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原発事故が起こった時の避難計画
NHKで311の地震時の帰宅困難者についての番組をやっている。いかにも今回の震災を受け、その対策をきちんとやっているという印象を受ける。
しかし、そうだろうか？
確かに首都直下地震が起こった時、どのような状態に市街地がなり、そこでどうやって避難するか、それを準備しておく必要性は大きい。高層ビルであっても火事は起こるし、311の地震で起きたように、道路や広場が車のガソリンにより火の海になる可能性が高いと思う。僕がいい加減に見た結果なので本当は番組内でこれらのことについて触れられていたのかもしれないが、僕が気がついた範囲では全く出てきてはいなかった。更に、高層ビルが倒壊する可能性だってあると思う。ともかく、NHKの番組を観ていて感じるのは、いかにも今の世界がまともできちんとしたものだというメッセージだ。
しかし、本当にそれでいいのだろうか？本来、今考えるべきは、原発震災が起こり、大規模な放射能漏れの時、どう広範囲で避難をするか、ではないのだろうか？
菅直人前首相が一時期考えたという数千万人の人々が短時間に避難する、そういった事態にどう対処するかを考えるべきではないのか？
もし、東海地震が起こった場合、普通に西風が吹いていたら、半日もしないで首都圏一帯は今の福島県の数百倍から数万倍以上の放射性物質で汚染される。そして、そういった地域で屋外に出て避難することがどの程度可能かどうか、そもそも、東海地震が起こったとき、予想されているマグニチュード７から８の場合の首都圏の被害がどの程度になり、その地震被害の中でどの程度避難ができるのか、また、東京や埼玉にいた人々はより浜岡原発から離れたところへ逃げるしかないが、その方法があるのか、更に、浜岡原発の近隣、つまり、１０kmとか２０km圏に居住されていた方たちはどう、どこへ避難が可能なのか、どれもこれも、多分、答えはない。
より根本的な問題がある。一定規模の原発震災が起こったとき、どこまでの範囲の人々が避難して、その避難民の方たちをどこの地域で受け入れ、除染し、生活を保障するのか。衣服や荷物、車などに放射性物質を大量に付着させて避難してくる方々を誰がどう受け入れるのかという問題であり、多分、原発事故自体が収束せず、汚染地域がどんどん広がる中、どこからを避難受け入れ地域に指定できるのか。こういったことを当然考えなければいけないが、どうなっているのだろうか。
世界でまだ一例も原発直下でマグニチュード６を超えた地震が起こったことはない。震源深さが10キロから20キロぐらいでマグニチュード６から８の地震がよく起こっている。大きな被害を与える地震はほぼ皆このぐらいの震源深さだ。しかし原発の直下２０キロほどでマグニチュード６を超える地震が起こった場合、その縦波の影響がどうなるかはシュミレーションさえされていないはずだ。縦波は衝撃波と言われ、揺れというよりも対象物を粉々に破壊する力を持っている。通常の地震では地震の規模自体が小さかったり、震源が大きな建物から遠かったりして、縦波が減衰してしまうのでほとんどその脅威が問題にされない。しかし、今年の年頭、鹿児島の新燃岳の噴火で起こった空振は数十キロ離れた建物の針金入りの窓ガラスを破壊した。これは噴火に伴う空気の縦波が衝撃波として伝播した結果だ。海底である程度以上の地震が起き、その震源域の真上を船が航行していると、やはり、地震の縦波の振動が海水を伝わり船体を破壊する。これを海震と言う。
チェルノブイリ原発事故は原子炉直下でマグニチュード３程度の小さい地震がごく浅い震源深さで起こったことが原因ではないかと言われているが、その確認はされていない。つまりそうではないという反証もされてはいず、単に無視されている。
少なくとも、原発の直下でマグニチュード６を超える地震が起こったことは世界で一例もない。全てが机上の計算であり、想定での安全をうたっているに過ぎない。
安全性が実証できないのだから、一定の過酷事故が起こった場合、どのような避難ができるのか、そのシュミレーションをして結果を明らかにするべきではないだろうか？
現状でそれができないのは、単に、過酷事故が起こったら手が付けれないからだとしか思えないが、違うだろうか？
少なくとも、地震国日本は原発をすぐに廃止するべきではないのだろうか？廃止をしても電力は足りるし、地熱発電という優れた安全安価な発電が日本では可能ではないのか？
＊6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは？」から一連番号を付しています。＜＜752＞＞
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