発電時のＣＯ2 　2.8％減 14年度 震災後初のマイナス

　電気事業連合会は30日、2014年度に１キロワット時を発電した際に発生した二酸化炭素（ＣＯ2）の量（排出係数）が0.554キログラムと13年度に比べ2.8％減ったと発表した。前年度比マイナスとなるのは東日本大震災後初めて。ＣＯ2を出さない原子力による発電量はゼロだったが、河川の流量が豊富だったことで水力発電所の稼働率が上昇。火力発電所の効率化が進んだことも寄与した。

　集計の対象は大手電力10社とＪパワー、日本原子力発電の12社。ＣＯ2の総排出量は14年度に４億5600万トンと、5.8％減った。節電の浸透などで電力需要が３％減った影響が大きい。

　発電時のＣＯ2排出量は震災後に原子力発電所が相次ぎ停止し、不足する発電量を火力発電所が代替するようになったことで大幅に増えた。10年度に0.35キログラムだった排出係数は13年度には0.57キログラムに膨らんだ。14年度は発電量全体に占める水力発電など再生可能エネルギーの割合が拡大したことで減少に転じた。

　ただ電事連は７月に30年度の排出係数を13年度比約35％減の0.37キログラムにするとの目標を示している。達成には原子力発電所の再稼働や再生エネの大幅な導入拡大が必要になりそうだ。

［日経新聞１０月１日朝刊Ｐ．１４］

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