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A『「ブラックマネー」副題:20兆円闇経済が日本を蝕む 須田慎一郎 著 新潮社』を読む 新興市場・メガバンク編
http://www.asyura2.com/09/hasan61/msg/230.html
投稿者 Ddog 日時 2009 年 1 月 21 日 20:37:23: ZR5JcjFY1l.PQ
 

鳩山総務相が、かんぽの宿オリックス売却問題で異議をとなえた。鳩山邦夫大臣は、福田内閣では法務大臣として、国賊朝日新聞などの妨害工作に凛として臨み、職務責任を全うした。鳩山大臣が法務大臣であった2007年6月に「犯罪対策閣僚会議」が設置され、企業が反社会的勢力による被害を受けることを防止するための指針が策定された。ビジネスや契約書に「暴力団排除条項」を盛り込むことや、反社会勢力データベースの構築。2007年9月施行の金融商品取引法の改正には、反社会勢力を株式などのマーケットから闇勢力を排除するという、強力な官民の強い意思が感じられる。(事実証券会社の約款には反社会的な勢力と判明した場合は、一方的に口座を解約できる条項が盛り込まれている。)鳩山大臣も十分熟知したうえでの、オリックス排除発言であったと思う。もし私が鳩山氏の選挙区であれば、今回いかに自民党に逆風でも鳩山氏に投票したい。日本の政治家も捨てたものではないかもしれない。

今日のヤクザの経済界の進出のきっかけを作ったターニングポイントは、1992年(平成4年)3月1日に施行された暴対法である。

暴対法によって、暴力団員の数そのものは減少し、暴力団事務所の撤去も進んだ。また、対立抗争事件数も減少した。問題は、暴力団員による従来型資金獲得活動=「シノギ」(金融・博打・売春)も困難になったことによる弊害だ。いわば、暴対法という抗生物質に耐性をもつものに変異してしまったのだ。暴対法が暴対法耐性暴力団を作り出す結果となってしまった。

弱肉強食的感覚、仁義道徳を叩き込まれ、鍛え上げられた強固な組織を背景に、組の為自らの欲望の為、腑抜けなサラリーマンより、企業舎弟は金儲けに対してウォール街の連中同様貪欲に、金儲け活動を行った。特にまやかしの小泉改革時代、勘違いのホリエモンらが跋扈した間違った新自由主義的風潮(私は反ケインジアン)は彼らの追い風になった、一般企業社会への進出(企業舎弟の増加)や組織擬装が増加するなど、組織の不透明化・マフィア化(一般人との区別がつかない)が進んだ。ブラックマネーは金融工学を駆使し国際化した結果、山口組の一人勝ち状態となってしまった。

BRICs経済研究所の門倉氏の推計によるとは、日本の地下経済は23兆円に達しているという。新興市場に投資され自己増殖をしていた。ここまで来ると、裏も表も境界が曖昧になりそうだが、暴力団マネーは普通の投資資金と違って「ノーリスク、ハイリターン」の「損を認めないカネ」である。(※暴対法施行前Ddogがお付き合いがあった博徒の流れを組む土建屋の社長さんは、株の負けに関してイイガカリをつけるようなことは一度も無く、極めて男気のある紳士的な方だったが・・・)

マフィアと暴力団のとの違いは、暴力団の方は、道の反対側からでもすぐに判別できる自己主張がある服装や、わかりやすい事務所を構えるのに対し、マフィアは特別な事務所を持たず、普段は一般市民と見分ける事が極めて困難な点にある)

暴対法以降暴力団がマフィア化していったのである。マフィア化は、暴力団本体だけに留まらず、暴力団関係者が経営するフロント企業(その利益は暴力団の活動資金となる)も及んでいる。

フロント企業自体、もともと堅気の企業と見分けがつかない事が多く、新興市場に公開した企業が、暴力団関係企業であってはならない。投資家がフロント企業を判別する事は難しい。暴力団関係者だとわざわざ書く会社側公開資料などあるわけ無い。フロント企業を公開させた取引所側の責任は非常に大きい。

堀江貴文の国策逮捕は、ブラックマネーの資金の流れを白日の下に曝す目的があった、野口英昭氏は東京地検特捜部の重要なキーマンだった。
自殺した野口氏はアイ・シー・エフ(現オーベン)幹部や関係者の資金100億円を香港などで運用していた。その中には出所不明の資金もあり裏社会との繋がりが噂された。

暴力団関係者は、新興市場が出来る前からすでに動いていた。マザース初の上場企業リーキッドオーデオジャパンは、公開前から食い物にされていた。
【リキッド・オーディオ・ジャパンの闇】
http://j_coffee.at.infoseek.co.jp/kabutochou3.html#liquid

関西アングラマネーのキーマンの一人、パチンコ梁山泊の豊臣春國氏、同じく梁山泊のキーマンで、京都駅前の地上げで名を馳せた同和団体役員川上八巳(やつみ)氏、元ライブドア取締役で日本人初のソユーズ観光宇宙旅行者になるはずだった、榎本大輔氏そのほかにライブドア堀江とその周辺の人物たちが、ICFがらみでの入り組んで、いかに錬金術をおこなったか、わかりやすく書いてあります。

【アドテックス事件】
http://blogs.dion.ne.jp/albatross_works/archives/5120068.html
コンピューター関連機器メーカー「アドテックス」が06年4月民事再生法を申請し、違反事件。元副社長の下村容疑者は、指定暴力団山口組弘道会系の元組長(2001年ごろまで)だった。元社長前田大作容疑者(51)は格闘技雑誌「週刊ゴング」の社長も務めていた。民事再生手続き中の06年5〜6月、下村容疑者が経営する別の会社から不必要なコンピューターシステム(ERP)を購入し、アドテックスの資産から計6300万円を支払い債権者に損害を与えた疑い。
【ゆびとま事件】
その下村容疑者が06年4月、前田容疑者から、インターネット上の同窓会サイト「この指とまれ!」の運営会社の経営権を取得したうえ、半年後に他社に売却しようとしていたことも分かった。
プライムシステム(現サンライズテクノロジー)事件
マチ金から資金調達して手形が暴力団に流れてしまい闇勢力に乗っ取られてしまった。
マチ金から資金調達した60億円は東証の子会社TCS買収に使われた。

新興市場で繰り広げられた事件簿が書いてある。ただし発覚したものだけで、暴力団に蚕食されている実態に比べれば氷山の一角らしい。

本書は、メガバンクと闇勢力のことに関しても説明がある。

『みずほ銀行で多発する問題融資』の理由は興味深かった。
みずほがデイワンダーランドに不正に融資の問題、TBSのメーンバンクのみずほコーポレーションだが、TBSを買収しようとする楽天に同じグループのみずほ銀行が融資するような構図になってしまったケース、先のスルガや、グッドウィル社など問題が多い企業への融資はみな、みずほが絡む。興銀と第一勧銀と富士銀の3社合併の為、合併後ホールセール(大企業)のみずほコーポレー銀行とリテール(個人中小)に再分割し、支店間の横の連携に欠け、融資の要である審査能力まで極端に低くなってしまいさまざまな問題が勃発している実態がかかれています。

極めつけは巨額詐欺事件を起こし07年10月380億円の負債を抱え倒産した伊豫商事への融資である。保証書の偽造や書類の偽造による粉飾決算を見抜けず、やすやすとみずほ銀行は265億円の資金を焦げ付かせたのである。当然裏社会へその資金の一部は流れている。

みずほ銀行がこのありさまなら、石原都知事が始めた、新銀行東京は、闇社会からすれば、まさに財布代わり、1000億円が消えてなくなるのは、経営の失敗や、行員の無能というよりも、失うべくして失ったようなものだ。私(Ddog)個人的には石原都知事の理念は賛成で、セーフティーネットは必要だと思うが、結果的に闇社会の勢力に対し新銀行の審査能力など無いに等しかったのだ。闇社会と新銀行東京では、最初から相撲にならなかったのだ。

日本の銀行は、多額の焦げ付き、巨額詐欺事件に巻き込まれ、再び貸し渋りを行っている。
しかし問題なのは、中小企業融資や、ベンチャー企業への融資など、リスクを適切に算定できない日本の金融機関のバンカーとしての能力不足に問題がる。その弱点に闇勢力が付け込んでいくのである。

本書は、少し懐かしい平成電電詐欺事件とドリームテクノロジーの件なども取り上げ、とても内容が濃い。
P244
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日米同時不況がいよいよ本格化しそうな雰囲気となっているが、不況というのは暴力団など闇勢力にとっては・大きなビジネスチャンスにもなりうる。
多くの場合、闇勢力は経営陣の内紛や経営状態の極端な悪化による資金不足などに乗じて企業に食い込んでくるものだが、不況期にはこうしたことが起きやすくなる。そして、一且企業に取りつけば、僅かに残った資産を売り払ったり手形を振り出させたり、様々な方法で食い尽くすのである。
一方、不良債権化した不動産も闇勢力にとっては大いに狙い目となる。特に銀行などの大手金融機関ばかりではなく、金融ブローカーなど複数の業者が絡んだ物件では抵当権をめぐるトラブルが発生することも考えられるから、つけいる隙ができる。
また、差し押さえ前の所有者から賃借権を手に入れ、それを盾に不動産に居座り法外な立ち退き料を求めるというようなやり方も、バブル崩壊後にはしばしば見られた。現在では暴対法により露骨には出来ないだろうが、暴力団系企業による地上げが復活していることを考えれば、今回のミニ土地バブルの崩壊局面で占有ビジネスが息を吹き返してもおかしくはないだろ。
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P246-247
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現在の金融界で主流となっているフアンドの組成や証券化のためのSPC(特定目的会杜)を駆使した様々な投資活動自体が、匿名性を大きな特徴としていることもあって、暴力団マネーには格好の隠れ蓑となりかねない。さらに、最新の金融工学のテクニックを用いてデリバティブを利かせることで、匿名化された暴力団マネーは何倍にも増幅される。
こうした資金が、前述した山口組旧五菱会系のヤミ金融グループによるマネロン事件で見られたような手法により海外に持ち出され、タックスヘイブンを絡めることで、極めてトレースしづらくなるのだ。
規制や税金を逃れた巨額の資金が、ものすごいスピードで世界中を駆け巡っているというのが近年の「ファンド資本主義」の大きな特徴だが、闇勢力の共生者となった金融マンたちの協力により、暴力団マネーも完全にその流れに乗っかった形となっている。
そして、海外の秘密口座に隠された暴力団マネーの大部分も、さらなる投資先を求めてホットマネーとして世界中を駆け巡ることになるのである。
すでにこの種の暴力団マネーが中国やインドなどを中心とする経済成長著しい新興国に相当規模で流入していることは、常識となっている。
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暴力団は「機を見るに敏」新興証券市場から不動産へ恐るべき情報力で、巨額な資金力を迅速に動かす。逆説的に考えると、ブラックマネーは一種のHOTマネーの役割を演じている。この金融危機でブラックマネーも相当打撃はうけているはずである。しかし、闇経済の住人達は挫けていないはずだ。次の波に備えて、したたかに準備していることだけは、間違いない。

【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/22750158.html  

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コメント
 
1. 2016年4月21日 07:27:44 : f2bDRcpoc2 : XgwiArDeqAU[6]
 
『「ブラックマネー」副題:20兆円闇経済が日本を蝕む 須田慎一郎 著 新潮社』を読む オリックス-闇社会編
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