけた。家に侵入すると、康龍は持参した刃物で柳文の左太股を刺して重傷を負わせた上に殴る蹴るの暴行を加えた。また、康麗は柳文の頭髪をつかんでその耳に悪態をつき、康燕は柳文を拳で2発殴り、馮源は柳文の頭部と顔面に蹴りを入れた上に拳で殴った。

<注1>中国で死者を弔うために燃やす紙製のお金

 それでも飽き足らぬ彼らは、液晶テレビ2台、コンピューターのモニター、家具などを手当たり次第に破壊し、乱暴の限りを尽くしてから悠然と引き揚げたのだった。この殴り込みの最中に柳文が「国法というものはないのか」と彼らの不法を質したのに対して、馮源が発したのが「俺の親父は県長だ。永和県では俺の親父が国法だ。明日また来てお前をやっつけてやる。お前はどう思う」という言葉だった。

 柳文の傷は目と左太股が深刻で、特に左太股の傷は深く、永和県での治療は不可能と判断されて隣接する臨汾市へ搬送された。だが、途中で出血多量による出血性ショックで一時は人事不省に陥ったほどであった。

土下座をして事件調査開始を要請

 山西省永和県は省都・太原市から南西に約220キロメートルに位置する、陝西省との省境に近い農村であり、行政的には臨汾市の管轄下にある。永和県は全国に約600カ所ある“国家級貧困県(国家認定の貧困県)”の1つで、経済は立ち遅れ、住民の生活は困窮の中にある。山西省内で最も立地条件が悪く、人口も最少<注2>、経済力も最小、財政収入も最低というのが永和県の実情である。馮双貴はその貧困県の副県長であり、その家族や親戚が地元住民に対して優越感を持っていた。意に沿わぬことがあれば、馮双貴の副県長としての権威を笠に着て、黒を白として横車を押すことが常態化していたことは想像に難くない。彼らには、住民のほとんどがカネも名誉も何もない虫けら同然の存在に思えていたのだろう。

<注2>2010年11月に実施された第6回国勢調査の結果では、永和県の人口は6.4万人。この85%程度を農業人口が占める。

 上述の書き込みによれば、馮双貴は永和県の政治と法律を管轄していたことから、地元の公安局はこの事件の届けを受理しようとはしなかったという。このため、柳文の妻子が永和県の主要な指導者を訪ねては土下座して懇請を繰り返した。その結果、公安局はようやく重い腰を上げてしぶしぶ事件の調査に動き出したのだった。

 永和県公安局の調査によれば、康龍、康麗、康燕はいずれも公職にあり、勤務先はそれぞれ永和県の“煤運公司(石炭輸送会社)”、“核算中心(計算センター)”、“文化局”であった。ただし、メディアはこれら3人の勤務先を報じたが、なぜか馮源については何も報じていない。馮源は無職なのか、それとも故意に情報を開示しなかったのか。それはさておき、公安局は“司法鑑定”<注3>を経て、殴り込みをかけた4人が柳文に“軽傷害(軽傷)”を与えたことは“故意傷害罪”を構成するとの判断を下し、これに基づいて検察機関が4人を逮捕した。

<注3>司法機関あるいは司法機関に認定された専門家が専門的観点から特定の事項について鑑定するもの。ここでは被害者である柳文の傷の状況を鑑定したものと思われる。

左足は大腿から下の感覚がない

 さて、上述の事件を最初に報じたのは6月23日付の「新華ネット」の記事である。その伝えるところによれば、事件発生から1カ月以上が経過して、柳文の目の傷は順調に回復しつつあるものの、左足は大腿から下の感覚がなくなることが度々あるとのことで、刺された傷は予断を許さない状況にある。そして柳文は依然として入院治療中だ。当該記事が「新華ネット」に掲載されたことで同事件は全国に知れ渡ることとなり、これに慌てた永和県を管轄する臨汾市の共産党委員会(以下「臨汾市党委」)は6月24日付で次のような声明を発表した。

【1】当該事件の発生後、指導幹部の直系親族が事件に関わっていることから、臨汾市党委はこれを重視し、調査チームを組織して5月27日に事件の調査に入った。調査を経て、馮双貴の親族4人が柳文に暴行を加えたことは確認され、4人は逮捕されたが、そのうちの3人は永和県外の地に拘留されている。

【2】柳文に対する暴行の発生には背後で副県長の馮双貴が糸を引いていたのではなかったか、また永和県公安局が当初の時点で事件の届けを受理しなかったのは馮双貴が副県長として圧力をかけたからではなかったかという2つの問題については、調査の結果、いずれも馮双貴の関与は認められなかった。

【3】ただし、例えそうであったとしても、馮双貴はその責任を回避することはできない。その理由の1つは平時からの配偶者および子女に対する教育が不十分であったことであり、もう1つは事件の発生後に自ら積極的に被害者に対する賠償を行うとか慰安するなどの対応を行っていなかったことである。

【4】永和県では指導部の任期満了に伴い新たな指導部を選出する選挙の期間中であり、馮双貴は永和県の共産党委員会常務委員(以下「県党委常務委員」)と常務副県長に指名されていた。しかし、今回の事件がもたらした悪影響に鑑み、臨汾市党委はつい最近行われた永和県共産党代表大会の席上、馮双貴に対する県党委常務委員の指名を取り消したし、6月24日には検討を経て副県長の指名を取り消した。

口裏を合わせた可能性も

 ところで、この事件で最も注目されたのは「俺の親父は県長だ、永和県では俺の親父が国法だ」という馮源の発言である。“臨汾市紀律検査委員会”の関係者によれば、取り調べの中で馮源は「そんなことを言った覚えはない」と否定しているし、被害者の柳文も「馮源はそんな発言をしていない」と証言しているのだという。加害者と被害者の双方がこうした発言の事実はないと言っているので、それは事実かもしれない。だが、そうなると、馮双貴を失脚させようする誰かがこの事件を利用して、息子の馮源が不埒な発言をしたという偽情報を流した可能性も考えられる。

 一方、昨年10月に河北省保定市で発生した「李剛事件」<注4>のほとぼりがまだ冷めていない状況下で、このような発言が実際にあったとすれば、共産党にとってはゆゆしき事態である。そこで、馮源にはそのような発言はなかったことにさせ、被害者の柳文にも口裏を合わせさせた可能性も否定できない。従って、その真相は藪の中ということになる。

<注4>公安警察の副署長の息子が飲酒運転で死傷事故を起こした事件。事故を起こして群衆に捕えられた息子が「俺の親父は李剛だ」と叫び、親の威光を振りかざしたことで全国に知れ渡った。本リポート2010年11月5日付『ドラ息子、人を轢いて一言「俺の親父は李剛だ、文句あるか」』および11月19日付『【続報】「俺の親父は李剛だ、文句あるか」』参照。

 馮源の問題発言の有無は別としても、いやしくも副県長の地位にある馮双貴の妻と子供を含む親族4人が柳文に罵詈雑言を浴びせた上で、住宅に不法侵入して、刃物で傷を負わせ、家財を破壊したことは、その理由のいかんにかかわらず立派な犯罪を構成する。被害者の家族がこの犯罪の事実を届け出たのに、地元の公安局がこれを受理しようとしなかったのは職務怠慢であり、家族の懇請を受けた指導者が指示してから公安局がしぶしぶ調査に取りかかった背景には、事態を隠ぺいしようとした馮双貴の圧力があったとしか考えられない。さらに、被害者の柳文が事件から1カ月以上経過してもいまだに入院加療中であることから考えれば、その受けた傷の司法鑑定の結果が「軽傷」であるはずがない。

公正な裁判が行われるかどうか

 ネットの掲示板には次のような意見が続々と書き込まれた:

◇ 馮源が「俺の親父は国法」という発言をしたかどうかにかかわらず、加害者が躊躇することなく他人に凶行に及んだことは彼らが法を恐れていないことを表している。もし彼らに副県長という後ろ盾がなかったら、そんなことができるはずがない。役人の親族の権力を笠に着た増長ぶりは既に社会の不安定要素となっている。

◇ 副県長の親族による暴力事件を地元の紀律検査部門は簡単に見逃すべきではないし、暴力事件だけに止まらず、その他の問題も徹底的に調査すべきだ。事件の性質は劣悪であり、法に照らして厳正に処罰し、法律の公正さを示して庶民を安心させるべきだ。

◇ 管理監督者は権力をうまく管理することの緊急性と重要性を認識し、権力者がその掌中の権力を親族の擁護や私腹を肥やすための手段として使わないようによく教育すべきだ。権力に対する監督管理の度合をさらに強化して、権力を明るい陽光の下で透明に運用させるよう努力しなければならない。

 いずれも極めて真っ当な意見であるが、そうした庶民の思いとは裏腹に、思い通りに行かないのが現実の社会である。逮捕された4人は犯罪行為の認定を終えた上で、裁判にかけられることになるが、司法鑑定の結果が「軽傷」ということでは、果たして公正な裁判が行われるかどうかは疑わしい。

 本件の犯罪を構成する事項を刑法の規定で見てみると次のようになるのだという:

【1】傷害:司法鑑定で判定された「軽傷」は“故意傷害罪”を構成するが、告訴がなければ控訴を提起できない「親告罪」に該当し、刑法234条の1の規定では、3年以下の懲役、“拘役(1〜6カ月間の拘留)”、あるいは“管制(一定の自由制限)”に処せられる。ところが、これが“重傷害(重傷)”となると、刑法234条の2の規定により、3年以上10年以下の懲役に処せられることになり、軽傷との差は大きい。

【2】不法侵入:刑法245条の規定で、3年以下の懲役あるいは“拘役”。

【3】器物損壊:刑法275条の規定で、3年以下の懲役、“拘役”あるいは罰金。

【4】社会秩序破壊(社会秩序を乱したと認定された場合):刑法293条の規定で、5年以下の懲役、“拘役”あるいは“管制”。

毛沢東の革命スローガンへの回帰

 加害者4人の処罰がどの程度のものとなるかは裁判結果を待つことになるが、とにかく彼らが罰せられることだけは間違いないし、彼らの後ろ盾であった馮双貴も副県長としての地位を免じられて権力を失った。しかし、永和県においては永和県共産党委員会書記(以下「県党委書記」)が最高位であり、これに永和県の県長、常務副県長、副県長が続くのである。県党委書記ならばともかく、副県長風情で「永和県では俺の親父が国法」とはおこがましい限りだが、こうした指導層やその家族による驕りや増長は普遍的で決して珍しいものではない。だからこそ、“為人民服務(人民に奉仕する)”という毛沢東の革命スローガンへの回帰が各地で叫ばれるようになっているのである。

 2002年12月6日、中国共産党総書記に就任して間もない胡錦濤は、初の地方視察で革命の聖地、河北省“西白坡”を訪問し、すべての党員に向けて重要演説を行った。その演説の中で胡錦濤は、「誠心誠意“為人服務”の主旨を銘記し、人民大衆と心を1つにして刻苦奮闘し、終始一貫して広範な人民の利益を図ることが根本的な目標である」と述べた。胡錦濤はこれを“以人為本(人間本位)”という言葉で表現して、自身の政策の中心に置いたが、あれから9年半を経た現在、胡錦濤の意向に沿って“為人服務”を心に刻んで、目標とする人民の幸福のために奮闘している党員がどれだけいるのだろうか。

(北村豊=住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト)

(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、住友商事株式会社 及び 株式会社 住友商事総合研究所の見解を示すものではありません。
このコラムについて
世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」

このコラムはニューヨーク、ロンドン、サンノゼ、香港、北京にある日経BP社の支局と協力しながら、米国や欧州はもちろんのこと、世界経済の成長点とも言えるブラジルやロシア、インド、中国のいわゆるBRICs、エネルギーや国際政治の鍵を握る中近東の情報を追っていきます。記者だけではなく、海外の主要都市で活躍しているエコノミスト、アナリストの方々にも「見て、聞いて、考えた」原稿を提供してもらいます。

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著者プロフィール

北村 豊(きたむら ゆたか)
北村 豊

住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト
1949年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。住友商事入社後、アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、2004年より現職。中央大学政策文化総合研究所客員研究員。中国環境保護産業協会員、中国消防協会員
 

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コメント
 
01. 2011年7月08日 10:57:47: au6NrZxO26
中国の人気講師「中国の教科書、95%デタラメ」と発言し波紋!

中国で人気の歴史講師が、中国の学校で教えられている歴史を否定する発言をし、
波紋を呼んでいる。
この講師は中国の初代国家主席毛沢東を痛烈に批判し、
中国の教科書はデタラメであると主張。

また、歴史教科書に関しても
「日本の歴史教科書は中国の教科書より、歴史の歪曲(わいきょく)が少ない。
中国の歴史教科書に記述されている内容は、
真実が5%程度で残りは純然たるデタラメだ」と教科書の内容を否定している。

さらに政府が敏感に扱うチベット問題にも触れ、
「チベットは中国建国以後、特定の独立状態を維持して来た。
チベットは国旗も持っている」

http://c.fc2.com/m.php?_mfc2u=http%3A%2F%2Frocketnews24.com%2F%3Fp%3D32729


02. 2011年7月08日 16:24:47: FL3HBMFVVs
やっぱり 犬食べてる国の人って・・・

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