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忍び寄る「スーパー耐性菌」の恐怖−インドから拡大
http://www.asyura2.com/09/health15/msg/484.html
投稿者 MR 日時 2012 年 6 月 05 日 11:47:10: cT5Wxjlo3Xe3.
 

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M3OYZU6KLVRA01.html

ノルウェーのナムソスに住むリルカリン・スカレットさん(67)は2010年3月、インドの港町コチに近い別荘を旅行で訪れた。その時、乗っていた自動車がトラックと衝突する事故に見舞われた。アムリタ医科学研究所に緊急搬送されたが、右足を骨折した上、人工股関節の損傷が激しく、交換するために外科手術を受けることになった。手術は12時間に及んだ。
3週間後、ようやく自宅に戻ることができたスカレットさんは、主治医からひどい知らせを受けた。ほとんどの抗生物質が効かない突然変異の細菌がぼうこうに侵入したというのだ。恐らくインドの病院で使用されたカテーテルが汚染されており、そこから侵入した可能性が高いという。その細菌が血管に入り込めば致命的な感染となるリスクがあった。自分ではどうすることもできないような状態で、事態の終息を待つほかすべがなかった。ブルームバーグ・マーケッツ誌6月号が報じている。
「主治医から電話があって突然変異の細菌が体内に侵入したことが分かり、予防措置を取らなければならないと言われた。とても不安だった」とスカレットさんは振り返る。
幸運にもその細菌は体内から排出され、スカレットさんは新型細菌による被害を免れた。これらの「スーパー耐性菌」と呼ばれる細菌について科学者らは、これまで遭遇したどの細菌よりも急速かつ広範囲に、より憂慮すべき形で感染が拡大しつつあると警告する。研究者らによると、その感染源はインドだという。インドでは治療のために薬剤を開発することで、多くの疾病の治療がより困難になるという本末転倒の状況が生じている。
ポスト抗生物質時代
インドの製薬業界は124億ドル(約9900億円)規模で世界の抗生物質の約3分の1を製造している。人々は抗生物質を多用しているため、比較的良性で有益な細菌が抗生物質に対する免疫を獲得しつつあり、最後の頼みの綱とされている強力な抗生物質さえも有効ではなくなりつつある。スーパー耐性菌は病院内で巣くうため、患者の治療を脅かし「医療ツーリズム」の目的地としてのインドのイメージを傷つけている。
米ハーバード大学医学部のロバート・モエリング教授は「旅行に行く際、これらのスーパー耐性菌への対処に役立つ可能性のある携行品はない」と指摘する。
世界40カ国余りで患者の血液や尿などの検体から遺伝子が変異したスーパー耐性菌が確認されている。カナダやフランス、イタリア、コソボ、南アフリカ共和国では感染と渡航歴との間に関連のない人々からも見つかっており、細菌がそうした地域に根付いていることが示唆されている。
あらゆる種類の薬剤耐性はこの地球を、世界保健機関(WHO)が「ポスト抗生物質時代」と呼ぶ状況に近づけつつある。WHOのチャン事務局長は3月にコペンハーゲンで開かれた医学関連の会合で、「連鎖球菌性咽頭炎や子供の膝の傷のような一般的な症状が再び致命傷となる可能性がある」と警鐘を鳴らした。WHOによると、欧州では現時点で存在する耐性菌への感染で既に年間2万5000人以上が死亡している。
ニューデリー
カナダのオンタリオ州公衆衛生研究所のドナルド・ロー所長は「これらの最新の細菌が、われわれの病院に侵入すれば対処法はない。その潜在力はどの有機体より強力である可能性が高い」と話す。
「NDM−1」と呼ばれる遺伝子を持つ新型のスーパー耐性菌は増殖力が強い。NDM−1とは「ニューデリー・メタロ・ベータ・ラクタマーゼ1」の略称。スウェーデン人男性が07年、標準的な抗生物質による治療に耐性のある細菌に感染し入院したニューデリーにちなんで名付けられた。NDM−1遺伝子はプラスミド上にあるため、接合伝達でさまざまな種類の細菌に広がりやすい。さらに、NDM−1によって増強された細菌は集結し最も強力な抗生物質を破壊し得るという。
英カーディフ大学のティモシー・ウォルシュ教授によると、NDM−1は、かつて薬剤が容易に制圧できていた一般的な細菌を治療不可能な殺人細菌へと変異させている。
医療ツーリズム
インドはそもそも国内に病気を患っている人が多いため影響を受けやすい。衛生状態が悪いこともあり、抗生物質耐性が強まっている。チェンナイ在住の感染症を専門とするアブドゥル・ガファール医師は、かつてはアモキシシリンなど一般的な抗生物質を利用していたが、現在はさらに高価な物を使っている。より広範囲の細菌を標的とし、副作用も大きい傾向にある抗生物質だ。一部の感染症はいかなる治療も効果がなく、全ての抗生物質に対して耐性を持っているという。
ガファール医師は「抗生物質に対する耐性が爆発的に強まれば、向こう1年か2年で大変な事態が起こるだろう。今のうちに臨戦態勢を敷く必要がある」と指摘する。
インド政府は医療ツーリズム産業の保護を目指している。同国当局者らは、インドの首都にちなんだNDM−1遺伝子という名前に憤慨し、全ての発展途上国の障害となっている問題でインドをやり玉に挙げていると不満を漏らす。
世界的大惨事を回避せよ
スカレットさんは身体的な危害を免れたものの、NDM−1のせいで疎外感を味わったと振り返る。理学療法士にはリハビリ支援を断られ、近所の人々はスカレットさんにあまり近づかないようにしていたという。
ウォルシュ教授は、インドでは1億人が気付かぬうちにNDM−1遺伝子を保有し、その拡大を抑制する方法はほとんどないと予測する。NDM−1遺伝子が組み込まれた細菌が増え、人がそれを世界中に運ぶため、同遺伝子の確認が報告される国はますます増えると予想される。
世界的な大惨事を食い止めようと、科学者や医師は警鐘を鳴らしている。
英健康保護局(HPA)の抗生物質耐性調査の責任者、デービッド・リバーモア氏は「最新の薬剤と衛生状態の悪さ、大量の抗生物質の使用が耐性をとてつもなく強める。インドはまさに、そのような状況を生み出してきた」と述べた。

原題:Superbugs Spread to 40 Nations Threatening India MedicalTourism(抜粋)   

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