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自殺を招く極端なダイエット願望 痩せすぎは貧血、骨粗鬆症、赴任の原因にも
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投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 15 日 08:01:09: cT5Wxjlo3Xe3.
 

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自殺を招く極端なダイエット願望
痩せすぎは貧血、骨粗鬆症、赴任の原因にも
2012年11月15日(Thu) 大西 睦子
MRIC by 医療ガバナンス学会 発行

 私たちは誰しも自分の外観について、目が小さい、顔が大きい、鼻の形が悪い、足が太い、胸が小さいなど、多少なりとも何らかのコンプレックスがあると思います。ただし多くの場合、そうした外観の悩みがあっても、日常生活に支障をきたすことはありません。

 ところが、自分の外観についての悩みが病的に深まり、日常生活もままならなくなってしまうことがあります。Body Dysmorphic Disorder、「身体醜形障害」(しんたいしゅうけいしょうがい)と呼ばれています。

自分勝手に醜いと思い込む「身体醜形障害」

 身体醜形障害とは、一口に言えば、他人から見れば全く問題が感じられないのに「自分の容姿が醜い」と苦悩する心の病です。毎日何時間も、自分の外観の美醜に関して考えるようになり、コントロールできなくなります。

 他人が「あなたの外観は、ぜんぜん問題ないですよ」と言っても、全く信じることができず、悲観的な考えから精神的苦痛を生じ、日常生活に支障が出ます。一種の心気症と考えられており、日本では「醜形恐怖」とも呼ばれます。

 仕事や学校にも行けなくなり、家族、友達から離れ、社会から孤立します。不必要な美容整形手術を受け、それで決して満足することはできず、最終的には自殺に至ることもあります。

 アメリカにおける1995年の調査では人口の1%に身体醜形障害が見られるとされていますが、実際にはより多数の患者が推測されています。

 日本では1990年頃から増えていて、専門家による正しい診断と治療が必要です。身体醜形障害の原因は不明ですが、遺伝的、環境的要因や脳内化学物質などの関与などが考えられています。

 身体醜形障害者は、極端な低体重など偏ったボディーイメージを持っています。ボディーイメージとは、無意識あるいは意識的に抱く自分の身体像・容姿であり、それに対する自己評価や願望を伴います。

 男女差はありませんが、10代に発症することが多く、特に、自分の髪の毛、皮膚、鼻、胸、目、顔全体などにこだわりが見られ、それ以外にも、唇、脚、歯、顎など、様々な部分が対象となります。

 その結果、自分の醜いと信じている部分を化粧、衣類や帽子などで隠す、鏡で頻繁に自分の姿を見続ける半面、醜い自分の姿を見ないよう鏡を避ける、他人の外見と比較する、美容整形を求める、極端なやせ願望、皮膚のピッキング(つめで皮膚をむく行為)、過度の運動や着替えなどの症状が現れてきます。

 身体醜形障害者は、強迫性障害や社交不安障害、さらにはうつ病、摂食障害や統合失調症ともなります。

 最近、米国ロードアイランド病院とオーバーン大学の研究者による身体醜形障害と自殺の関係についての報告*がありました。

 著者らは、身体醜形障害と診断された14〜64歳の200人(68.5%は女性)を対象に、自殺の対人関係の心理学理論を利用して、自殺リスクと考えられる行動を調べました。

自殺未遂につながる食事制限や過剰ダイエット

 著者らは特に、『物理的な痛みに耐える力が、死への恐れを軽減させる』という点に注目し、過度の運動、食物摂取制限、物理的な自傷、美容整形と皮膚ピッキングなど、物理的に痛みを伴う身体醜形障害に関連した行動と自殺未遂との関係を評価しました。

 対象者の78%は自殺を考えたことがあり、0〜25回の自殺未遂があります。中でも、食事制限や過剰なダイエットをしている人は、自殺未遂の数が倍増しました。

 なお、身体醜形障害から食事制限をしている対象者のうち半分は摂食障害ではなく、また、摂食障害の症状をコントロールした後も食事制限と自殺未遂の関係は維持されました。

 摂食障害が自殺未遂の原因なのでなく、あくまで身体醜形障害が自殺未遂を引き起こしている、ということです。

 一方、身体醜形障害とされる中でも、過度の運動をした人は、過度の運動をしたことがない人に比べて自殺未遂者の数が半分以下でした。

 また過去の研究では、美容整形手術と自殺の関係も報告されていますが、今回の研究では自殺未遂のみを扱ったこともあってか、特段の関係は見られませんでした。

 このことから、今回の研究では、身体醜形障害からくる食事制限が自殺未遂の予測因子となり得ることが導かれました。

* Witte TK et al, The relationship between body dysmorphic disorder behaviors and the acquired capability for suicide. Suicide Life Threat Behav. 2012;42(3):318-31.

 研究者の1人、フィリップス博士は、次のような仮説を述べています。

 「極度な食事制限は、私たちの自然な本能に反し、身体的苦痛を伴う。その苦痛に耐えていることで、自傷行為による痛みにも耐えることができるようになるのかもしれない。このことから、長期の極端な食事制限は、身体醜形障害者において自殺の予測因子になり得る」

世界ランキング第5位の自殺率

 2009年の世界の自殺率ランキング(WHO)によると、日本は米国の約2倍で、韓国、リトアニアなどに続き第5位と世界的にもトップクラスです。

 なお、最近は韓国における自殺者が急増し、2009年の調査では人口10万人当たり28.4人、日本では25.8人と報告されています。

 日本の自殺者は14年間連続で3万人超。全体の自殺者数は上げ止まったものの、特に若者の自殺の増加が問題となっています。政府は今年の6月、2012年版「自殺対策白書」を閣議決定しました。若者の自殺の原因としては、特に就職難が原因と考えられています。

 ただ、気がかりは日本人の若い女性の著しい“やせ願望”です。厚生労働省によると、若い女性では「痩せ」(BMI<18.5)の増加が著しく、20代女性で20年前の14.2%から23.3%に増加しています。

 特に、日本の若者における「痩せている=美しい」というイメージは非常に強く、「痩せて幸せになる」という願望が大きくなっています。

 ところが、痩せすぎは、骨粗鬆症、貧血や不妊などの様々な身体的な問題だけではなく、心に大きな問題を起こします。症状が強くなると、摂食障害により自殺を図る場合もありますし、死に至る場合もあります。

 何が「美」で何が「幸せ」か――。現在社会ではメディアなどの影響が非常に強いためでしょうか、表面的な追求に終始してしまうことが多いように思います。

 今後は、もっと深い意味での、真の「美」そして「幸せ」を追求していくべきではないでしょうか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36533  

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