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乳がんの放射線治療で心臓疾患リスク高まる
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投稿者 eco 日時 2013 年 3 月 17 日 11:35:51: .WIEmPirTezGQ
 

2013年 3月 14日 13:12 JST
乳がんの放射線治療で心臓疾患リスク高まる

By MELINDA BECK

 医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)が13日掲載した欧州での大規模研究結果によると、乳がんで放射線治療を受けた女性では心筋梗塞やその他の重大な冠状動脈事象のリスクが高まることが明らかになった。

 リスクは治療後5年目に高まりはじめ、少なくとも20年間続き、照射された放射線量が多ければ多いほど重大な心疾患に結びつく可能性が高くなるという。

 乳がん専門家らは、現在の放射線による治療は研究対象となった女性の多くが治療を受けた時に比べて的を絞った照射が可能になり、周囲の組織へのダメージが少なくなっていると指摘した。また、研究結果が示唆しているのは放射線治療を受ける患者を減らすべきだということではなく、心臓疾患要因のリスクをできるだけ注意深く管理すべきだということだ、と指摘した。

 同研究についての論説を執筆したデイナ・ファーバーがん研究所(ボストン)の心臓医ジャビッド・モスレヒ氏は「この問題を文脈の中で捉えることが大事だ。放射線やその他の治療の進歩によって多くの女性乳がん患者が生き延びられるようになったためにこの問題が大きくなってきたことが背景にある」と強調した。

 英オックスフォード大学などの研究者は、1958―2001年にスウェーデンとデンマークで乳がんの外部放射線治療を受けた、当時70歳未満の女性の記録を調査。重大な冠状動脈事象を発症した963人と同事象のなかった1205人を比較検討した。心臓に近い左側の乳房のがんの治療を受けた人は右側の乳房を治療した人に比べてリスクが高かった。

 研究者らはまた、患者がどの程度の放射線を浴びたかを推定し、心臓への照射が1グレイ(放射線のエネルギー量の単位)増すごとに心筋梗塞の発症、ステントないし動脈バイパス処置、あるいは心臓疾患での死亡のリスクが7%高まると計算している。既に心臓疾患の恐れがあった女性のリスクは照射後に一段と高まった。

 米国で毎年乳がんと診断される21万1000人の女性のほぼ半分は、化学療法や手術に加えて放射線療法も受けている。この療法は、特に腫瘍摘出―腫瘍だけで乳房全体は切除しない―を受けた人や乳房切除(mastectomy)を受け再発のリスクが高い人、あるいは既にリンパ節に転移している人に勧められる。

 放射線腫瘍医で「Breastcancer.org」の創設者マリサ・ワイス博士は、最新の放射線機器では「ミリメートル単位で照射できる」と述べた。「respiratory dating」と呼ばれる技術では、患者の一呼吸ごとに心臓の状況を監視し、心臓が最も影響を受けやすい時には照射を瞬間的に中断することができるという。また、一部の病院では、心臓への負担を少なくするために乳房の一部分だけに照射している。

 論説は、この研究がアテローム性動脈硬化というタイプの心臓疾患しか調べておらず、また他の方法でも放射線は心臓組織にダメージを与えることが知られていることから、研究結果は氷山の一角である可能性があると警告している。調査対象の女性の中には、同様に心臓に悪影響を与えることのある化学療法を受けた人はほとんどいなかった。

 同論説は、こうした研究は「心臓腫瘍学」と呼ばれる新しい医学領域にとって役立つとし、がん治療の計画を立てる際には心臓医も早い段階から参加すべきであることを示唆している。ワイス博士は「グッドニュースは、乳がんと診断を下されたあと女性が長い期間生存する傾向にあることだ。そのため長期的な副作用が極めて重要な問題になってhttp://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323893104578359313885463472.html?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecondきた」と話している。  

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コメント
 
01. 2013年3月17日 23:22:09 : Qs2ppwNA3w
精子にも「旬」、最も健康なのは冬と初春=イスラエル研究
2013年 03月 11日 18:55

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[11日 ロイター] イスラエルの研究チームは、人間の精子が季節によって状態が異なる、いわゆる「旬」のようなものがあるとし、一般的に冬と初春の精子が最も健康であるとの研究結果を発表した。

調査は2006─09年に、不妊症の治療を行っている男性6455人から精液のサンプルを取って実施。その結果、冬に採取した精子は動くスピードが速く、異常も少なかったことが判明。季節が春に入るにつれ、精子の質には一定の低下がみられた。

研究を率いた同国ネゲブのベングリオン大学のEliahu Levitas氏は、「冬と春に作られた精液の特徴が妊娠確率の上昇と合致していることが分かり、これで秋に生まれる子どもの数が多いことが説明できそうだ」とした。

ただ、精子の数が少ないなど何らかの異常がみられた男性の場合は、この傾向は見られなかった。

この調査結果は、米産科婦人科医学誌「American Journal of Obstetrics & Gynecology」に掲載された。


精子の数と濃度、ストレスが関係か=研究
2013年 02月 21日 19:01 J

[21日 ロイター] 精子の質とストレスの関係を調べたイタリアの研究で、強いストレスや不安を感じている男性は精子の数が少なく、濃度も低い可能性があることが明らかとなった。

研究チームは、不妊治療に訪れた男性94人とそうではない男性85人を対象に、精子の提供とともに、現在のストレスや長期的不安について20―80で数値化してもらい、精子の質とストレスの関係を分析。その結果、どちらのグループの平均も27―40で「病的」とはいえないレベルだった一方、最もストレスの度合いが低かった28人と最も高かった40人を比較した場合、高かった人たちの方が精子の数と濃度が低い傾向にあった。また、精子の活動も鈍く、DNAが損傷しやすいことも分かった。

同研究では「総合すると、(ストレスと不安が)男性の生殖能力に関する重要因子である可能性の高いことが示唆されている」とした。

飽和脂肪の摂取量、精子数の減少にも関係=調査
2013年 01月 7日 11:50


[7日 ロイター] チーズや肉に含まれる飽和脂肪を多く摂取する男性は、精子の数が減少する可能性があることが分かった。デンマークの研究チームが、学術誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」で発表した。

それによると、飽和脂肪の摂取量が最も多かった若い男性グループは、最も少なかったグループに比べ、精子濃度が38%低く、精子の数も41%少なかったという。

調査を率いたティナ・イェンセン氏は「因果関係は断言できないが、別の研究でも飽和脂肪の摂取が他の健康問題に関係していることが示されており、精子数にも関係すると思う」としている。

食事などの生活要因と精子の数や質の関係は、これまでにも複数の研究で指摘されていた。2011年にはブラジルの研究者らが、小麦など穀類を多く摂取すると精子の濃度や動きに改善がみられると指摘。果物も精子の動きを速める効果があると報告されている。

しかし、こうした過去の研究の多くは、調査対象が不妊治療を求める男性に限られていた面もある。一方、イェンセン氏らの調査は、2008─2010年に軍入隊検査を受ける20歳前後の男性701人を対象に行われた。

調査では、過去3カ月の食事内容について聞いた後に精子サンプルを集め、飽和脂肪の摂取量に応じて4つのグループに分類。それぞれのグループの精子の数を比較した。

その結果、摂取エネルギーの15%以上を飽和脂肪から得ていたグループは、1ミリリットル当たりの平均精子数が4500万個となり、飽和脂肪の摂取量が少なかったグループに比べて少なかったという。


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02. 2013年3月18日 14:40:39 : e9xeV93vFQ
【第21回】 2013年3月18日 笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

歓送迎会シーズンも心配ない!
お酒のダメージを残さない「健康診断」直前対策法
 3月も半ばを過ぎ、歓送迎会のシーズンに突入する。

「今年の新入社員、かわいい子いるかな?」
「部署が変わる前に○○さんと仲良くなりたいな」
「別にそんなに世話になった人でもないのに面倒だな」

 なんて、いろいろ思うかもしれないが、ここではぜひ“お酒に飲まれない、かっこいい上司・部下”として株を上げてほしい。なぜならば、新年度のもう1つの大きなイベント、健康診断が近づいている人もいるからだ。

 毎年恒例の健康診断。さほど緊張感もなく、異常がなければホッと安堵し、ひっかかっても、一度検査をしたり、義務付けられた個別栄養指導を受けたら後は放置、の人が多いのではないだろうか。でも、自覚症状がなくても、明らかに前年より悪化している数値があったら、あなたが、“バリバリ”と“かっこよく”良い仕事ができる時間は少なからず短くなっていると思っていてほしい。そして、もしも栄養指導を受ける際には、嘘ではなくて本当の食事記録を書いて原因解明に努めよう。

「好きに飲み食いしていても健康診断はオールAだよ!」

 そんな自慢ができるのは、少なくとも30代までだ。第一、A、B、Cなどの結果の表記方法に決められた基準があるわけではない。それぞれの検査機関が独自に基準を設けているだけなので、「A、Bだったから…」といって油断はできない。特にBランクの人は注意が必要だ。数値を見ればぎりぎりのBで、何も改善しなければ翌年にはランクが下がってしまうことだってある。項目の横には、それぞれ基準値が書いてあることが多い。BはBでも、C寄りなのか、A寄りなのか…。判定された結果だけではなく、数値を自分で見直す、という習慣が重要だ。

飲み放題つきコースでコレステロール値上昇!?
飲み会では「腹八分目」に

 手遅れになる前に、今回はビジネスマンが意識しやすい項目をいくつかあげてみよう。ぜひ、直近の血液検査を手にして見比べてほしい。

 まずは、脂質代謝異常症(高脂血症)と関連するLDLコレステロール、HDLコレステロール、総コレステロール、中性脂肪の数値だ。

 基準値は以下のとおり。

総コレステロール 130〜220mg/dl
HDLコレステロール 40〜65mg/dl
LDLコレステロール 60〜139mg/dl

 HDLはいわゆる善玉コレステロールといわれるもので、血液中の余分なコレステロールを肝臓に運んでくれる、いてくれてうれしい存在だ。一方のLDLは、コレステロールをわざわざ細胞に運んで、血管にたまり、動脈硬化を進めてしまう存在なので、少ない方がうれしい悪玉コレステロールとなる。

ちなみに、コレステロール自体は悪者ではない。細胞膜やホルモンの原料となる大切な物質なので、総コレステロールが低すぎたらそれはそれで危惧しなければならない。ただ、総コレステロールが基準値内だからといって、HDLが極端に低くてLDLが極端に多いようなバランスであれば、動脈硬化のリスクが高まることを覚えておこう。肝臓や甲状腺、腎臓の病気などが背後にある場合もあるし、女性の場合には、特に甲状腺の病気と関連してくるケースもあるので、そちらを一度検査してみることも大事だ。

 でも、それらの病気がないようであれば、日頃の乱れた食生活がもたらした結果だ。牛乳、バター、卵、脂の多い豚肉や牛肉など、動物性食品に多い飽和脂肪酸を含む食べ物を摂り続けているとLDLの数値が上がりやすい。

 飲み会に選ばれるお店というのは、お酒を楽しめることが前提となるので、飲み放題つきコースで、から揚げや焼き飯など、一般的にはヘルシーと言い難い料理が並ぶ。しかも、ちょっとヘルシー路線で魚介が多いコース料理も、コレステロールが高い食材のオンパレードになるので、数値を改善したいときには厳しい。そんなときには、目の前にある料理やお酒より、周りと話すことに重きをおいて、腹八分目で終えること。飲み会の目的を、「飲む」ことではなく「コミュニケーション」にすり替えてほしい。また、飲み会のある日のランチには、いつもよりボリュームを減らして、野菜が多く摂れそうなメニューを選ぶと良いだろう。

脂肪分だけが原因じゃない!
炭水化物でも中性脂肪の値は上昇する

 そして、これも多くの方が気になる中性脂肪(トリグリセライド)。基準値は50〜150mgだが、上記の数値が食生活によって高かった人は、こちらの数値も少し高めなのではないだろうか?脂肪、という文字があると、脂肪分の多い食事をしているときに上がりそうな数値に思えるが、実際は、食事に含まれる脂質だけではなく、糖質やタンパク質も過剰になると中性脂肪に変わる。そして、エネルギー源として使いきれなかった中性脂肪は、体脂肪や肝臓に蓄積されてしまう。この値が高ければ、自分では適量、と思っているはずの炭水化物が多いことが充分に考えられる。あなたの適量は、周りと比べてどうだろうか?

 中性脂肪の値は、食事の直後やアルコールを飲んだ後などに上昇するので、検査の前日に遅くまで飲み食いしてしまったときや、消化能力が落ちているときなどにも高い値が出る場合もある。ただ、毎年徐々に上がってきていたり、毎回ひっかかっている、という場合には、偶然、とはいえない。糖尿病、腎臓や甲状腺、肝臓の疾患などでも高い数値を示すことがあるので、少し気を付けただけで基準値に戻る程度の状態なのか、今年の健康診断を機に見定めるのも良いだろう。

健康診断前のお酒との付き合い方
「iPhone大」のタンパク質で肝機能の修復を

 そして、お酒好きな人は気になるのが肝臓の状態だ。AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTPと書かれたところを見てみよう。これらは、本来は細胞の中にある物質なのだが、細胞が壊れると血液の中に流れ出す。つまり、血液中のこの数値が高いということは、それだけ多くの細胞が壊れているということなのだ。「沈黙の臓器」と呼ばれるだけあって、多少のことでは痛みなどの自覚症状はないが、肝臓のダメージ具合はわかる。

 基準値(各医療機関によって若干の差があるので、参考の値としてほしい)は、

AST(GOT) 11〜40IU/l
ALT(GPT) 6〜43IU/l
γ-GTP   男性10〜50IU/l 女性9〜320IU/l

 となるが、ASTとALTの両方が高いときは、肝臓の細胞が壊れていることが、ASTだけが高いときには、肝臓ではなく心筋や骨格筋が壊れていていることが疑われる。でも、どちらも基準値内で、γ-GTPだけが高いときには、アルコールの飲みすぎや脂肪肝であることが考えられる。そして、脂肪肝というのもまた、炭水化物の摂りすぎで中性脂肪が溜まっていることとつながってくる。

 もう、こうなったら、やはり何かを節制しなくてはならない。お酒なのか、炭水化物なのか。減らすとしたらどっち?なのかを自分に問いかけてみよう。もちろん、お酒を減らすのに越したことはないが、それができないのであれば、少しでも過剰分を減らすしかない。

 そして、同じお酒でも、糖質の多い醸造酒よりも蒸留酒を選ぶこと。まだ気を使ってくれる新入社員に飲み物を尋ねられたら、「焼酎の水割と、お茶も一緒にお願いできる?」と答えてみよう。そして、その場で一番、ゆっくり飲むようにしよう。健康診断前はもちろんだが、「あの人、飲むとああなるんだ…」なんて悪印象をもたれないためにも、歓送迎会の酒量は気を付けるにこしたことはない。

 また、いつもは話す機会のない上司や部下のところに、積極的に行くのも大事だ。その際、ビールや日本酒、焼酎だと、注ぎ返される場合があるので、それが難しい焼酎の水割りやお湯割りにしておくと逃げ道になるだろう。飲める部下はかわいがられるが、礼節ができ、話せる部下は信頼されるだろう。

 何度も言っていることだが、肝細胞の修復、再生にはタンパク質が必要だし、二日酔いのもととなるアセトアルデヒドを分解する酵素もタンパク質だ。摂取カロリーが増えがちな飲み会こそ、腹八分目を意識してほしいが、ただ体重を気にして、飲んでいるときはあまり食べない、なんてことは決してしないように!体積で見て「iPhone大」のタンパク質量は摂るようにしよう。

「薬より体に良いから…」と
安易なサプリの摂取は危険

 ただ、まれに、お酒を飲まない人で高い数値を出す場合がある。たとえば、薬を多用していたり、特定のサプリメント(サプリ)を飲み続けている場合だ。嘘のような本当の話だが、肝臓に良いとされているウコンのサプリを飲み続けたことで肝機能の値が悪い人がいた。短い診療時間の中で食事内容まで聞いてくれる医師は珍しく、どこの病院にいっても原因不明、とされてきたが、何軒目かの病院で「何かサプリ飲んでいませんか?」と聞かれて発覚したというのだ。

 クライアントから「薬は飲みたくないからサプリでおすすめのものはありませんか?」と質問されることがある。そのほとんどは、薬よりサプリの方が体に良い、というイメージに基づいているが、サプリであっても、薬と同じように化学的に作られたものが多いし、診断のもとに処方されているわけではないので、安易に手を出すのは危ない。どんなに良いとされるものでも、質の良いものを、正しく摂取する、ということが大事なのだ。

 休日返上で、週5日以上働いたら、さすがに疲れもたまるだろう。肝臓も同じだ。休肝日なしで働いていたらそれはボロが出てくるはずだ。少し休む、控える、といったことをしないといけない。

 そして、飲み会の途中に携帯のアラームを鳴らすわけにはいかなくても、睡眠時間を削ってまで飲まないように。私たちの体重が増えないように守ってくれているホルモン、レプチンの働きが悪くなり、どんなに飲み方に気を付けても太りやすくなってしまうから…。

 極端な食事制限はさておき、体重を適正に近づけるような食生活をしていれば、今回取り上げたような数字は自然とついてくる(重大な疾患に起因したものでなければ、だが…)。逆にいえば、数字が自然とついてくる年齢のうちに、食生活を改善するべきなのだ。次回のテーマは春に向けて知っておきたいみんなのダイエット。続きもぜひ読んでいただきたい。

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歓送迎会シーズンも心配ない!お酒のダメージを残さない「健康診断」直前対策法(03月18日)
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http://diamond.jp/articles/-/33408


03. 2013年3月22日 16:52:48 : xEBOc6ttRg
連載:内科医だからできるこころの診療
2013. 3. 21
アルコール依存には「変化球」で切り込むべし

著者プロフィール
井出 広幸(信愛クリニック院長)●いでひろゆき氏。1990年群馬大卒。東海大大磯病院内視鏡内科助手などを経て、2003年に信愛クリニックを設立。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。PIPC研究会ファシリテーター。開業応援塾塾長。
連載の紹介
精神疾患を専門としない内科医であっても、精神科的な対応が必要な患者にしばしば遭遇します。そのような患者への対応法を、PIPC(Psychiatry in Primary Care)という教育プログラムに沿って学びましょう。
 内科医・プライマリケア医が心療に取り組むときに役立つツールであるMAPSOのうち、これまでにMood(うつ症状、希死念慮、躁・軽躁エピソード)、Anxiety(不安の5つのタイプ=G-POPS)、Psychoses(妄想・幻覚を伴う精神病群)について解説してきました。

 今回は続いて、MAPSOのSにあたる「Substance-related disorder(物質関連障害)」について学びます。

 プライマリケアの現場で遭遇する物質関連障害のうちで、最も頻度が高いのはアルコールに関する問題です。そこで、プライマリケアにおけるアルコール依存患者への適切な対応に的を絞ってお話します。


■なぜ、アルコール問題が重要か?
 内科医・プライマリケア医が心療に取り組む際に、アルコール問題が重要となる理由を以下に示します。

プライマリケアの現場でアルコール問題が重要である理由
日常に深く入りこんだ「薬物(依存物質)」である
心療に与える「負の影響」が大きい
アルコール問題を発見したら、即座に対策をとる必要がある

 一般の人々はアルコールを飲料や嗜好品と考えていて、「薬物(依存物質)」であるという認識はありません。また、飲酒に関して寛容なわが国の文化も影響して、問題となる飲酒行動やアルコール依存は隠蔽されやすく、アルコール乱用や依存症予備軍まで含めると、莫大な数のアルコール依存者がいます。

 アルコール依存症患者は同時に他の精神科的問題を併存している傾向が高く、反対に精神科的な問題を持つ人には、アルコール依存症の併存率が高いことが分かっています。このため心療の現場では、アルコール問題と遭遇する頻度が非常に高いのです。


■アルコール多飲が精神科治療に及ぼす悪影響
 アルコールを多飲している人に精神科的な治療を施しても、抑うつ気分や不安は改善しません。その理由を以下に述べます。

 アルコールを多飲すると気分は落ち込みます。「あれ? お酒を飲むと人は陽気になるんじゃないの」と意外に思う方もおられるかもしれません。居酒屋で楽しそうに談笑しながら飲酒している人々を見れば、アルコールが気分を落とす物質だとは、にわかに信じられませんね。

 では、「お酒を大量に飲んだ翌朝の気分」を想像してみてください。そう、もちろん気分は「悪い」ですね。アルコールの血中濃度が高い間は、抑圧がとれて解放的な気分を味わえますが、血中からアルコールが消えると気分は落ち込むのです。そこで、あわてて「解放感」を求めてまた飲む。これをくり返していると、気分はどんどんと落ちて行きます。

 また、アルコールは本人の「逃避」を助長します。うつや不安から回復してゆく上で、様々な逃避を克服し、現実の状況と問題に立ち向かう姿勢をとることは、精神科治療の過程において本質的に重要なことです。しかし、アルコールは最も安直な逃避手段であり、アルコールに耽溺している限り、真の精神的な回復に必須である、新たな認知の獲得と自己の成長が得られることはありません。

 患者は、しばしば「お酒を飲むときは、薬を飲まないようにしています」といいます。飲酒と服薬が相入れないことを知っているのは良いのですが、結果的に、お酒を飲むことで服薬アドヒアランスは大きく低下します。かといって無理に服薬を重ねれば、薬物相互作用の結果、ひどい失敗につながります。精神科治療において、飲酒には良いことは一つもありません。


■アルコール依存に気づくための戦略
 アルコール依存を見つけたら「断酒」させます。断酒は、「言うは易く、行うは難しい」ものです。発見しても対策が無いものは、見つけても仕方ありませんが、対策があるのであれば実行しなくてはなりません。具体的な対策の内容については後で述べますが、まずは患者のアルコール問題に気づくための作戦を伝授いたします。

 アルコール依存症は、別名「否認の病い」と呼ばれています。「否認」とは、患者が飲酒の現実を正しく認知できないことです。

 患者は飲酒の話題になると急に寡黙になったり、不機嫌になったりして、自らの飲酒問題を認めようとしません。飲酒の頻度や量に関する問診に対しても、1回の飲酒量について少なめに答えることが多く、全体量としても、実際の飲酒量に比べて少なく申告するのが普通です。

 そこで、日常臨床のなかでアルコール依存症に気づくためには、以下に示すような手順で評価を行うと良いでしょう。

アルコール依存の見つけ方
飲酒行動に関する質問をする
飲酒の動機に注目する
飲める体質かどうかを確認する


■アルコール問題に気づくための質問
MAPSO問診 アルコール依存
「お酒を飲みますか?」
「お酒をとことん飲もうと思えば、どれくらいまで飲めますか?」
「最後にお酒を飲んだのは、いつですか?」
「お酒の量を減らさなければと思ったことはありますか?」

 アルコール依存をスクリーニングするためには、CAGE、KAST、AUDITなどの質問票によるテストが知られていますが、非専門医が日常診療で使うには、いささか煩雑で時間がかかり過ぎます。

 そこで、まずはズバッと「お酒は飲みますか?」と聞いて、患者の反応を注視します。直ちに「いえ、飲みません」と答えたり、「ときどきですね」と確信をもって答える場合は、それ以上の追求はしません。少しためらいながら「ええ、まぁ」といった含みのある返事をしたり、ばつが悪そうに「……はい」と答えたような場合は、次の質問に移ります。

 先に述べたように、アルコール依存症患者は飲酒量に関して常に過小申告してきます。そこで、直球勝負ではなく「変化球」を投げてみましょう。「とことん飲もうと思えば、どれくらいまで飲めますか?」と質問してみるのです。

 患者が「そんなには飲めないですね」と答えた場合は、それ以上の追求は不要です。「まぁ……、結構飲めますね」と多量飲酒の可能性を否定しないときは、「ウイスキーだったらボトル1本くらいは、いけますか?」と聞いてください。「いやいや、とんでもない!」と反応すれば質問はそこまでで中止ですが、「そうですね・・・」といったニュアンスの回答があれば、アルコール依存症疑いは濃厚となってきます。

 常に飲んでいるアルコールの種類や愛飲しているお酒の銘柄を確認することも重要です。「どんなお酒を飲みますか?」という問いに対して、「焼酎」と答えたときに、「どんな焼酎を、何リットル瓶で買いますか?」と確認してください。そこで、2.7リットルといった大きなペットボトルで、しかも安価で売られているような銘柄を口にするようなら、アルコール依存症を疑います。安い酒を大量に買うということは、「楽しむ飲酒」ではなく「酔うための飲酒」である可能性が高いからです。

 さらに、変化球を投げつづけます。アルコール依存症患者であっても、「最後にお酒を飲んだのは、いつですか?」という質問には、つい正直に答えてしまう可能性があります。以前から何度も強調しておりますが、PIPCの実践では「質問した瞬間における本人の非言語的反応」を見逃さないでください。その瞬間に、患者が見せる表情には真実が含まれています。この質問により、迎え酒(eye-opener)や連続飲酒の有無がわかります。

 「飲酒量を減らさなければと思ったことがあるか」という質問は、有名なスクリーニング質問票であるCAGEの筆頭にあるものですが、依存症患者の精神面での変化を知ることができます。


■飲酒の動機や飲める体質についても評価する
 患者との対話の中で浮かび上がって来る「飲酒の動機」にも注目してください。「友人と楽しい時間をもつために飲酒する」のは健全な動機であり、「酔うために飲む」ような場合は、逃避的な動機と考えます。

 アルコール依存患者は、飲酒によって何から逃避しようとするのでしょうか? それは「嫌な現実」や「ダメな自分」からの逃避であることが多いです。自分をいつも脅かしてくる「自己を卑下する感情」や、「堪えがたいほどのつらい現実」が、飲酒とともにスーッと消えてゆく。その「えも言われぬ解放感」は、次の飲酒行動へ誘う強い動機になります。

 アセトアルデヒド脱水素酵素と、アルコール脱水素酵素の遺伝子タイプによって日本人は、a)アルコールに強い人、b)アルコールに弱い人、c)アルコールが飲めない人──の3群に分類されます。アルコールに弱い人も、飲酒に慣れると次第に飲めるようになり、依存症に移行する可能性もありますが、実際の依存症のほとんどは、アルコールに強いタイプの人々です。


■プライマリケアにおける断酒への援助
断酒のためのステップ
アルコール依存という問題をもつことを認識させる
断酒に取り組ませる
専門医に紹介する

 繰り返しますが、アルコール依存症は「否認の病」と呼ばれ、患者に現実を直視してもらい、飲酒行動に関する問題を認めてもらうことはかなり骨の折れる作業です。酒に溺れて死ぬ寸前でありながら、「俺は酒で問題など起こしたことない」と主張する患者も少なくありません。

 とにかく、主治医であるあなたが本気になって、アルコールの害を説き、精神科的問題から回復するために断酒が必須であると説得するしかありません。患者には「睡眠の確保」を約束しましょう。患者は眠れないことを特に怖れています。

 断酒しただけだと、禁断症状が現れることがあります。それを回避するために、断酒の場合に限って、ベンゾジアゼピン系抗不安薬をしっかり投与します。アルコールを中断して24時間もすると、交感神経が刺激亢進し、48〜72時間で、せん妄や興奮・虚脱が発症します。これを防ぐためのベンゾジアゼピン系抗不安薬です。重症のアルコール依存者が突然断酒するときは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬の大量投与が必要なこともあります。

 ビタミンB1製剤の併用も考慮します。フルニトラゼパム(商品名:ロヒプノール、サイレースほか)は、アルコールとの相性が悪いため使ってはなりません。

 十分量のベンゾジアゼピン系抗不安薬を服用しても落ち着かないなど、アルコール離脱症候群がはっきりした場合は、原則入院治療にすべきです。うつや不安の併存がはっきりしているときは、SSRIを中心とする抗うつ薬による治療を並行して行います。わたしはうつや不安の軽減に伴って、断酒ができた患者を数多く経験しています。


■精神科専門医との連携
 アルコール依存が明らかとなり、内科医・プライマリケア医が本気で取り組んでも状況が好転しそうにないときは、精神科専門医へ紹介すべきです。

 しかし、現場でいざ実行に移そうとすると、患者の否認や、家族の共依存関係などが、大きな障壁となって立ちはだかり、専門医療機関への受診が強く拒まれることがあります。このような介入を、内科医・プライマリケア医が単独で行うことは、大きな負担ですし、限界もあります。

 実際には、精神科専門医、産業医、保健師、医療ソーシャルワーカー、民生委員、行政福祉関係職員などがチームを組んで介入する方が問題解決につながります。しかし、残念なことにアルコール医療に関する地域ネットワークの構築は、まだ一部の例外を除いてほとんど整備されておらず、お互いに顔の見える連携づくりが急務となっています。

 アルコールは、脳を冒し、肝臓を壊し、膵臓にダメージを与えます。しかし、最も深刻に破壊されるのは患者の「心」であると、私は感じています。まるで、癌細胞のように、自分自身のフリをしながら、心を食い荒らす。気づいたときは、自分の心の真ん中に「酒」という一字が居座っているのです。そうなってしまったら、泣きすがる家族の訴えも、もう心に響くことはありません。

 こんな悲劇を回避するためにも、患者や家族にとって身近な存在である内科医・プライマリケア医による早期介入が必要なのです。


04. 2013年3月25日 19:02:40 : GnRfb4ci8o
2013年 3月 25日 13:48 JST
赤ちゃんのように眠ると瞬時に学習 睡眠が知識習得のカギ 
By ALISON GOPNIK

 赤ちゃんや子どもはたくさん眠る。1日12時間前後と、大人の8時間よりかなり多い。しかし、子どもはなぜ、目が見えず、耳も聞こえず、夢という幻覚にも差し挟まれる睡眠に、生活の半分の時間を費やしているのだろうか。はたまた、全ての高等動物はなぜ、毎日数時間、苦労して手に入れた生存能力を睡眠という形で手放しているのだろうか。

 子ども自身も睡眠が意識を奪うことに当惑し、腹を立てることがあり得る。われわれ疲れている大人は、このささやかな無意識状態を歓迎するかもしれないが、幼児は昼寝により明るさが消え去ることに対し、ぐずる。

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 そうした疑問への答えの1つは、睡眠がわれわれの学習を助けることにある。脳が洪水のような新しい経験を取り込むと同時にそれを合理的に理解するのは、難し過ぎるのかもしれない。そのため、脳は一定時間世界を眺め、その後新たなインプットを遮断し、それまでに眺めたものを選別するのだ。

早く、ぐっすり眠るためのヒント
遺伝子治療、血液がんに高い有効性
高脂肪食のすすめ
 子どもはとりわけ深く学習する。注目される一部の実験によると、小さな乳児でさえ複雑な統計的パターンを持つデータを取り込み、パターンを説明する規則や原理を理解できる。そしてこういった学習では、睡眠が特に重要な役割を果たしているようなのだ。

 米アリゾナ大学のレベッカ・ゴメス氏率いる研究チームは2006年、生後15カ月の乳児に架空の人工言語を教えた。乳児は意味のない単語で構成された240の「センテンス(文)」を聞かされた。「Pel hiftam jic」、「Pel lago jic」といった文だ。われわれが実際に使っている文と同様、これらの文は一定の規則にのっとっていた。例えば、1語目が「pel」の場合、3語目は常に「jic」になるといったようにだ。

 半数の乳児には文を聞かせ、その直後に昼寝させた。残りの半数には目覚めた直後に文を聞かせ、そのまま起きた状態においた。

 4時間後、研究チームはこれらの乳児が新しい文をどのように聞くかを調べることで、乳児が「1語目と3語目」の原則を習得したかどうかをテストした。一部の新しい文は乳児が聞いた文章と全く同じ原則にのっとっていた。中には「1語目と3語目」の原則に従っているが、意味のない全く別の単語を使っているものもあった。

 驚いたことに、そのまま起きていた乳児は、4時間前に聞いた文に隠されている一定の原則、例えば「pel」と「jic」の原則を習得していた。もっと驚いたことに、文を聞いた後に昼寝をした乳児は、「1語目と3語目が重要である」というより抽象的な原則を習得していたようだった。それは、実際の単語が何であれ、習得していたようだ。

 今月発表されたドイツ・テュービンゲン大学のイネス・ウィルヘルム氏率いる研究チームの論文は、より成長した子どもも睡眠中に学習していることを示している。実際、彼らは大人よりも良く習得した。同チームは子ども(8-11歳)と大人に、格子状の8つの光が一定の順序で何度も点滅する様子を見せた。半数の被験者は夜の就寝前、残りの半数は朝の起床後にそれを見た。10−12時間後、研究チームは被験者にその順序を説明させた。朝に見てそのまま目覚めていた子どもと大人の正解率は約半分で、就寝前に見た大人の正解率はそれをわずかに超える程度だった。しかし、就寝前に見た子どもはほぼ全問正解し、就寝前と起床後のどちらの大人よりもかなり良い結果を残した。

 これには別の仕掛けもあった。被験者は睡眠中、脳の活動を計測するための電極付きキャップをかぶった。子どもは「徐波睡眠(slow-wave sleep)」が大人よりも多かった。これは特に深く、夢を見ない類の睡眠だ。この徐波睡眠が多かった子どもと大人、両方の学習結果が良かった。

 子どもがこれほどたくさん寝るのは、学習することがたくさんあるからかもしれない(幼児たちは、あの「恐怖の就寝時間」の慰めにほとんどならないと思うかもしれないが)。逆説的なことに、われわれは子どもたちに朝早起きさせて学校に行かせ、夜は宿題のため遅くまで起こして、学ばせようとしているのだ。

 報道によると、コリン・パウエル氏(元国務長官)は、イラク戦争開戦を前にして、赤ちゃんのように眠り、2時間ごとに叫びながら目を覚ましたと述べている。しかし、本当に赤ちゃんのように眠れば、われわれはみなもっと賢くなるのかもしれない。


05. 2013年3月26日 03:28:18 : GnRfb4ci8o
「勉強と睡眠」の新常識
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠学(9)
2013年3月26日(火)  川端 裕人


 きわめて私事であるが、今年度、自分の2人の子どもが高校受験・中学受験の年回りだった。
 中学受験の方はしないことにしていたので直接関係なかったのだが、それでも学校や習い事を通じての知り合いの多くが、私立や国立中学、さらには中高一貫の都立を受験させていた。「中学受験は親子の受験」と言われるように、悩み深い話をよく耳にした。もちろん、親の方から。
 一方、高校受験は「本人の受験」の度合いが高まるから、こちらはやきもきするのみなのだが、それでも、学校から帰っていったん仮眠してから、深夜まで勉強している様子を見て、「そこまで眠いなら、もっと早く眠ればいいのに。試験は朝だぞ」などと思っていた。12月に、三島さんから「中学生は必要な睡眠時間も長く、しかし、学校は朝早くからある、人生で一番、眠たい年頃」などと教えてもらっていたので、なおさらである。
 では、実際のところ、受験と睡眠、もっと一般化した言い方をするなら、学習と睡眠についてどの程度のことが言えるのだろうか。ぼくが子どもの頃、「四当五落」などという言葉(四時間睡眠でがんばった者は受かるが、五時間も眠っているやつは落ちる、みたいな意味。念のため)があったが、あれは大学受験でのことだろう。また、中学生や小学生が、毎日四時間睡眠をしていると、いくらなんでもパフォーマンスが落ちる、というのが今の睡眠学の知見からは妥当なように思う。というか不健康だ。睡眠学の「新しい常識」として、このあたりに適切な回答はあるのだろうか。
 三島さんは、思案しつつ、まずはこう切り出した。


「確実に言えるのは、試験前に完全に徹夜というのはまずいってことですね。これは、いろんな実験で明らかにされてまして、単に眠気の問題ではなく、計算の正確さが落ちたりします」
 眠らないで試験に臨むのはいくらなんでもダメ、である。当たり前と言えば、当たり前なのだが、睡眠学的な裏付けもあるということなので、ますますダメだ。
「あと、睡眠時間を削ってたくさん勉強するのがいいのかいうと、ちょっと難しい話です。長く寝ていれば当然勉強時間は短くなります。かといって長時間勉強しても、それがどれだけ頭の中でコンソリデートされていく(定着する)かというのは、睡眠がかかわることですし。徐波睡眠(深い睡眠)もレム睡眠もそれぞれ、記憶したものを海馬(記憶を司るとされる脳の部位)に刷り込むのに役立ってるので、きちんと長期的記憶を保持しようと思ったら、覚えた直後に睡眠をとらなきゃいけないと、実験的にも示されています。でも、何時間まで睡眠を削っても学習に影響ないかって……そういうことを厳密にやった研究は見たことないですね」
 四当五落は、ある種の精神論だとして、では実際、何時間睡眠くらいまでが各年代において、効果的な学習ができるぎりぎりのラインかというのは分からない、というのが現状のようだ。それに、くどいようだが個人差はある。
 もっとも、やはり誰がどう見ても眠らなさすぎということはある。また、それを本人や周囲が気づかないことも。三島さんはこんなエピソードを紹介してくれた。
「中学3年生の受験生が、過眠症じゃないかとお母さんと一緒に相談しに来たことがありました。毎日、7〜8時間は寝ているのに、眠気が強くてテストがうまくいかないと。実際、脳波を調べたら、横になると数10秒で寝てしまうんですね。でも、塾から帰るのが夜中の11時くらいだというのを聞いて、おやっと思い、モニター用の腕時計をつけてもらいました。すると、実は1日3時間くらいしか寝てなかったんです。明らかに睡眠不足なのに、真顔で過眠症の相談に来ていたんですね。おそらくそのくらい頑張って当たり前だと思っていたのでしょうが、睡眠不足という概念がないのかと驚かされました」
 凄まじい例だが、こんなことも、たしかにあるのだろうと妙に納得できてしまうのが、我々の社会だ。 
 やや話題とはずれるが、大人のみならず、日本の子どもが「眠らない」のも、世界的に特筆すべきことのようなので、その件についても紹介。

世界各国の思春期前後の睡眠時間

(日本睡眠学会・サマータイム制度に関する特別委員会編 サマータイム ―健康に与える影響 ―報告書から)
 この図表は世界各国での思春期前後の子の睡眠時間の調査をプロットしたものだ。
 一見して分かるのは、日本の子、眠らなさすぎ!
 そして、オーストラリアの子、しっかり寝すぎ!
 たとえば15歳時点で、日本の子が7時間25分とか7時間14分ほどしか(別々の調査結果)眠っていないのに対して、オーストラリアの子は9時間15分から30分なのである。大規模な調査の場合、実際に眠った時間というよりも、ベッドに入っている時間しか分からないことが多いそうなので、オーストラリアの子の睡眠時間は実際よりも長めに出ている可能性はある。それにしても、この差はすごい。
 日本の子どもに睡眠を! と心底思ってしまう。
つづく
(このコラムは、ナショナル ジオグラフィック日本版公式サイトに掲載した記事を再掲載したものです)
三島和夫(みしま かずお)
1963年、秋田県生まれ。医学博士。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部部長。脳病態統合イメージングセンター部長。1987年、秋田大学医学部医学科卒業。秋田大学医学部精神科学講座助手、同講師、同助教授を経て、2002年米国バージニア大学時間生物学研究センター、米国スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員助教授。2006年6月より現職。2010年4月より日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事、日本生物学的精神医学会評議員を務める。

川端 裕人(かわばた・ひろと)
1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。文筆家。小説作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、感染症制圧の10日間を描いた小説『エピデミック』(角川文庫)、数学史上最大の難問に挑む少年少女を描いたファンタジー『算数宇宙の冒険・アリスメトリック!』(実業之日本社文庫)など。ノンフィクションに、自身の体験を元にした『PTA再活用論 ──悩ましき現実を超えて』(中公新書クラレ)、アメリカの動物園をめぐる『動物園にできること』(文春文庫)などがある。サッカー小説『銀河のワールドカップ』『風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ』(ともに集英社文庫)は、4月よりNHK総合でアニメ「銀河へキックオフ」として放送中。近著は、独特の生態系をもつニュージーランドを舞台に写真家のパパを追う旅に出る兄妹の冒険物語『12月の夏休み』(偕成社)、天気を「よむ」不思議な能力をもつ一族をめぐる、壮大な“気象科学エンタメ”小説『雲の王』(集英社)(『雲の王』特設サイトはこちら)。
ブログ「リヴァイアさん、日々のわざ」。ツイッターアカウント@Rsider



研究室に行ってみた
世界の環境、文化、動植物を見守り、「地球のいま」を伝えるナショナル ジオグラフィック。そのウェブ版である「Webナショジオ」の名物連載をビジネスパーソンにもお届けします。ナショナル ジオグラフィック日本版公式サイトはこちらです。
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06. 2013年3月27日 07:45:13 : GnRfb4ci8o
「夜更かし」=「夜型」はウソだった!

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠学(10)

2013年3月27日(水)  川端 裕人

 我々、日本人の睡眠は、どんどん「夜型」になっており、睡眠時間も減っていると述べた。

 また、人間の体内時計が25時間である、というよく聞く説は間違いで、実際には24時間10分くらいを中心に個人差があり、だいたい正規分布していることも、「新しい常識」として紹介した(第2回 体内時計25時間はウソだった!)。

 ところが、これがうまく伝わらないことがある。

 例えば──「間違い」である体内時計25時間説は、今もあちこちに流布しており、専門家らしき人も述べている。それをいきなり「間違い」と言われても信じてもらえない。また、平均が24時間そこそこでも、個人差があるなら25時間周期の人もいるかもしれない、というふうな旧説の擁護も聞いた。

 このような受け取られ方は新鮮だったし、また、このあたりをちゃんと理解することで、さらに視界が広がりそうなので、あらためて取り上げたい。

 まず最初に、「夜型」「朝型」について。


「これ、たしかに、ちゃんと説明した方がいいと思っていたんですが──まず、夜型と聞くと、どんなふうなイメージを持ちますか」と三島さんは問いかけた。

 ぼくが思い浮かべたのは、Twitterなどのソーシャルメディアだ。夜、仕事をしながら、横目でクライアントのウィンドウを見ていると、午前4時前後に「おやすみ」の人と「おはよう」の人が交錯する時間帯がある。ぼくは物書き稼業で、知人も同業種や編集者など、翌朝午前中に起きる必然性が少ない人たちが多い。従って、「午前4時におやすみ」の夜更かしが多い。ただ、それでも「午前4時におはよう」の超早起きの人もいるから不思議だ。そして、とりあえず、ぼくにとって、夜型の人とは前者「午前4時におやすみ」に代表される人たちだ。

「やっぱりそうですよね」と三島さん。「でも、そういう宵っぱり型の生活を恒常的に続けている人が、本当の意味での夜型というわけでもないんですよ」

 なんと、宵っ張り=「夜型」ではない、と。

 もちろん、そう単純な話ではなかろうと予想はしていたのだが、こうもはっきり「違う」ということになろうとは。


「たしかに、夜型生活は夜型生活なんですが……例えば普段、夜11時頃に寝て、朝7時頃に起きるのがとても自然で余り苦もなく生活している人がいたとします。その人が、深夜の仕事をする必要があって、明け方に寝て昼過ぎに起きる生活に入らざるを得なくなると、2〜3週間ぐらいで体内時計がその時間帯に再調整されていくんですね。そういう人は、また昼間中心の生活に戻せと言われたら、すんなり戻ることができます。一方、真の夜型というのは、必要が生じても、一般的な生活のスケジュールに睡眠習慣を矯正できない人たちですね」

 三島さんが「真の夜型」とわざわざ表現した背景には、「真ではない」夜型の人がいるということであり、それが例に出た「昼間中心の生活にすんなり戻れる人」だ。「真の夜型」かどうかを知るためには、ふだんの生活をしっかり観察したり、体内時計を測定したりする必要が出てくる。1人2人ならともかく、研究のレベルで大勢にそれをするのは難しい。特に体内時計の厳密な測定は、光など外界から隔離された環境下で何週間もかけて行うので、おいそれと実施できない。


 三島さんが、このように夜型が「真」であるかどうかを区別しようとするのは、「真の夜型」はやはり社会で苦労することが多いからだ。朝起きなければならないのに起きられない。また、完全に日周のリズムから離脱して、睡眠時間帯が、昼夜が24時間で1周する自然な1日のリズムとも、社会生活のリズムとも完全に乖離してしまう「非同調型」にもなりかねない。だから、単に夜型・朝型、というだけではなく、その背景にある本当のところを知ることが大切になる。

「では、よく普通に夜型・朝型と言っているのは何かといいますと、それを判定する質問のリストがあるんです。40年くらい前から使われているものです。例えば何時頃に最も自分が活動的なのか。何時頃に自然な眠気が訪れるのか。そして起きたときにボーッとするか。明け方5時に仕事があったら、1回寝てから5時に起きるか、それともずっと5時まで起き続けてから仕事をして寝るか。そういうような質問を組み合わせて、朝型か夜型か決めているんですね。ただ、それって、元々早寝早起きの人でも、何かの事情で宵っぱりの夜型生活を続けていれば、質問に答えたときに夜型に判定されるんですよ。その質問紙で夜型となっても、真の夜型かどうかまでは分からないんです」 

「質問紙による夜型・朝型」と「真の夜型・朝型」を区別して考える必要がある、というわけだ。

 なおこの質問紙は、三島さんのウェブサイトにも掲載されていて、自分がどの程度夜型生活、あるいは朝型生活か、三島さんが持っている1170人のデータの中での自分の位置を知ることができる。

 自分でも試してみたところ、ぼくはかなり「夜型」の端の方だった。「真の夜型」かどうかは分からないとはいえ、さもありなん、である。

 あまりこの質問紙の夜型側に寄っていると、睡眠障害のハイリスク群と考えられる。つまり、睡眠に問題を持っている割合が高くなるらしく、その時の生活スタイルを示しているだけとはいえ、あながち意味がないというわけでもない。だから、臨床現場でも使われ続けている。

 さらに同サイトでは、「ピッツバーグ睡眠調査票」(PSQI)による自己判定も出来るようになっている。

「こちらの方はですね、夜型・朝型というよりも、なにか睡眠に問題を抱えているかどうかスクリーニングするものです。特定の睡眠障害を見つけるというわけではないんですが、スコアが6点以上だとリスクが高いと言われています。睡眠について『困っている度』を評価しているんですね。ですから、質問紙で夜型と判定された人でも、出勤時間に縛られなかったり、生活に困っていなければ、昼夜逆転生活でも、引っかかってこないんですよ」

 こちらのスクリーニングを試したところ、ぼくはぎりぎりハイリスク群には入らなかった。しかし、本当にぎりぎりである。自宅で仕事をしているため、昼夜逆転生活していても基本的には問題がなく、そこまでは「困っていない」ということだ。三島さんによれば「もし1時間かけて通勤しなければならない環境なら、困っている群に入ったでしょう」という。実際、午前中に予定があるだけで、前の日はプレッシャーを感じる程度の悩みはある。情けないことではあるが。

 


07. 2013年3月28日 01:46:58 : GnRfb4ci8o
体内時計と睡眠習慣の関係がついに明らかに!
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠学(11)
2013年3月28日(木)  川端 裕人


 さて、前回の続き。「夜型」、とりわけ「真の夜型」と、体内時計の関係。
 まず、人間の体内時計の周期が25時間ではなく、平均24時間10分でありだいたい正規分布しているという「事実」について。これが、なかなか、納得してもらえなかったのはなぜか。三島さんに聞くと、それも仕方ないかもしれないとまず思った(第2回 体内時計25時間はウソだった!)。
 三島さんは「専門家ですら、まだ25時間だと思っている人もいるんです」として、このように現状を語る。

「でも、それは古い測定なんですね。昔は、洞窟に人を入れて実験していたんです。人間の睡眠周期は環境よりも社会的なニーズに大きく左右されると思われていたので、洞窟に隔離すればいいだろう、と。照明などの影響はあまりないと考えられていて、普通に照明が使われていました。いわば夜に人工照明の光にあたってリズムがずれる効果なども含めて、周期が25時間くらいに見えていた、ということなんです」
 現在の知見では、人間の睡眠は社会的なニーズよりも、光などの自然環境に影響を受けやすい(もちろん人工照明も含む)。その光の影響をうまく取り除く仕掛けをした実験を行うようになって、はじめて遺伝的・生得的に持っている体内時計の周期がわかってきた。

光の影響を差し引いた体内周期を測定できる実験室。
「さすがに被験者をずっと暗闇の中に置くわけにもいかないので、15ルクスくらいの微弱な光で生活してもらい、なおかつその光の影響もうまく差し引けるような洗練された方法で最初の結果が出たのが1999年です。アメリカのハーバード大学での研究で、『サイエンス』という有名な雑誌に掲載されました。衝撃的な論文でした」
 その後、同じグループが何度か実験を繰り返し、日本では三島さんたちが同種の実験を行った。すると不思議なことに、体内時計の周期の平均の差が、アメリカでの結果とわずか1分! とほぼ一緒になった。さすがにここまで一致するのは偶然の要素があるのだろうが、アメリカ人でも、アジア人でもほとんど同じだったということは、人類の体内時計の周期がだいたい似たものであろうと示唆しているという。

測定装置の取り付け例。
「洞窟での実験が始まった1960年代は、人間の体内時計は周囲の影響を非常に受けにくいと思われていたんです。その頃でもネズミなんかは薄暗がりの5ルクスとか10ルクスとかでも体内時計が動くと分かっていたので、常識で考えれば人間も影響を受けると思うんですが……。そして実際に、その後、だんだん人間の体内時計も光に影響されると分かってきました。まず、数千から1万ルクスのとても強い光で変化することが分かって、強目の家庭照明の1000ルクスでもしっかり当てれば動くと。それまでは、人間にとって大事なのは、社会的な同調、明日何時に起きようとセットした目覚まし時計ですとか、会社の出社時間ですとか、大脳皮質が絡むような刺激が最も大事で、光とか食事とかはあんまり影響ないって思われてたんです」
 ここは大切なことが2重になっていると思う。
 ひとつは、もちろん「正しい」体内時計の周期が分かったこと。1999年のブレイクスルーから10年以上たって、今ではそれが受け入れられている。国内での受容がまだまだなのは、ちょっと問題なのだが。
「一般の方が知らないのは無理ないんです。専門家の中でもご存じない人が多いので。この4〜5年くらいに出た大型の教科書は、順次、書き換わってきてますので、医学生ですとか、この後のビギナーはちゃんと勉強してくれると思ってます」
 もうひとつ大事と思えるのは、人間の体内時計が、社会的な同調よりも、むしろ、光のような自然環境に強く影響されることがはっきりしてきたことだ。
 こういう話を聞くと、我々は動物なんだなあ、と感じさせられる。
 社会的な影響を排除して、自然環境の影響も排除すると、残るのは遺伝的・生得的なもので、この場合は体内時計の周期は個々人で決まっている。これは、決定論的に響くけれど、実際はそうではない。光などの環境に応じて調節していく仕組みがある。その調節の仕組み自体、遺伝的に決まっているといえば、きっとそうなのかもしれないが、やはり環境があって、身体が応答するというのは大事な視点だ。そして、その際に、社会的な環境よりも、光に反応するというのが、原始的な意味で「動物だなあ」と思う所以。
 我々の体内時計の周期の「分布」についてもう少し。

 体内時計が25時間ではなく、24時間10分だったとしても、50分程度の差など大したことないのではないか、という感想があった。また、24時間10分を中心に、ほぼ正規分布するなら体内時計25時間の人もいるだろうし、「体内時計25時間はウソ」は言い過ぎではないか、という感想もあった。
 このあたりはどうなのか。
「25時間以上という体内時計の周期は、理論的にはあり得ないわけじゃないですが、これまでアメリカでも日本でも、厳密な方法で測った場合は1人もいないんですね。かりに25時間の周期の人がいたとしたら、小さい頃から、実生活が破綻してしまっていると思います」
 25時間周期の人は実生活が破綻?
 どういうことだろう。

体内時計の周期の比較。赤が日本の「非同調型(24時間のリズムに同調できないタイプで、真の夜型とも異なる)」で、青は日本のそれ以外、グレーは米国のデータ。体内時計の周期が25時間の人はまだ見つかっていない。「非同調型」の詳細はこちらで。
 三島さんたちが実際に会ったことがある範囲内で(つまり、実験の被験者で、厳密な測定をした人の中で)きわめて体内時計の周期が長い場合、たとえば、24時間30分くらいの人の様子を素描してもらった。
「こういう人はですね、眠くなる時間が毎日毎日遅れていくのを微調整するのが大変で、要するに早寝早起きのほうにずらすことがほとんどできない。何とかその位置を保つのが精いっぱい。物心ついた頃から全然朝起きれない、宵っぱり、寝坊の子ども時代を送って、あとは遅刻の常習魔になるパターンですね──」
 24時間10分を平均としてほぼ正規分布、といっても、それほど裾野が広いわけではない。そして、少しでも、体内時計の周期が長いと、三島さんが言う「真の夜型」になりやすくなる。
 24時間30分という体内時計は、平均よりもわずか19分遅いだけだが、たったそれだけで現代社会では適応に苦労する。単に夜型というのを越えて、自分の生活のリズムが1日の周期と完全にかけ離れてしまう「非同調型」にもなりかねないという。ましてや、25時間周期だと……大変なことになりそうなのは間違いないのである。

「非同調型」、夜型生活者のいわゆる「夜型」、そして「標準型」という分け方と、体内時計周期の長さの関係。詳細はこちら(国立精神・神経医療研究センターのサイト)
つづく
(このコラムは、ナショナル ジオグラフィック日本版公式サイトに掲載した記事を再掲載したものです)
三島和夫(みしま かずお)
1963年、秋田県生まれ。医学博士。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部部長。脳病態統合イメージングセンター部長。1987年、秋田大学医学部医学科卒業。秋田大学医学部精神科学講座助手、同講師、同助教授を経て、2002年米国バージニア大学時間生物学研究センター、米国スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員助教授。2006年6月より現職。2010年4月より日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事、日本生物学的精神医学会評議員を務める。

川端 裕人(かわばた・ひろと)
1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。文筆家。小説作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、感染症制圧の10日間を描いた小説『エピデミック』(角川文庫)、数学史上最大の難問に挑む少年少女を描いたファンタジー『算数宇宙の冒険・アリスメトリック!』(実業之日本社文庫)など。ノンフィクションに、自身の体験を元にした『PTA再活用論 ──悩ましき現実を超えて』(中公新書クラレ)、アメリカの動物園をめぐる『動物園にできること』(文春文庫)などがある。サッカー小説『銀河のワールドカップ』『風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ』(ともに集英社文庫)はNHKでアニメ化され、「銀河へキックオフ」として放送された。近著は、独特の生態系をもつニュージーランドを舞台に写真家のパパを追う旅に出る兄妹の冒険物語『12月の夏休み』(偕成社)、天気を「よむ」不思議な能力をもつ一族をめぐる、壮大な“気象科学エンタメ”小説『雲の王』(集英社)(『雲の王』特設サイトはこちら)。
ブログ「リヴァイアさん、日々のわざ」。ツイッターアカウント@Rsider



研究室に行ってみた
世界の環境、文化、動植物を見守り、「地球のいま」を伝えるナショナル ジオグラフィック。そのウェブ版である「Webナショジオ」の名物連載をビジネスパーソンにもお届けします。ナショナル ジオグラフィック日本版公式サイトはこちらです。
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08. 2013年3月29日 09:35:27 : GnRfb4ci8o
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130319/245285/?ST=print
寝過ぎもダメ!なこれだけの理由

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠学(12)

2013年3月29日(金) 

 8時間睡眠が理想、というのはよく聞く俗説。体内時計25時間説が、過去の研究で正当だった時代があるのに対して、こちらはなぜそう言われるのか三島さんも知らないという。睡眠についての既存の教科書にもそのようなことは書いていない。しかし、なぜか「もっともらしい話」として流通してきた。

 それに対して、現在の睡眠学の常識は、「必要な睡眠時間は年齢によって違い、また、同じ年齢でも個々人によって違う」だ。たとえば8時間睡眠がしっかり必要で、なおかつそれくらい眠ることができるのは10代なかばくらいまでで、40代で7時間台の前半、70代になると正味6時間くらいが平均だそうだ。そして、くどいようだが、平均はあくまで平均で、それを中心に個々人の違いがある。

 結局、我々は、個々人として、何時間くらい眠るのが適切なのだろうか。

 実は、人がどれだけ眠っているかという研究はたくさんあって、それらを年代別に見ていくと、相当ばらつきはあるにせよ「平均」についてはある程度分かる。

 とはいえ、こと自分自身の睡眠については、平均では語れない。

 では、自分のある日の睡眠が良いものだったかどうか、測る客観的な尺度はあるのだろうか。


3つのパートにわかれたグラフのうち、左半分は若者(Young adult)とシニア(Elderly)の睡眠パターンの違い。「SWS(Slow Wave Sleep)」は「徐波睡眠」=「深睡眠」のこと。右上のグラフは横軸が年齢、縦軸が時間(分)で、年齢ごとにどのタイプの睡眠をどれだけとったかを示している。あくまで平均値だが、8時間以上眠るのは15歳ぐらいまでであることがわかる。右下の「睡眠効率」は「総睡眠時間/床上時間(消灯から起床まで)」。つまり、年をとるほど布団のなかで目が覚めている時間が長い傾向がある。

「それが実は、わからないんです。それがわかったら、大騒ぎになるくらい。結局『いい睡眠』って何だっていう定義の話になるんですけども」

 つまり、はっきりした尺度はなく、それどころか「いい睡眠」の客観的な定義もはっきりしない、と。

「まあパッと考えたときに、若いときにはやっぱりよく眠れるから、若いときがいい睡眠だとします。すると、年をとってきたときの睡眠っていうのは老化した睡眠。変わるところは、深い睡眠(SWS、徐波睡眠)がまず減る。それから中途覚醒の回数が増える。朝の目覚めが早くなる。これは基本3大特徴なんですね。深い睡眠っていうのは、これは大脳が進化した動物に初めて出てきた睡眠で、入眠して最初のうちにガーッととって、後は出てこなくなるものなんです」

 ここで、睡眠の種類について簡単に。

 レム睡眠とか、ノンレム睡眠といった言葉をよく聞く。

 眠っている人の脳波を測るようになって、眠りにもいろいろ種類があると分かってきた。1950年代には、レム・ノンレムの違いが指摘されていたようだ。

 素人としてのぼくは、レム睡眠は夢をよく見る睡眠(体は休んでいるが脳は活発)、ノンレム睡眠は夢を見ない睡眠(脳が休んでいる)というくらいの認識を持っていた。レム睡眠のREMとは、Rapid Eye Movement、眼球が素早く動くことを意味しているのも聞いたことがあった。

 こういったことから、ぼくはレム睡眠は浅い眠りで(だから脳が活発で夢を見る)、ノンレム睡眠は深い眠りである、というふうな単純な理解をしていたように思う。

 寝付くとまずガツンと深くノンレム睡眠の状態になり、その後周期的に浅いレム睡眠がやってくる、というふうに。


若年者と高齢者における睡眠の一般的な状態。横軸が睡眠時間、縦軸がノンレム睡眠の深さを示している。濃い青がレム睡眠、薄い青がノンレム睡眠。高齢者のグレーは目が覚めている時間だ。なお、ノンレム睡眠のステージ1と2が浅い睡眠で、ステージ3と4が「深睡眠」と呼ばれる。
 しかし、これは2重か3重くらいに間違いであるようだ。

 第一の間違いは、レム睡眠で夢を見ている状態だからといって、眠りが浅く目覚めやすいというわけでもないということ。むしろ、ノンレム睡眠の浅い状態の方が目覚めやすいらしい。

 さらに、驚くべきことに、これらの睡眠は、まったく別種のものだと捉えた方がよいという。

 三島さんの説明はこんなふうだった。

「みなさん、レム睡眠もノンレム睡眠も、同じ睡眠というので、仲間のように思ってらっしゃるんですが、全く違うんです。ノンレムの深い睡眠は、前にもお話ししたかもしれませんけれども、大脳が大きく進化した動物に初めて出てきたものです。砂時計型といいまして、最初のうちにガーッととって、必要な分がとれれば、砂時計が全部落ちたみたいに後は出てこなくなる、そういう睡眠なんです。一方、レム睡眠は、原始的な睡眠。体内時計の周期で決まっているんですよ。だから90分置きくらいに結構規則正しく出て、なおかつ、明け方から午前中にかけて一番増える」


 なお、何度か三島さんも述べていた「徐波睡眠」というのは、この「深い睡眠」のことである。2ヘルツ以下(1秒間に2回以下)のゆっくりした脳波が主体となる状態で、いかにも「深い睡眠」というかんじがする。

 では、この「深い睡眠」がどれだけ取れるか、また中途覚醒なくじっくり眠れるかが「よい睡眠」の尺度になりうるかというと、どうもそうはいかないらしい。

「例えばですね、高齢者に特殊な薬を飲んでもらうと、若者並に深い睡眠が増えるんですよ。これが睡眠を改善するかもしれないという理論に基づいて、投与した海外の研究者がいたんですが、たしかに、脳波は徐波睡眠が増えたんです。つまり深い睡眠です。これはしめしめと私は思いました。でも、実際には評判が悪くて。朝起きた時に、『ぐっすり眠れたか』と聞くと、『全然眠れなかった』と答えたというんです」

 そんなわけで、今のところ、「よい睡眠」の絶対的な指標はないと思っていた方がよいらしい。

 朝すっきり目覚められて、日中に眠くならず、パフォーマンスがよい、という主観的な判断になる。もっとも、そういう人は、きっと睡眠について深く思い悩んだりしないだろうとも思うのだが。

 もっとも、日中のパフォーマンスは、ある程度測定できる。

「一番眠気と連動してわかりやすいのは、チョイスリアクション、選択的な反応と言いまして、例えば2:8の割合で低い音と高い音を出して、高い音のときだけ即時にボタンを押すとかですね。あと、記憶関係、ワーキング・メモリーといって、例えば、3、2、4、7、8、7というふうに数字を次々と記憶していって、1つ前ですとか、2つ前の数字を押してもらう。いわば脳トレみたいなものですが、この世界では昔から使われています。こういった測定をすると、睡眠時間が短い人は顕著に反応が遅くなったり、間違いが多くなったりします」

 連続17時間起き続けていると、課題対応能力が酒気帯び運転レベル(血中アルコール濃度 0.05%)と同程度まで低くなるという報告もあるそうで、やはり、眠らないのは良くないことだ。あまりにも当たり前すぎるが。

 一方、眠り過ぎも何か悪そうである、と薄々気づいている人も多いかもしれない。

「なにかの事情で夜遅くなって、明け方に眠って、昼頃に1回目覚めても、何かもうちょっと眠りたくて、2度寝して、気づいたら夕方で、起きてからボーッとして、やっと目が覚めるのが深夜になってからで……また同じことの繰り返し、みたいなことを経験したことがある人は結構いると思うんです。睡眠慣性という言葉がありますが、結構これやっかいで、目覚めた後に残眠感がある。目覚め感がよくない、すっきりと目覚めない状態が続きます」

 眠りが浅くなったときにタイミング良く目覚めるといいのだが、2度寝をすると短めでも再び深めの睡眠が出てしまい、そこで起床すると睡眠慣性が生じるそうだ。長い昼寝からの目覚めが悪いのも同じ理屈。

 この話を聞いた時、ぼくはドキッとした。2度寝による睡眠慣性という言葉のリアリティたるや、かなり心当たるフシがある。

「寝だめができないっていう根拠のひとつがこれなんです。今日は暇だから6時間ずつ2度寝して12時間眠りました、と。でも、それが心地よさにもつながらなければ、翌日の睡眠不足に耐える力にもつながらない」

 さらに、眠りすぎると、抑うつ的になる不思議な現象も見られるという。

「長時間睡眠の後の気分の悪さっていうのは独特で、長く寝て時間を無駄にして落ち込むとかいうんじゃないんですよ。まだはっきりとはメカニズムがわかってないんですが、睡眠を取り過ぎること自体が、ちょっと抑うつをもたらすと言われています。うつ病のときに眠れないとうつのリスクが増えるのを考えると逆説的なんですが、基本的には長く眠りすぎると抑うつ、断眠(徹夜)は気分をもちあげる効果があるんです。特に深い眠り、徐波睡眠をとり過ぎると、うつ傾向が強くなるといわれています。うつ病のときに睡眠時間が短くなったり、深い眠りが減るのは、自己調節して治癒しようとしているという考え方をする学者もいるくらいです。深い眠りを減らして、気を晴らそうとしている、と」

 このあたり、睡眠学が明らかにしてきたことの中で、最も悩ましい部分かもしれない。

 三島さんいわく──

「惰眠をむさぼるのは、もういいことは何もないっていうことですね。十分な休養をちょっと越えると、かえって副作用が出るという、見極めが難しく、紙一重なんです」

 本当に悩ましい。

 12月に紹介した「ぐっすり眠るための12の指針」にリンクを張っておく。


おわり

(このコラムは、ナショナル ジオグラフィック日本版公式サイトに掲載した記事を再掲載したものです)

三島和夫(みしま かずお) 。

川端 裕人(かわばた・ひろと)

 

 


09. 2013年3月31日 13:15:29 : GnRfb4ci8o

2013.3.31 SUN
心臓発作が迫ると電話で警告。スイスの研究機関が開発した体内に埋め込むセンサー

体内にセンサーを埋め込むことでリアルタイムに分析する技術をスイスの研究機関が開発している。酵素をコーティングした数種類のセンサーを搭載した14ミリほどの細長いデバイスを皮膚下に埋め込むと血中の化学物質(トロポニン、ブドウ糖、ATP、乳酸塩など)に反応する。


TEXT BY KENJI NOBUKUNI

血液検査は病院などで採血してもらい、結果が分かるまで数時間から数日待たされるものだが、体内にセンサーを埋め込むことでリアルタイムに分析する技術をスイスの研究機関が開発している。

酵素をコーティングした数種類のセンサーを搭載した14ミリほどの細長いデバイスを皮膚下に埋め込むと血中の化学物質(トロポニン、ブドウ糖、ATP、乳酸塩など)に反応する。検出できる物質の中には、健康上の潜在リスクの兆候になるものがあり、デバイスは身体に貼ったパッチと連動して、Bluetoothで情報を体外に送り出し、医師のスマートフォンなどに通知することができるという。

開発しているのはスイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者たちで、このデバイスを使えば心臓発作を数時間前に予知できるという。将来的にセンサーにコーティングする酵素の種類を増やせばさまざまな病気を検出できるそうだが、酵素には寿命があり、現在テスト中のものは1か月半ほどなのでデバイスの交換が必要となる。消費電力を極力抑え、超小型のコイルにパッチから給電する仕組みのデザインに苦労したとのこと。


【参照情報】
・Tiny, personal blood testing laboratory gets under your skin
・Blood Monitoring Implant Designed to Warn of Impending Heart Attacks
・Your Phone’s Ringing ? Because You’re Minutes from a Heart Attack
・Tiny Blood Monitoring Implant Warns of Impending Heart Attack

【WirelessWire Newsの関連記事】
・運動中の心拍数を制御するために選曲してくれるアプリ
・感情を計るリストバンド
・パーキンソン病患者用ウェアラブル・モニタリング・システム
・NASAのナノテク匂いセンサーをスマートフォンに
・ギターのセンサーで新生児モニター装置を開発する学生起業家


10. 2013年4月05日 08:46:44 : nJF6kGWndY
013年04月05日08時02分 
夢の内容解読に成功 睡眠中の脳活動から 京都の研究所

夢を解読する実験
 【瀬川茂子】睡眠中の脳の活動パターンから、見ている夢の内容の一部を解読することに、ATR脳情報研究所(京都府精華町)の神谷(かみたに)之康・神経情報学研究室長らが成功した。5日付米科学誌サイエンスに発表する。夢を見る意味や仕組みの解明に役立つ可能性がある。
 3人の協力者に眠ってもらい、機能的磁気共鳴画像(fMRI)を使って夢を見ている際に脳のどの場所が働いているかを調べた。脳波を測定して夢を見ていると判断した時に起こし、どんな夢を見ているのかを報告させることを200回以上繰り返した。「車」「本」などの単語が夢に出た場合、それぞれの脳の活動パターンを分析した。
 次に、その単語の画像を協力者に見てもらい、fMRIで計測。脳活動のパターンを調べ、どんな画像を見ているかをコンピューターで推定するプログラムを作った。
 さらに、このプログラムを使って「車」「本」など計60種類が夢に現れたかどうかをチェックしたところ、いずれも偶然正解する確率より高く、うち15種類では7割以上推定できた。
 「夢だけでなく、想像や幻覚を解読できる可能性もある。心理状態の可視化や精神疾患の診断などに応用できるかもしれない」と神谷さんは話している。
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デスモスチルスの復元図(C)新村龍也・足寄動物化石博物館
 【須藤大輔】日本周辺で繁栄し、およそ1千万年前に絶滅した謎の哺乳類「束柱類(そくちゅうるい)」は、アザラシのように海で生活していたことが骨の化石の分析から分かった。日独の研究チームが2日付の米科学誌プロスワンに発表した。
 束柱類は、全身骨格の化石のほとんどが北海道から広島にかけての海岸付近だった地層から見つかっている。日本にゆかりの深い絶滅哺乳類だ。体長は2〜3メートルで、ゾウなどと同じ祖先を持つことは知られているが、ホッキョクグマのように陸上で暮らしていたか、アザラシのように海にいたのか、研究者の間で論争が続いていた。
 チームは、北海道足寄町などで産出した4種類の束柱類の化石を切断し、コンピューター断層撮影(CT)などを使って骨の内部構造を初めて分析。いずれも陸上の動物とは異なる構造だと分かった。さらに詳しく調べると、デスモスチルスという束柱類は、海中での動きが遅いジュゴンなどとは違い、活発に動き回るクジラのようなスポンジ状の骨を持っていた。
 大阪市立自然史博物館の学芸員で、研究チームの林昭次さんは「束柱類はあまり知られていないが、日本が世界に誇る動物化石。多くの人に興味を持ってもらえたら」と話す。同自然史博物館では3日から復元図のパネル展示を始めた。
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11. 2013年4月15日 11:02:45 : xEBOc6ttRg

【第145回】 2013年4月15日 井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
睡眠不足でアルツハイマーに?
生活のリズムと寝室の見直しを
?何年か前、米ワシントン大学の研究グループが「睡眠不足はアルツハイマー病(AD)の発症要因」という研究結果を報告した。マウスの睡眠を意図的に奪って観察した結果、ADの発症の一因とされる「アミロイドβ(いわゆる老人斑)」の脳内蓄積が促進される、というのだ。

?今年3月、同じグループから英国の医学誌「JAMA神経学」に、今度は人を対象とした研究の続きが報告された。

?今回の対象者は45〜75歳の健常者145人。もともとADの長期研究のためにボランティア参加している人々だ。事前に採取した骨髄液のサンプルから既に32人のアミロイドβ濃度が高く、ADの前段階にあることが判明している。ただし、認知機能には影響していない。

?参加者は2週間、就寝時間と起床時間、昼寝の時間などを記録。同時に手首に着けたセンサーで睡眠中の体の動きをモニターし、客観的な睡眠時間を計測した。その結果、すでにアミロイドβ蓄積の兆候がある32人は、ベッドに収まっているわりに睡眠時間が短く、1週間に3日以上、昼寝を必要とすることが判明したのだ。

?研究者は「最も睡眠効率が悪かった被験者は、睡眠がよい人よりも5倍以上、初期ADを発症する可能性が高い」としている。

?現時点で睡眠障害がアミロイドβの蓄積を誘発するのか、逆にアミロイドβの蓄積が睡眠障害を引き起こすのかは不明。ただ、睡眠に問題があり、家族にADの既往者がいる場合は生活のリズムを考え直したほうがいい。

?近年、ADは自覚症状が出る以前の予防に焦点が移っている。自覚症状が出てからでは、残念ながら対応が遅いというのだ。

?薬以外の予防手段は、有酸素運動の継続、緑黄色野菜やDHA豊富な青魚を食べる、などこれまでにも指摘されていることを続けるほかない。今回の研究報告からすると、寝具や寝室の環境の見直しも効果がありそうだ。

?この研究は、現在もさらに若い被験者を対象に継続中。結果次第では、睡眠導入剤がAD予防薬になる日が来るかもしれない。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)
http://diamond.jp/articles/print/34607


【第23回】 2013年4月15日 笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]
五月病にならないための食事術
?春になり、少しずつ気温が上がるように、気分も上向きになってくる。さらに、新年度が始まって気分も一新!さぁ、がんばるぞ!…と言いたいところだが、実際はどうも違うことがよくある。

?忙しい1日の終わりに「今日もよく頑張った!」と思えていたのが、「なんだか疲れたな」と感じるようになる。いつもだったら流せることが、妙に心にひっかかる。……あれ?心のエネルギーレベルが落ちているな…。そう思い始めた3月半ば、クライアントの調子が、揃いも揃ってすこぶる低空飛行。いつもは滅多にない当日キャンセルまで増えたりする。

?その途端に、「あ、そっか…今年もそういう時期なんだな…」と思うのは、心療内科で働いていたせいかもしれない。

?縁起でもないし、唐突に思えるかもしれないが、日本全国の自殺件数が一番多いのは何月かご存知だろうか?五月病、という言葉もあるくらいだから、なんとなく5月が多そうだが、属性や、調査年によって異なるものの、3月、4月、5月、と高い値が続く。

?その理由には、本当に様々なものがあるとは思うが、この華やかな浮かれた陽気の裏で、心は沈みがちな人も少なくないのではないだろうか。むしろ、周りが明るく見える分、余計に光が遠くに感じる人がいるかもしれない。だから、五月病にならないように…と思うのであれば、今から注意しておくのが良いだろう。

「低気圧」が無意識のうちに
ストレスを高めている

?心のコンディションに影響を与えるものとして、いくつかの要素がある。まずは、家族、パートナー、友人、あるいは職場などでの人間関係だ。些細なことのようでも、朝、仕事に行くときに気持ちよく見送ってもらえるのと、不満をぶつけられながら家を出るのとでは、少なからずその日の仕事のパフォーマンスにも影響してくる。また、家に帰って、笑顔で迎えてもらえるのと、「あ、帰ったの?」と言われるのでは、1日の疲れの取れ具合も違うだろう。しかし、人間関係は、なかなか自分の思い通りにはいかないものだ。そして、この悩みは季節を問わず、年中無休である。

?一方で、同じように心に影響を与えるものに、季節性のものもある。それが、この時期に顕著にあらわれる「低気圧」。気圧の変化だけでも体には負荷がかかるのに、気圧が低下して、湿度は上昇したら、無意識の内にストレス指数は高くなる。「低気圧」という言葉は、それだけで機嫌の悪い人を指すし、雨風などで気持ちがふさぎこむような経験は誰にもあるだろう。ましてや天気予報で「爆弾低気圧」だなんて言葉を聞くときには、特に注意が必要だ。

?ただ、人はこのように天気ひとつでコンディションが変わる、ということを知っているだけでも随分と楽になる。低気圧が近づいているな、と思ったら、いつもよりゆったりと過ごすこと。そして、この時のモヤモヤに関しては、思いつめずに、もう少ししたら自然とこの山を越えている、と心のどこかで思うことが大切だ。

?そして、これから梅雨時へと向かっていく前に、晴れの日には、きちんと太陽の光を浴びる習慣をつけてほしい。もちろん過剰な日焼けは禁物だが、太陽を浴びることでセロトニンが分泌されやすくなるため、ストレスに対する抵抗力も強くなる。同時に、体内時計も正常に動くようになるので、良質な睡眠が得られやすくなり、それによってさらにストレス抵抗力が高まるのだ。

五月病の季節にはじまる「夏バテ」
心まで左右する食欲低下を防ぐ方法

?しかしながら、人間関係や天気といった、自分ではどうにもならないものに左右されていたらキリがない。割り切りも大事だが、事前の策をとるのも大事だろう。

?となると、心を左右するもうひとつの要因、脳のコンディションを整えることが欠かせない。そして、これこそが自分で心をコントロールできる貴重なツールになる。

?五月病が始まる頃には、最近の日本の気候だと、もう夏バテのような食欲低下の症状も見られ始める。しかし脳という臓器は、体重のわずか2%程度だというのに、体が必要とするエネルギーの約20%を消費する、大食いの臓器だ。つまり、食事量が減って落ちるのは、体重だけではない。心をつかさどる脳も同じように影響を受け、コンディションまでもが落ちてしまうのだ。

?栄養士が言うと、「はいはい」と聞き流されてしまいそうだが、食べられない、栄養を摂れない、というのは由々しき事態だ。どうしても食欲がわかないときには、味に少しメリハリをつけて、刺激を与えると良いだろう。たとえば、本連載では、できるだけ定食スタイルで、と言っているが、デスクでぼそぼそと薄いサンドイッチを食べるくらいだったら、ピリ辛つけ麺だって良いのだ(毎日はすすめられないが…)。

?家の冷蔵庫にも、何かしら香辛料類はないだろうか?カレー粉やショウガ、わさび、マスタード、七味など、こんなときは栄養素目当てではなく、刺激が目的なので、チューブタイプのものだって全然かまわない。いつもの料理に少し加えるだけで良い。スパイスを利かせたような、重いものが食べられなくなっているなら、ちょっとお酢をかけるのも手だろう。このような刺激によって胃酸を分泌させ、食欲を回復傾向に向かわせることが大事なのだ。

?一方で、食べている量も変わらないし、その内容も大差ないけれど、なんだかコンディションがいつもと違う…という方もいるだろう。それは、環境の変化が無意識に及ぼす心身への負荷のせいかもしれない。いつもよりも必要な栄養素が増えているにもかかわらず、いつもと変わらない食生活を送っていたら、不足が出てしまうのは自然なこと。それが良いことであったとしても、公私ともにそれなりのイベントがあったときには、いつも以上に食事に配慮する習慣が大事だ。ストレスによって失われやすいビタミンCを多く含むものを意識的に足すと良いだろう。

?ただ、両者に共通していえるのは、「食べられるときには気を付けて食べよう」ということ。少ししか食べられないときに、加工食品ばかりでビタミンミネラルが少ない食生活をしていたら、それはボディブロー以外の何物でもない。脳にストレスを与えないためには栄養の不足を避ける必要があるが、食べられないから…と、サプリなどで栄養補給することによる過剰摂取も避けなければならない。

?だから、体が疲れてどうしても何も受け付けないときは特別、と考えよう。乱れた食事は臓器を酷使させるが、同時に、その臓器に対して指示を出している脳だって酷使されている。疲れている脳をより疲れさせないよう、臓器とともに脳にもお休みをあげると良い。とはいっても、自己流の断食は危険なので、「今日はちょっと胃腸を休めよう」と半日くらいのスタンスでのぞむと良いだろう。

鬱々とした気持ちを
アルコールで紛らわせるのは逆効果

?よく怒ったときには血圧が上がる、といわれるが、ストレスは血圧以外にも血糖値の上昇も招き、代謝異常からメタボを引き起こしやすくさせたりもする。夏前に余分な肉をつけないためにも、ストレスと向き合いすぎない心の持ち方と、脳への栄養補給は不可欠だ。

?また、鬱々とした気持ちをアルコールで紛らわせるのも要注意。適度な量ならよくても、血中アルコール濃度100mg/dl以上になると、結果としてコルチゾール濃度…つまり、ストレス指数は高くなるのだ。そうするとさらにアルコールを欲し、ストレスも一緒に強まってしまう。実際のアルコール代謝能力は人によって違うが、アルコール血中濃度が100mg/dlとなる目安は、体重60kgの人ならば、ビール大瓶3本。そんなに飲まないから大丈夫、という人でも、睡眠の質が下がらない程度にしておこう。寝不足は、心の抵抗力を弱くしてしまうのだから。

?そして、今、この記事を読んでいるデスクでも簡単にできる、五月病未満のもやもや解消法としては、指を使ったヘッドマッサージもおすすめだ。気持ちが滞っているときには、脳の血流も滞りがち。そうなると、それもまたモヤモヤした感を生み出してしまう。こめかみから、頭の頂点まで、五本指や手のひらの腹の部分を使ってギューッと押して、パッとはなす、その繰り返しをしてみる、物理的刺激もおすすめだ。頭のこりが軽減すると、仕事で疲れた頭も少しリフレッシュされるので、デスクでははばかられるのなら、夜に髪を洗うときにするのも良し。

?最近よく聞く「今でしょ!」の言葉ではないが、5月病を防ぐには、今、この時点から、自分に負荷をかけない意識をしていこう。

◆編集部からのお知らせ◆

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http://diamond.jp/articles/print/34617


12. 2013年4月16日 00:09:16 : niiL5nr8dQ
PTSD:悪化の原因特定 名城大助教ら

毎日新聞 2013年04月15日 22時33分(最終更新 04月15日 23時15分)

 強い恐怖を体験した時に発症する心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状は、特定のホルモンが脳内で過剰分泌されて悪化する可能性があることを、米ルイジアナ州立大を中心とするグループがマウス実験で突き止めた。グループの一員で、15日に発表した名城大薬学部の間宮隆吉助教(薬品作用学)は「PTSD発症の仕組みの解明や治療の確立につながる」と話している。研究結果は米科学アカデミー紀要に掲載される。

 グループは、パニック障害に関連があるとみられているホルモン「コレシストキニン」がPTSDを悪化させる要因と仮説を立てた。遺伝子操作でこのホルモンが脳内に過剰分泌される特殊なマウスと正常なマウスを使って実験。両方のマウスに、人間の幼少期に相当する生後25日に強い電気ショック(トラウマ)、青年期に相当する生後2カ月にやや弱い電気ショック(トラウマを呼び起こすストレス)をそれぞれ与えた。その後、2度目のショックを与えた時のケージに再度マウスを入れると、特殊なマウスは正常なマウスに比べて長時間、「凍り付いて動かない」というPTSDに似た症状をみせた。

 一方、不安障害に関連があるとみられている他の4種類のホルモンを過剰に分泌するマウスで同じ実験をしたが、正常マウスとの違いは確認できなかった。間宮助教は「コレシストキニンの影響で幼少期のトラウマが成人後のストレスで呼び起こされることが分かった」と分析している。【花岡洋二】

 富山大学大学院の井ノ口馨教授(脳科学)の話 PTSDにホルモンが関係しているのだとすれば、新しい発見だ。PTSDについてはいろんな再現実験の手法があり、その中でもホルモンの効果が確認できれば治療などにインパクトのある成果になる。
 

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