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竹中平蔵の元秘書官もマスコミを批判 「増税論議が示すジャーナリズムの貧困」
http://www.asyura2.com/09/hihyo10/msg/708.html
投稿者 クールヘッド、コールドハート 日時 2010 年 6 月 25 日 22:53:19: KEZEGJWQ/MaE2
 

DIAMOND online

岸博幸のクリエイティブ国富論

2010年6月25日
岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

増税論議が示すジャーナリズムの貧困

http://diamond.jp/articles/-/8549

 いよいよ7月11日の参院選に向けた選挙戦が始まりました。

 選挙戦での一番の争点は消費税増税と財政再建になりそうですが、それに関しては、政治の主張のレベルもさることながら、それを報道するメディアの側にも問題が多いと言わざるを得ません。

論外なマニフェストの主張

 二大政党である民主党も自民党も消費税増税をマニフェストで訴えています。民主党はマニフェストでは明示していませんが、菅総理が10%という数字も含めて明言していますので、公約に含まれると考えるべきです。

 しかし、先週も書いたように、両党の主張は明らかに間違っています。繰り返しになるのでポイントだけ書くと、二つの問題があります。

 一つは、デフレ下での消費税増税は更にデフレを悪化させるという、マクロ経済運営の観点からは最悪の選択肢であるということです。デフレが更に悪化すると、増税に伴う税収増は期待ほど増えませんので、更に増税が必要になります。増税→デフレ→増税、という悪循環に陥る危険性が高いのです。

 もう一つは、公務員給与の削減もせずに消費税増税を目指すのは、国民に対する背信行為だということです。財政再建は当然必要ですが、消費税増税は最後の手段のはずです。

 まずは公務員や国会議員の給与削減、政府資産の最大限の売却、埋蔵金の最後の一円までの発掘など、やれることはたくさんあるのに、それらが不十分なままで消費税増税を訴えるのは、キャリア官僚べったりだった自民党と、今や政治主導から官僚主導へと路線変更した菅民主党らしい主張と言えます。

 消費税増税の主張の背景には、ヨーロッパでの財政再建・増税ブームがあるはずです。そうでないと、二大政党が両方とも消費税増税を強く主張することなどあり得ません。世界の流行に弱い日本らしいと言えばそれまでですが、ここでも留意すべきは、流行の表面しか追っていないということです。
 例えば財政危機のギリシャをはじめとするヨーロッパの幾つかの国は、消費税に相当する付加価値税の税率を上げましたが、同時に公務員の数と給与の削減、年金削減などの厳しい歳出削減を行なっています。英国は大規模な財政赤字の再建に乗り出しましたが、その8割は歳出削減で賄うと言われています。かつ、もっとも重要なポイントとして、“増税ブーム”の元であるこれらの国の経済はデフレではありません。日本の経済状況とは根本的に異なるのです。

 これらの点を考えると、政策としては、1〜2年でデフレ克服と公務員給与削減などの政府の無駄削減を行ない、その両者が達成された段階で消費税を増税する、という順番が不可欠です。

大新聞の社説から分かるジャーナリズムの貧困

 さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。以上から明らかなように、政治の側の消費税増税という主張には問題が多いのですが、メディアの側でそれを正しく批判しているところがあまりに少ないのです。

 先週の17日(木)に民主党と自民党のマニフェストが発表されましたが、その翌日18日(金)の主要紙の朝刊を読んで、心底びっくりするとともに呆れました。大半が消費税増税を歓迎しているのです。

 18日(金)主要紙の社説を見てみると、日経は“消費税を含めた税制の抜本改革は自民党政権が先送りを続けてきた難しい課題である。参院選の前に増税への基本的な考え方を表明した首相の決断を歓迎したい”と、朝日新聞は“消費税率は単なる財政再建の手段ではない。(中略)国の基本設計にかかわる課題だ。選挙後ただちに超党派の検討の場を設け、早急に方向を定めるべきだ”と、産経新聞は“菅首相は消費税について「今年度中に税率や逆進性対策を含む改革案をとりまとめていきたい」と踏み込んだ。財政再建路線に転じること自体は好ましい変化と言えよう”と、主張しています。

 読売新聞は18日(金)の社説では主張を明確にしていませんでしたが、20日(日)になって“国民に痛みを伴う増税であっても、必要性を堂々と訴えることが政治の責任である。選挙戦での活発な論争を期待したい”と、他紙と同様に消費税増税に前向きになっています。

 つまり、主要紙がすべて消費税増税に前向きな評価をしているのです。唯一、東京新聞だけは18日(金)の社説で“消費税よりも、まず行政の無駄をなくすことに、党派を超えて力を合わせるべきではないか”と主張しており、部分的(デフレ下での消費税増税は論外という論点がない)ではありますが、正しい批判を行なっていました。

 この日本の大新聞の社説のレベルの低さは何なのでしょうか。私が最初に説明した消費税増税の問題点は決して難しいことではなく、ちょっと考えればすぐに分かることです。単にそれが分からなかったのか、または敢えて捨象したのかは定かではありません。しかし、仮に消費税増税という間違った主張に新聞社として賛成であっても、その問題点を明らかにして国民が主体的に考えられるようにすることは、ジャーナリズムの担い手としての新聞の使命ではないでしょうか。

 新聞によっては、国民の多くが消費税増税に賛成という世論調査の結果も発表していますが、上記のような偏った論調を読まされていては、国民だって判断を間違えてしまうのではないでしょうか。

 ついでに言えば、22日(火)には“財政運営戦略”が閣議決定されましたが、その翌日の大新聞の社説を見ると、各紙とも財務省の説明どおりに“財政再建は大変、消費税増税は必要”というトーンになっています。批判的な論評どころか、従軍記者そのものです。

 日本の新聞メディアのレベルについては当然以前からよく知っていますが、今回の消費税増税を巡る社説を見て改めて愕然としました。戦時中に軍部の方針の追認という間違った政策判断をした大政翼賛会と、それを正しく糾弾しなかったメディアとの関係に似ているのではないでしょうか。

 私は、これまでどちらかと言えばマスメディアの応援団でした。ネットがマスメディアを崩壊させかねないけど、マスメディアはジャーナリズムを支える存在なので、ネット時代を生き残れるようにビジネスモデルを進化させようと主張してきました。

 しかし、今回のような程度の社説しか書けないようなら、日本の新聞メディアはジャーナリズムを支えているとは到底言えません。ジャーナリズムを貫いている欧米の新聞メディアは生き残るべきと言えますが、今の日本の新聞メディアは違うのかもしれません。それでも生き残りたいなら、ビジネスモデルの前にまず社説や記事のクオリティを上げることから始めないといけないのではないでしょうか。  

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コメント
 
01. 2010年6月26日 18:15:49: 3NT6shbjq2
本当に各紙の社説がこれに限らず小学生の作文レベル。
しかも悪意があるだけにタチが悪い。

02. 2010年6月27日 00:18:26: tYVmqL5qXs
と、いうよりも、所得税の累進課税強化とか法人税の増税を言わない方が問題。元記事の岸 博幸の発言にある「(消費税論議の前に)やれること」の中にもこれが入っていない。
小泉カイカクで給与所得が激減した一方で企業内留保と役員報酬と株主配当が激増したわけだけれど、さすが竹中のもと秘書官はそのあたりをごまかすつもりかと思って記事を読んだ。

04. 2010年6月27日 05:39:53: i37fD8kRRc
>小沢一郎先生は有田氏を比例の第1順位に持ってきました。
>この国の諸悪の根源が何であるのか、
>小沢先生は非常によくわかっておられます。

>>03さん。
非常に参考になるコメントをありがとうございました。
比例区は有田芳生氏ですか。なるほど素晴らしいですね。
官製民主のお目付け役として投票するつもりだった国民新党も捨てがたく、悩むところですが、どちらかにするつもりです。


以下の記事も参考になりました。参考までに載せておきます。

 『民主党の有田芳生候補(比例区)が、ベーシックインカム導入を公約/自民党・公明党が推進するアニメ・漫画規制への反対も表明』
  ⇒http://www.asyura2.com/10/senkyo89/msg/181.html

 『民主党への移籍、2010年の参院選への立候補の発表』
  ⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E7%94%B0%E8%8A%B3%E7%94%9F


05. 2010年6月27日 07:16:15: iiRjvah6VY
小泉ー竹中時代の情報操作については、こちらのスレッドでご覧になれます。

【小泉・竹中】新聞テレビの世論操作を監視するスレ101
http://logsoku.com/thread/namidame.2ch.net/seiji/1260596640/

悪魔か!


06. 2010年6月27日 07:45:27: ULdI3yxCBc
みん●の党「おう、俺達のためのプロパガンダだとばれちまった。次の手を考えんと」。

07. 2010年6月27日 14:02:11: yy9zyNyxZc
胡散臭い「岸 博幸」か〜
小鼠(清和会)からの血流が途切れたか?

08. 2010年6月27日 16:07:25: IHejYxt2vc
有田が比例順位1位?、いつから比例代表はいつから拘束式に戻ったの?。
単に五十音で有田のアだから表では前に来ているだけ。基本的なことおさえてよ。

09. 2010年6月27日 19:15:49: Yy7SfHV0bY
この投稿者はろくでもねえ論説ばかりを広めている

10. 2010年6月27日 19:40:28: HJ0LjuDeSw
そろそろマスコミの記者達も政治家と同様レベルを上げる必要
に迫られるのだろう。
記者の中には、政治家のコネで記者になったって人が威張っている
というのを週間誌で読んだことがあります。
コネで入って情報を身内同士で共有してたのでしょうか。



11. 2010年6月27日 19:41:44: OPTHXUBMAI
03さんの指摘は正しい。竹中。子鼠一派がまともな事を言い始めたら警戒警報の発令と思えばよい。邪悪な竹中、悪魔に魂を売った竹中、子鼠のドブに生きる元総理、けがわらしい。

12. 2010年6月27日 20:37:25: O0AWJl6T1Y
 岸氏の発言は、御本人もお認めのように、官僚寄り、且つマスメディア寄りだと感じておりましたが、そのような方が、矛盾に気がついたということは、意味が大きいと思います。

 これからは、岸氏のコメントがある場合は、注視するように致します。


13. 2010年6月27日 21:31:28: EJ2uYfH9sU
飯田泰之や高橋洋一のリフレ派が神野氏や小野氏を引き摺り下ろそうとしてるよね。
世になんとかは明らかに前者に加担している。
岩上さん大丈夫かい。

14. 2010年6月27日 22:13:30: 6i9UrJsHdU
公務員給与削減を狙ってるのは霞ヶ関官僚なんですがねえ。

公務員は平社員、官僚は社長や重役と考えるとわかりやすい。
要するにリストラ理論そのまんまですよ。

公務員給与削減の方が、小さな政府論で新自由主義の考え方に合致している。
そもそも、消費税増税も公務員給与削減も、両方とも景気に悪影響を与える
から、両方ともやってはいけない。

まだまだ、阿修羅住人も新自由主義に毒されていますな。


15. 2010年6月27日 22:35:49: 6i9UrJsHdU
ギリシャ危機では公務員に罪をなすりつけ、米ビッグスリーの経営危機では
労働組合に罪をなすりつけたマスコミですが、その論法に阿修羅住民も
引っかかってるのは嘆かわしい。

亀井氏は予算案で積極財政で赤字も辞さないという姿勢で臨んでたけど、
あれが正しい。
全方位から批判を食らっても自説を曲げないのは見事な物です。

増税も一切せず、公務員切捨ても一切やらないのが正しい。
こういう緊急事態には、国庫をぶちまけて日本国内の民間市場に税金を
戻すべき。公務員給与も、消費によって民間に還元される。

国の会計が赤字になるのはやむを得ないです。だいたい、ここ十年余り、
政府は赤字解消を言い続けて緊縮財政をやり、それが逆に赤字を増やしている。
緊縮財政が更なる赤字を生んでいるのに何故気づかないのか。


16. 2010年6月27日 22:54:32: EJ2uYfH9sU
今の歪んだ税制について議論をしないのも大問題だと思う。
憲法9条と同じく、半ばタブーとなってしまっている。
というか意図的にタブーとなるようにマスコミは仕向けている。
大手のみならず、赤旗やゲンダイもだ。
菅よりマスコミこそ頭冷やせと言いたい。

17. 2010年6月28日 00:31:34: KPlcXCJUOU
皆さん、大手新聞購読契約は止めましょう。
一般の会社では、赤字に転落した時原因を追及し、反省をして新たな戦略をたて再生のため努力をするものです。大手マスコミは反省もせず中身のない記事、捏造記事のオンパレードです。今の大手新聞は倒産して頂き、国民の為に新たな新聞等が出てくることを期待します。

18. 2010年6月28日 01:52:58: nZIe4X8gmA
『今頃気付いたの、岸センセイ?』
“ジャーナリズムの貧困”なんて今更センセイにいわれなくったて、とっくの昔に俺達は見切っていますよ。センセイが竹中売国奴サマのパシリをやっていた時代からそうだったじゃありませんか。ここ1年半の、官僚サマと意を通じた、気が狂ったような“小沢氏・鳩山氏バッシング”を真っ当なジャーナリズムだなんて思っていたんですか?ご自分と意見をことにするから“貧困”だなんて…この程度のご理解でよく“低脳未熟大学”のメディアデザイン研究科教授(この学科のネーミングも胡散臭いけど…本当に存在するの?)なんて勤まりますねぇ?何を教えてんだか?学生は“いい迷惑”なんじゃぁないの?
「腐りきったバカメディア」が増税論議だろうがナニ論議だろうが、マトモな思考力を持ってるって考える方が“錯誤”なんですよ。


19. 2010年6月28日 20:43:56: DCHDReL3A2
>>3
岸 博幸のバックには「みんなの党」がいるということでよろしいでしょうか。

>慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。

 アメリカのハーバードとかの有名私立大学をみていて感じましたが、基本的に私立大学は寄付金などで、どこかのいかがわしい正体不明の団体に簡単に買収される可能性が高いので、そこに所属する教授の発言は疑ってみるべきです。

 ハーバード大学は、ロックフェラーに1000億円寄付してもらい、完全に頭が上がりません。いいなりです。
 大学への政治の影響力をなくすためには、政治と同じで団体だろうと個人だろうと寄付を一切禁止するべきです。
 


20. 2010年6月28日 23:25:57: 2yvKCHjVwI
ケケ中一派は議論の入り口ではたいてい正しいのだが細部に入っていくとおかしい方向へと議論が進んでいくのが特徴だ。
総論は正なのだが各論は邪という形だ。
こうした論理形式の組み立てを行う集団は他にもあるのだが、典型的な集団にカルトがある。

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