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M23、コンゴ、二人のライス(1)
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投稿者 グッキー 日時 2012 年 12 月 05 日 21:54:21: Cbr3d6O9vj7Mc
 

M23、コンゴ、二人のライス(1)

 11月28日の朝日新聞朝刊にコンゴ東部での戦闘についての4分の1頁ほどの記事が出ました。そのままコピーして読んでもらうつもりでしたが、スキャナーが働かないので、タイプします。目的は、こうした新聞記事がコンゴで、あるいは、アフリカで起っている事の真実を知ることに如何に役に立たないか、いやそれどころか、むしろ本当の肝心の真実が覆い隠されていて、読者に誤った印象を与えるかを、具体的に解説することにあります。
 こう切り出すと、朝日新聞とこの記事の筆者に対する特別激しい攻撃批判のように響きますが、これは、コンゴに強い関心を抱いている私がたまたまこの記事を目にしたというだけのことで、特に朝日が悪いというつもりは全くありません。朝日はまだ良い方かも知れません。その昔、信頼していた(これは、今になって思えば、もともと私の不明の致す所と言うべきかも知れませんが)タイム、ニューズウィーク、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、BBC、などなど、ほとんど読む気を失ってしまう状況になっています。近頃はガーディアンあたりも、掛かっているバイアスによく注意しなければなりません。
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 11月28日付けの記事には次のような「コンゴ紛争」の短い予備解説が添えてあります。
■ 民主化要求の高まりで1990年ごろから政情が不安定に。94年、隣国ルワンダで、多数派フツ族による少数派ツチ族の大虐殺が起きると、戦火はコンゴに飛び火。ダイヤモンドや金など豊富な資源をめぐり、周辺国を巻き込んだ国際紛争に発展、犠牲者は約540万人ともいわれる。2003年に紛争は終結した。しかし、現在も複数の武装勢力が活動している。■
 本文記事は「コンゴ反政府組織と戦闘続く 政府軍終結、前線緊迫」
というタイトルになっています。
■ コンゴ(旧ザイール)東部で戦闘がやまない。反政府武装組織が制圧した拠点都市ゴマから政府軍支配地域に入ると、兵士たちが戦闘に備えて集結していた。反政府組織は27日、停戦に向け交渉の用意があると発表したが、先行きは予断を許さない。
 反政府組織「M23」が制圧したゴマの西方に位置する交通の要衝サケ。そこからM23 の検問をいくつか抜け、車で数キロ進むと、山岳地帯の小さな村に出た。
 支配しているのは政府系民兵組織「マイマイ」。略奪や集団強姦に関与しているとして悪名高い組織だ。広場には自動小銃を持った兵士が数多く集まっている。
 取材に応じたバリカフ司令官が「数は言えないが今各地から戦闘員を集めている。M23 はルワンダの支援を受けている。敵はルワンダだ。我々は愛する祖国のために戦っている」とまくし立てた。幹部は「我々に銃弾は通用しない」と言った。マイマイは「水水」を意味し、魔法の水の力で銃弾では死なないのだという。「我々が勝つ」「明日にだって敵を追い出してやる」。口をつく言葉は威勢が良い。
 ただ、「コカインはないか」「金をくれ」などと兵士たちがまとわりつく。統制はとれていないようだ。
 ゴマの南約40キロの街ミノバに政府軍の前線基地があった。ゴマから敗走してきた兵士も多い。「スパイか」と詰問された。オレンガ・コンゴ軍司令官は「M23 は恐れるに足りない。兵士も弾薬も十分にある」と興奮気味に語った。
 戦闘による避難民は14万人以上に及ぶ。ミノバからも人々が逃げ始め、商店の半分が店を閉じているという。住民の一人は「近所の半数が逃げた。私も逃げたいが行く場所がない」と話した。(ミノバ=杉山正)■
 続いて11月29日の朝日の朝刊に「反政府勢力、ゴマ撤退」と題して、
■ アフリカ中部(旧ザイール)からの情報によると、同国東部の拠点都市ゴマなどを制圧していた反政府勢力「M23」は28日、前線から撤退を始めた。数日以内にゴマからも撤退するとみられる。
 撤退の理由は明らかではないが、戦闘が劣勢になってきた上、政府側が M23 にゴマ北方のレアメタルのタンタルが豊富な地域にとどまることを許可したためとみられる。
 今年4月から始まった M23 と政府軍の戦闘で、これまでに50万人以上が国内外に避難している。(キガリ)■
 さらに、12月3日の朝刊には「コンゴ反政府勢力「M23」 ゴマからの撤退完了」として、
■ アフリカ中部(旧ザイール)からの報道によると、同国東部の主要都ゴマを制圧していた反政府勢力「M23」が1日、ゴマからの撤退を完了した。M23を支援しているとされる隣国ウガンダから撤退要請を受けていた。M23 は先月20日にゴマに侵攻し、支配範囲を拡大していた。M23 側は撤退を前に「政府の対応次第ではゴマに戻る。戦争を望むなら戦争する」としている。ゴマ北方15キロほどの町に拠点を移したとみられる。M23 は、政府軍がゴマに保管していた大量の武器や弾薬を持ち去っている。政府軍内ではM23 の掃討を主張する声も根強く、戦闘が再開する懸念もある。
 コンゴ東部では、M23 の他にも複数の武装組織が活動し、広範囲で治安は不安定な状況が続いている。また、政府軍による略奪や女性への暴行も横行している。(ミノバ=杉山正)■
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 はじめに掲げた短い「解説」では、「民主化要求の高まりで1990年ごろから政情が不安定に。」というのは、コンゴの場合、意味がありません。次に、ルワンダ大虐殺に続く“被害者”側の少数派ツチ族勢力のルワンダから東部コンゴへの侵攻が、それに続く大戦禍の原因です。その侵攻の政治的経済的目標はルワンダのツチ族勢力による東部コンゴの制圧でした。「戦火はコンゴに飛び火。」などというものではありません。「2003年に紛争は終結した。」というのも間違いです。ルワンダによる東部コンゴの制圧は、M23 という代理戦闘団のあまりにもオープンな暴力的形をとり、さすがの国連筋、人権擁護団体も抗議の声を上げざるを得なくなりました。今回のM23 の撤退はその非難を外交的に回避するための一時的方便と思われます。M23 の背後には米国、英国、カナダなどが控えているのですが、そこまでは、朝日新聞として、はっきり言えないにしても、ルワンダとウガンダが M23 を支援していることまで位は「解説」してもよいのではありますまいか。
 しかし、私の目に最も重大なこととして映るのは、「犠牲者は約540万人とも」と、こともなげに書かれていることです。5百万というのは死者数です。現在でも、毎日千人ほどの人々が、コンゴ東部の戦争状態のために死に続けているかもしれません。これは大変な数字です。何気なしに書いてよい数字ではありません。世界中の他の事故死、災害死のニュースのことを考えてみて下さい。毎日千人の死者がどうして特大ニュースにならないのでしょう。
 Eduardo Galeano に“Open Veins of Latin America: Five Centuries of the Pillage of a Continent”という著作があります。直訳すれば“ラテン・アメリカの切り裂かれた血管:大陸収奪の5百年”となります。この伝で表現すれば、コンゴは“切り開けられたままの心臓:コンゴ収奪の5百年”となりましょう。しかも、コンゴを現在もこの状態に放置することに決定的な貢献をした二人のアフリカン・アメリカンの女性がいるというのは何という悲劇的なことでしょう。二人の名は、コンドリーザ・ライスとスーザン・ライス、コンドリーザは米国の前国務長官、スーザンは、今の地位は米国の国連大使ですが、間もなくオバマ新政権の国務長官になることでしょう。黒人女性として位を極める二人、ともに米国の黒人少女たちの輝かしいロール・モデルとして崇められる存在です。
 次回は新聞記事の検討を続け、この二人の女性についての議論を行ないます。

藤永 茂 (2012年12月5日
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知らなかった。
今でもコンゴで動乱の続きが行われているとは
地下資源の世界一豊かな国
6000万人の人口を有し西洋ほどの国土が有る国

資源が有る故に欲望が集まる
欧米の欲望に満ちた人間が集まってきているのだろう
現地の部族でも利権の奪い合いを演じているのだろう

ネイティブインデアンの言っていた言葉を思い出す

富は我々を幸せにしない、と。。。。。

 

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