★阿修羅♪ > 医療崩壊3 > 609.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「医療費の自己負担が4割、5割になる!?」 保険代理店のセールストークが あてにならない4つの根拠
http://www.asyura2.com/09/iryo03/msg/609.html
投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 08 日 08:28:00: cT5Wxjlo3Xe3.
 

【第38回】 2012年11月8日 早川幸子 [フリーライター]
「医療費の自己負担が4割、5割になる!?」
保険代理店のセールストークが
あてにならない4つの根拠
「健康保険の自己負担割合は、1割から2割、3割と引き上げられてきました。今後も4割、5割になることは否定できないとボクは思っています。だから、民間の医療保険がますます重要な時代になってきます」

 この発言の主は、民間の生命保険を販売している代理店の職員だ。

 たしかに、1980年代以降、会社員の健康保険は、自己負担割合や高額療養費の限度額が段階的に引き上げられてきたし、「4割に引き上げるべきだ」と提案した官僚や学者もいる。

 超高齢化社会に突入し、厳しい健康保険財政も報じられている。医療を取り巻く環境によい材料が見当たらない今、自己負担割合の引き上げはまんざら嘘ではないようにも思える。実際、そうしたセールストークを聞いて、不安に駆られて民間の保険に加入した人も多いのではないだろうか。

 しかし、筆者は健康保険の自己負担割合は、そう簡単には引き上げられないと考えている。その4つの根拠をあげて、保険代理店の「ボク」の考えに対抗してみたいと思う。

根拠1
引き上げられてきたのは会社員の自己負担だけ。
会社員家族や自営業世帯はむしろ負担が減って平等化している

 健康保険は、加入者から集めた保険料をプールしておいて、病気やケガをした人が必要な医療を受けられる国の制度だ。

 事前に保険料を払っているのに、さらに窓口でも負担をしなければならないのは、純粋な保険の仕組みとしてはおかしなことだが、お金を払わずに好きなだけ病院や診療所を利用できると、必要以上に医療が使われる恐れもある。モラルハザードとして窓口負担を導入しているというのが国の説明だ。

 だが、別の見方をすれば、一部負担金があると、具合が悪いのにお金がなくて医療機関に行くことができず、症状を悪化させてしまったり、手遅れになったりする可能性もある。

 そのため、患者の自己負担割合は過大にならないように配慮されており、70歳未満の人は3割、小学校入学前の子どもは2割となっている。70歳以上の人は原則的に1割だが、現役並みの収入がある人は3割を負担する。

 このように、現在は会社員も自営業も同じ自己負担割合だが、以前は職業によって次のような変遷があった。

●会社員
会社員の健康保険が始まったのは、戦前の1927年。当時は、保険の理念通りに、自己負担なしでスタートしている。戦後、高度経済成長の勢いもあり、会社員は1960年代まで窓口負担ゼロの時代が続いたが、60年代後半に初診や入院のときの定額負担が導入される。その後、1984年に定率1割の自己負担となり、1997年に2割、2003年に3割と引き上げられた。

 健康保険は労働者のために作られたものなので、当初、家族は保障の対象外だった。1939年に家族も加入できる制度が任意で作られるが、自己負担割合は5割。1942年に家族給付も法定化されたが、自己負担割合は変わらずに5割だった。その後、1973年にようやく3割に引き下げられ、1981年には入院のみ2割になる。2003年には再び、入院も3割になる。

●自営業
自営業者が加入する国民健康保険は1938年に施行されたが、当時は任意制度で加入者も少なく、自己負担割合も組合によってまちまちだった。戦後、強制加入の制度が整備される中で徐々に保障の充実が図られ、皆保険が実現した1961年は世帯主の結核、精神障害に関しては3割で、その他の病気は5割負担と決定。1963年にすべての病気が3割負担で受診できるようになり、現在まで続いている。

 自営業の家族は、1961年にすべての病気が5割負担で始まったが、1968年に3割になっている。

 1973年には、会社員、自営業いずれも、医療費が高額になった場合に自己負担するお金に上限を設けた高額療養費が作られ、保障は充実してきた。

 こうして健康保険の歴史を見てみると、引き上げられたのは会社員の健康保険だけで、会社員の家族、自営業世帯の健康保険では、むしろ引き下げが行なわれ、全体的な平等性は保たれるようになったことが分かる。

 会社員の自己負担分だけ取り上げて、「どんどん上がってきたから、今後も引き上げられるはず」と結論づけるのは暴論だろう。

根拠2
2006年の改正健康保険法の付帯決議には、
安易に自己負担割合を引き上げないことが明記されている!

 大幅な医療制度改革が行われた、2006年の参議院厚生労働委員会で採決された改正健康保険法の条文には次のような付帯決議がつけられている。

≪将来にわたり国民皆保険制度を堅持し、平成十四年の健康保険法等の一部を改正する法律附則第二条第一項に明記された、「医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする。」ことを始めとして、安易に公的医療保険の範囲の縮小を行わず、現行の公的医療保険の範囲の堅持に努めること。≫

 法律の条文なので難しく感じるかもしれないが、簡単にいうと「これから先の将来も、安易に患者の自己負担額を3割以上に引き上げない」ということが明記されているのだ。

 付帯決議は、実際に法律の条文にはならなかったものの、国会が政府の運営方針に注文をつけるという要素をもっている。法的な拘束力はないが、実際の政治の場面では無視できない力になる。

 昨年、医療機関を受診した患者から一律100円を徴収して医療財源に回すという案が厚生労働省で審議されたが、日本医師会などは、この付帯決議を楯に患者の負担増につながる定額負担に反対した。結局、100円の定額負担は合意にいたらず、導入が見送られている。

 もしも自己負担割合を4割、5割に引き上げようとする場合は、必ず、この付帯決議が話題になるはずだ。

根拠3
2006年に引き上げが決まった70〜74歳の自己負担割合が、
いまだに据え置かれたままになっている!

 2006年の医療制度改革では、70〜74歳の自己負担割合を2008年4月から1割から2割に引き上げられることが決まっていた。しかし、2007年の参院選で自公政権が敗北したことで実施が見送られ、その後も5年間凍結されたままとなっている。

 医療費を支払う側の健康保険組合や経済界からは、「法律で決まったことなのだから早く引き上げるべきだ」という声が上がっているが、医療者や患者だけではなく、身内の党内からも引き上げの実施には反対の意見があり、なかなか引き上げられないでいるのだ。

 解散総選挙が噂される今、有権者を敵に回すような自己負担引き上げを訴えるのは難しく、当分は引き上げが見送られるはずだ。

 すでに法律で決まった70〜74歳の自己負担の引き上げすら実施できないのに、医療制度の中心となる現役世代の自己負担割合を4割、5割に引き上げることなどできるのだろうか。現実的に考えれば、まず不可能だろう。

 医療制度ができるまでには、そこに関わる利害関係者の思惑が複雑に絡み合っており、さまざまな立場の人々の合意を形成しなければならない。

 国や健康保険組合は自己負担を引き上げたいと思っても、医療者や患者団体、市民など反対する人もいる。政治的に見ても、自己負担割合の引き上げは相当にハードルの高い問題なのだ。

根拠4
医療費の自己負担分が払えないために受診を控え、
手遅れになるケースが増加。患者の負担は限界にきている

 具合の悪さを自覚しながらも、お金がないための受診を控えて、まともな医療を受けられないまま死にいたるケースが増えている。こうした手遅れ事例は、全日本民主医療機関連合会(民医連)という医療団体が把握しているだけでも、2011年は67件に及ぶ。

 中には健康保険証をもっているのに、窓口での負担が払えないために受診を諦めていたケースもあり、自己負担の重さが指摘されている。

 医療費が高額になった場合は、高額療養費制度によって、負担に上限が設けられるので、たとえば70歳未満で一般的な収入の人が1カ月に医療100万円使っても、最終的な自己負担は9万円程度だ。

 ただし、白血病やリウマチの治療などで、価格の高い薬を継続的に飲み続けなければならない患者の中には、負担の重さに耐えかねて、症状が悪化するとわかっていても薬を減らしたり、治療を諦めている人もいる。

 厚生労働省でも、患者の経済的な負担が重いことは問題視しており、1年間に患者が自己負担する高額療養費に上限を設けるための仕組み作りが話し合われることになっている。

 つまり、現実は、自己負担を4割、5割に引き上げるどころか、できるだけ患者の負担を引き下げるためにはどうすればいいのかといったことが、真剣に考えられているのだ。

 長期に渡って高額な医療費を支払う患者の経済的負担はすでに限界にきているのに、それを4割、5割に引き上げるということは、人道的な視点からも許されることではないだろう。

 以上4点が、健康保険の自己負担割合は今後も引き上げられないだろうと、筆者が考える理由だ。

 保険代理店の職員は、生命保険を売る専門家ではあるが、健康保険の制度や歴史までを熟知しているわけではない。

 政策の決定過程を知らない人は、「国にお金がないんだから、自己負担割合が引き上げられるはず」と短絡的に考えがちだが、医療制度は人の命を左右する。財源論だけで簡単に決められるものではないのだ。

 本コラムの第34回の世論調査の投票結果でも、実に9割に近い人が「国民皆保険は維持すべき」と答えている。こうした結果が出た背景には、少ない窓口負担で必要な医療を受けられてきた制度への信頼があるからだろう。

 自己負担の引き上げは、これほどまで国民生活に浸透している制度の根底を揺るがす可能性を秘めているし、そう簡単に行えるものではないと考えるのが妥当ではないだろうか。
http://diamond.jp/articles/print/27575  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2012年11月09日 23:22:24 : YxpFguEt7k
孫崎享氏
「9日朝日「日本のTPP交渉参加を強く支持 日米財界人会議。米側議長アメリカンファミリー生命保険日本代表」。
 米国生命保険が”TPPで利益を得る”と言うこと。AFLACは「医療保険NO1]。国民健康保険が危機になれば最も潤う。」
https://twitter.com/magosaki_ukeru/status/266906717256835073

トンデモナーイ!


02. 2013年4月11日 09:49:38 : 2ru2WuUsVQ
いま、医科は毎年4%の成長産業である。TPPくらいではびくともしない体力を持っている。
しかし、歯科は2006年に保険点数が大幅に下げられて以来、並の経営ではやっていけないくらい体力を消耗している。東京都では毎年1件歯科が潰れていて、ようやく落ち着いてきたところである。歯科医師数は増えているにも関わらず、去年から歯科医院数は減少に転じた。被災地の一部漁協が背に腹は代えられず漁業に株式会社を参入させようとしているが、このような状況では真っ先に歯科にTPPによる歯科の株式会社が導入されると予測する。マスコミによるインプラント叩きもその一環で有り、インプラントのような収益性のある分野にアメリカの会社がはいってくるであろう。タイより安い費用で行われている保健歯科治療はいつまで続けていられるのであろうか。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 医療崩壊3掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 医療崩壊3掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧