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Re: 人は理解する程度には誤解しているものだ
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投稿者 影の闇 日時 2010 年 3 月 16 日 22:36:27: HiXvZf/FmwPNU
 

(回答先: 誤りの可塑性 投稿者 松浦 日時 2010 年 3 月 15 日 11:27:19)

松浦さん

久しぶりですね。

てっきり仙境に行かれたものと思っていたけど、またまた娑婆ッ気が出たのですかな?(笑)どうしようか迷ったけど、やはり一言二言、言っておきましょう、誤解もあるようだし。

タイトルのP.ヴァレリーの警句は我が座右の銘でもあることは既に言ったかと思うけど、私自身のスタンスでもあり、理解=誤解の権利を行使して、それが何らかの批評性を獲得出来れば、とは思う。 哲学が専門の貴方には見過ごせないのだろうけど、所詮「理学的伝統」が無いところでは「批評」こそが最高の方法ではないのか?と開き直ってもいいのだが、、、

それにね、思想的本質と、その思想がどのように読まれ、影響を与えているか?の問題は一応切り離してもいいのではないだろうか? これは、かって、貴方に「読者の期待の地平」(H.ヤウス)という概念を用いて説明していると思うが。


>古代精神と先住民族の伝統を起源としているので、決して遊牧・牧畜風俗と浅薄に捉えられるものではない。


これも同じ、今西錦司とか梅棹忠夫などの論考は心得た上で、それとは別の文脈で話している。 
例えば「シー・シェパード」(海の牧羊犬)という命名自体に、海の外敵から家畜を守るーそのまま牧場と牧人の関係になるーという牧畜型の発想が色濃く出ている。 また「ホウェール・ウオッチング」要するにクジラ観察乃至鑑賞だが、これはサファリパーク的な発想だろう。 つまりは、動物園の現在形。 動物園となると、どうしても監獄との親近性を論じたM.フーコーの考察を思い浮かべる。 この「ウオッチング」という行為が、対象が<敵>となったら「監視」になるのだから。 そうして又、このサファリパークと監視は、現在の監視社会と地続きであることは言うまでも無い。 加えて更に、(特に”構造協議”以降ハッキリと)我が官僚はこれまでとは宗旨替えし、牧人型官僚を目指している。 即ち、サファリパークの様に、柵(法)の中で「自由に」行動させ、その則から外れた(と判断した)ものを罰する、というように。 「市場検察」とか呼ばれて、先頭に立って、その旗振り役を演じてるのが法務・検察官僚なのだ。 この官僚の「宗旨替え」が、冷戦以降の、米欧の権力やイデオロギーの再編という動向に対応したものであること、グローバリズムがノマド(遊牧民)の行動スタイルであるとすると、これはその行動を柵の中に閉じ込めておく、EUに対抗して、AUというべきアメリカのメンバーに入る、ということ。 「裁判員制度」や「市場検察」化の中心的役割を演じた検察官僚が一連の小沢氏及び民主党潰しの中心でもあったことは決して偶然ではないのだ。 


>上滑りするご都合主義に、また同種の相似を見る思いがする。将来、皇国史観の轍を踏むことだけは決してするな。


私の小沢氏の擁護や今回の論考は、国内外のこうした動向を踏まえて言っているのであって、それに「同種の相似」を見るのは当っていない。
何故なら、このような「寄らば大樹の下」とばかりの官僚のアメリカへの一体化欲求ーこれも又、貴方のいう「国家体制が滅びる順」を示してるとは言えようがーを見ても、国対国の発想は妥当性がないし、単にこの点だけみても「皇国史観」の甦りは最早不可能なのは明らかだから、だ。
もとより「この国をもって対決の先鞭には成り得ない」ことも自明のこと。

>俗悪理性主義を当てはめるのは筋違い。ここにもルソーとボルテールの混同を見るようで、典型的な誤りの一つ。


啓蒙主義の文脈から言ってるのだろうけど、「神中心」から「人間中心」という時のイデオロギー的人間観の問題として、論旨に即して理解して欲しかったですな。 だって、旧約のアダムとイブが「人間中心」の世界においては”聖なる野蛮人”として転位しているのは明らかだから。

>消費主義と功利性は、世界の中でも日本が最も明治以降追求してきたことなので、それを等閑視することには無理がある。
>現風俗としての状況は、欧州と比べても日本のそれは特異な消費社会を形成してきた


自らの文化・伝統を放棄することによって、或いはその代償としてね。 決して等閑視はしていない。


>日本人は、倫理的かつ正統性の点でこの上ないハンディがあることを自覚せねばならない。


私は、当然、自覚した上で、「戦後日本の国体」としての「日米安保体制」について論じて来たのだが。


>グロテスクな転向の例を挙げるなら、鬼畜米英の唱道者が「西側の一員」という極端を見てきた国民にしては、過敏すぎるのではなかろうか


いや、これは幕末・維新以降の二つの攘夷論の流れという視点で説明はつくと思う。
つまり、幕末の攘夷論が、西南戦争をターニング・ポイントに、180度方向を変えて転生したのが「脱亜入欧」、それが第一次大戦後の”西欧の没落”を経て、30年代以降の極東におけるアメリカのプレゼンス(影!)の増大によって、再び幕末の攘夷論に転位しての「鬼畜米英」だったと思う。
敗戦後それは一掃され、更新された「脱亜入欧」としての「日米安保体制」の下、攘夷論も再び「西側の一員」の中に転生して生き残ってる、ということだ。 中国や韓国への偏見や差別感、特に北朝鮮に対する強い夷敵視に、それは鮮明に顕れている。
これをグロテスクというか?私には、逆に、日本の位置を示してるとしか思えない。 「日本辺境論」が売れてるらしいけど、かってD.dogなるトッポイ御仁とギロンした際、同様のコトを私は指摘していたはず。 東夷と極東は、何れも同じく、文明の中心から見た「東の果ての野蛮人」の意があり、「文明の仲間入り」をする時、殊更の西欧目線で周りを観、それらしく振舞うー丁度、女が男を装おうとする時、必要以上に「男っぽく」する、それと同じでは?と思うのだ。

>最初に米国の限界はどこにあるかの問いに答えられないのが君の限界と知らしたかったのだが、それに真摯に答えようとしなかったことが、


危機の予兆としては言える。 だが所謂「経済理論」には左程興味が無く、信用も全然置いていないので、そのような設問設定には応じかねる、ということ。 ただ、別の角度からは応えることは出来る。  モダン或いはモダニズムとは、モデル(模型)を基本にして社会を駆動させていく、モデル思考(モデル志向)の社会ー歴史も伝統も無いアメリカだからこその在り様なのだろうーと言える。 従って、そのアメリカンモデルが人を惹きつける限り、アメリカは安泰なのだろう。 逆に言えば、世界に魅力あるモデルを提供出来なくなった時がアメリカの限界だろう、と。
最近、日本ばかりでなく、ヨーロッパにおいても「引篭り」がかなり深刻な問題になってるという。 これなど、「自立した個人が外の世界に冒険に乗り出して行く」という、典型的なアメリカンモデルへの忌避感ではないか?と考える。

>偏に歴史的経済体制の終焉にある


その内実が今一つ、不分明なのだが。


>人の考えの数ほど現実があるのではない。事実は一つしかない。問題は、何故その一つの現実が解らないかだ。


仮に貴方の言う通りだとして、それは何故でしょう?


貴方の今回の文は、結局、「クジラの問題」へのご自身の立場は表明してないし、私の見立てを「誤り」とするのは「グローバリズムや文明の衝突の現在形としてのエコ・ナチズム」という視点が誤りであるということだろうと思うけど、何故それが「誤り」と言えるのか、具体的な論点と文脈に即して言ってないので、こちらとしては煙に巻かれたようでもある。 従って、貴方の言うことを最大限理解したとしても、行き着くのは、以前話したように、立ち位置の違いという所に落ち着くようだ。


追記)
貴方の超然とした物言いには<場所>(着地点)が想定出来ない。 故に、何処か、天上高く飛翔して、そこで見えてるものを言ってるようで、それが地上の我々が見てるものなのか?それを地上のものに結び付ける必然性乃至連関が見えて来ないと、恣意的な裁断と何等変わらなくなってくる。
逆に貴方から観れば、私の位置乃至場所は危うく見えるのかも知れないけど、批評というスタンスは、本来、危険と隣り合わせにあるのだから、それは百も合点、二百も承知としか言えない。 それに、私は、ここがロドス島だと思ってるのでね。


貴方の、難渋な、取っ付き難い文章、これは多分、解る人だけ解ればよろしいとの、ご自身のスタンスであろうと思うけど、でもそれが理解されることを願ってのか?それともそのへ拒否なのか?それともまた過剰に尊宅したり、斟酌することを楽しんでのことか?今一つ分からないんだよな。
 

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