http://www.asahi.com/business/update/0111/TKY201101110531.html

安価で安定、さらにエコ　水を有効発電　電力各社が注目

2011年1月16日12時50分

全国の電力会社で初めて砂防ダムを利用した須砂渡水力発電所＝長野県安曇野市（中部電力提供）

４８年ぶりの「水路式水力発電所」になった栃川発電所＝長野県栄村（東京電力提供）
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　電力会社が、農業用水や砂防ダムなど、これまで発電にあまり使ってこなかった水に目を向け始めた。大規模なダムをつくって水力発電をすることはできないが、水力は太陽光と違って夜でも雨の日でも発電できるため、少しの水でも有効に使おうという狙いだ。背景には、産業界が温室効果ガスの排出削減を問われていることがある。

　東京電力は昨年１２月から、長野県大町市の高瀬川支流で農業用水を使った発電所を建設している。用水をためておく池と約１１４メートル下の発電所を管でつなぎ、管の中で水を落として発電する。

　出力は１千キロワットで、来年６月に運転開始予定。農業用水を使った発電所は東電では１９３１年以来７９年ぶりだ。

　同県栄村の栃川でも昨年１２月、出力１千キロワットの発電所の運転を始めた。こちらは川にせきをつくって水をため、そこから水を水路に流し込んで発電する。水路式発電所の開発も４８年ぶりだ。

　東電は「温暖化対策への関心の高まりから、これまで注目していなかった水資源も活用した」という。

　中部電力は昨年９月、同県の烏川で、大雨の時に土砂の流出を防ぐ砂防ダムを電力会社で初めて使い、発電を始めた。出力は２４０キロワットと小規模だが、このような小規模な水力発電所は同社では５７カ所目になった。

　関西電力は同県の木曽川にあるダムで、下流の生態系などを守るために最低限流し続けなければならない水を使う発電所をつくっている。同社では初の試みだ。

　出力は４８０キロワットで、昨年１０月に運転し始めた堺市の太陽光発電所の２８５０キロワットより小さい。だが、夜でも雨でも一日中発電できるため、年間の発電量は逆に１５％ほど多くなるという。建設費は５億円の予定で、堺太陽光発電所の方が数倍高いとみられる。

　電力各社は温室効果ガスの排出削減のため、新エネルギー利用特別措置法（ＲＰＳ法）で、太陽光や風力、小規模水力など再生可能エネルギーによる電力を一定割合以上に増やすことを義務付けられている。太陽光発電所の建設も競っているが、費用が少なく、いつでも発電できる水力も見直されつつある。（竹中和正） 　

コメント
01. 2011年1月18日 11:03:01: 8ZXG5AAQQ6 全て一定の落差と水量のある河川をせきとめて発電するのは、一見エコ（CO2排出からは）に見えますが、実際には河川の生態系を破壊することに繋がります。 遡上性の魚種のために魚道なるものが併置されますが、鮎などの遊泳力の強いものしか利用できず、底凄の魚介類は移動を制限されます。 また、なんとか魚道を遡上してもその上の湛水域は殆ど流れが無く、方向を失って産卵域まで行くことができません。 運よく産卵できて稚魚が降下し始めても、取水口から吸い込まれて殆どが死滅してしまいます。 また、上流からの栄養分を含む土砂を留めてしまうことで、下流の河川や海が栄養不足となり磯焼けと言われる現象を起こし、死の海にしてしまいます。 河川への堰やダムの設置は是非やめてほしいものです。
02. 2011年1月18日 16:11:18: E8CVlPLclQ 我、沖縄県本島の北部のヤンバルの森にも多数の川が有りますが、生活水確保の 為に、数多くのダムや取水堰が有ります。 >>01さんの言うようにダム直下の水流は止まり、濁った池みたいに成り、臭かったです。 また取水の為の河口堰から先は水が流れが弱くなり、河口が海砂で埋まっている所が 数多く有ります。 発電の場合は水を別の場所へ運ぶ訳ではないので、河口が塞がるような事も無いかも 知れませんが、生活の便利と環境の保全を考えると、どっちかなーーと何時も思います。
03. 2011年1月18日 18:01:56: Td0N6QHNrk このダムのニュースは、もともと、砂防会館派と環境保護派との間に行われている因縁の争いに端を発している。 背景は、砂防会館派と組んだ菅政権と、砂防会館派の排除を試みた小沢グループや左翼との間の抗争である。 抗争といっても、菅政権とマスコミを制圧した砂防会館派の側による詰め将棋となっている。 与謝野氏入閣も、砂防会館派の側による詰め将棋となって、小沢グループや左翼を威圧している。 新技術に関しては、以下の人工光合成の研究が話題となっている。 産総研: 人工光合成の研究紹介 - エネルギー技術研究部門 太陽光エネルギー変換グループ http://unit.aist.go.jp/energy/slecg/aps/index.htm 田丸先生からの原稿 / 太陽エネルギーを用いる水からの水素製造 http://bwhayashi.fc2web.com/page016.html
04. 2011年1月19日 05:55:39: 8ZXG5AAQQ6 02さんへ 発電所の放流口から下流は、理論的には水量は変わりません。 しかし、堰から放流口までは、発電に要する落差を稼ぐため、数キロメートルも離れていることがあります。つまり堰直下から数キロの区間は水流が殆ど無い涸れ川（申し訳程度には放水されますが）になってしまいますので、その間の生態系は壊滅してしまいます。 農業や生活用水として利水のために堰はどうしても必要なのでしょうが、なんとか生態系にやさしい技術の開発ができないものか、と考えてしまいます。
05. taked4700 2011年1月20日 13:51:32: 9XFNe/BiX575U : RAmEfjraQk ０４さんに質問です。 ＞堰直下から数キロの区間は水流が殆ど無い涸れ川 　放水がある程度されるというか、元々、発電用に取水される割合が決められていると思うのですが、そういった割合はどうなっているのですか？地元の意向がかなり優先されて決まると思うのですが？
06. 2011年1月22日 08:38:32: 8ZXG5AAQQ6 04です。05さんに返信。 例えば日本最大の河川である信濃川に、ＪＲ東日本の発電所があります。 宮内ダムで水を堰きとめて取水して、下流の信濃川発電所に送水していますが、取水量は毎秒300トンを上回ります。 このダムから河道に放流されている水量は毎秒7トン程度です。 ダムから発電所までは約35キロありますから、この35キロの区間には毎秒7トンの水しか流れていないことになります。 これは全体の2パーセント程度になりますから、単純に考えれば、幅100メートルの川で中央の幅2メートルにしか水が無いことになります。 さらに怖いことに、宮内ダムの上流約30キロの位置に東京電力のダムがあり、これの発電所は宮内ダムの直上にあります。つまり宮内ダムは東電の発電所の放流水を受けて貯めているのです。 するとどうなるでしょう？30足す35すなわち65キロの間は涸れ川状態になっている訳ですね。 因みに信濃川全体のの水利権で見ると、水道が毎秒15トン・工業用水が20トン弱・灌漑用水が500トン弱なのに対して、発電用は5000トン弱となっています。 ※詳しくは「水が消えた大河で（現代書館）」をご覧になるとよいでしょう。 地元の意向は一部の漁協関係者・農業委員会・自治体で決められて来ましたので、とても住民の意見が反映されているとは言えない状態です。高度成長時代の産業優先のやむを得ない措置だったといえなくもありませんが、一度立ち止まって考え直す時期でしょう。 今朝の新聞に、東電の水利権が無くなって放流が増えたお陰で、鮭の遡上が3倍になったという記事が載っています。 03さんの仰るように、砂防会館系の策動も考えられます。 砂防ダムも生態系を破壊するものとして最近設置が制限されつつありますから、地球温暖化問題が語られるのを幸いに、「環境にやさしい発電用ダム」に衣替えしただけで、本音はダムを作り続けたいということかもしれませんね。
07. 2011年1月22日 18:02:01: 8ZXG5AAQQ6 上記 ＞東電の水利権が無くなって は、ＪＲ東日本の水利権が無くなって　の誤りです。すみません。

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