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特定のガンに効くクスリが増加し、個々の患者に合わせた“個別化”治療が進展 
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投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 01 日 04:44:38: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://diamond.jp/articles/-/12936
週刊ダイヤモンド特別レポート「ここまで効く!ガン治療薬最前線」 【第1回】 2011年7月1日 
特定のガンに効くクスリが増加し、個々の患者に合わせた“個別化”治療が進展 
 小川太郎さん(63歳・仮名)に大腸ガンが見つかったのは、昨年5月のことだ。医師の告知に、ショックは隠せなかった。
「肝臓への転移も見られ、ステージIVといわれる状況です。今すぐに手術するのは難しい……」
 頭が真っ白になり、医師の声が一瞬遠のいた。オレは死ぬのか。
 しかし、小川さんには治療の選択肢が残されていた。
「まずはクスリによる治療を始めて、ガンの縮小が見られたら手術に踏み切りましょう」
 異なる抗ガン剤を同時に3種類投与する方法に加え、「分子標的薬」と呼ばれる最新のクスリを組み合わせる方策が採られた。
 48時間の点滴の後、1週間おいて1時間ほどの点滴を受ける。この1サイクル2週間の治療を繰り返す。入院は初回のみで、あとは通院で受けられた。手足のしびれや、顔の発疹などの副作用もあったが、なんとか仕事を続けられることが、心の支えにもなった。
 この治療を始めて3ヵ月、小川さん自身には“奇跡”とも思える効果を実感する。ガンが縮小し、手術が可能になったのである。
 無事、手術を終えた小川さんは、術後の経過も順調で、今も仕事を続けている。「告知されたときはガックリきて、普通の生活に戻れるとは思ってもみなかった」──。
 大腸ガンで肝臓への転移も見られる場合、かつての治療法なら余命は半年といわれていた。それが最近は、手術前に抗ガン剤を投与し、ガンを小さくすることで、病巣を取ることができる。完治も夢ではなくなった。
「投薬前に、CT・超音波などでガン病巣をマークしておかなければ、手術のときに病巣が見つけられないほど縮小する場合もある。現場にいるわれわれも驚くほどの効果だ」(水沼信之・癌研究会有明病院消化器化療担当部長)という。

誕生から70年進化する化学療法
 ガン治療は「外科手術」、抗ガン剤やホルモン剤(ホルモンの分泌をコントロールし、ガンを治療するクスリ)を投与する「化学療法」、放射線を照射 する「放射線療法」の三つに分類される(右図)。このうち血液ガンなど一部を除けば、最も基本的な治療は、手術でガン病巣を取り除くことだ。
 ところが近年、化学療法や放射線療法の進歩で、手術偏重だったガン治療の世界は大きく変わってきた。特に進歩が著しいのが、化学療法の世界だ。効果を上げつつ、治療の対象領域を広げている。 
次のページ>>化学療法の3つの役割


 ガン治療における化学療法の役割は大きく三つある。
 第1は、小川さんのケースのように、ガン病巣を切除できるよう手術前にクスリを投与しガンを小さくする「術前療法」である。
 第2は、再発・転移の予防や延命を狙った「術後療法」。胃ガンでは、再発防止のため、手術後の抗ガン剤の投与が標準化されている。
 第3は、血液ガンなどで実現しているように、完治を目的に投与されるケースだ。
ガン治療薬の歴史
 最新動向を理解するために、どのように化学療法が進化してきたのか、その歴史を振り返ろう。
 抗ガン剤の起源は、70年前にさかのぼる。第1次世界大戦で兵器として使用されたマスタードガスを改良し、1940年代に肺ガンや悪性リンパ腫に効く抗ガン剤が生み出された。
 60年代に入り、ガン細胞の増殖にかかわる特定のホルモンを抑制するホルモン剤が登場する。また、50年代以降は、複数のクスリを用いた「多剤併用療法」も進んだ。その狙いは、異なる効き目を持つクスリを組み合わせ、多角的にガン細胞を攻めることだ。
次のページ>>“個別化”治療が急速に発展

ガンだけを狙い撃ち副作用少ない分子標的薬
 2000年代に入って注目されているのが、小川さんの治療にも使われた分子標的薬である。
 従来の抗ガン剤は、ガン細胞の増殖を抑える効果があったが、同様に正常細胞も攻撃してしまう欠点があった(下図)。それだけに、治療効果の一方で、頭髪が抜ける、体力が落ちるなど副作用も避けられなかった。

 これに対して分子標的薬は、ガン細胞の増殖などにかかわる部分だけを標的とし、正常細胞をできるだけ脅かさないように作られている。それだけ副作用も少ない。
 また分子標的薬には、ある特徴を持つ人たちに限定的に効くクスリがある。その結果、個々の患者に合わせた“個別化”治療も急速に発展している。

 たとえば、小川さんが投与された分子標的薬は、アービタックスと呼ばれる抗ガン剤だが、KRASという遺伝子が変異していない特定の患者に有効で、幸い小川さんはこれに適合した。
 特定の患者に有効なクスリということは、裏を返せば、クスリが効かない患者は、効果のない余計なクスリを投与されずにすむ。
「かつては医師の経験や勘を頼りに、病態に合わせた治療をしていたが、今はより科学的な根拠に基づいた個別化が進んでいる」(飛内賢正・国立がん研究センター中央病院副院長)のだ。
 進化しているのは、治療薬の分野だけではない。抗ガン剤の副作用のコントロールがその一つだ。分子標的薬にも副作用があり、心疾患や肺疾患など、 高度な対応が必要なものもある。副作用を抑える新薬も増加しており、発生のタイミングや対応策などの知見が、蓄積されつつある。
 近年、製薬会社のガン領域への参入が相次ぎ、化学療法の進化も加速している。治療の選択肢が広がれば、「患者の生きる希望につながる」(片木美穂・卵巣ガン体験者の会スマイリー代表)。
 次回以降では、個別化治療が進められているガン種を中心に、化学療法の現状や期待の新薬を順次紹介していく。
(本連載中のクスリの名前はすべて製品名)
 

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