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FIT申請受付中断からいろいろ考えてみる 村上 敦 今後16年間太陽光原価1kWh≒10円なし
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1492.html
投稿者 蓄電 日時 2014 年 12 月 14 日 21:42:14: TR/B2VKXCoTU6
 

https://www.facebook.com/murakamiatsushi/posts/4643980312799

なんか各所で今回のFIT申請中断騒動からのフィード、コメントが乱れ飛んでいるので、面白そうだから混ぜて。
ということで、僕がやれることは??? そうだ、ドイツのFIT、分かりやすいように野立てのPVのケースでどのように推移してきたのか取りまとめてみましょう。

という感じです。
・2014年7月までに37,448MWの設備が累積で設置、2014年のドイツでのPVによるMAXの瞬間発電出力は4月17日の正午に記録した24,230MWで、夏季の晴天時の正午はコンスタントに20〜23GW発電していました(快晴時には平日正午の電力需要の約3割、休日正午の約4割を供給)。
・2014年1〜9月で、PVによる総発電量は29.5TWh、国内の全電力消費量に対しておよそ7%を供給。
という感じですが、感覚として皆さんに役立つでしょうか?

FIT申請受付中断からいろいろ考えてみる
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51872008.html

FBで一旦投稿したのですが、Twitterに連動されず、かつ、もう少し丁寧に膨らませてみたいと考えましたので、ブログにして記します。

さて、日本のお話、FITの新規申請受付の中断、いわゆる九電ショックについてですが、マスメディアでも、SNSでもいろいろな情報が出ています。しかし、僕自身、指標として欲しい試算を簡単にでも行って、それを丁寧に説明しているところがなかったので、自分で計算してみることにしました。

過去2年間で、非住宅の太陽光発電について申請受付された数字が、どれだけ馬鹿げた過剰規模であるのか、それを順に説明してみましょう。

日本はまずは、どこに向かいたいのか、到達したいのか。これがわからないと、これまでに申請された量の意味がよくわかりません。ですから、エネルギー基本計画を持ちだしてみます。計画では、2030年までにエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合をこれまで(21%としていた)よりも大きく上回る水準を目指す、という記述になっています。ここから出発してみます。

1.2030年までに人口減少、高齢化、グローバル化&重厚長大産業の衰退などで電力需要は大きく下がるはずですが、その下がった分、新たに発生する交通エネルギー需要において一定割合を、EVや再エネ電力由来の水素・燃料電池などが普及し、電気で賄うような社会が到来すると想定します。したがって、分母である総電力需要は現在の水準(約9500億kWh)とあまり変わらないものとします。まあ、これが良いのかどうかの検討はとりあえず置いておきましょう。

2.計画に書かれた「(21%を)大きく上回る水準」とは何かがまだ示されていません(というか原発の取り扱いを決めない限り今後も示されそうもありませんが…)。しかし、系統や電力供給体制の根本的な考え方、運用を大きく変更しなければならなくなりつつある時期、いわゆるエネルギーシフトの第一段階が終了する時期について考えると、ドイツや欧州の経験から30〜40%程度という数字がまずは想定できます。日本はダム式水力、揚水水力がドイツやスペイン、デンマークよりも割合として大きくあるので、ここでは乱暴ですが、想定を2030年までに再エネ35%として考えてみましょう。今がダム式水力9%+他の再エネ3%程度の12%ですから、2030年までの残り16年間で23%分の再エネを拡張するというのはかなり意欲高い目標です(ドイツですら過去15年間で約20%の拡張)。これ以上の目標は、現状の日本の政治、状況では期待できそうにありませんから、この辺を最大限の目標としておきます。

3.9500億kWhの電力需要の35%は、3325億kWhですが、すでに日本には年間700〜1000億kWh発電できるダム式水力を抱えています。ここでは、あとで数字が綺麗に丸まるように中間を取って、2030年に電力需要の9.2%である875億kWhを大型水力で賄えるという想定にしてみます。

4.バイオマス(廃棄物燃焼の場合、そのカロリー分を含む)、地熱、小水力、波力・潮力などのいわゆる「その他」に該当する再エネは、想定として全体の4.7%、450億kWhとしておきます。私の感覚的なものですが、当たらざるも遠すぎずという感じで(ちなみに2013年のドイツでのバイオマス由来の発電量は480億kWh、この数字には日独の国土利用の状況からも、15年間では到底、到達できないと考えます)。

5.ということで、ポテンシャルから鑑みても、再エネのメインとなる太陽光発電と風力発電で、残りの年間2000億kWh(全体の21%に該当)を発電しないと、目標である2030年35%を達成することができません。この2つの発電源は、やる気になれば予測システムの構築によって高い精度で事前に発電量を計算できるものの、基本的にはお日様まかせ、風まかせで出力が常時変動します(ですから、この2つの発電量が年間で、電力需要全体の2割を超えようとしてくると、エネルギー供給そのものの思想を変更する必要がじわじわと出てきます。単に既存火力・揚水で需給調整、出力変動を支える、ということでは足りなくなってきます。という意味でエネルギーシフトの第一段階として、努力・修正・調整は大きく必要だけれども、電力供給そのものの考えを変えなくてもなんとかなりそうな30年35%にここでは目標の最大値を設定したわけです)。

6.通常、欧州の気象条件だと、最も系統やバックアップに負荷がかからない、風力と太陽光の黄金比は「8対2」、もしくは太陽光産業寄りの研究だと「7対3」などがあります。太陽が照っているときは風が少なく、風があるときは快晴ではないので、この2つの発電源は「黄金比率を用いると」、かなり良い感じでお互いを補え合えるわけです(=系統負荷を最低限に抑え、蓄電や需給対策コストを抑えられる)。それゆえの黄金比ですが、これについて詳しくはフラウンホーファーISEの以下のPDFなどを参考にして下さい。
https://www.energy-charts.de/downloads.htm

日本でもいろいろな検討がなされているのでしょうが(私は具体的には知りません…)、欧州の中北部よりは日本は全土を見渡してみてもずいぶん日照条件が良く、揚水水力も活用でき、同時に国民性が「風力嫌い、太陽光好きすぎる!」状態なので、ここでは思い切って、太陽光のMAX限度オーバーとも思われる「6対4」にしてみます。つまり、風力で年間1200億kWh(全体の12.6%)、太陽光で年間800億kWh(全体の8.4%)という2030年の世界を想像してみましょう。このへんが費用対効果の限度で、これ以上、太陽光に偏ると、あらゆるところでコストが増大してしまいます。

7.(需給対応のための)ピークカットや一部捨電もあると考慮して、かつ(今後の技術革新も含んだ)2030年までの平均値として、太陽光発電の設備利用率を13%(=1140kWh/kW・年)、陸上風力を主力として、一部洋上も含めた風力発電を均して26%(=2280kWh/kW・年)と想定すると、それぞれ設置容量が、2030年の段階で、「太陽光発電で7020万kW」、「風力発電で5260万kW」程度は必要だということになります。

いいですか、これ、様々な想定を太陽光推進に都合の良いようにMAXで考えてある数字ですよ!

8.エネ庁によると、2014年7月までに設置されている太陽光発電は1657万kW、風力発電は264万kWです。あと16年かけて価格を大幅に低下させ最終的にはFITなぞ不要になるような価格優位性を市場においてつけさせながら、太陽光発電は毎年340万kWずつ(=【7020-1657】÷16)、風力発電は毎年310万kWずつ(=【5260-264】÷16)設置できると、理想的に目標のエネルギーミックス2030年35%に到達します。
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

この太陽光や風力で、毎年3.0〜3.5GW(=300〜350万kW)新設という数字は、ドイツも過去に目標とした値であり、良い感じで価格低下と産業育成ができていた時期の経験値でもあり、日本でも十分に実現可能、かつ理性的ではないかと思います。

9.しかし、FIT開始以来、認定された風力発電は設備容量はわずか123万kW。これは少なすぎますよね。もちろんアセスなどに時間がかかっており、今後の数字は上向くのでしょうが、それでも、風力の産業・業界の育成をどのようにしてゆくのか、今後の大きな課題です。

それに対して非住宅の太陽光発電の認定容量は、な、なんと6634万kW! 欧州の2倍以上というFITの超割高な状態で、わずか2年間で、今後16年間に継続的に設置してゆくべき量が、すでに認定されてしまいました。これで今後16年間、今現在のドイツのように太陽光が1kWh≒10円という日本の半分以下の価格レベルに低下する希望はなくなってしまったわけです。

このように大量に大規模なPVばかりが推進されようとしている今の日本の現状、やはりバランスが悪すぎるとしか言えませんよね。もちろん、諸事情があり(話は長くなりますが、アホなマスコミが言うように、価格低下を待っている事業者などほぼ皆無で、設置開始をしたくても訳あってそれがすぐにできない業者ばかりです…)、認定された量の半分も現実には設置されないと思われます。

しかし、とにもかくにも、ここまで非住宅のPVを放置した政治、エネ庁、価格算定委員会の責任は追求したほうが良いと思います。かつ、ここで一旦状況を迅速に整理して、一体どのようなことになっているのか、今後、どのようにしたら良いのか、対応を考えなければなりません。

ということで、頭の整理でした(どこかで、考え方、計算間違いがありましたら指摘して下さい。あくまで軽い頭の体操ですから)。  

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