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ギリシアはゴールドマン・サックスと提携したが、経済危機から脱出できなかった
http://www.asyura2.com/09/it11/msg/459.html
投稿者 シムーン 日時 2010 年 2 月 22 日 22:12:15: fgNPHp2e8akTY
 

(回答先: 阿修羅♪掲示板に投稿する方法 投稿者 管理人さん 日時 2009 年 8 月 21 日 00:46:14)

2月20日付けの『ル・モンド』ネット版に、ギリシアの経済危機の経緯が説明されている記事(「偽善者たちのパーティに出席したギリシア」)がありました。私は経済のことに関してはあまり知識がないので、勘違いしているところがあるかもしれませんが、おおよその内容を紹介したいと思います。
ギリシアは財政赤字を偽って報告し続けていた。00年にはGDPに対して4,1%の赤字だったのを2%と、01年(ユーロ加入の年)には3,7%を1,4%と(03年も同じ比率)、04年には5,3%を1,2%という具合だった。
ヨーロッパ中央銀行(BCE)では大変な怒りが巻き起こっていた。
ユーロ圏にスムーズに加入するために、ギリシアは虚偽申告をしていたのだった。04年秋に開催されたEUの経済財政委員会では、ギリシアの代表者たちは頭を下げるほかなかった。
イタリアやスペインやポルトガルも、ギリシアと同類と見なされるのではないかと不安を感じていた。参加者のひとりは、「これが物語の終わりなのか始まりなのかわからなかった。影響の拡大が懸念されていた。」と語った。フランスの財務局長のジュイエは、「ギリシアはごまかしを行なった。罰するべきだ。」と述べた。
しかしギリシアは処罰されなかった。EU諸国は積極的な行動には出なかった。ギリシアの大がかりなごまかしに憤激したとしても、ギリシアを糾弾することに利益がなかったからである。糾弾すれば、得るものよりも失うものの方が大きかったのである。
ユーロ圏の各国は、大なり小なり合法的な不正行為を働いていた(財政基準を守っていなかった)。アイルランドはインフレだったし、ドイツ、フランス、イタリアは大きな赤字を抱えていた。
イタリアは手口が最も巧妙で、負債を証券化して市場で売りさばき、赤字の負債は見えなくなってしまっていた。
いくつかの国の援助を委託されたのが投資銀行である。ギリシアでは、ゴールドマン・サックスが、01年には10億ユーロの公的負債を抹消することを可能にした。JP・モーガンはイタリアに対して同じことをしていたと、ある銀行家は説明している。帳簿上の創造的能力(注:金融工学的技術を指すものであろう)は、民間会社の専売特許ではない。」とフランスのエコノミストは皮肉っている。
ギリシア筋によれば、赤字報告に関する変動が生じたのは、EUの財政基準におさまるようにするためにごまかしをしたからではない、前政府の予算支出を大きくするような会計規則の変更が原因なのだ、会計規則の変更で、04年に軍事予算に関して、兵器引き渡しの時期ではなく発注の時期が財政収支の中に組み込まれることになったからだという話であった。
ともかく、ギリシアの信用は傷つき、投資者の不信を招き投機業者の標的となった。ベルギーの財務担当大臣は、「信用性はいくつかのレベルでゆらいでいる。ギリシア政府のレベルでも、数字を確認しなかったEUとユーロ圏のレベルでも。」と指摘している。
EUとユーロ圏の根本問題は、相互信頼にもとづくシステムであって、歯止めもなく、監視の機関もなく、IMFのような決定の権限ももっていないことである。なにしろ、EU諸国では介入主義をとるのは好まれておらず、友人国間のちょっとした調整が好まれているのである。

<コメント>
ギリシアの軍事支出はEUのなかで最も多く、NATOのなかでもアメリカに次ぐ。キプロス問題が抱えているため、トルコと軍備拡大競争をくり広げている。80年代末にはGDPの5%であったが、現在でもNATO加盟の欧州国の平均支出1,7%に対し、ギリシアは2,8%の支出をしている。
ギリシアは大変な危機状態に陥っているのに、提携していたゴールドマン・サックスは悠々と生き延び続けている。日本でも、郵貯の資金をアメリカの投資銀行につぎ込んだりしたら、ろくなことにはならない可能性がある。
資金力があり経済危機の管理に熟達しているIMFに処理をまかせてはどうかという話も出ているが、EU機構にとっては大幅なイメージダウンになるので、この方向にすすむことはまずないということのようだ。
ドイツがEUの経済的規制を厳格化すべしと主張するのはもっともなことだが(アメリカには危機的状況になってもFRBのような強い金融統制の機構がある)、結局、最終的に巨額の負債のツケを払わされるのは、EU諸国であるよりも、ギリシアの一般庶民であるということになるのではないでしょうか。
 

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