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マルチビタミンに利益なし、一部は有害か  日経メディカル
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投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 1 月 10 日 20:02:37: mY9T/8MdR98ug
 

米国で年間市場118億ドルだが有効なエビデンスなし、系統的レビューから

2014/1/8

 先進国では、慢性疾患の予防を目的としてビタミンやミネラルのサプリメントを使用する人が非常に多い。しかし、新たな系統的レビューの結果、サプリメント全般に心血管疾患予防、癌予防、死亡リスクを低減する効果がないこと、βカロテンは喫煙者などの肺癌リスクを高める可能性が示された。米Kaiser Permanente Center for Health ResearchのStephen P. Fortmann氏らが、Annals of Internal Medicine誌2013年12月17日号に報告した。

 米国では、年間118億ドルがビタミンやミネラルを含むサプリメントの購入に使われており、最も多く使用されているのがマルチビタミンだ。

 米国予防医療作業部会(USPSTF)は、03年、心血管疾患または癌の予防を目的とする、ビタミンA、C、E、葉酸入りマルチビタミン、抗酸化物質の使用については、これを推奨する、または推奨しないと決めるために必要なエビデンスは不十分だと結論している。一方で、βカロテンについては、単独でも他との併用でも使用を推奨しないと述べていた。利益がないばかりか肺癌リスクの上昇を引き起こすことを示す良質なエビデンスがあったからだ。

 USPSTFがこれらサプリメントに関する見解を見直すにあたって、著者らはその作業を助けるべく、03年以降に報告されたサプリメントの利益と害に関する文献を対象に系統的レビューを行った。

 栄養不足のない成人が、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ナイアシン、葉酸、βカロテン、セレンを単独で、または2剤併用、もしくは3剤以上を併用(これをマルチビタミンとする)した場合における心血管疾患と癌の一次予防効果、全死因死亡に対する利益と害を評価した研究を対象とした。

 MEDLINE、Embase、コクランセントラル、コクラン系統的レビューデータベース、Database of Abstracts of Reviews of Effects(DARE)に、05年1月から13年1月に登録されていた情報を中心に、以下の条件を満たす臨床試験と観察研究を抽出した。

 人間開発指数(HDI)が非常に高い国で行われ、米食品栄養委員会が設定した耐用摂取量の上限値を超えない用量が用いられていた研究で、研究の質が良または可に分類されるものに限定した。有効性については、心血管疾患または癌の既往がない一般の人々を対象に、心血管疾患、癌、全死因死亡の予防におけるサプリメントの利益と安全性を評価していた研究を選んだところ、26件の研究が条件を満たした。

 マルチビタミンに関しては、4件の試験と1件のコホート研究が利益と害を報告していた。この5件は全て良質な研究だった。全死因死亡と心血管疾患に対する利益は示されていなかった。2件の大規模試験(2万7658人を登録)は、マルチビタミンを10年超使用していた男性における癌罹患率の低下を示した(プール解析した未調整相対リスクは0.93、95%信頼区間0.87-0.99)。女性には好ましい影響は認められなかった。害については一貫したパターンは見られなかったが、一部の研究とサブグループ解析は、股関節部骨折リスクの上昇や、女性における悪性黒色腫(メラノーマ)リスクの上昇などを報告していた。

 単剤または2剤併用に関しては、22件の試験と2件のコホート研究が利益と害を報告していた。追跡期間は6カ月から16年まで様々だったが、多くは10年未満だった。

 βカロテンに関する6件の研究は、全体としては心血管疾患と癌の罹患に対する利益、害ともに示せておらず、ビタミンEに関する研究5件は、これらの転帰について有意な影響を報告していなかった。カルシウムの単剤投与について分析していた4件の研究でも、これらの転帰への統計学的に有意な影響は見られず、ビタミンDとカルシウムを併用した2件の研究も利益は示せていなかった。

 有害であることを示す一貫した情報はなかったが、ビタミンAについては肺癌、股関節部骨折のリスク上昇との関連が指摘され、葉酸の使用と前立腺癌罹患率の関係を示唆した研究もあった。事後サブグループ解析ではカルシウム使用群における大腸癌リスク上昇が示唆されていた。また、大規模研究ではビタミンDとカルシウムの併用により腎結石リスクが上昇することが示された。βカロテンについては、ハイリスクなサブグループ(喫煙者やアスベスト曝露者)の肺癌罹患リスクを上昇させることが確認された。

 同じ号には、栄養不足のない65歳以上の男性5947人にマルチビタミンを投与して12年間追跡した結果、マルチビタミンに認知機能低下を予防する効果がないことを示した研究と、心筋梗塞歴のある男女1708人に高用量マルチビタミンを投与して4.6年追跡したところ、心血管イベントの再発に有益な影響を及ぼさないことを確認した研究の結果が報告された。

 これらを総括したエディトリアルで、米Johns Hopkins Bloomberg School of Public HealthのEliseo Guallar氏らは、以下のように述べている。

 「栄養不足のない一般の集団に対する、ほとんどのミネラルやビタミンのサプリメントは慢性疾患や死亡のリスクを低減しないため、それらの使用は支持されない。抗酸化物質、葉酸、ビタミンB群については、無効または有害であることが示されており、予防を目的とする大規模な臨床試験を行うことはもはや許されないだろう。ただし、ビタミンDについては、これが不足している集団を対象とする試験を行えば、意義のある結果が得られる可能性はある」。

 さらに、「これまでに蓄積されたエビデンスは日常的なサプリメントの使用には利益がない、または有害であることを示す」とも述べている。

 論文の原題は「Vitamin and Mineral Supplements in the Primary Prevention of Cardiovascular Disease and Cancer: An Updated Systematic Evidence Review for the U.S. Preventive Services Task Force」、全文は、Ann Intern Med誌のWebサイトで閲覧できる。

 エディトリアルの原題は「Enough Is Enough: Stop Wasting Money on Vitamin and Mineral Supplements」、全文が、 Ann Intern Med誌のWebサイトで閲覧できる。


http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201401/534445.html  

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