２０１５年度の原発事業の売上高は１４００億円（１３年度は１１００億円）を計画。説明会に登壇した長澤克己常務（電力システム社社長）は原子力事業について「国内は当面厳しい状況。ただ海外プロジェクトの準備はしていく」とし、海外中心に売り上げ増を図る方針を示した。

原発を含む「電力システム事業」の２０１５年度の売上高は５２００億円（１３年度は７７７３億円）を目指す。今年２月付で三菱重工業 (7011.T: 株価, ニュース, レポート)と火力事業を統合した「三菱日立パワーシステムズ」（出資比率は三菱重６５％、日立３５％）が発足し、日立グループから火力事業の売り上げがほとんど外れたため、１３年度からは減収となる。

原子力、電力流通、自然エネルギーの３事業を柱とする電力システム事業として、２０２０年度の売上高は８０００億円を計画する。

＜英国鉄道2015年の初出荷「計画通り」＞

鉄道システム事業は、１５年度に売上高２０００億円、営業利益率７．５％（１３年度は１６８２億円、４．５％）を計画。１年前の計画策定の時点では、１５年度の営業利益率は６．５％としていたが、生産コストや管理コストの削減で改善を図る。

英国で受注した高速車両は２０１５年の初出荷に向けて「計画通り」（アリステア・ドーマー交通システム事業ＣＥＯ）に進んでいる。日立は、英国運輸省との間で８６６車両の納入と２７年半の保守契約を結んだ。

２０１５年の英国での現地生産に向けて、生産拠点を建設中。４月１日には、同事業の本社をロンドンに移管し、ドーマー氏をＣＥＯに任命した。

＜ヘルスケアは15年度に9.5％の営業利益率へ＞

４月１日付で発足したヘルスケア事業は、１５年度に売上高３６００億円、営業利益率は９．５％（１３年度は３２６７億円、６．３％）を目指す。病院内ＩＴ（情報技術）、治療・診断機器、超音波装置の日立メディコのそれぞれの事業で拡大を図る。

エレベーターを中心とする都市開発システム事業は１５年度の計画を６１００億円とし、従来公表値の５６００億円から上方修正。１年前から計画通りに進んでいるが、為替の影響を織り込んだ。

(村井令二)

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