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産経・FNN合同世論調査 「96条改憲」が反対多数
http://www.asyura2.com/09/kenpo3/msg/391.html
投稿者 gataro 日時 2013 年 4 月 24 日 09:52:53: KbIx4LOvH6Ccw
 

赤旗政治記者 @akahataseiji 1時間


【今日の赤旗】憲法96条改定で改憲発議要件を各議院の総議員の3分の2以上から「過半数」に改め、本丸の憲法9条に切り込むのが改憲派の狙い。その憲法96条改定に「反対」が44.7%で、「賛成」42.1%を上回る世論調査結果が出た。しかも23日付「産経」掲載(続

(産経)憲法96条改定は国政の最大焦点の一つなのに、「反対」が「賛成」を上回った世論調査結果を前に、「産経」は記事の見出しにもとれず。「憲法96条改正 参院選前の提出を進めよ」(14日付)と猛然と旗を振り自民党・安倍内閣の応援団となってきた「産経」だけに悔しさにじむ(了

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<参照>

【産経・FNN合同世論調査】 「憲法改正、参院選の争点になる」64%
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130422/stt13042214220003-n1.htm

> また、憲法96条を改正し、衆参両院で改憲発議に必要な条件を「3分の2以上」から「過半数」に緩めることには44・7%が「反対」で、「賛成」の42・1%をわずかに上回った。

 

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コメント
 
01. 2013年4月24日 10:54:03 : JfFbs5hoTk

いつまでも武装解除のままでいたい、平和主義者、

 ま、日本の武装解除は、中国韓国にとってすんごい好都合だけんじょね

 もしかしたら金とか貰ってるんじゃなぃか


02. 2013年4月25日 01:10:29 : FbjczRbdBA
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33rd (April 24): Mataichi Seiji member

I saw it Buttsuke the constitutional issue to Prime Minister Abe in the House of Councillors Budget Committee

I saw it Buttsuke the constitutional issue to Prime Minister Abe in the House of Councillors Budget Committee on April 23. Overview, in exchange, such as the following, it was visible and sesame substitution answer.

Recognition in the Constitution of constitutionalism (Mataichi) Prime Minister.

And (Abe) constitutionalism, in the basic idea of ​​modern constitution the people serving as sovereign is based on the intention, we have established the nature of state power exercised in the Constitution, to guarantee the human rights of the people, the Constitution and its position 's.

If you (Mataichi), the chief executive, Prime Minister of political power to defend the Constitution, to express "to amend the Constitution, to change the Article 96," said, violate the Constitution respect advocacy obligation of 99 Article Constitution, What do respond to harsh criticism of the thing that causes the rope to rope thief.

S (Abe) beside the point. As president of the Liberal Democratic Party decided to "constitutional reform draft", Article 96 amendment also because it is one of them, I have expressed in the position of president.

(Mataichi)'s what it til oak. Be expressed as "work in Article 96 as amended Cabinet", and he says that it is violation of Article 96.
Are you two-thirds of both houses the initiative requirements of the amendment is because avoid that you can initiative easily with only the ruling party has won a majority of the National Assembly, it is the procedure that has been taken but many countries.

Also wants people (Abe) of 60% would like to amend the Constitution, it's can not be revised third of parliamentarians when opposed to a problem.

Often revision has been carried out, such as the United States and Germany with (Mataichi) the amendment procedure strict equivalent to Japan. It is a nation in whether desperately needed how much the contents of the amendment, rigor of the revised procedure is not an issue. It is intended to loosen the tie Article 9 of the "renunciation of war", and oriented to "a country that can be war", so most of the constitutional theory of Japan so far, has not asked the constitutional amendment like this a lot of people 's.

(The 24th Social Democratic Party Secretary General Mataichi Seiji April 2013)

You can see the pattern of the Budget Committee in the "House of Councillors Internet TV".
> April 23> Budget Committee> Mataichi Seiji 2013
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/33mataichi.htm
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第34回(4月25日):吉田ただとも 議員

「立憲フォーラム」結成

http://www5.sdp.or.jp/news/images/130424/130424-2.jpg

 25日、日本国憲法を巡る状況に危機感を持つ、社民党、民主党、みどりの風、無所属議員が集まり、「立憲フォーラム」が結成されることになりました。

 これまで、国会内では、96条改憲等、「憲法改正」に積極的な議員グループの動きが目立っていましたが、やっと私たちと考えの近い横断的な議員グループが組織されることになりました。

 結成後は毎週水曜日の夕刻集まって活動していくことになります。また、他の政党の議員にも幅広く呼びかけることにしています。近々ホームページも立ち上げる予定ですので、是非ご覧いただいて、ご意見や要望等をお寄せいただき、応援してください。

(2013年4月25日 社民党政審会長 吉田忠智)

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/34tadatomo.htm

「憲法改悪をゆるすな!」社民党集会
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=eeh8Tp6HkJ8


03. 2013年4月25日 05:26:30 : JfFbs5hoTk

護憲勢力ってのは、中国韓国と同じ歴史認識をもって、
日本を敗戦国のまま手足を縛るのに躍起だね。

そそらく金もらってるんじゃないか? 管や野豚が国会で朝鮮飲みを
やったように、中国韓国とはズブズブだわなぃにょか。

反日とは 言い得て妙だな

中国の工作員勢力、それが護憲派だ。

  そのうち尖閣は中国のもんって言い出すんちゃうか?


04. 2013年4月25日 22:41:00 : VE4oLqKEgs
2013.04.25 ストップ改憲!!96条「改正」反対(清刷・PDF)
http://www5.sdp.or.jp/publicity/images/bira130425.pdf

05. 2013年4月27日 09:20:52 : JfFbs5hoTk

いつまでも占領憲法にしがみつく糞共が多いね、ったく。

治安維持法作って、全員牢屋にぶち込め、


06. 2013年4月27日 20:04:47 : 6eJYETO2fI
自分が戦争に行ってもいい。人殺しになって人を殺してもいい、あるいは我が子を戦場に送りこんで戦死させてもいい、という奴から改憲に賛成してくれ。自分以外の誰かや、他人の子にやらせればいいという卑怯な考えだけはやめろよ。

07. 2013年4月28日 04:12:23 : JfFbs5hoTk

改憲といえば戦争かぃ

頭おかしい。


08. 恵也 2013年4月28日 12:42:08 : cdRlA.6W79UEw : US0Jm7Diuk
>>01 いつまでも武装解除のままでいたい、平和主義者、

言葉を誤魔化さないでください。
俺は平和主義者ではあるが、武装解除主義者ではない。

数千年後に日本も武装解除できるかも知れんが、今の環境では無理。
平和主義者とは平和を何よりも大切にする人のことで、決して無抵抗の
強者に隷属する人のことではありません。

俺の友人に武装解除主義者はいるけど、外国の侵略には竹やりを持ってでも
戦うという考えだ。

俺は現在に自衛隊の戦力で十分、平和な日本でいることができるという思想。
憲法9条が禁止してるのは、外国で戦い、武器を供給し、出兵する戦力であり
自衛隊が国内にいる限りは憲法違反ではない。

>>03 そのうち尖閣は中国のもんって言い出すんちゃうか?

尖閣は日清戦争のドサクサに内緒で手に入れた無人島であり、火事場泥棒。
正式に戦争で手に入れた台湾などは、第二次大戦を止めるときに中華民国
に返すという約束で戦争を終わりました。

火事場泥棒で手に入れた無人島を、相手が気がつかなかったからといって
俺のものだというのでは日本には貿易立国なんて無理だよ。
カイロ宣言を受理したのだから、誠実に守って返すのが当たり前だ。

ーーーーー引用開始ーーーーーー
満洲、台湾及澎湖島の如き日本国が清国人より盗取したる一切の地域を
中華民国に返還することに在り 日本国は又暴力及貪欲に依り日本国の
略取したる他の一切の地域より駆逐せらるべし
(カイロ宣言より)

>>06 改憲に賛成してくれ。

俺は96条改正には賛成してる。
今のままじゃ憲法が機能不全になってしまった。


09. 2013年4月28日 23:42:12 : 6eJYETO2fI
>>07

だってそうだろ?他に何がある?
親分のお伴をして「鬼退治」に行かなきゃだから。

でなきゃ、基本的人権の否定?国民の奴隷化?
そんなものは近代憲法には入れられないよ。w


10. 2013年4月29日 22:15:52 : VqA8JTHgt6
【国家安保基本法 集団的自衛権行使が現実のものに】

 安倍首相は、参院選で改憲の是非を争点化する姿勢を明確にした。改憲手続きを緩める96条改正を公約の柱の一つに据えるとするだけでなく、9条改憲の意図も公言するようになった。

 しかも、9条明文改憲を待たずに、年末の防衛大綱再改定をめどとして、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行なうとしていることは、極めて重大だ。

 集団的自衛権問題で言えば、自民党が新改憲案公表後の昨年7月に概要を取りまとめた「国家安全保障基本法案」に注目する必要がある。この法案の取り扱いが憲法解釈見直しのプロセスとどう絡むかについては未確定な部分があるものの、国家安保基本法は集団的自衛権行使のいわば手続き法としての性格を持っており、同法および他の関連法制定は「下位法による下克上・クーデター」の完成型として、9条の有名無実化を決定づけるものだからだ。

 国家安保基本法案は10条で、「わが国と密接な関係にある他国に対する、外部からの武力攻撃が発生した事態」において、国連安保理への報告、「その国に対する攻撃がわが国に対する攻撃とみなしうるに足る関係性」の認定、当該国からの支援要請などを要件として、(集団的)自衛権を行使する(集団自衛事態)のだという(こうした規定を置く目的は「自動参戦国化」の実態を隠すためだと見るべきだろう)。また11条では国連集団安全保障の、さらに多国籍軍型の武力行使への参加について規定する。そして自民は、これらについては別途、集団自衛事態法や国際平和協力法の制定を予定するとしている。

 もちろん、これだけではない。関連法として挙げられているものの中には日本版NSC(国家安全保障会議設置法)もある。このNSCが実際に機能するためには、秘密保全法制整備がセットで行なわれなければならないことは、政府も公然と認めている。その秘密保全法は、自民党改憲案の新9条の2の4項、国家安保基本法の3条3項の軍事機密保全規定が裏打ちするという構造となっている。

 かくも明らかなように、自民党はすでに、「戦争のできる国」の法体系の構想を用意しており、ここに触れたのはその一端にすぎないのだ。来る参院選で問われているのは、単に首相が言うような「憲法改正のリアリティ(現実性)」にとどまるのではなく、「戦争のできる国」のリアリティであることを、私たちは肝に銘じなければならない。

(社会新報5月8日号・主張より)

https://www.facebook.com/SDP.Japan/posts/454784981272460


11. 2013年4月29日 23:42:11 : JfFbs5hoTk

戦争ができない国にしたのは、どこの国か? アメリカではないか。

それで良いのか、ん?

 是が非でも、戦争の出来る国にせにゃイカン!

 支那朝鮮からなめられる。



12. 2013年4月30日 02:37:19 : 3PJAqRzx3M
>>01
すでに自衛隊があるだろ。
それに96条改正反対の人が9条改正反対かどうかわからない。
また、自衛力を持つのは合憲というのが政府解釈。かなり曲芸で
危なっかしいが。である以上、改正反対であっても必ずしも武装解除ではない。
とっくの昔に武装解除はやめてるだろ。


13. 2013年4月30日 13:45:30 : eNIDGgsUwM
https://fbcdn-sphotos-c-a.akamaihd.net/hphotos-ak-ash3/943492_455033417914283_832548462_n.jpg
■【憲法コラム】社民党参議院議員 福島みずほ

《憲法24条は、家族のなかの個人の尊厳と男女平等を規定している。》

 憲法24条は、家族のなかの個人の尊厳と男女平等を規定している。自民党は、この一項に次の文章を入れるという改憲案を発表している。「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わねばならない」。自民党のQ&Aを読むと「昨今、家族の絆が薄くなっていると言われています」とある。

 2005年に発表された自民党新憲法起草委員会小委員会要綱は、24条について、「国民は夫婦の協力と責任により、自らの家庭を良好に維持しなければならない」「国民は自己の保護下にある子どもを養育する責務を有するとともに、親を敬う精神を尊重しなければならない」と変えるべきだとしている。

 結局、自助の強調であり、家族のなかの親子の扶養義務を強調し、子育てや介護の責任をもう一度家族に押しつけることになるのではないか。家族は互いに助け合えと国から説教され、命じられる筋合いはないと考える。

(2013年4月30日 社民党 党首 福島みずほ)
https://fbcdn-sphotos-c-a.akamaihd.net/hphotos-ak-ash3/943492_455033417914283_832548462_n.jpg
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=455033417914283&set=a.431393130278312.1073741828.431323206951971&type=1
https://www.facebook.com/SDP.Japan

14. 2013年4月30日 17:03:44 : JfFbs5hoTk

福島みずほって、日本の軍備反対とか、中国に都合の良いことばかり言うね、
銭もらってるのじゃねぇか。


15. 2013年5月01日 02:35:50 : eNIDGgsUwM
憲法シリーズ6 黒澤いつきさん:「紙芝居でよく分かる、憲法改悪」
http://www.youtube.com/watch?v=acH_Q2DsI7E&list=FL7lQvEVpMkDDJRPllASALFQ&index=1

16. 2013年5月01日 11:03:59 : zdmQ7KR69g
第38回(4月30日):福島みずほ 議員

憲法24条は、家族のなかの個人の尊厳と男女平等を規定している。

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/img/37mizuho.jpg

 憲法24条は、家族のなかの個人の尊厳と男女平等を規定している。自民党は、この一項に次の文章を入れるという改憲案を発表している。「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わねばならない」。自民党のQ&Aを読むと「昨今、家族の絆が薄くなっていると言われています」とある。

 2005年に発表された自民党新憲法起草委員会小委員会要綱は、24条について、「国民は夫婦の協力と責任により、自らの家庭を良好に維持しなければならない」「国民は自己の保護下にある子どもを養育する責務を有するとともに、親を敬う精神を尊重しなければならない」と変えるべきだとしている。

 結局、自助の強調であり、家族のなかの親子の扶養義務を強調し、子育てや介護の責任をもう一度家族に押しつけることになるのではないか。家族は互いに助け合えと国から説教され、命じられる筋合いはないと考える。

(2013年4月30日 社民党参議院議員 福島みずほ)

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/38mizuho.htm

第39回(5月1日):又市征治 議員

「英霊に尊崇の念を表する」なら憲法を護れ!

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/img/38mataichi.jpg

@ 安倍首相は24日の参院予算委員会で、麻生副総理ら閣僚3人が靖国神社を参拝したことに中国や韓国が反発していることに関して、「国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前だ。わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない。」と述べた。

 そもそも靖国神社は、過去のアジア侵略戦争を正義の戦争、アジア解放の戦争だったと宣伝し美化する特殊な神社だ。だから日本の侵略や植民地支配で甚大な被害を受けた国の人々が強い嫌悪感を持ち、日本政府要人の靖国参拝に反感を持つことは当たり前だ。領土問題で両国との関係が悪化している今日、麻生副総理らがあえて参拝を強行してさらに関係を悪化させたことは、児戯にも等しい愚行である。

A そうした両国の反発や心情に配慮することもなく、逆にそれを「脅かし」だと強気に対応する安倍首相の政治姿勢は、外交的・政治的配慮を欠いた偏狭な国家主義者という他ない。こんなことで、北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題に両国と緊密な連携を構築できようはずもない。彼らの常套語である「国益」を安倍首相自ら損なっているのだ。

B 戦後、日本国民は、戦前の為政者・政治権力が第二次世界大戦を引き起こし300万人以上の国民とアジアで2000万人以上の尊い命を奪い、そしてついには日本自身を破局に追い込んだという深刻な反省の上に、新しい憲法に国民主権、基本的人権の尊重とともに恒久平和(第9条の「戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認」)を盛り込み、政治権力にこれを義務付けたのである。

 しかし、安倍首相ら偏狭な国家主義者たちは、これが気に食わないからと、政治権力を縛る憲法を逆に国民を縛るものに変え、憲法9条を改悪して「国防軍」を持ち、米軍と「集団的自衛権を行使」を認めて戦争のできる国に転換しようというのである。これが、安倍氏のいう「戦後レジーム(体制)からの脱却」の真意である。

 もし本気に「英霊に尊崇の念を表する」というのであれば、憲法三原則をさらに深化、実現することが筋道ではないか。

(2013年5月1日 社民党参議院議員 又市征治)

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/39mataichi.htm


17. 恵也 2013年5月01日 17:23:36 : cdRlA.6W79UEw : 5dCtorDF9M
>>14 福島みずほって、日本の軍備反対とか、中国に都合の良いことばかり言うね、

この人は軍産複合体の都合の悪いことばかりを言うだけだ。
軍事力だけでは日本が守れないことを知ってるからだよ。
安部晋三総理は軍事力に頼りすぎ。

日本が軍事力で朝鮮を併合し、満州を手に入れ、中国と戦争して
泥沼に引き釣り込まれた歴史を日本のために少しは勉強しなさい。
今はアメリカが軍事力に頼ってるけど・・・・・

ーーーーー引用開始ーーーーーー
軍需企業も上位20位のうち、アメリカの企業が過半数を占めている。

退任演説の中で「アメリカは軍産複合体が力を持っている」から気をつける
ようにと演説したのは、軍人から大統領になったアイゼンハワーです。

爾来40年あまり、アイゼンハワーはいったいこのような状況をどんな思い
で天国から見つめているのか……?
◇世界各国の軍事費 (単位:ドル) 
  1位 アメリカ………………2946億
  2位 ロシア…………………588億
  3位 日本……………………444億
  4位 中国……………………411億
  5位 フランス…………………342億
  6位 イギリス…………………338億


18. 2013年5月01日 21:27:14 : zdmQ7KR69g
2013年4月18日/社民党第53回常任幹事会
自民党「日本国憲法改正草案」全文批判(案)
■はじめに
2012年4月27日、自民党は「主権回復60年」に向けて「日本国憲法改正草案」(以下
「改正草案」)を決定・発表した。すでに自民党は2005年11月22日の結党50周年党大
会で「新憲法草案」(以下「旧草案」)を発表していたが、今回の「改正草案」は、こ
の「旧草案」の再検討や補強の範囲を大きく超えた内容となっている。天皇の元首化
や「国防軍」の設置、緊急権条項、国旗・国歌の尊重義務化など、05年の「旧草案」で
は現実可能性に配慮し控えられといわれる復古的な要素が全面的に取り入れられたの
が特徴だ。
「旧草案」は、作成時に検討された「国柄」、「国旗・国歌」、「天皇の元首化」、「国
防の責務」、「家族の保護」などのあからさまな表現が抑えられ、首相公選制導入、
二院制の見直し、憲法裁判所の設置、国家緊急権の創設などの大きな改編にも踏み込
まなかった。実現可能性や他党への配慮を優先させたためと考えられた。
今回の「改正草案」は、自民党が野党時代に政権から離れた自由な立場で、国民同
意や他党の同調の得やすさを考慮せずに作られたため、むしろ自民党の「本音」を素
直に反映した内容となっている。今回、自民党の目指す改憲の方向性を明らかにする
ために、この「改正草案」の全文を検討することとした。なお、「改正草案」の理解の
ため、2012年10月に自民党憲法改正推進本部が発行した『日本国憲法改正草案Q&A』
(以下「Q&A」)の解説を参考にした。
※「新憲法草案」(旧草案)までの経緯
04年6月に公表された自民党憲法調査会憲法改正プロジェクトチーム「論点整理」以降、同
年11月には同党憲法調査会憲法改正案起草委員会「憲法改正草案大綱(たたき台)」(※中谷元委
員長が自衛隊幕僚幹部に協力を依頼していたことが発覚するなどして白紙撤回)、05年4月に
「新憲法起草委員会各小委員会要綱」、05年7月「新憲法起草委員会・要綱第一次素案」、同8月
「新憲法第1次案」、同10月「新憲法第2次案」と積み重ねられてきた自民党の改憲に向けた取り
組みの一つの到達点が、2005年11月22日の結党50周年党大会で発表された「新憲法草案」であ
る。自民党が具体的な条文案としてまとめたのはこれが初めて。
・1999年7月29日憲法調査会設置のための国会法改正案が成立
・2000年1月20日衆参両院に憲法調査会設置
・2005年11月22日自民党が「新憲法草案」発表
・2005年9月22日衆院に憲法調査特別委員会設置
・2007年1月25日参院に憲法調査特別委員会設置
・2007年5月18日憲法改正国民投票法の公布
・2007年8月7日衆参両院に憲法審査会設置
・2010年5月18日憲法改正国民投票法の全面施行
・2011年10月20日衆参両院の本会議において、憲法審査会委員を選任
・2012年4月27日自民党が「日本国憲法改正草案」発表
- 2 -
■“不戦の誓い”から“愛国心”へ
日本国憲法自民党「改正草案」
日本国民は、正当に選挙された国会における代日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、
表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のた国民統合の象徴である天皇を戴く国家であっ
めに、諸国民との協和による成果と、わが国全土て、国民主権の下、立法、行政及び司法の三
にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の権分立に基づいて統治される。
行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないや我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大
うにすることを決意し、ここに主権が国民に存す災害を乗り越えて発展し、今や国際社会にお
ることを宣言し、この憲法を確定する。そもそもいて重要な地位を占めており、平和主義の下、
国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と
その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表繁栄に貢献する。
者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持っ
する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、て自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、
かかる原理に基くものである。われらは、これに和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合っ
反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。て国家を形成する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土
関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであと自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振
つて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し興し、活力ある経済活動を通じて国を成長さ
て、われらの安全と生存を保持しようと決意した。せる。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永
狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際く子孫に継承するため、ここに、この憲法を
社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。制定する。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏
から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する
ことを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに
専念して他国を無視してはならないのであつて、
政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法
則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対
等関係に立たうとする各国の責務であると信ず
る。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげて
この崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
前文は憲法の「顔」である。そして、国際協調主義、平和的生存権など憲法の根本
理念を条文と一体となって形成している全体の一部であり、前文と本文は不可分な一
体をなしている。以前から改憲論者は、憲法前文を「翻訳調である」、「正しい日本
語で書き直すべき」、「格調が低い」などと批判してきたが、こうした感覚的、非論
理的な理由で、すでに国民の間に定着している憲法前文を変える必要はまったくない。
しかし、今回の「改正草案」では、「日本語として違和感があり」、「内容にも問題」
がある(Q&A)として、前文の全文を完全に書き換えた。すでにこの「前文」に自民
党の狙いがにじみでているのである。
その特徴の第1は、自主憲法であることの確認である。まず、自主的に新しい憲法
として制定されることを宣言し、現憲法との継続性を断ち切ろうとする。そもそも「改
社社社社社社社社13/04/24
- 3 -
正草案」前文には、改正の理由や改正憲法の由来が示されておらず、なぜ「改正」す
るのか、何を目的とした「改正」であるのかもわからない。
第2は、権力制限規範としての憲法の変質をはかり、立憲主義を放棄しようとして
いることだ。日本国憲法前文の「国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、そ
の権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民が
これを享受する」という記述はあとかたもなくなり、「日本国は…(略)天皇を戴く
国家であって、(略)三権分立に基づいて統治される」と、主語が「日本国民」から「天
皇を戴く」国家に変わる。国民を主語にした国民の信託に基づく権力行使という政治
体制から、国家が自由に権力を行使する政治体制への変質をはかりたいという本音が
かいま見える。「改正草案」は憲法の目的を「良き伝統と我々の国家を末永く子孫に
継承する」こととしており、近代立憲主義における権力制限規範としての憲法は国民
統合規範に転換される。あわせて「人類普遍の原理」や「政治道徳の法則」を削除す
ることで社会契約論を否定し、近代立憲主義の系譜からの逸脱さえ宣言している。
第3は、平和主義の破壊である。「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こるこ
とないやうにすることを決意し」た過去の戦争への深い反省や不戦を誓う文言はすっ
かり抜け落ち、戦争の巨大な被害と加害の果てに獲得した平和憲法の理念を守ろうと
いう決意は微塵もみられない。日本国憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義
に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう」という深い決意は「平和主義」とい
う平板な単語に押し込まれた。「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、
平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という「平和的生存権」の規定
も削除されている。
第4は、「自由」の後景化である。日本国憲法前文が「わが国全土にわたって自由
のもたらす恵沢を確保し」と絶対の前提としている「自由」が、「改正草案」では「自
由と規律を重んじ」となり、「規律」と並立する枕詞と化している。
第5は、愛国心の規定である。「改正草案」は、国民が「国と郷土を誇りと気概を
もって自ら守」ることを求める。第九条の改正とあわせて、「国を守る義務」と明記す
ると「徴兵制について問われることなる」(Q&A)ために明記しなかったとのことである
が、こうした本音がにじみ出ている。まさに「語るに落ちる」といわざるをえない。
一見、シンプルに整理しただけとも見える「改憲草案」前文であるが、改憲派の狙い
が余すことなく盛り込まれている。自民党の目指す「憲法改正」の狙いは、前文を見る
だけで明らかなのである。
■天皇制――天皇の元首化と国旗・国歌の明文規定
日本国憲法自民党「改正草案」
第一章天皇第一章天皇
(天皇)
第一条天皇は、日本国の象徴であり日本国民統第一条天皇は、日本国の元首であり、日本国及
合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主
本国民の総意に基く。権の存する日本国民の総意に基づく。
(皇位の継承)
第二条皇位は、世襲のものであつて、国会の議第二条皇位は、世襲のものであって、国会の議
決した皇室典範の定めるところにより、これを継決した皇室典範の定めるところにより、これを継
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承する。承する。
(国旗及び国歌)
【新設】第三条国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。
2 日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければな
らない。
(元号)
【新設】第四条元号は、法律の定めるところにより、皇
位の継承があったときに制定する。
第三条天皇の国事に関するすべての行為には、
内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任
を負ふ。【→新六条4】
(天皇の権能)
第四条天皇は、この憲法の定める国事に関する第五条天皇は、この憲法の定める国事に関する
行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。行為を行い、国政に関する権能を有しない。
A天皇は、法律の定めるところにより、その国事【削除】
に関する行為を委任することができる。【→新
六条】
第五条皇室典範の定めるところにより摂政を置【削除】
くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する
行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を
準用する。【→新七条】
(天皇の国事行為等)
第六条天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理第六条天皇は、国民のために、国会の指名に基
大臣を任命する。づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づ
A天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長いて最高裁判所の長である裁判官を任命する。
たる裁判官を任命する。
第七条天皇は、内閣の助言と承認により、国民2 天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関す
のために、左の国事に関する行為を行ふ。る行為を行う。
一憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。一憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二国会を召集すること。二国会を召集すること。
三衆議院を解散すること。三第五十四条第一項の規定による決定に基づい
て衆議院を解散すること。
四国会議員の総選挙の施行を公示すること。四衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選
挙の施行を公示すること。
五国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任五国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務
免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を員の任免を認証すること。
認証すること。
六大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権六大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権
を認証すること。を認証すること。
七栄典を授与すること。七栄典を授与すること。
八批准書及び法律の定めるその他の外交文書を八全権委任状並びに大使及び公使の信任状
認証すること。並びに批准書及び法律の定めるその他の外交
文書を認証すること。
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九外国の大使及び公使を接受すること。九外国の大使及び公使を接受すること。
十儀式を行ふこと。十儀式を行うこと。
【現四条A→】3 天皇は、法律の定めるところにより、前二
項の行為を委任することができる。
【現三条→】4 天皇の国事に関する全ての行為には、内閣
の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。
ただし、衆議院の解散については、内閣総理
大臣の進言による。
【新設】5 第一項及び第二項に掲げるもののほか、天
皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が
主催する式典への出席その他の公的な行為を
行う。
(摂政)
【現五条→】第七条皇室典範の定めるところにより摂政
を置くときは、摂政は、天皇の名で、その国
事に関する行為を行う。
【現五条→】2 第五条及び前条第四項の規定は、摂政につ
いて準用する。
(皇室への財産の譲渡等の制限)
第八条皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財第八条皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財
産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の産を譲り受け、若しくは賜与するには法律で定め
議決に基かなければならない。る場合を除き、国会の議決を経なければならない。
「旧草案」の際は、「天皇の権能」や「国事行為」について整理した程度で、現憲法の規
定をほぼ踏襲するにとどめていたが、今回の「改正草案」では天皇を明確に元首として
位置づけた。「Q&A」は「…天皇が元首であることは紛れもない事実」であるので、そ
れを明記したと説明しているが、これは事実ではない。天皇には形式的・儀礼的行為
しか認められておらず、日本の元首は内閣または内閣総理大臣とするのが憲法学上の
多数説である。元首と明記することは、天皇の権能を実質化・拡大化させるおそれが
あり、ひいては天皇主権に回帰し、国民主権を弱めることにつながりかねない。
※元首の要件と憲法学上の多数説
「元首の要件で特に重要なものは、外国に対して国家を代表する権能(条約締結とか大使・
公使の信任状を発受する権能)であるが、天皇は外交関係では…形式的・儀礼的行為しか憲法
上は認められていない。したがって、伝統的な概念によれば、日本国の元首は内閣または内
閣総理大臣ということになる(多数説)」(芦部信喜『憲法』)
「…わが国では、元首という概念それ自体が何らかの実質的な権限を含むものと一般に考
えられてきたので、天皇を元首と解すると、認証ないし接受の意味が実質化し、拡大するお
それがあるところに、問題がある」(同)
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さらに、国旗・国歌について明文の規定が加った。「Q&A」によれば「国旗・国歌は一
般に国家を表象的に示すいわば『シンボル』であり、また、国旗・国歌を巡って教育
現場で混乱が起きていることをふまえ、三条に明文の規定を置く」ことにしたとのこ
とである。
この規定は、結果的に国旗・国歌の尊重義務を国民に課することにつながり、日の
丸・君が代を通じて国家に対する忠誠を求める根拠となるおそれがある。ひいてはか
つての、不敬罪のような刑罰をもって天皇や国旗・国歌の尊重・忠誠を強制される可能
性すら否定出来ない。仮に多くの国民が日章旗を国旗・君が代が国歌と感じていたと
しても、権力制限規範であるべき憲法で規定すべきことではない。立憲主義の原理か
らして、国民に対する義務を明記することには抑制的でなければならないのである。
かつて「日の丸」が天皇のために戦う旗印であったことを否定的に感じていたり、君
が代は天皇の世が永く続くように願う歌として戦前の軍国主義と結びついて考える人
も少なくない。そのような考えを持つ人が現にいる以上、その思想・信条を尊重する
ためにこそ、憲法が思想・良心の自由を保障する必要がある。人権を保障する真の意
義は、少数派の自由を守ることにあるのである。
教育現場での混乱は行政の対応によって収束させるべき問題であり、憲法に国旗・
国家条項を設けることによって解決すべき問題ではない。
また、「元号」に関する規定が新設されている。「Q&A」も述べているように、内容
としては元号法(昭和54年法律43号)と同内容であり、あえて憲法に書き込む必要があ
るとは思われない。現在、元号の運用に支障はなかったにもかかわらず憲法条項に格
上げした理由は、元号と密接に関連する天皇制を強化し、国民主権を後退させる意図
があるのではないかと邪推もできる。そもそも、天皇制を支持したり元号を用いるか
どうかは、個々人の内心の問題であり、憲法で一律に定める問題ではないのである。
「改正草案」第五条は、現憲法第四条が「国事に関する行為のみを行ひ」としているも
のから、「のみ」という限定をはずした。わずか2文字削るだけだが、天皇の行為を限
定する思想が後退し、天皇の権能強化と国民主権の後退を志向する「改正」と言わざる
をえない。
同様に、現憲法第七条が天皇の国事行為について内閣の「助言と承認」が必要と定め
ているものを「改正草案」第六条4項は、天皇の国事行為について内閣の「進言」を必要
と変更した。「Q&A」によれば従来の「助言と承認」が一体的に行われるもので違いは
ないとしているが、「進言」は本来目上の者に対して意見を述べることであり、天皇と
内閣の間に上下関係を持ち込むものである。
さらに「改正草案」第六条5項では、天皇が国事行為以外に、「公的行為」を行なうこ
とが明記された。現憲法には天皇の公的行為の規定はないが、解釈として認めるのが
憲法学上の多数説であり、現状で何ら不都合は生じていない。なお、多数説は公的行
為を解釈上認める際に、「公的行為」の名の下に天皇の権能が拡大しないように国事行
為に準じた内閣によるコントロールを必須としているが、「改正草案」は公的行為を明
文化する一方で、第六条4項と異なり内閣の「進言」を求めない。機能を明文化して確
認するだけで内閣による手続的関与は明記しないのである。公的行為が無限定に行な
われるおそれもあり、運用次第で天皇の政治利用につながる危険も否定出来ない。
最後に、現憲法第八条は「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、
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若しくは賜与する」際には国会の議決を求めているが、「改正草案」第八条では「法律で
定める場合」をこの制限の対象から外している。ひとたび法律を作れば国会の議決な
しに財産譲渡が可能となる。
このように、「改正草案」の全体を通じて天皇の地位を強め、その機能を強化するト
ーンで一貫しているのである。
※改憲派憲法学者・小林節慶応大学教授へのインタビューから
「国旗・国歌は国の象徴、いわば国民の人格の一部なんです。日の丸はともかく『君が代』
は天皇賛美歌として用いられた記憶があり、反対論もある。国民的合意がないのに『憲法に
書けば勝ち』じゃない」(毎日新聞2013年4月9日夕刊「特集ワイド」より)
■戦争の放棄――武力の否定から、「武力による平和」に転換
日本国憲法自民党「改正草案」
第二章戦争の放棄第二章安全保障
(平和主義)
第九条日本国民は、正義と秩序を基調とす第九条日本国民は、正義と秩序を基調とす
る国際平和を誠実に希求し、国権の発動たるる国際平和を誠実に希求し、国権の発動とし
戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、ての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力
国際紛争を解決する手段としては、永久にこの行使は、国際紛争を解決する手段としては
れを放棄する。用いない。
A前項の目的を達するため、陸海空軍その他2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるもの
の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、ではない。
これを認めない。
(国防軍)
第九条の二わが国の平和と独立並びに国及
び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣
を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行す
る際は、法律の定めるところにより、国会の
承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行す
るための活動のほか、法律の定めるところに
より、国際社会の平和と安全を確保するため
に国際的に協調して行われる活動及び公の秩
序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を
守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織
及び統制及び機密の保持に関する事項は、法
律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその
職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関す
る罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の
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定めるところにより、国防軍に審判所を置く。
この場合においては、被告人が裁判所へ上訴
する権利は、保障されなければならない。
(領土等の保全等)
第九条の三国は、主権と独立を守るため、
国民と協力して、領土、領海及び領空を保全
し、その資源を確保しなければならない。
この間の改憲論議の最大の核心が第九条問題であり、第九条改憲が本丸中の本丸で
あることは疑いようがない。「改正草案」は05年の「旧草案」よりさらに二歩も三歩も踏
み込んだ内容となっている。「改憲草案」の目指す第9条改憲の意味について、とくに
詳細に検討してみたい。
○タイトル:自民党「改正草案」は、現憲法第2章のタイトル「戦争の放棄」を「安全保障」
に変えた。一見大差ないようにも思えるが、ここには国の安全に関する本質的な発想
の転換が示されている。
現憲法は前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生
存を保持しようと決意」しているのであり、その具体的な中身が第九条で定めた戦力
の不保持と交戦権の否認であった。@宣戦布告や講和の規定がない、A国防義務や徴
兵制の規定がない、B国家緊急権の規定がない、C特別裁判所=軍法会議の設置が禁
止されている、といったことと第九条が相まって、日本国憲法は戦争を前提としない
規範構造となっている。戦争を放棄して、国民が平和的に生存する権利を定め、平和
的手段によって安全を確保する決意を示した平和憲法の中心がこの第九条である。
これに対して「安全保障」とは、「外部からの侵略に対して国家および国民の安全を
保障すること」(広辞苑)であり、伝統的な意味ではもっぱら軍事力の均衡や軍事同盟
よって外敵を抑止ないし撃退することである。第九条のタイトルの変更は、武力の否
定から武力行使を当然の前提とする「武力による平和の維持」へと発想を180度転換す
ることを示しているといえる。
○第九条第1項:そもそも現憲法第九条第1項は、1928年のパリ不戦条約の「締約国ハ
国際紛争解決ノ為戦争ニ訴フルコトヲ非トシ且其ノ相互関係ニ於テ国家ノ政策ノ手段
トシテノ戦争ヲ抛棄スルコトヲ其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ厳粛ニ宣言スル(第1条)」と
いう規定や、1945年の国連憲章の「すべての加盟国は、その国際関係において、武力
による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、
また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければなら
ない(第2条4項)」とした規定をなぞったものだ。
平和原則についての国際基準を確認したものであり、自民党「旧草案」でもそのまま
残されたものだ。今回の「改正草案」では、「基本的には変更しない」(Q&A)としながら、
現憲法では並列されている「国権の発動としての戦争」と「武力による威嚇」・「武力の行
使」を文脈的に切断し、「放棄する」が「戦争」のみに掛かり、国際紛争を解決する手段
としては「用いない」が「戦争」に至らない「武力による威嚇」と「武力の行使」のみに掛か
る形に「文章の整理」(Q&A)が行なわれている。
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これは、「放棄する」のが「国権の発動」としての「戦争」だけであることを強調し、「武
力による威嚇」や「武力の行使」を放棄せず、行使したいとの意思を明確にしたい趣旨
と考えられる。
○第九条第2項:不戦条約や国連憲章第二条第4項が戦争を違法化し、武力による威
嚇と行使を包括的に禁じたが、一方で「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国
に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持
に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものでは
ない(国連憲章第五十一条)」と規定し、自衛戦争を武力の保有を認めている。現代の
戦争や武力紛争のほとんどは「自衛」を名目にして行なわれており、「自衛」は戦争違法
化の努力の抜け穴となっているのである。
日本国憲法第九条第1項の平和原則は、国連憲章第二条第4項同様に、それだけでは
十分な実効性が期待できない。日本国憲法第九条は、第1項の平和原則と、「陸海空軍
その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」とした第2項の非武
装条項とが組み合わさってはじめて、武力依存への制約原理として機能してきたので
ある。
日本国憲法第九条第2項があったが故に、自衛隊は「戦力」ではないとされ、攻撃的
な兵器の保有を抑制され、専守防衛という制約を自らに課した。イラクへ派遣された
際も、武力行使はしない、「非戦闘地域」でしか活動できない、といった苦しい説明を
しなくてはならなかった。
日本の平和主義の核心は第九条第2項であり、第2項にこそその独自性と歴史的意義
があるといえるのだ。だからこそ、長年にわたって改憲派から目の敵とされ、自民党
「旧草案」は第2項を丸ごと削除したし、今回の「改憲草案」では逆に「自衛権の発動を妨
げるものではない」と明記し、第1項の平和原則の「抜け穴」の方を確認し、押し広げよ
うとしているのである。
○「改正草案」第九条の二:「改正草案」は現憲法の第1項と第2項を骨抜きにしたうえ
で、九条の二として新たに「国防軍」に関する5項目の規定を新設している。
・「改正草案」第九条の二の第1項は、「国防軍」の保持を明記した。これは自衛隊の名
称を変更し、現状を追認するだけの改定と見るべきではない。単に、自衛隊を憲法的
に認知するということであれば、従来の政府解釈でも自衛隊は合憲とされているので
あり、是非は別にしてそこまでさかのぼった「自衛隊否定論」が障害になることはほ
とんどないのであるから、あえて明文改憲をすること自体には実質的な意味はない。
形骸化しつつもこれまで、海外派兵の禁止、武器輸出禁止三原則、非核三原則、集
団的自衛権不行使、専守防衛といった軍事的に抑制的な政策を維持することが出来た
のは、自衛隊が普通の軍隊ではなく「自衛のための必要最小限度の実力組織」であった
ことが大きい。
さらに、国防軍の役割として「国及び国民の安全を確保するため」としているが、「国
民」よりも「国」を先に最初に置く表現からは、国民よりも国そのものを守ることを重
視する姿勢がかいま見える。
今回「改正草案」が、「旧草案」で「自衛軍」としていた名称を、「国防軍」とした背景に
は、「普通の軍隊」として現憲法下の政策の縛りを取り払いたいという狙いがあるだろ
う。自民党「Q&A」は、「独立国家としてふさわしい名称」(Q&A)とするためとしてい
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るが、このような感覚的な理由だけで憲法を改正する必要はない。
・「改正草案」第九条の二の第2項は、文民統制の規定である。しかし、広範な「国防軍」
の活動に対する統制の中身があまりにも漠然としている。例えば、ドイツ基本法では
「防衛上の緊急事態宣言」の権限は連邦議会にあり、その確定には連邦議会議員の投票
数の3分の2の多数、少なくとも連邦議会議院の過半数の同意が必要と定めている。多
くの国の憲法が開戦の権限を議会に与えるなど軍隊組織に対する議会の統制について
詳細に定めている。ところが「改正草案」では「法律の定めるところにより、国会の承
認その他の統制に服する」として、具体的な事項をすべて法律にゆだねてしまうので
ある。これは国会の多数派の意向が大きく働く余地があることを意味しており、憲法
による統制になっていない。国会の承認も義務とはされず、国会の承認以外に「その
他の統制」を認めている点でも文民統制が不徹底である。軍事というもっとも厳しい
取り扱いが求められる問題について、立憲主義的な統制を欠いていると言わざるをえ
ない。
・「改正草案」第九条の二の第3項は、国際協調と治安維持の任務を規定している。こ
こでいわれる「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活
動」の中身は不明であるが、国連憲章に基づく集団的安全保障活動にとどまらず、米
国が中心になって行なう軍事行動への参加も容認されることになるだろう。これこそ
が憲法改正の真の目的といえるかもしれない。
さらに、「公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行
うことができる」と定め、治安維持任務が明記された。「旧草案」では治安維持任務の
規定を「緊急事態における」と限定していたがこの記述は消えている。例えば、脱原発
を求めて官邸を囲むデモ隊を暴動と位置づければ、これを軍事的に制圧することも「改
正草案」では可能となりかねない。
これらの活動には国会の承認をはじめ、なんの統制も要件とされないのである。
・「改正草案」第九条の二の第4項は、「改正草案」第九条の二の第2項を補足し、「国防
軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項」を法律に委任することを定めている。
そもそも憲法が国家権力を制限する規範であることを考えれば、軍隊の組織や統制の
あり方を包括的に法律に委任することなど許されるはずがない。「旧草案」にはなかっ
た「機密の保持」が加わっていることにも注意が必要である。
・「改正草案」第九条二の第5項は、軍事行動や機密保持に係わる問題を、国防軍に設
置した特別の審判所で裁判を行うことを定めている。この「審判所」は、まさに軍事裁
判所であり、「軍法会議」の復活である。軍事機密に関する裁判において、その機密を
保持したままで審理が行われ、国民の知る権利が空洞化しかねない。特別裁判所の設
置を禁じた日本国憲法第七十六条A(「改正草案」第七十六条第2項にも同規定がある)、
公開裁判の原則を定めた日本国憲法第八十二条(「改正草案」第八十二条にも同規定が
あり)や裁判を受ける権利を定めた日本国憲法第三十二条(「改正草案」第三十二条にも
同規定あり)に反するおそれが強く、人権保障を大きく脅かすことになる。
○「改正草案」第九条の三:「改正草案」第九条の三では、国と国民に、「領土、領海及
び領空を保全し、その資源を確保」することを義務づけた。
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「旧草案」は前文で「帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る
責務」を規定したが、「改正草案」は直接的な表現では国防義務を明記していない。し
かし「Q&A」によれば、「党内では国を守る義務を規定すべきではないかという意見
が多く出されたが、その具体的内容として徴兵制について問われることになるので、
憲法上規定を置くことを避け、前文で『国を自ら守る』と抽象的に規定するとともに、
本条において、国が『国民と協力して』領土等を守ることを規定した」と説明してい
る。なんのことはない、領土、領海、領空、資源の確保を国に義務づけ、国民にその
協力を求めた本条の規定は、国民に国防を義務づけているのと同じでなのある。領土、
領海、領空に加えて「資源の確保」を明記したことから推測されるのは、近隣諸国との
覇権争いを念頭にあることも明らかだ。
○「改正草案」の目指す「国防軍」像:自民党の考える「国防軍」像は、「改正草案」の文面
とあわせて、「草案」に至る過程やこの間の議論を見れば明確である。すでに、新ガイ
ドライン以降、周辺事態法、テロ対策特措法、PKO法の改正、イラク特措法、有事
関連法制など、憲法第九条の理念に反する立法が積み重ねられ、自衛隊の活動領域は
実質的に「専守防衛」の範囲を大きく超えて拡大しつつある。残念ながら自衛隊はすで
に限りなく普通の軍隊に近づいているのである。ここでさらに憲法を変えなくては出
来ないことはただ一つ、「海外での武力行使」にほかならない。
自衛隊を、米軍と一体となって海外で武力行使ができる「本物の軍隊」とすること、
日本を戦前のような「普通の国」に戻すことこそが、第九条改憲勢力の目的にほかなら
ない。自衛隊がアメリカの戦略といっそうの一体化をはかり、米軍の期待に応え、世
界中で「武力行使」を行なうためには、武力行使を否定する憲法第九条第2項がどうし
ても邪魔なのだ。
いままさに進められている米軍基地の再編、基地の共同使用等による米軍・自衛隊
の機能の一体化、武器輸出三原則の緩和、海外派遣のための恒久法の制定などと、憲
法第九条改悪の動きを一体のものとして認識していく必要がある。なし崩しに進めら
れてきた自衛隊の「普通の軍隊化」を阻む最後の防波堤が憲法第九条なのである。
○許されない平和主義の破壊: 国際人道法は、1899年のハーグ平和会議以降、戦争
のルール化から戦争自体の違法化へ着実に進んできた。1920年の国際連盟規約、1928
年の不戦条約と歩んできた戦争違法化の潮流の一定の到達点が、自衛目的を除く加盟
国の武力行使を全面的に禁止した1945年の国際連合憲章である。日本国憲法は、第九
条第1項で国連憲章が到達した戦争違法化の原則を確認し、第九条第2項が戦力の不保
持を定めることで、これを徹底させ具体化させた。憲法第九条第2項こそが、自衛隊
の活動地域や装備を国土防衛の範囲に制限し、「専守防衛」の範囲に押さえ込んできた
最大の根拠である。
前文で「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する
権利を有することを確認する」と明確にうたい、第九条が不戦・戦力の不保持・交戦権
の放棄を明確に宣言したことを土台にして、すべての国民が個人として尊重され幸福
を追求する権利をもつことを規定した第十三条、すべての国民に健康で文化的な最低
限度の生活を営む権利を保障した第二十五条が存在し、これらによって日本国憲法は
すべての国民に「平和のうちに生きる権利」=平和的生存権を保障している。これこそ
が、戦争によって多くの命を失った代償として獲得したものであり、過去の歴史から
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学び取った日本の叡智というべきである。
「改正草案」が日本国憲法の核心部分である第九条第2項を破棄することは、「憲法の
同一性」を損なうものでありまさに憲法の平和主義の破壊である。憲法の基本原理す
なわち国民主権、基本的人権、平和主義について、その原理そのものを否定するよう
な変更は、憲法改正限界を超えるものとして、本来憲法改正手続きをもってしても改
正し得ないものだ。戦争は違法であり、紛争解決の手段として武力に訴えることは主
権国家の正当な権利ではないという国際人道法の到達点=日本国憲法第九条の理念を
後退させることがあってはならないのである。
※社民党と自衛隊
社民党は村山政権発足後の社会党(当時)第61回臨時全国大会(1994年9月)において、「『非武
装』は党是を超える人類の理想」として「自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛
隊を認める」と自衛隊の存在を容認した。しかし、その後の自民党政権下で日米新ガイドラ
イン、周辺事態法、有事法制の制定、イラクへの派兵など、自衛隊の活動領域が次々と拡大
された結果、その実態は「我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織」と言えなくな
っていると評価するに至っている。社会民主党宣言(第10回定期全国大会/2006年2月)では「現
状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任
務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指します」としている。
■市民の権利――公の秩序が許す範囲の「自由及び権利」
日本国憲法自民党「改正草案」
第三章国民の権利及び義務第三章国民の権利及び義務
(日本国民)
第十条日本国民たる要件は、法律でこれを定第十条日本国民の要件は、法律で定める。
める。
(基本的人権の享有)
第十一条国民は、すべての基本的人権の享第十一条国民は、全ての基本的人権を享有
有を妨げられない。この憲法が国民に保障すする。この憲法が国民に保障する基本的人権
る基本的人権は、侵すことのできない永久のは、侵すことのできない永久の権利である。
権利として、現在及び将来の国民に与へられ
る。
(国民の責務)
第十二条この憲法が国民に保障する自由及第十二条この憲法が国民に保障する自由及
び権利は、国民の不断の努力によつて、これび権利は、国民の不断の努力により、保持さ
を保持しなければならない。又、国民は、これなければならない。国民は、これを濫用し
れを濫用してはならないのであつて、常に公てはならず、自由及び権利には責任及び義務
共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序
に反してはならない。
(人としての尊重)
第十三条すべて国民は、個人として尊重さ第十三条全て国民は、人として尊重される。
れる。生命、自由及び幸福追求に対する国民生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利
の権利については、公共の福祉に反しない限については、公益及び公の秩序に反しない限
り、立法その他の国政の上で、最大の尊重をり、立法その他の国政の上で、最大限に尊重
必要とする。されなければならない。
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「改正草案」は、現行第十二条に「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚
し」という文言を挿入し、自由や権利に「責任・義務」と名目で制限を加える根拠としよ
うとしている。日本国憲法では、自由と権利を制約する条件は「公共の福祉」のみであ
るが、「改正草案」では現十三条、二十九条も含めこれが「公益及び公の秩序」に」置き
換えられる。(二十二条の「公共の福祉」は削除)
これは、単なる言葉の言い換えではない。「公共の福祉」とは、ある人権が他人の人
権と矛盾・衝突する場合の解決をはかるための調整、実質的公平の原理であり、人権
に必然的に内在する制約である。これに対して、「改正草案」のいう「公益及び公の秩
序」は、個人の権利を否定し個人を犠牲にしてでも権力体制の維持を優先するもので
あり、外部から人権を制約するものと解される。日本国憲法が「侵すことの出来ない
永久の権利」として保障する基本的人権が、明治憲法下での公共の安寧秩序や法律の
範囲内での「人権保障」のような統治機構の定める秩序や法益の下位のものと位置づけ
られ、その許容範囲でしか存在できないものに貶められることになりかねない。
例えば国家の安全や、軍事目的といった公益のために、表現の自由や思想・信条の
自由等が制限されることにつながり、戦争への批判を立法によって制限する根拠にも
なりかねない。「改正草案」第九条の二第3項が自衛軍の任務として「公の秩序の維持」
のための活動を規定していることからも、「公益及び公の秩序」が、軍事的要請をも含
めた国家の求める秩序全般を指すことは明白である。
また、現憲法第十三条後段は、国民は「個人」として尊重されるとしているが、「改正
草案」第十三条と小見出しは「人」と言い換えられている。立憲主義は人権享有の自立
的主体である「個人の尊重」と強く結びついているが、「改正草案」は個人を重視せず、
それに代えて「人」、「家族」や日本国の構成員としての「国民」を尊重するだけである。
そもそも「公益及び公の秩序」の内側の従順な国民を尊重し、自立した「個人」の存在を
期待しない「改正草案」の本質が現われているのである。
■ごまかしの「新しい人権」――学説や判例の積み重ねを一蹴
日本国憲法自民党「草案」
(法の下の平等)
第十四条すべて国民は、法の下に平等であ第十四条全て国民は、法の下に平等であっ
つて、人種、信条、性別、社会的身分又は門て、人種、信条、性別、障害の有無、社会的
地により、政治的、経済的又は社会的関係に身分又は門地により、政治的、経済的又は社
おいて、差別されない。会的関係において、差別されない。
A華族その他の貴族の制度は、これを認めな2 華族その他の貴族の制度は、認めない。
い。
B栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかな3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、現にこ
る特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれれを有し、又は将来これを受ける者の一代に
を有し、又は将来これを受ける者の一代に限限り、その効力を有する。
り、その効力を有する。
(公務員の選定及び罷免に関する権利等)
第十五条公務員を選定し、及びこれを罷免第十五条公務員を選定し、及び罷免するこ
することは、国民固有の権利である。とは、主権の存する国民の権利である。
Aすべて公務員は、全体の奉仕者であつて、2 全て公務員は、全体の奉仕者であって、一
一部の奉仕者ではない。部の奉仕者ではない。
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B公務員の選挙については、成年者による普3 公務員の選定を選挙により行う場合は、日
通選挙を保障する。本国籍を有する成年者による普通選挙の方法
による。
Cすべて選挙における投票の秘密は、これを4 選挙における投票の秘密は、侵されない。
侵してはならない。選挙人は、その選択に関選挙人は、その選択に関し、公的にも私的に
し公的にも私的にも責任を問はれない。も責任を問われない。
(請願をする権利)
第十六条何人も、損害の救済、公務員の罷第十六条何人も、損害の救済、公務員の罷
免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改
正その他の事項に関し、平穏に請願する権利正その他の事項に関し、平穏に請願をする権
を有し、何人も、かかる請願をしたためにい利を有する。
かなる差別待遇も受けない。2 請願をした者は、そのためにいかなる差別
待遇も受けない。
(国等に対する賠償請求権)
第十七条何人も、公務員の不法行為により、第十七条何人も、公務員の不法行為により
損害を受けたときは、法律の定めるところに損害を受けたときは、法律の定めるところに
より、国又は公共団体に、その賠償を求めるより、国又は地方自治体その他の公共団体に、
ことができる。その賠償を求めることができる。
(身体の拘束及び苦役からの自由)
第十八条何人も、いかなる奴隷的拘束も受第十八条何人も、その意に反すると否とに
けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いてかかわらず、社会的又は経済的関係において
は、その意に反する苦役に服させられない。身体を拘束されない。
2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、
その意に反する苦役に服させられない。
(思想及び良心の自由)
第十九条思想及び良心の自由は、これを侵第十九条思想及び良心の自由は、保障する。
してはならない。
(個人情報の不当取得の禁止等)
【新設→】第十九条の二何人も、自己に関する情報を
不当に取得し、保有し、又は利用してはなら
ない。
「改正草案」第十四条第3項は、日本国憲法が「栄典の授与がいかなる特権も伴はない」
としているのに対して、これを削除し、単に「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、現
にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する」とした。
つまり、一代限りであれば特権を認める趣旨に転換されたともいえる。
同じく第十五条第3項は、公務員の選定・罷免権限の主体を、「日本国籍を有する」
成年者とした。日本国憲法にも「旧草案」ににもなかった記述である。地方参政権の国
籍要件は立法政策の問題であるとするのが憲法学説の多数説であり、最高裁判所の立
場である。「改正草案」の規定は、これまでの学説や判例の積み重ねを憲法改正によっ
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て、一蹴しようとするものであり問題がある。
さらに「改正草案」第十八条は、現憲法第十八条が定める「奴隷的拘束」の禁止規定を
外し、「何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係におい
て身体を拘束されない」と言い換えた。「奴隷的拘束」の禁止と、「社会的又は経済的関
係において身体を拘束されない」という規定は、意味的には似ているが、後者の方が
対象の幅が狭い。「社会的又は経済的関係」と限定しているため、例えばかつての予防
拘禁のように政治的あるいは軍事的関係における身体拘束は禁止されないこととなり
かねないのである。
「改正草案」第十九条の二は、「何人も、個人に関する情報を不当に取得し、保有し、
又は利用してはならない」と定めた。「何人」にも、つまり私人も含めて、個人情報不
当取得禁止を課する規定であり、立憲主義の立場から問題である。情報の自由な流通
は表現の自由の本質部分であるが、このように情報取得が制約されると、表現の自由
や報道の自由が抑制されるおそれは強い。正当な情報取得や利用以外が禁じられれば
報道も公式の大本営発表のみとなり、政治家や公務員の適格性を判断する材料も得ら
れなくなる可能性も生まれるだろう。
ちなみに「旧草案」では、「何人も自己に関する情報を不当に取得され、保有され、
又は利用されない」として取得「されない」権利を規定していたが、「改正草案」では
情報の取得・保有・利用を「してはならない」義務に転換された。
「改正草案」は、いくつかのいわゆる「新しい権利」を導入したと言われることがある。
障害者差別の禁止(第一四条、第四十四条)、国の説明責任(第二十一条の二)、環境権(第
二十五条の二)、犯罪被害者の権利(第二十五条の四)などである。例えば「改正草案」第
二十一条の二の規定が「知る権利」などと称される場合があるが、実際には一般的な国
の説明責任を定めているに過ぎないし、「環境権」といっても国の環境保全の努力義務
に過ぎない。もちろんこうした権利を保障していくこと自体は必要だが、憲法上に明
文の規定が無くとも、憲法施行から65年にわたる運動や訴訟の中で、解釈によってす
で憲法上の根拠が与えられており、あえて憲法に明文規定を設ける実質的な意味は無
いのである。
これまで自民党がこうした「新しい権利」の実現に背を向け続けてきたことを考えて
も、こうした「新しい権利」は世論を引きつけようとする方便に過ぎないことは明らか
である。
■政教分離原則――靖国公式参拝を合憲化、表現・結社の自由の前に公益
日本国憲法自民党「改正草案」
(信教の自由)
第二十条信教の自由は、何人に対してもこれを第二十条信教の自由は、保障する。国は、いか
保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受なる宗教団体に対しても、特権を与えてはならな
け、又は政治上の権力を行使してはならない。い。
A何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事
参加することを強制されない。に参加することを強制されない。(変更なし)
B国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗3 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定
教的活動もしてはならない。の宗教のための教育その他の宗教的活動をしては
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ならない。ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の
範囲を超えないものについては、この限りではな
い。
(表現の自由)
第二十一条集会、結社及び言論、出版その他一第二十一条集会、結社及び言論、出版その他一
切の表現の自由は、これを保障する。切の表現の自由は、保障する。
【新設→】2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序
を害することを目的とした活動を行い、並びにそ
れを目的として結社をすることは、認められない。
A検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、3 検閲は、してはならない。通信の秘密は侵し
これを侵してはならない。てはならない。
(国政上の行為に関する説明の責務)
【新設→】第二十一条の二国は、国政上の行為につき国民
に説明する責務を負う。
(居住、移転及び職業選択等の自由等)
第二十二条何人も、公共の福祉に反しない限り、第二十二条何人も、居住、移転及び職業選択の
居住、移転及び職業選択の自由を有する。自由を有する。
A何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自2 全て国民は、外国に移住し、又は国籍を離脱
由を侵されない。する自由を有する。
(学問の自由)
第二十三条学問の自由は、これを保障する。第二十三条学問の自由は、保障する。
戦前、国家神道が軍国主義と一体となって国民を戦争に駆り立ていったことに対す
る深い反省にもとづき、日本国憲法二十条第1項は、宗教団体が政治上の権力を行使
してはならないことを明示しているが、「改正草案」二十条第1項はそれを除外した。
同じく、第二十条第3項で「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動
もしてはならない」と規定し、厳格に政教分離を定めている。「改正草案」はこれに、「社
会的儀礼の範囲内にある場合を除き」と解除規定を加えることによって、政教分離規
定を大幅に緩和している。「社会的儀礼」という名目さえつければ、靖国神社への公式
参拝や、各地の護国神社等への首長の参拝や玉串料等への公金支出も許されることに
なるだろう。首相の靖国参拝等に関して違憲判決が相次いでいる状況に対して、「改
正草案」は現憲法第二十条・第八十九条の政教分離原則そのものを骨抜きにするという
恥知らずな回答を出したのである。
政教分離原則の換骨奪胎は、宗教的少数派への弾圧につながりかねず、少数派の人
権保障という立憲主義の価値を骨抜きにするものだ。穿った見方をすれば、「国防軍」
の国際的に協調した軍事活動によって生じるかも知れない戦死者を「新たな英霊」とし
て合祀し、慰霊することが目指されているかもしれない。
また、「改正草案」第二十一条第2項は、表現活動、集会・結社の自由について、「公
益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社
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をすることは、認められない」として、表現活動や集会・結社への制限を明文化した。
目的による歯止めは曖昧であり歯止めとして機能しないし、実際に表現活動や集会・
結社が制限されるに至らなくとも、国民の表現行為や結社の自由を萎縮させるおそれ
は強い。
■男女平等と生存権――個人の前に家族、助け合いの義務
日本国憲法自民党「改正草案」
(婚姻及び家族に関する基本原則)
第二十四条家族は、社会の自然かつ基礎的な単
位として、尊重される。家族は、互いに助け合わ
なければならない。
第二十四条婚姻は、両性の合意のみに基いて成2 婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦
立し、夫婦が同等の権利を有することを基本としが同等の権利を有することを基本として、相互の
て、相互の協力により、維持されなければならな協力により、維持されなければならない。
い。
A配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離2 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、
婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関相続並びに親族に関するその他の事項に関して
しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等は、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立
に立脚して、制定されなければならない。脚して、制定されなければならない。
(生存権等)
第二十五条すべて国民は、健康で文化的な最低第二十五条全て国民は、健康で文化的な最低限
限度の生活を営む権利を有する。度の生活を営む権利を有する。
A国は、すべての生活部面について、社会福祉、2 国は、国民生活のあらゆる側面において、社
社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなけ会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に
ればならない。努めなければならない。
憲法第二十四条は、婚姻・家族を、平等な個人の自由意思による結合によって維持
されるものと規定し、家父長支配のもとで女性を無権利状態においていた戦前の家制
度を根本から否定した、非常に重要な条項である。
これに対して、「改正草案」は家族が「社会の自然かつ基礎的な単位」として尊重され
る旨と家族の助け合い義務を、現憲法第二十四条の前に挿入した。「Q&A」によれば、
「家族は社会の極めて重要な存在だが、昨今、家族の絆が薄くなってきているので、
家族を尊重し、互いに助け合わなければならないことから規定をおいた」としている。
家族が助け合うかどうかは個人のライフスタイルや経済状況、社会環境の問題であ
り、憲法で国民に義務づける問題ではない。権力制限規範としての憲法にそぐわない
だけではなく、「人」や「家族」を「個人」の上位価値として持ち出すことは、個人の尊重
を前提とする近代立憲主義に反するからである。立憲主義の究極の価値は個人の尊重
にあるのであり、家族、団体、集団、社会ひいては国家が個人よりも優位に立つかの
ような表現は、立憲主義に逆行するものと言わざるをえない。
個人の生き方は多様であり、「あるべき家族の姿」は一律ではない。最終的には個人
の内心に委ねられるべき問題であり国家が介入する問題ではないし、ましてや国家権
力を縛って国民の自由を確保するための立憲主義憲法に定めるべき内容ではない。
また、この規定を生存権規定(第二十五条)の前に置くことは、国家による社会福祉、
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社会保障の充実よりも家族による扶助義務を優先させる志向を読み取ることができ
る。社会保障改革推進法のように、国の社会保障充実の責務より、自己責任・自助努
力を推進する背景となることも危惧される。
※改憲派憲法学者・小林節慶応大学教授へのインタビューから
「(改正草案第24条は)『家族は互いに助け合わなければならない』とある。ほんと余計なお
世話だね。憲法が国民の私生活や道徳に介入すべきじゃないんです」(毎日新聞2013年4月9
日夕刊「特集ワイド」より)
■その他の国民の権利と義務――新しい権利と「公益」による制約
日本国憲法自民党「改正草案」
(環境保全の責務)
第二十五条の二国は国民と強力して、国民が良
好な環境を享受することができるようにその保全
に努めなければならない。
(在外国民の保護)
第二十五条の三国は、国外において緊急事態が
生じたときは、在外国民の保護に努めなければな
らない。
(犯罪被害者等への配慮)
第二十五条の四国は、犯罪被害者及びその家族
の人権及び処遇に配慮しなければならない。
(教育に関する権利及び義務等)
第二十六条全て国民は、法律の定めるところに
より、その能力に応じて、等しく教育を受ける権
利を有する。
第二十六条すべて国民は、法律の定めるところ2 全て国民は、法律の定めるところにより、その
により、その能力に応じて、ひとしく教育を受け保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。
る権利を有する。義務教育は、これを無償とする。
Aすべて国民は、法律の定めるところにより、そ3 国は、教育が国の未来を切り拓く上で欠く
の保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ことができないものであることに鑑み、教育
ふ。義務教育は、これを無償とする。環境の整備に努めなければならない。
(勤労の権利及び義務等)
第二十七条すべて国民は、勤労の権利を有し、第二十七条全て国民は、勤労の権利を有し、義
義務を負ふ。務を負う。
A賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関す2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関す
る基準は、法律でこれを定める。る基準は、法律で定める。
B児童は、これを酷使してはならない。3 何人も、児童を酷使してはならない。
(勤労者の団結権等)
第二十八条勤労者の団結する権利及び団体交渉第二十八条勤労者の団結する権利及び団体交渉
その他の団体行動をする権利は、これを保障する。その他の団体行動をする権利は、保障する。
2 公務員については、全体の奉仕者であることに
鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定す
る権利の全部又は一部を制限することができる。
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この場合においては、公務員の勤労条件を改善す
るため、必要な措置が講じられなければならない。
(財産権)
第二十九条財産権は、これを侵してはならない。第二十九条財産権は、保障する。
A財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、2 財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合する
法律でこれを定める。ように、法律で定める。この場合において、知的
財産権については、国民の知的創造力の向上に資
するように配慮しなければならない。
B私有財産は、正当な補償の下に、これを公共の3 私有財産は、正当な補償の下に、公共のために
ために用ひることができる。用いることができる。
(納税の義務)
第三十条国民は、法律の定めるところにより、第三十条国民は、法律の定めるところにより、
納税の義務を負ふ。納税の義務を負う。
「改正草案」二十五条の二から四は、前述したいわゆる「新しい権利」である。
・「改正草案」第二十五条の二は、いわゆる「環境権」である。改憲のプラスイメージを
強調する趣旨で、「新しい権利」を盛り込んだといわれるが、大きな意味があるとはい
えない。環境権は基本的人権ではなく国の努力義務としているに過ぎず、「国民と協
力して」とあることからわかるように、国民にも環境保全義務を課するものだ。すで
に憲法解釈として裁判実務で認められている環境権が否定されるおそれすらある。
・「改正草案」第二十五条の三には、国が在外国民の保護に努めなければならない旨を
規定している。「Q&A」によれば「グローバル化が進んだ現在、海外にいる日本人の
安全を国が担保する責務を憲法に書き込むべきものであるとの観点から、規定を置」
いたとしている。国が国民の保護に努めることは当然だが、「国防軍」を持つ体制の下
では容易に海外派兵の根拠規定になる可能性がある。日本の侵略戦争は、台湾出兵、
朝鮮出兵、義和団事件、シベリア出兵、山東出兵など多くが在外国民保護目的で行な
われたことを忘れてはならない。
・「改正草案」第二十五条の四は、犯罪被害者等への配慮を定めた。これは、被告人
・被疑者の人権規定と矛盾し、それらの人権を実現する妨げになるおそれがある。そ
もそも、憲法が刑事手続上の人権を定めたのは、被疑者・被告人の利害が国家と対立
する構造にあることが本質的な理由である。このような規定をあえて憲法に置くこと
は、被疑者・被告人と対立するのが、国家ではなく被害者であるかのような誤解を生
じかねない。被害者の保護は刑事手続上の重要な課題ではあるが、立法や行政が対応
すべき問題であり、憲法上の規定の問題とはいえない。
「改正草案」第二十六条の第3項には、教育環境の整備に関する記述が加えられた。
教育環境の整備はもちろん必要であるが、ここにこのような努力義務が規定されるこ
とに具体的な意味があるとは考えられない。教育が「国の未来を切り拓く上で欠くこ
とができないものであることに鑑み」とされたことで、「子ども一人一人のための教
育」より、「国家のための教育」が優先されることになりかねない。教育環境整備の
名の下に、教育への介入の手掛かりに使われる危険の方が大きいのではないか。
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「改正草案」第二十八条は、第1項で労働三権を保障した後、あらたに第2項では公務
員について「全体の奉仕者であることに鑑み」て「前項に規定する権利の全部又は一部
を制限することができる」ことを規定した。公務員の人権制限の根拠を「全体の奉仕者」
に求めることには、憲法学上も異論が強い。この規定は公務員の労働基本権の制約を
合憲化するものにほかならない。
「改正草案」第二十九条は、第2項で「財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合する
ように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造
力の向上に資するように配慮しなければならない」と定めた。財産権に対抗するのは
これまでは「公共の福祉」であったが、これによって「公益及び公の秩序」が優先される
こととなる。財産権が、公共事業や原発、基地など「公益」とされるものと適合する
ことを求められることにもつながりかねない。また、「Q&A」によれば、「特許権等
の保護が過剰になり、かえって経済活動の過度の妨げにならないよう配慮する」との
ことであるが、創造的な活動より経済活動を優先させる姿勢には問題がある。
■適正手続の保障――意味のない用字用語の整理
日本国憲法自民党「改正草案」
(適正手続の保障)
第三十一条何人も、法律の定める手続によらな第三十一条何人も、法律の定める適正な手続に
ければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はそよらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、
の他の刑罰を科せられない。又はその他の刑罰を科せられない。
(裁判を受ける権利)
第三十二条何人も、裁判所において裁判を受け第三十二条何人も、裁判所において裁判を受け
る権利を奪はれない。る権利を奪われない。
(逮捕に関する手続の保障)
第三十三条何人も、現行犯として逮捕される場第三十三条何人も、現行犯として逮捕される場
合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且合を除いては、裁判官が発し、かつ、理由となつ
つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕
ければ、逮捕されない。されない。
(抑留及び拘禁に関する手続の保障)
第三十四条何人も、理由を直ちに告げられ、且第三十四条何人も、正当な理由がなく、若しく
つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなけは理由を直ちに告げられることなく、又は直ちに
れば、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当弁護人に依頼する権利を与えらることなく、抑留
な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、され、又は拘禁されない。
その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席す2 拘禁された者は、拘禁の理由を直ちに本人及び
る公開の法廷で示されなければならない。その弁護人の出席する公開の法廷で示すことを求
める権利を有する。
(住居等の不可侵)
第三十五条何人も、その住居、書類及び所持品第三十五条何人も、正当な理由に基づいて発せ
について、侵入、捜索及び押収を受けることのなられ、かつ捜索する場所及び押収する物を明示す
い権利は、第三十三条の場合を除いては、正当なる令状によらなければ、その住居、書類及び所持
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理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押品について、侵入、捜索又は押収を受けない。た
収する物を明示する令状がなければ、侵されない。だし、第三十三条の規定により逮捕される場合は、
この限りではない。
A捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発す2 前項本文の規定による捜索又は押収は、裁判官
る各別の令状により、これを行ふ。が発する各別の令状によって行う。
(拷問及び残虐な刑罰の禁止)
第三十六条公務員による拷問及び残虐な刑罰は、第三十六条公務員による拷問及び残虐な刑罰は、
絶対にこれを禁ずる。禁止する。
(刑事被告人の権利)
第三十七条すべて刑事事件においては、被告人第三十七条全て刑事事件においては、被告人は、
は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有
を有する。する。
A刑事被告人は、すべての証人に対して審問する2 被告人は、全ての証人に対して審問する機会を
機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために十分に与えられる権利及び公費で自己のために強
強制的手続により証人を求める権利を有する。制的手続により証人を求める権利を有する。
B刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有す3 被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁
る弁護人を依頼することができる。被告人が自ら護人を依頼することができる。被告人が自らこれ
これを依頼することができないときは、国でこれを依頼することができないときは、国でこれを付
を附する。する。
(刑事事件における自白等)
第三十八条何人も、自己に不利益な供述を強要第三十八条何人も、自己に不利益な供述を強要
されない。されない。
A強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に2 拷問、脅迫その他の強制による自白又は不当に
長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを長く抑留され、若しくは拘禁された後の自白は、
証拠とすることができない。証拠とすることができない。
B何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自
白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せら白である場合には、有罪とされない。
れない。
(遡求処罰等の禁止)
第三十九条何人も、実行の時に適法であつた行第三十九条何人も、実行の時に違法ではなかっ
為又は既に無罪とされた行為については、刑事上た行為又は既に無罪とされた行為については、刑
の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、事上の責任を問われない。同一の犯罪については、
重ねて刑事上の責任を問はれない。重ねて刑事上の責任を問われない。
(刑事補償を求める権利)
第四十条何人も、抑留又は拘禁された後、無罪第四十条何人も、抑留され、又は拘禁された後、
の裁判を受けたときは、法律の定めるところによ裁判の結果無罪となったときは、法律の定めると
り、国にその補償を求めることができる。ころにより、国にその補償を求めることができる。
この部分は、基本的に用字・用語の整理が中心の変更だ。「改正草案」全体を通して、
「すべて」を「全て」に変えるとか、逆に「旦し」を「ただし」に直したり、「これを」といっ
た指示代名詞をとったりする修文に熱中しているが、実質的な意味がまったくない「改
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正」だ。法文としての趣旨と内容が明確であればよいのであって、こうした趣味的な
文章の修文は百害あって一利無しと言わざるをえない。解釈の議論のある部分につい
ても、憲法施行から65年の運用の中で学説や判例が積み重なって収斂してきているの
であり、「改正草案」のような全面改正はこうした長年の努力を無に帰すものにほかな
らないのである。
なお、「改正草案」第三十六条は、拷問及び残虐な刑罰を「絶対的に禁止」としている
現憲法三十六条から「絶対に」をはずし、単に「禁止」するにとどめた。「絶対」を外せば
規範力が低下するであろう。
■国会――首相に恣意的な解散権を与え、答弁拒否も可能に
日本国憲法自民党「改正草案」
第四章国会第四章国会
(国会と立法権)
第四十一条国会は、国権の最高機関であつて、第四十一条国会は、国権の最高機関であって、
国の唯一の立法機関である。国の唯一の立法機関である。
(両議員)
第四十二条国会は、衆議院及び参議院の両議院第四十二条国会は、衆議院及び参議院の両議院
でこれを構成する。で構成する。
(両議員の組織)
第四十三条両議院は、全国民を代表する選挙さ第四十三条両議院は、全国民を代表する選挙さ
れた議員でこれを組織する。れた議員で組織する。
A両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。2 両議院の議員の定数は、法律で定める。
(議員及び選挙人の資格)
第四十四条両議院の議員及びその選挙人の資格第四十四条両議院の議員及びその選挙人の資格
は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性は、法律で定める。この場合においては、人種、
別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によ信条、性別、障害の有無、社会的身分、門地、教
つて差別してはならない。育、財産又は収入によって差別してはならない。
(衆議院議員の任期)
第四十五条衆議院議員の任期は、四年とする。第四十五条衆議院議員の任期は、四年とする。
但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前にただし、衆議院が解散された場合には、その期間
終了する。満了前に終了する。
(参議院議員の任務)
第四十六条参議院議員の任期は、六年とし、三第四十六条参議院議員の任期は、六年とし、三
年ごとに議員の半数を改選する。年ごとに議員の半数を改選する。
(選挙に関する事項)
第四十七条選挙区、投票の方法その他両議院の第四十七条選挙区、投票の方法その他両議院の
議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。議員の選挙に関する事項は、法律で定める。
この場合においては、各選挙区は、人口を基本と
し、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めな
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ければならない。
(両議員議員兼職の禁止)
第四十八条何人も、同時に両議院の議員たるこ第四十八条何人も、同時に両議院の議員となる
とはできない。ことはできない。
(議員の歳費)
第四十九条両議院の議員は、法律の定めるとこ第四十九条両議院の議員は、法律の定めるとこ
ろにより、国庫から相当額の歳費を受ける。ろにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
(議員の不逮捕特権)
第五十条両議院の議員は、法律の定める場合を第五十条両議院の議員は、法律の定める場合を
除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮
捕された議員は、その議院の要求があれば、会期捕された議員は、その議院の要求があるときは、
中これを釈放しなければならない。会期中これを釈放しなければならない。
(議員の免責特権)
第五十一条両議院の議員は、議院で行つた演説、第五十一条両議院の議員は、議院で行った演説、
討論又は表決について、院外で責任を問はれない。討論又は表決について、院外で責任を問われない。
(通常国会)
第五十二条国会の常会は、毎年一回これを召集第五十二条通常国会は、毎年一回召集される。
する。
【新設→】2 通常国会の会期は、法律で定める。
(臨時国会)
第五十三条内閣は、国会の臨時会の召集を決定第五十三条内閣は、臨時国会の召集を決定する
することができる。いづれかの議院の総議員の四ことができる。いずれかの議院の総議員の四分の
分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を一以上の要求があったときは、要求があった日か
決定しなければならない。ら二十日以内に臨時国会が召集されなければなら
ない。
(衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会
及び参議院の緊急集会)
【新設→】第五十四条衆議院の解散は、内閣総理大臣が決
定する。
第五十四条衆議院が解散されたときは、解散の2 衆議院が解散されたときは、解散の日から四
日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、十日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選
その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しな挙の日から三十日以内に、特別国会が召集されな
ければならない。ければならない。
A衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に3 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時
閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があに閉会となる。ただし、内閣は、国に緊急の必要
るときは、参議院の緊急集会を求めることができがあるときは、参議院の緊急集会を求めることが
る。できる。
B前項但書の緊急集会において採られた措置は、4 前項ただし書の緊急集会において採られた措置
臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内は、臨時のものであって、次の国会開会の後十日
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に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力
ふ。を失う。
(議員の資格審査)
第五十五条両議院は、各々その議員の資格に関第五十五条両議院は、各々その議員の資格に関
する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせし争いがあるときは、これについて審査し議決す
るには、出席議員の三分の二以上の多数による議る。ただし、議員の議席を失わせるには、出席議
決を必要とする。員の三分の二以上の多数による議決を必要とす
る。
(評決及び定足数)
第五十六条両議院は、各々その総議員の三分の第五十六条両議院の議事は、この憲法に特別の
一以上の出席がなければ、議事を開き議決するこ定のある場合を除いては、出席議員の過半数で決
とができない。し、可否同数のときは、議長の決するところによ
る。
A両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場2 両議員の議決は、各々その総議員の三分の一
合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、以上の出席がなければすることができない。
可否同数のときは、議長の決するところによる。
(会議及び会議録の公開等)
第五十七条両議院の会議は、公開とする。但し、第五十七条両議院の会議は、公開しなければな
出席議員の三分の二以上の多数で議決したときらない。ただし、出席議員の三分の二以上の多数
は、秘密会を開くことができる。で議決したときは、秘密会を開くことができる。
A両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘
会の記録の中で特に秘密を要すると認められるも密会の記録の中で特に秘密を要すると認められる
の以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなけものを除き、これを公表し、かつ、一般に頒布し
ればならない。なければならない。
B出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議3 出席議員の五分の一以上の要求があるときは、
員の表決は、これを会議録に記載しなければなら各議員の表決を会議録に記載しなければならな
ない。い。
(役員の選任並びに議院規則及び懲罰)
第五十八条両議院は、各々その議長その他の役第五十八条両議院は、各々その議長その他の役
員を選任する。員を選任する。
A両議院は、各々その会議その他の手続及び内部2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内
の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみ部の規律に関する規則を定め、並びに院内の秩序
だした議員を懲罰することができる。但し、議員を乱した議員を懲罰することができる。ただし、
を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の
による議決を必要とする。多数による議決を必要とする。
(法律案の議決及び衆議院の優越)
第五十九条法律案は、この憲法に特別の定のあ第五十九条法律案は、この憲法に特別の定めの
る場合を除いては、両議院で可決したとき法律とある場合を除いては、両議院で可決したとき法律
なる。となる。
A衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議
をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二
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上の多数で再び可決したときは、法律となる。以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
B前項の規定は、法律の定めるところにより、衆3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆
議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを議院が両議院の協議会を開くことを求めることを
妨げない。妨げない。
C参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つ4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取っ
た後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、た後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、
議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律
案を否決したものとみなすことができる。案を否決したものとみなすことができる。
(予算案の議決等に関する衆議院の優越)
第六十条予算は、さきに衆議院に提出しなけれ第六十条予算案は、先に衆議院に提出しなけれ
ばならない。ばならない。
A予算について、参議院で衆議院と異なつた議決2 予算案について、参議院で衆議院と異なった
をした場合に、法律の定めるところにより、両議議決をした場合において、法律の定めるところに
院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又より、両議院の協議会を開いても意見が一致しな
は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つたいとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算案
後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議を受け取った後、国会休会中の期間を除いて三十
決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とす日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国
る。会の議決とする。
(条約の承認に関する衆議院の優越)
第六十一条条約の締結に必要な国会の承認につ第六十一条条約の締結に必要な国会の承認につ
いては、前条第二項の規定を準用する。いては、前条第二項の規定を準用する。
(議院の国政調査権)
第六十二条両議院は、各々国政に関する調査を第六十二条両議院は、各々国政に関する調査を
行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに
記録の提出を要求することができる。記録の提出を要求することができる。
(国務大臣の議院出席の権利及び義務)
第六十三条内閣総理大臣その他の国務大臣は、第六十三条内閣総理大臣及びその他の国務大臣
両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはは、議案について発言するため両議院に出席する
らず、何時でも議案について発言するため議院にことができる。
出席することができる。又、答弁又は説明のため2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、答弁又は
出席を求められたときは、出席しなければならな説明のため議院から出席を求められたときは、出
い。席しなければならない。ただし職務の遂行上特に
必要がある場合は、この限りでない。
(弾劾裁判所)
第六十四条国会は、罷免の訴追を受けた裁判官第六十四条国会は、罷免の訴追を受けた裁判官
を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁
判所を設ける。判所を設ける。
A弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。2 弾劾に関する事項は、法律で定める。
(政党)
【新設→】第六十四条の二国は、政党が議会制民主主義に
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不可欠の存在であることに鑑み、その活動の公正
の確保及びその健全な発展に努めなければならな
い。
2 政党の政治活動の自由は、保障する。
3 前二項に定めるもののほか、政党に関する事
項は、法律で定める。
自民党「改正草案」第四十七条後段は、選挙区について「人口を基本とし、行政区
画、地勢等を総合的に勘案して」定めるとしているが、これは小選挙区制を前提に一
票の格差を容認する選挙制度につながりかねない。
日本国憲法第五十六条第1項は、「議事を開き議決する」際に総議員の3分の1を定足
数としているが、「改正草案」第五十六条第2項は「議決」だけに3分の1の定足数を求め、
議事を開く際の定足数をの規定を削除している。「Q&A」は「定足数を議決だけの要件
とする」趣旨からこのような規定としたと説明しているが、なぜこのようなことをす
る必要があるのか不明である。総議員の3分1に満たない少数の議員で議事を行なうこ
とを可能とすることにどのような意味があるのかまったく不明である。
日本国憲法で定められた衆院解散は、内閣の助言と承認による天皇の国事行為とし
ての解散(七条解散)と、衆院における内閣不信任決議案の可決・信任決議案の否決の
場合の解散(六十九条解散)の2つがある(※第七条に基づく解散は不当とする説もあ
る)。「改正草案」は第五十四条に「衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する」という
規定を追加し、内閣総理大臣にこれまで以上に自由で恣意的な解散権を与えている。
また、日本国憲法では議院に出席を求められた首相や閣僚は「出席しなければなら
ない」と義務規定となっているが、「改正草案」は「ただし職務の遂行上特に必要がある
場合」は出席しなくても良いこととされ、首相・閣僚が都合の悪いとき出席せず、事実
上の答弁拒否が可能となる。
「改正草案」で新設された政党条項は、「公正」さや「健全」さというあいまいな基準で
政党活動を規定しており、政党の活動が「国=政府」の判断に従属させられることにつ
ながりかねない。第六十四条の第2項に基づいてつくられることが予想される「政党法」
の内容次第では、公認政党の組織、党員、財政などの情報が「政党の健全な発展」に責
任を持つ国が把握することともなりかねない。「改正草案」が導入した「公益及び公共
の秩序」という制限が政党に対しても当然に適用されることとなるだろう。運用によ
っては、国にとって都合の悪い政治勢力が圧殺されることともなりかねず、注意が必
要だ。日本国憲法が結社の自由を保障する一方で、政党を規定しなかったのは、戦前
の無産政党への弾圧や翼賛政党化によって戦争遂行を止められなかったことへの反省
があったことを忘れてはならない。
※第96条改正の次に第59条の改正が浮上
日本維新の会共同代表の橋下徹氏は、憲法改正の発議要件を緩和する第96条改正が実現し
た際には、衆院再可決の要件(出席議員の3分の2以上)を定めた第59条Aの改正に取り組む考
えを表明した。記者会見で「(参院で与野党が逆転する)ねじれ国会が完全に解消するわけ
ではないが、円滑な国会運営になる。誰も反対しないと思う」と強調した。
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■内閣――内閣総理大臣の権限強化、閣議に諮らず独断で判断
日本国憲法自民党「改正草案」
第五章内閣第五章内閣
(内閣と行政権)
第六十五条行政権は、内閣に属する。第六十五条行政権は、この憲法に特別の定めの
ある場合を除き、内閣に属する。
(内閣の構成及び国会に対する責任)
第六十六条内閣は、法律の定めるところにより、第六十六条内閣は、法律の定めるところにより、
その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣その首長である内閣総理大臣及びその他の国務大
でこれを組織する。臣で構成する。
A内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなけ2 内閣総理大臣及び全ての国務大臣は、現役の
ればならない。軍人であってはならない。
B内閣は、行政権の行使について、国会に対し連3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し
帯して責任を負ふ。連帯して責任を負う。
(内閣総理大臣の指名及び衆議院の優越)
第六十七条内閣総理大臣は、国会議員の中から第六十七条内閣総理大臣は、国会議員の中から
国会の議決で、これを指名する。この指名は、他国会が指名する。
のすべての案件に先だつて、これを行ふ。2 国会は、他のすべての案件に先立って、内閣
総理大臣の指名を行わなければならない。
A衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした3 衆議院と参議院とが異なった指名をした場合
場合に、法律の定めるところにより、両議院の協において、法律の定めるところにより、両議院の
議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆
院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除議院が指名をした後、国会休会中の期間を除いて
いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしない十日以内に、参議院が指名をしないときは、衆議
ときは、衆議院の議決を国会の議決とする。院の指名を国会の指名とする。
(国務大臣の任免)
第六十八条内閣総理大臣は、国務大臣を任命す第六十八条内閣総理大臣は、国務大臣を任命す
る。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばる。この場合においては、その過半数は、国会議
れなければならない。員の中から任命しなければならない。
A内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免するこ2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免する
とができる。ことができる。
(内閣の不信任と総辞職)
第六十九条内閣は、衆議院で不信任の決議案を第六十九条内閣は、衆議院が不信任の決議案を
可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十
日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をし日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をし
なければならない。なければならない。
(内閣総理大臣が欠けたとき等の内閣の総辞職等)
第七十条内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議第七十条内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議
院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたと院議員の総選挙の後に初めて国会の召集があった
きは、内閣は、総辞職をしなければならない。ときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
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【新設→】2 内閣総理大臣が欠けたとき、その他これに
準ずる場合として法律で定めるときは、内閣
総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が、
臨時に、その職務を行う。
(総辞職後の内閣)
第七十一条前二条の場合には、内閣は、あらた第七十一条前二条の場合には、内閣は、新たに
に内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職内閣総理大臣が任命されるまでの間は、引き続き、
務を行ふ。その職務を行う。
(内閣総理大臣の職務)
第七十二条内閣総理大臣は、内閣を代表して議第七十二条内閣総理大臣は、行政各部を指揮監
案を国会に提出し、一般国務及び外交関係につい督し、その総合調整を行う。
て国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。2 内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を
国会に提出し、並びに一般国務及び外交関係
について国会に報告する。
【新設→】3 内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防
軍を統括する。
(内閣の職務)
第七十三条内閣は、他の一般行政事務の外、左第七十三条内閣は、他の一般行政事務のほか、
の事務を行ふ。次に掲げる事務を行う。
一法律を誠実に執行し、国務を総理すること。一法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
二外交関係を処理すること。二外交関係を処理すること。
三条約を締結すること。但し、事前に、時宜に三条約を締結すること。ただし、事前に、やむ
よつては事後に、国会の承認を経ることを必要とを得ない場合は事後に、国会の承認を経ることを
する。必要とする。
四法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務四法律の定める基準に従い、国の公務員に関す
を掌理すること。る事務をつかさどること。
五予算を作成して国会に提出すること。五予算案及び法律案を作成して国会に提出する
こと。
六この憲法及び法律の規定を実施するために、六法律の規定に基づき、政令を制定すること。
政令を制定すること。但し、政令には、特にそのただし、政令には、特にその法律の委任がある場
法律の委任がある場合を除いては、罰則を設ける合を除いては、義務を課し、又は権利を制限する
ことができない。規定を設けることができない。
七大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権七大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権
を決定すること。を決定すること。
(法律及び政令への署名)
第七十四条法律及び政令には、すべて主任の国第七十四条法律及び政令には、全て主任の国務
務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必
必要とする。要とする。
(国務大臣の不訴追特権)
第七十五条国務大臣は、その在任中、内閣総理第七十五条国務大臣は、その在任中、内閣総理
大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、こ大臣の同意がなければ、公訴を提起されない。た
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れがため、訴追の権利は、害されない。だし、国務大臣でなくなった後に、公訴を提起す
ることを妨げない。
日本国憲法では「行政権は、内閣に属する」と規定しているが、「改正草案」は@衆議
院の解散権、A行政各部の指揮監督権、B国防軍の最高指揮権、を内閣の長としての
総理大臣ではなく、総理大臣個人に与えている。「Q&A」は、「改憲草案」第五十四条
第1項の趣旨は、「解散の決定は、閣議にかけず、内閣総理大臣が単独で決定できる」
ようにしたこと、同じく第七十二条第1項は「内閣総理大臣が単独で(閣議にかけなく
ても)、行政各部の指揮監督、総合調整ができる」こと、同条第3項も「法律に特別の規
定がない場合には、閣議にかけないで国防軍を指揮すること」ができると説明してい
る。しかしここまで総理大臣個人の権限を強化する必要があるのかは疑問であり、た
だでさえ強くなっている行政権を事実上の「国権の最高機関」としてしまうおそれがあ
る。
また「改憲草案」は、国務大臣が「文民でなければならない」としていた日本国憲法の
文民条項(六十六条第2項)を、「現役の軍人であってはならない」と差し変えている。「文
民」の定義については議論があるが、現役の軍人でなければ構わないというのはその
なかで最も緩やかな立場である。軍人と国務大臣を兼任さえしなければ構わないとい
うことになり、事実上のなんの規制にもならないであろう。
そもそも国務大臣の文民条項は、かつて陸軍大臣・海軍大臣の現役武官制が軍部の
増長・横暴を招き、戦争遂行に拍車をかけたことの反省に立って設けられたもので、
安易な規制の緩和は問題である。
※「文民」の定義について
現憲法第六十六条第2項にいう「文民」の政府解釈は、「@旧陸海軍の職業軍人の経歴を有す
る者で、軍国主義思想に深く染まっていると考えられる者、A自衛官の職にある者」以外の
者とされている。少なくとも「現役の自衛官」が文民でないことは学説の一致するところであ
るが、職業軍人・自衛官の経歴を有する者は全て文民ではないとの少数説もある。元自衛官
の中谷元氏や森本敏氏が閣僚(防衛庁長官、防衛大臣)となった際にも、憲法六十六条第2項と
の関係で、問題が指摘された。
■司法――国民審査の内容を法律に委任
日本国憲法自民党「草案」
第六章司法第六章司法
(裁判所と司法権)
第七十六条すべて司法権は、最高裁判所及び法第七十六条全て司法権は、最高裁判所及び法律
律の定めるところにより設置する下級裁判所に属の定めるところにより設置する下級裁判所に属す
する。る。
A特別裁判所は、これを設置することができない。2 特別裁判所は、設置することができない。
行政機関は、終審として裁判を行ふことができな行政機関は、最終的な上訴審として裁判を行
い。うことができない。
Bすべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその3 全て裁判官は、その良心に従い独立してその職
職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
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(最高裁判所の規則制定権)
第七十七条最高裁判所は、訴訟に関する手続、第七十七条最高裁判所は、裁判に関する手続、
弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関
する事項について、規則を定める権限を有する。する事項について、規則を定める権限を有する。
A検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなけ2 検察官、弁護士その他裁判に関わる者は、最
ればならない。高裁判所の定める規則に従わなければならない。
B最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定め3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定
る権限を、下級裁判所に委任することができる。める権限を、下級裁判所に委任することができる。
(裁判官の身分保障)
第七十八条裁判官は、裁判により、心身の故障第七十八条裁判官は、次条第三項に規定する場
のために職務を執ることができないと決定された合及び心身の故障のために職務を執ることができ
場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免さないと裁判により決定された場合を除いては、第
れない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを六十四条第一項の規定による裁判によらなければ
行ふことはできない。罷免されない。行政機関は、裁判官の懲戒処分を
行うことができない。
(最高裁判所の裁判官)
第七十九条最高裁判所は、その長たる裁判官及第七十九条最高裁判所は、その長である裁判官
び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構及び法律の定める員数のその他の裁判官で構成
成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でし、最高裁判所の長である裁判官以外の裁判官は、
これを任命する。内閣が任命する。
A最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初め2 最高裁判所の裁判官は、その任命後、法律の定
て行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付めるところにより、国民の審査を受けなければな
し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議らない。
院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様
とする。
B前項の場合において、投票者の多数が裁判官の3 前項の審査において、罷免とすべきとされ
罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免された裁判官は、罷免される。
る。
C審査に関する事項は、法律でこれを定める。【←削除】
D最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達4 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢
した時に退官する。に達した時に退官する。
E最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の5 最高裁判所の裁判官は、全て定期に相当額の
報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額報酬を受ける。この報酬は、在任中、分限又は懲
することができない。戒による場合及び一般の公務員の例による場合を
除き、減額できない。
(下級裁判所の裁判官)
第八十条下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の第八十条下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の
指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命す指名した者の名簿によって、内閣が任命する。そ
る。その裁判官は、任期を十年とし、再任されるの裁判官は、法律の定める任期を限って任命され、
ことができる。但し、法律の定める年齢に達した再任されることができる。ただし、法律の定める
時には退官する。年齢に達した時には、退官する。
A下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の2 前条第五条の規定は、下級裁判所の裁判官の
報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額報酬について準用する。
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することができない。
(法令審査権と最高裁判所)
第八十一条最高裁判所は、一切の法律、命令、第八十一条最高裁判所は、一切の法律、命令、
規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定
する権限を有する終審裁判所である。する権限を有する最終的な上訴審裁判所である。
(裁判の公開)
第八十二条裁判の対審及び判決は、公開法廷で第八十二条裁判の口頭弁論及び公判手続並びに
これを行ふ。判決は、公開の法廷で行う。
A裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又はA裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は
善良の風俗を害する虞があると決した場合には、善良の風俗を害するおそれがあると決した場合に
対審は、公開しないでこれを行ふことができる。は、口頭弁論及び公判手続は、公開しないでこれ
但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法を行うことができる。ただし、政治犯罪、出版に
第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる関する犯罪又は第三章で保障する国民の権利が問
事件の対審は、常にこれを公開しなければならな題となっている事件の口頭弁論及び公判手続は、
い。常に公開しなければならない。
「改正草案」第七十七条第2項は、これまで検察官に対してのみ置いていた最高裁判
所規則遵守規定を、「弁護士その他裁判に関わる者」に拡張した。現憲法七十七条1項
の最高裁規則事項について、弁護士に関する事項が入れられた経緯にも鑑みると、さ
らに2項でこうした遵守規定をあえて憲法に書き込むことは弁護士自治を侵すことに
つながるのではないかという懸念もある。
また「改正草案」七十九条第2項は、最高裁判所の裁判官の国民審査について、現憲
法が「その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際」に行なうことを
を明記していたものを、法律に委ねるものに変更される。「Q&A」によれば「国民審査
制度は形骸化しているという批判があるので、その方法を憲法で定めず、法律で定め
て、立法上の工夫を期待する」趣旨とのことである。しかし、その法律の内容次第で
は、さらに審査が形骸化するおそれもある。
自民党「旧草案」第七十六条第3項には「軍事に関する裁判を行うため、法律の定める
ところにより、下級裁判所として、軍事裁判所を設置する」旨が明記されていたが、「改
憲草案」からはこの記述はなくなった。「改正草案」第九条の二第5項に「国防軍に審判
所を置く」こととしたため、不要となったのであろう。武力行使の際に一般の刑事法
で裁かれるおそれがあることは、現在の自衛隊にとっても重要な懸念であり、国防軍
自体の行為を特別な司法過程に分離することは、武力を実際に行使するためには不可
欠の要素である。七十六条第2項に手が着かなかったといっても、軍に審判所を置く
のであれば同じことであり、軍事による司法の浸食を認めるべきではない。
■財政――財政民主主義の根幹揺らぐ
日本国憲法自民党「改正草案」
第七章財政第七章財政
(財政の基本原則)
第八十三条国の財政を処理する権限は、国会の第八十三条国の財政を処理する権限は、国会の
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議決に基いて、これを行使しなければならない。議決に基づいて、行使しなければならない。
【新設→】2 財政の健全性は、法律の定めるところによ
り、確保されなければならない。
(租税法律主義)
第八十四条あらたに租税を課し、又は現行の租第八十四条租税を新たに課し、又は変更するに
税を変更するには、法律又は法律の定める条件には、法律の定めるところによることを必要とする。
よることを必要とする。
(国費の支出及び国の債務負担)
第八十五条国費を支出し、又は国が債務を負担第八十五条国費を支出し、又は国が債務を負担
するには、国会の議決に基くことを必要とする。するには、国会の議決に基づくことを必要とする。
(予算)
第八十六条内閣は、毎会計年度の予算を作成し、第八十六条内閣は、毎会計年度の予算案を作成
国会に提出して、その審議を受け議決を経なけれし、国会に提出して、その審議を受け、議決を経
ばならない。なければならない。
【新設→】2 内閣は、毎会計年度中において、予算を補正
するための予算案を提出することができる。
【新設→】3 内閣は、当該会計年度開始前に、第一項の議
決を得られる見込みがないと認めるときは、暫定
期間に係る予算案を提出しなければならない。
4 毎会計年度の予算は、法律の定めるところに
より、国会の議決を経て、翌年度以降の年度にお
いても支出することができる。
(予備費)
第八十七条予見し難い予算の不足に充てるた第八十七条予見し難い予算の不足に充てるた
め、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責め、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の
任でこれを支出することができる。責任でこれを支出することができる。
Aすべて予備費の支出については、内閣は、事後2 全て予備費の支出については、内閣は、事後
に国会の承諾を得なければならない。に国会の承諾を得なければならない。
(皇室財産及び皇室の費用)
第八十八条すべて皇室財産は、国に属する。す第八十八条全て皇室財産は、国に属する。全て
べて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を皇室の費用は、予算案に計上して国会の議決を経
経なければならない。なければならない。
(公の財産の支出及び利用の制限)
第八十九条公金その他の公の財産は、宗教上の第八十九条公金その他の公の財産は、第二十条
組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のた第三項ただし書に規定する場合を除き、宗教的活
め、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは動を行う組織若しくは団体の使用、便益若しくは
博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用維持のため支出し、又はその利用に供してはなら
に供してはならない。ない。
2 公金その他の公の財産は、国若しくは地方自
治体その他の公共団体の監督が及ばない慈善、教
育若しくは博愛の事業に対して支出し、又はその
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利用に供してはならない。
(決算の承認)
第九十条国の収入支出の決算は、すべて毎年会第九十条内閣は、国の収入支出の決算について、
計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、全て毎年会計検査院の検査を受け、法律の定める
その検査報告とともに、これを国会に提出しなけところにより、次の年度にその検査報告とともに
ればならない両議院に提出し、その承認を受けなければならな
。い。
A会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定2 会計検査院の組織及び権限は、法律で定める。
める。3 内閣は、第一項の検査報告の内容を予算案
に反映させ、国会に対し、その結果について
報告しなければならない。
(財政状況の報告)
第九十一条内閣は、国会及び国民に対し、定期第九十一条内閣は、国会に対し、定期に、少く
に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報とも毎年一回、国の財政状況について報告しなけ
告しなければならない。ればならない。
「改正草案」は第八十三条に新たな項を加えて、「財政の健全性は、法律の定めると
ころにより、確保されなければならない」と財政健全性を規定した。財政の健全化は
わが国の重大問題ではあるが、短期的な財政の均衡をどの程度重視するかは、中長期
的な国家政策のなかで位置づけられるべき問題である。「Q&A」では、この具体的基
準は「財政健全化責任法案」(自民党提案「国等の責任ある財政運営を確保するための財
政の健全化の推進に関する法律案」)のような法律で規定するとしているが、単年度の
プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を機械的に義務づける政策が適当で
あるかは自明ではない。少なくともこのことを「憲法上の価値」として規定(Q&A)する
ことに意味があるとは考えられないし、立憲主義の観点から憲法で規定すべきことか
は疑問と言わざるを得ないのである。
また第八十六条には、「毎会計年度の予算は、法律の定めるところにより、国会の
議決を経て、翌年度以降の年度においても支出することができる」と複数年度にわた
る予算についての規定を設けた。しかし予算の単年度主義は、戦時公債の乱発や軍艦
建造に濫用されたことへの歯止めの意味があったことを忘れるべきではない。現状で
も繰越明許費や国庫債務負担行為制度、継続費などは認められており、あえて憲法に
書き込む実質的な意味はない。
「改正草案」第八十九条の修正は私学助成を認める趣旨と考えられるが、国や地方公
共団体の一定の関与を受けている(=「公の支配」に属している)私立学校への助成は違
憲ではないとの解釈がすでに定着しており、意味のあるものとは言えない。
また、決算の承認と、会計検査院の検査報告の予算案の反映についての規定も加わ
っている。日本国憲法では、国会への「提出」を義務づけているだけで「承認」を求めて
いないためチェック機能を果たせない(Q&A)ためとのことであるが、憲法上の規定に
係わらず現に国会の議決を行なっているところである。会計検査院の検査結果を予算
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案に反映させるのは政府・与党の責任で行なえばよいのであり、憲法上に規定しよう
とすることはまったくの筋違いである。
■地方自治――地方自治の本旨を矮小化
日本国憲法自民党「草案」
第八章地方自治第八章地方自治
(地方自治の本旨)
【新設→】第九十二条地方自治は、住民の参画を基本
とし、住民に身近な行政を自主的、自立的か
つ総合的に実施することを旨として行う。
2 住民は、その属する地方自治体の役務の提
供を等しく受ける権利を有し、その負担を公
正に分任する義務を負う。
(地方自治体の種類、国及び地方自治体の協力等)
【新設→】第九十三条地方自治体は、基礎地方自治体
及びこれを包括する広域地方自治体とするこ
とを基本とし、その種類は、法律で定める。
第九十二条地方公共団体の組織及び運営に2 地方自治体の組織及び運営に関する基本的
関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律で
律でこれを定める。定める
【新設→】3 国及び地方自治体は、法律の定める役割分
担を踏まえ、協力しなければならない。地方
自治体は、相互に協力しなければならない。
(地方自治体の機関及び直接選挙)
第九十三条地方公共団体には、法律の定め第九十四条地方自治体には、法律の定める
るところにより、その議事機関として議会をところにより、条例その他重要事項を議決す
設置する。る機関として、議会を設置する。
2 地方自治体の長、議会の議員及び法律の定
A地方公共団体の長、その議会の議員及び法めるその他の公務員は、当該地方自治体の住
律の定めるその他の吏員は、その地方公共団民であって日本国籍を有する者が、直接選挙
体の住民が、直接これを選挙する。する。
(地方自治体の権能)
第九十四条地方公共団体は、その財産を管第九十五条地方自治体は、その事務を処理
理し、事務を処理し、及び行政を執行する権する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定
能を有し、法律の範囲内で条例を制定するこすることができる。
とができる。
(地方自治体の財務及び国の財政措置)
【新設→】第九十六条地方自治体経費は、条例の定め
るところにより課する地方税その他の自主的
な財源をもって充てることを基本とする。
2 国は、地方自治において前項の自主的な財
源だけでは地方自治体の行うべき役務の提供
ができないときは、法律の定めるところによ
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り、必要な財政上の措置を講じなければなら
ない。
【新設→】3 第八十三条第二項の規定は、地方自治につ
いて準用する。
(地方自治特別法)
第九十五条一の地方公共団体のみに適用さ第九十七条特定の地方自治体の組織、運営
れる特別法は、法律の定めるところにより、若しくは権能について他の地方自治体と異な
その地方公共団体の住民の投票においてそのる定めをし、又は特定の地方自治体の住民に
過半数の同意を得なければ、国会は、これをのみ義務を課し、権利を制限する特別法は、
制定することができない。法律の定めるところにより、その地方自治体
の住民の投票において有効投票の過半数の同
意を得なければ、制定することができない。
戦争放棄を宣言した日本国憲法が同時に地方自治を明確に位置づけ、保障するもの
となった―この事実には、「二度と再び戦争をしない」という国家的意思・国民合意
と地方自治創設のねらいとのはっきりした結びつきが示されている。戦争を押しとど
められず、逆に戦争遂行体制・国家総動員体制を支えた最大の内政的条件は、旧内務
省を中心に編成された中央集権体制・一元的内政支配、府県・市町村体制という官治・
集権の地方支配システムであったという認識・反省に立って、戦争体制復活の芽を摘
み取り、極度の集権体制にブレーキをかける地方自治の具体化が必要とされたのであ
る。
「 国と地方公共団体との基本的関係を確立することで民主的で能率的な行政の確保
を図り、地方公共団体の健全な発達を保障する」ことを地方自治の目的として掲げ、
自治体の中央政府からの相対的な自立と民主的運営を強調している地方自治法が、憲
法と同時に施行されたことは、平和と民主主義の点で大いに意味のあることであった。
自民党「改正草案」第九十二条はあらたに地方自治の「本旨」を規定したが、「住民に
身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施」することに矮小化する、住民の自己
決定、住民自治への理解を欠いたものと言わざるをえない。「地方公共団体」を「地方
自治体」に置き換えたうえ、「基礎地方自治体」、「広域地方自治体」といった概念を導
入した。「改正草案」第九十二条が地方自治の本旨について:「住民に身近な行政」の実
施を旨と規定し、「改正草案」第九十三条第3項が国と地方自治体の「役割分担」を強調
していることは、国の政策に対する自治体の異議申し立てを封殺する役割を果たすお
それが強い。核搭載艦船の帰港を拒否する条例を制定したり、米軍基地再編など国の
安保政策に自治体が反対することが、「適切な役割分担」を超えたものとされるのでは
ないか。
「改正草案」第九十三条は、道州制に道を開き、市町村合併を促進するものとなって
いる。道州制や市町村合併を強調し、住民投票を否定してきた自民党の方向性は、分
権・自治の充実強化ではなく、グローバル経済の大競争時代における競争力強化・国家
機能の確立、「戦争する国」を支える地方体制への再編につながるものにほかならない。
「改正草案」第九十四条第2 項は要件を加重し、「当該地方自治体の住民であって、
- 36 -
日本国籍を有する者が直接選挙する。」とした。「Q&A」によれば「国政と同様に地方
政治の方向性も主権者である国民が決めるべき」とのことであるが、地方参政権の国
籍要件は立法政策の問題であるとするのが憲法上の多数説であり判例の到達点であ
る。この規定はこうした従来までの理解に反し、憲法を変えることにより判例の成果
を否定しようという姑息な手法と断ぜざるをえない。「改正草案」第十五条第3項と同
様である。
なお、「旧草案」で完全に削除されていた、一自治体のみに適用される特別法の制定
(日本国憲法九十五条)は、「改正草案」第九十七条として復活している。
■緊急事態――国民の不安に乗じた戦争準備
日本国憲法自民党「改正草案」
第九章緊急事態
(緊急事態の宣言)
【新設→】第九十八条内閣総理大臣は、我が国に対する
外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序
の混乱、地震等による大規模な自然災害その
他の法律で定める緊急事態において、特に必
要があると認めるときは、法律の定めるとこ
ろにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を
発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところに
より、事前又は事後に国会の承認を得なけれ
ばならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承
認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣
言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態
の推移により当該宣言を継続する必要がない
と認めるときは、法律の定めるところにより、
閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しな
ければならない。また、百日を超えて緊急事
態の宣言を継続しようとするときは、百日を
超えるごとに、事前に国会の承認を得なけれ
ばならない。
4 第二項及び前項後段の国会の承認について
は、第六十条第二項の規定を準用する。この
場合において、同項中「三十日以内」とあるの
は、「五日以内」と読み替えるものとする。
(緊急事態の宣言の効果)
【新設→】第九十九条緊急事態の宣言が発せられたとき
は、法律の定めるところにより、内閣は法律
と同一の効力を有する政令を制定することが
できるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支
出その他の処分を行い、地方自治体の長に対
して必要な指示をすることができる。
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2 前項の政令の制定及び処分については、法
律の定めるところにより、事後に国会の承認
を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何
人も、法律の定めるところにより、当該宣言
に係る事態において国民の生命、身体及び財
産を守るために行われる措置に関して発せら
れる国その他公の機関の指示に従わなければ
ならない。この場合においても、第十四条、
第十八条、第十九条、第二十一条その他の基
本的人権に関する規定は、最大限に尊重され
なければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合において
は、法律の定めるところにより、その宣言が
効力を有する期間、衆議院は解散されないも
のとし、両議院の議員の任期及びその選挙期
日の特例を設けることができる。
「改正草案」第九十八条第1項は、「外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混
乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態」において、内閣
総理大臣が緊急事態宣言を行なうことができるとした。この宣言には国会の承認が必
要だが、事後でも足りる(「改正草案」第九十八条第2項)。宣言が行なわれれば、緊急
財政処分、自治体の長への指示が可能になるほか、内閣は政令を制定できる(同第九
十九条第1項)。国民には「公の機関の指示に従わなければならない」義務(同第九十九
条第3項)が課される。
こうした緊急事態条項は、明治憲法の緊急勅令や緊急財政処分の再現ともいえる。
これらは、戒厳、非常大権とともに濫用され、国民生活や民主主義を大きく傷つけた
歴史があるのだ。現に世界中でこうした「緊急事態」を理由とした国民生活や人権の侵
害が生じてきた実態を踏まえるべきだ。
東日本大震災で生じた国民の不安感に乗じて、こうした規定が検討されてきた経緯
は災害対策に名を借りた戦争準備の意図が透けて見えるのである。緊急事態条項は、
非常事態への対処を理由として、通常の憲法による規律や国会のコントロールを逃れ
て権力を集中させ、人権制限を容易にするものであり、近代憲法の骨格ともいえる立
憲主義、権力分立原理、人権保障を骨抜きにしかねないものだ。
国民に緊急事態の服従を課すことは(「改正草案」第九十九条第3項)、立憲主義の精
神にも合致しない。一定の人権を尊重するような規定が置かれているが、イチジクの
葉に過ぎず、実質的な効果は期待できない。災害対策は現行法の運用によって十分に
対応できるのであり、憲法に新たな条項を持つ必要性はまったくないのである。
■改正要件の緩和――硬性憲法の原則の変質をはかり立憲主義を破壊
日本国憲法自民党「改正草案」
第九章改正第十章改正
第九十六条この憲法の改正は、各議院の総第百条この憲法の改正は、衆議院又は参議
- 38 -
議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これ院の議員の発議により、両議院のそれぞれの
を発議し、国民に提案してその承認を経なけ総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民
ればならない。この承認には、特別の国民投に提案してその承認を得なければならない。
票又は国会の定める選挙の際行はれる投票にこの承認には、法律の定めるところにより行
おいて、その過半数の賛成を必要とする。われる国民の投票において、有効投票の過半
A憲法改正について前項の承認を経たときは、数の賛成を必要とする。
天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成す2 憲法改正について前項の承認を経たとき
ものとして、直ちにこれを公布する。は、天皇は、直ちに憲法改正を公布する。
自民党「改正草案」は、日本国憲法の改正要件について、憲法改正の発議の要件であ
る「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」を「各議院の総議員の過半数」に変更するとし
ている。立憲主義における憲法とは、為政者・国家権力が暴走したり恣意的な統治を
したりしないよう課す、国家に対する規範=縛りであり、多数者の横暴から少数派の
人権を保障するためのものである。改正手続きの緩和は、主権者である憲法制定権力
者を議会の立法権者と同一視する考えに立つものであり、大きな問題がある。縛りを
かけられている側から改正条件の緩和を持ち出すことは認められない。
そもそも憲法は、国家の存在を基礎づける基本法であるから、憲法がすべての法の
中で最高法規としての性質を有するものであることは当然である。しかし、最高法規
としての性質を真に有するためには、憲法の改正に際しては、通常の立法手続によっ
て改正されるのではなく、より厳格な手続が要求されることは当然である。
また、「改正草案」百条第2項が、日本国憲法第九十六条第2項の「国民の名で、この
憲法と一体を成すものとして」との記述を削除すること、現憲法との連続性を絶ち、
憲法の名義人を国民から天皇に変えていることも問題である。
なお、国会では日本国憲法第九十六条の改正要件のみを先行して改正するため、7
月の参議院選挙で争点化しようとの動きが強まっている。憲法第九十六条改正の動き
についての社民党の考え方は、別途、「憲法第96条『改正』問題についての見解」とし
てまとめているので、そちらをご参照いただきたい。
※社民党HP(http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/constitution/130321_constitution.htm)
■最高法規――天賦人権論と立憲主義を否定する「改正草案」
日本国憲法自民党「改正草案」
第十章最高法規第十一章最高法規
第九十七条この憲法が日本国民に保障する基本【←削除】
的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の
成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬
に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことの
できない永久の権利として信託されたものであ
る。
(憲法の最高法規性等)
第九十八条この憲法は、国の最高法規であつて、第百一条この憲法は、国の最高法規であって、
その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関
するその他の行為の全部又は一部は、その効力をするその他の行為の全部又は一部は、その効力を
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有しない。有しない。
A日本国が締結した条約及び確立された国際法規2 日本国が締結した条約及び確立された国際法
は、これを誠実に遵守することを必要とする。規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
(憲法尊重擁護義務)
第九十九条天皇又は摂政及び国務大臣、国会議第百二条全て国民は、この憲法を尊重しなけれ
員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重しばならない。
擁護する義務を負ふ。2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員
は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。
第十一章補則附則
第百条この憲法は、公布の日から起算して六箇月(施行期日)
を経過した日から、これを施行する。1 この憲法改正は、平成○年○月○日から施
Aこの憲法を施行するために必要な法律の制定、行する。ただし、次項の規定は、公布の日か
参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこのら施行する。
憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の
期日よりも前に、これを行ふことができる。(施行に必要な準備行為)
第百一条この憲法施行の際、参議院がまだ成立し2 この憲法改正を施行するために必要な法律
てゐないときは、その成立するまでの間、衆議院の制定及び改廃その他この憲法改正を施行す
は、国会としての権限を行ふ。るために必要な準備行為は、この憲法改正の
施行の日よりも前に行うことができる。
第百二条この憲法による第一期の参議院議員の
うち、その半数の者の任期は、これを三年とする。(適用区分等)
その議員は、法律の定めるところにより、これを3 改正後の日本国憲法第七十九条第五項後段
定める。(改正後の第八十条第二項において準用する場
合を含む。)の規定は、改正前の日本国憲法の
第百三条この憲法施行の際現に在職する国務大規定により任命された最高裁判所の裁判官及
臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員び下級裁判所の裁判官の報酬についても適用
で、その地位に相応する地位がこの憲法で認めらする。
れてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除い4 この憲法改正の施行の際現に在職する下級
ては、この憲法施行のため、当然にはその地位を裁判所の裁判官については、その任期は改正
失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任前の日本国憲法第八十条第一項の規定による
者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を任期の残任期間とし、改正後の日本国憲法第
失ふ。八十条第一項の規定により再任されることが
できる。
5 改正後の日本国憲法第八十六条第一項、第
二項及び第四項の規定はこの憲法改正の施行
後に提出される予算案及び予算から、同条第
三項の規定はこの憲法改正の施行後に提出さ
れる同条第一項の予算案に係る会計年度にお
ける暫定期間に係る予算案から、それぞれ適
用し、この憲法改正の施行前に提出された予
算及び当該予算に係る会計年度における暫定
期間に係る予算については、なお従前の例に
よる。
6 改正後の日本国憲法第九十条第一項及び第
- 40 -
三項の規定は、この憲法改正の施行後に提出
される決算から適用し、この憲法改正の施行
前に提出された決算については、なお従前の
例による。
日本国憲法は「最高法規」の章で、まず基本的人権の永久不可侵性を宣言(現第九十
七条)したうえで、憲法の最高法規性を規定(現第九十八条第1項)し、為政者の憲法尊
重擁護義務を再確認(現第九十九条)している。
これに対して「改憲草案」は、基本的人権の永久不可侵性に関する規定を全部削除し、
最高法規性いの規定だけを置いて、憲法尊重擁護義務を全ての国民に課した。公務員
等の憲法尊重擁護義務は別立てとなり、この場合は「国民としての憲法尊重擁護義務
に加えて」、「憲法の規定が守られない事態に対して、積極的に対抗する義務」も求め
られる(Q&A)という。
これは「憲法」の位置づけの驚くべき大転換であり、もはや近代憲法とは言えないも
のに転換するということを意味している。個人の基本的人権を自然人が生まれながら
に持つ侵すことのできない永久の権利として保障し、国家がその権利を侵害すること
がないよう制限するルールが近代立憲主義憲法であり、その遵守を求められる対象は
日本国憲法の場合「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」で
ある。
しかし、自民党「改正草案」によれば、国民の人権は「公益及び公の秩序」に反しない
範囲で国家から与えられるものとなり、憲法を遵守する義務を負うのは国民となり、
公務員はこれを守らせるために国民に「積極的に対抗」することが義務づけられるので
ある。自民党「Q&A」は、改正草案のポイントを「日本にふさわしい憲法改正草案とす
るため、まず、翻訳口調の言い回しや天賦人権説に基づく規定振りを全面的に見直し」
たと率直に告白しているが、近代国家の多くの法体系や、国連憲章や国際人権規約な
どの国際法体系が当然の前提としている自然権思想を否定することになっていること
を理解しているのだろうか。
※基本的人権について
「人間が社会を構成する自律的な個人として自由と生存を確保し、その尊厳を維持するため、
それに必要な一定の権利が当然に人間に固有するものであることを前提として認め、そのよ
うに憲法以前に成立していると考えられる権利を憲法が実定的な法的権利として確認したも
の、と言うことができる」(芦部信喜『憲法』)
「国際連合憲章において宣明された原則によれば、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳
及び平等のかつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎をな
すものであることを考慮し、これらの権利が人間の固有の尊厳に由来することを認め、(略)
人権及び自由の普遍的な尊重及び遵守を助長すべき義務を国際連合憲章に基づき諸国が負っ
ている」(国際人権規約前文)
なお「改正草案」第百二条第2項は、現憲法が天皇・摂政に課している憲法尊重擁護義
務を削除している。天皇・摂政を憲法に拘束されない地位におき、天皇を元首とする
規定を側面から支え、元首としての権威を高める狙いがあるとみられる。公務員とし
て職務を行う天皇・摂政の憲法尊重義務を削除することは、憲法によるこれらの者へ
社社社社社社社社13/04/24
- 41 -
の規範的拘束力を失わせるものといえる。
2005年の自民党「旧草案」は「最高法規性」の章に手を付けておらず、今回の「改正草
案」がさらに2歩も3歩もすすんだ立憲主義に対する攻撃であることが露骨に現われて
いるのが、この章の特徴である。憲法の本質に関わるきわめて重要な条文である日本
国憲法第九十七条は絶対に削除すべきではないし、憲法尊重擁護義務を課すのは公権
力を行使する者に限るべきである。
■その他
○「改正草案」ではすべての条文に見出しが付けられている。しかし、現憲法の条文も
すでにそのように称されており、掲載方法によっては見出しを付けて掲載される場合
もある。条文自体に固有の見出しを付けることに意味があるとは思われない。
○前文を通じて、「@」→「1」といった番号の振り替え、「吏員」→「公務員」、但し」→「た
だし」、「且つ」→「かつ」、「行ふ」→「行う」、「負ふ」→「負う」、「よつて」→「よって」と
いった用字や送りの修正などが行われている。確かに憲法制定から60年を経ているの
であるから現代的ではない用語も一部に使われていることは事実だが、意味が通じな
いものはない。多くの法令で、明治時代以来のカナ交じりの条文が使われていること
を考えれば、憲法の修正を急ぐ理由とはならない。
■まとめ――立憲主義の破壊を許すな
改憲派が攻撃の対象としているのは、例えば第九条第2項、第十二条、第十三条な
ど日本国憲法の個々の具体的な条文であるだけではなく、「国家権力を制限するため
に国民が突きつけた規範」としての憲法自身、立憲主義そのものというべきである。
繰り返しになるが、近代国家における「憲法」とは、「国家権力を制限し一定の権能
を各国家機関に授権する法、制限し授権することによって人権を保障する法」(芦部信
喜『憲法』)であり、すなわち国民から統治権力に対する命令である。@「憲法」は国
民から統治権力に対する命令であり、A「法律」は統治権力から国民への命令であり、
B憲法が法律に優越するということは国民からの命令の範囲内でのみ統治権力は国民
に命令できる。だからこそ憲法第九十九条の憲法尊重擁護義務は「天皇又は摂政及び
国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」に課され、国民には課されていないの
である。憲法についてこうした常識があるならば「日本国憲法には権利ばかりがあっ
て義務規定が少ないのはおかしいのではないか」といったレベルの低い議論が行なわ
れることはないはずである。
2004年6月に公表された自民党憲法調査会憲法改正プロジェクトチーム「論点整理」
には次のように書かれてあった。「これまで、ともすれば、憲法とは『国家権力を制
限するために国民が突きつけた規範である』ということのみを強調する論調が目立っ
ていたように思われるが、今後、憲法改正を進めるに当たっては、憲法とは、そのよ
うな権力制限規範にとどまるものではなく、『国民の利益ひいては国益を守り、増進
させるために公私の役割分担を定め、国家と国民が協力し合いながら共生社会をつく
ることを定めたルール』としての側面を持つものであることをアピールしていくこと
が重要である」。つまり、憲法の権力制限規範としての側面を希薄化することが、目
的意識的に目指されているのである。
- 42 -
それでも少なくとも「権力制限規範」であること自体の認識があっただけ、現在の自
民党「憲法改正草案」の思想よりは遠慮がちであった。自然権としての人権を否定する
ことはなかったし、憲法尊重擁護義務の規定自身には触れなかった。それに対して20
12年の「改正草案」は、堂々と天賦人権説を否定し、憲法遵守義務を負うのは国民に転
換され、国民に多くの義務を課しているのである。
「改正草案」で新設される国民の義務は、国防義務(「改正草案」前文)、国旗・国歌尊
重義務(同第三条)、領土・資源確保義務(同第九条の3)、公益及び公の秩序服従義務(同
第十二条)、個人情報不当取得等禁止義務(同十九条の2)、家族助け合い義務(同第二十
四条)、環境保全義務(同第二十五条の2)、地方自治負担分任義務(同第九十二条第2項)、
緊急事態指示服従義務(同第九十九条第3項)など、多数にのぼる。国民の憲法尊重擁
護義務の名の下で、これらの義務を具体化する法律が制定され、国民の自由を大幅に
制限してくる危険性が一気に高まるであろう。
もちろん憲法は「不磨の大典」ではないし、現に第九十六条が改正手続を規定してい
るのであるから、改正することもありうるのは当然だ。しかし、この判断をするのは
あくまで憲法制定権をもつ国民でなければならないのである。解釈改憲・立法改憲を
重ね自ら憲法の理念から現実を乖離させておきながら、憲法と現実が乖離しているか
ら憲法を変更しようなどとする白々しい主張を、首相が旗を振り、政権党から提起す
ることなど断じて許されない。現在の改憲論議の正体は、憲法に規制されている統治
権力の側から、自らを縛る憲法の縛りを緩めようとして企てられたものにほかならな
い。まさに憲法体制、立憲主義そのものへの挑戦というほかないものなのである。
(N)
2005年11月22日の自民党結党50周年党大会で発表された「新憲法草案」に対する、
社民党としての批判は「自民党『新憲法草案』批判」(社民党憲法部会/2006年1月2
0日)としてまとめられている。現在も下記のURLから参照することができる。
※社民党HP(http://www5.sdp.or.jp/central/topics/kenpou2006012004.pdf)
「日本国憲法改正草案」全文批判(案)
2013年4月23日第2刷
発行責任者福島みずほ(憲法改悪阻止闘争本部長)
編集責任者照屋寛徳(憲法改悪阻止闘争本部事務局長)
発行社会民主党憲法改悪阻止闘争本部
東京都千代田区永田町2-4-3 永田町ビル7階
編集事務局社民党政策審議会(担当:野崎)
社社社社社社社社13/04/24

http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/constitution/critic/img/constitution2013.pdf


19. 2013年5月02日 05:25:03 : JfFbs5hoTk

護憲って、中国にとって真に都合の良いことだのだね。

中国の工作員、それが護憲勢力であって
いつまでも日本の手足を縛っておきたい国賊だのだ

戦前の日本=悪玉、こりが中国や亜墨利加の都合の良い大好きな史観だ

この史観にのって生活してるのが護憲勢力だ、糞だ。



20. 2013年5月02日 22:36:26 : MwBBMwIv0I
第40回(5月2日):吉田ただとも 議員

4.28「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」開催に抗議する

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/img/40tadatomo.jpg

 私は、4月28日11時から開催された「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」には他の社民党議員とともに欠席しました。その代わりに、同時刻に、守永信幸大分県議会議員及び安東房吉大分市議会議員とともに、大分市中心部で抗議の街頭演説を行いました。

 1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約発効以降も、沖縄、奄美群島、小笠原諸島が米国の執政下に置かれ、特に沖縄には今なお日本国土の0.6%の面積に74%の米軍基地が駐留しています。沖縄の皆さんの心情を思えば、とても4月28日に式典など開けるはずもありません。

 聞けば、式典の終了間際に誰かが万歳を始めたというではありませんか。呼ばれた天皇・皇后両陛下の心中も複雑なものがあったのでないかと推察されます。今回の式典開催は特に安倍総理がこだわったとのことです。「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍総理が、憲法改悪の地ならしに式典開催及び天皇・皇后の出席を利用したのだとしたら大問題です。

(2013年5月2日 社会民主党政策審議会長 参議院議員 吉田忠智)

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/40tadatomo.htm


21. 2013年5月03日 05:52:48 : JfFbs5hoTk

社民党って ほんま国賊やね


22. 2013年5月03日 22:54:33 : 1Sh5S83dtg
2013年5月3日

憲法記念日にあたって(声明)

社会民主党

1.本日は、日本国憲法が施行されてから66周年にあたります。主権在民、平和主義、基本的人権の尊重を掲げた日本国憲法は、この66年間、私たちが進むべき方向を示してきました。また、日本が国際社会、とりわけアジア近隣諸国から信頼をかちとるうえで重要な役割を果たしてきました。社民党はこれからも、憲法に謳われた理念の実現のために邁進することを、憲法記念日にあたって誓います。

2.今、憲法は最大の危機に直面しています。安倍政権は本格的な改憲への準備として、まず第96条の憲法改正の発議要件を「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩和しようとしています。しかし、最高法規である憲法の改正に、通常の立法よりも厳格な発議要件が課されるのは当然であり、時の政権や政治状況によって揺れ動くものであってはなりません。また、内閣が政府の方針として「憲法改正」を掲げること自体が第99条にある憲法尊重擁護義務違反であって、立憲主義の本質を破壊するものです。改正の具体的な目的も示さず手続きだけを先行させる姑息な手法で、国民を欺くものにほかなりません。

3.自民党の「日本国憲法改正草案」は、国家の権力行使を優先する復古的要素が満載です。改憲派の最大のネックは、自衛隊の「普通の軍隊化」を阻んできた憲法9条の存在であり、米国と一体になって「戦争が出来る国」へと変えることこそが至上命題である、とこの改正草案は露呈しています。また、「公益及び公の秩序」の名の下に、表現や思想・信条の自由、集会結社の自由などを制限し、これまで「侵すことの出来ない永久の権利」であった基本的人権を歪めて、国家に従順な国民をつくろうとしています。立憲主義の原則は、権力に対して厳しい規制や制限を加え、主権者たる国民の権利を保障するものです。憲法の本質を180度変えて、権力側が国民をコントロールするという「改悪」、戦争の出来る国への「回帰」を許すわけにいきません。

4.安倍政権の自助優先の経済政策や国家主義的路線の裏で、労働者や生活困窮者など弱い立場の人たちが切り捨てられ、生存権、勤労権、法の下の平等など憲法で保障されている国民の諸権利が侵害されかねません。「憲法が時代に合わない」、「国民の手に憲法を取り戻す」と言っている政府自らが、憲法理念と現実を乖離させてきたことを見過ごしてはなりません。1票の格差問題をはじめとした、立法不作為を解消し、憲法の理念に向けて現実を変えていくことこそが、憲法尊重擁護義務を負う政府と国会の責務です。

5.戦後、私たちの尊厳や生命や暮らしは、憲法によって支えられ守られてきました。憲法は主権者たる国民のものという大前提を譲ってはなりません。そのためにも、今夏の参議院選挙はとても重要です。社民党は、憲法を変えることに腐心するのではなく、憲法の理念を社会の隅々に生かしていく努力こそが必要だと皆さんに訴えます。憲法を守り、活かし、世界に広げていくために、共に手を携えて改憲の流れを押し戻そうではありませんか。社民党は、「強い国よりやさしい社会」の実現に向けて全力をあげることを、ここにあらためて宣言します。

以上

http://www5.sdp.or.jp/comment/2013/seimei130503.htm

第41回(5月3日):吉川はじめ 議員

「あたらしい憲法のはなし」

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/img/41yoshikawa.jpg

 今日5月3日は、憲法記念日です。全国各地で憲法を守る集会が開かれており、社民党も恒例となっているJR上野駅で街頭宣伝活動を行います。

 憲法記念日に際してある文書を紹介します。

「みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和二十二年五月三日から、私たち日本國民は、この憲法を守ってゆくことになりました。このあたらしい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が、たいへん苦心をなさいました。・・・こんどのあたらしい憲法は、日本國民がじぶんでつくったもので、日本國民ぜんたいの意見で、自由につくられたものであります。・・・みなさんも日本國民のひとりです。そうすれば、この憲法は、みなさんのつくったものです。」

 少し長くなりましたが、これは文部省が日本国憲法の解説として作った『あたらしい憲法のはなし』という中学1年生向けの社会科の教科書からの抜粋です。

 新憲法はどういうものか、その性格と特徴が、わかりやすく書かれおり、新しい憲法のもとで民主的で平和な社会を作っていく意気込みにあふれています。しかし、この教科書で中学生が勉強できた期間はほんのわずか、すぐに副読本に格下げされ、数年後にはなくなりました。

 副読本となったのは朝鮮戦争が始まった年、日本はいわゆる「逆コース」の時代に突入していきます。

(2013年5月3日 社民党政審会長代理 吉川はじめ)

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/41yoshikawa.htm


23. 2013年5月04日 23:04:45 : 5pRUg07kPQ
第42回(5月4日):山内徳信 議員

我が愛する国民よ! 喰われることなかれ!

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/img/42yamauchi.jpg

 私に影響を与えた中国の作家魯迅の作品に「喰われる者は喰う」という言葉がある。24年間の村長時代に、私の心を支えていた言葉である。村民の生命を守り、人権を守りぬくためには、国家権力や米軍基地に喰われてはいけない、と覚悟したものだった。

 今、日本の平和と人権を喰い物にしようと、安倍の大蛇が厚顔無恥のふるまいをしている。これ正に現代の「八岐の大蛇(やまたのおろち)」である。

 戦後日本は平和国家として歩んできた。他国を攻めることも、攻められることも、殺すことも、殺されることもせずに生きてきた。これこそ平和憲法のお陰である。

 戦前のような天皇制国家、戦争国家、自衛隊の国防軍への格上げ、個人の人権よりすべて国家公益優先は時代を逆転させる暴挙だ。

 安倍首相や石破幹事長等、偉そうに嘯(うそぶ)いているが、彼らはアメリカの世界戦略に喰われているのだ。安倍政権に喰われないために、国民よ決然として立ち上がろう。 

(2013年5月4日 社民党参議院議員 山内徳信)

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/42yamauchi.htm


24. 恵也 2013年5月10日 09:17:26 : cdRlA.6W79UEw : GVOwSyVq5o
>>20 社会民主党政策審議会長 参議院議員 吉田忠智

社民党の宣伝でもしてるつもりかね。
血が通ってない言葉で空理空論、そんな文章は読む気もしないし有害無益。
それで一般人を教育でもしてる気だろう。

なぜ社民党が国民に嫌われたのか、まったく反省がない。
立憲主義の本質とか、憲法尊重擁護義務違反とか人に通じる言葉じゃないよ。
こいつらは頭でっかちで世間知らずのバカに過ぎん。


25. tk 2013年5月10日 18:25:56 : fNs.vR2niMp1. : wgeuXdWIok
9条だけ変えればいい
何が悲しくて北朝鮮みたいな極左な自民案憲法に変える必要が有るのだ

26. 2013年5月10日 21:22:09 : jthrzTgzHs
厚かましいんじゃ!自民党!変えるんやったら9条だけにしろ。
そんなにしょっちゅう憲法って変えるもんちゃう!
お前ら自民だって最近までは軍事問題から改憲の必要性を説いていた。
憲法変えやすくしたいから憲法変えたいの〜あほか!お前は。お前らは国民と憲法をなめておる。
統一教会と幸福の科学と創価学会はいい加減にするべきだろう。

27. 2013年5月11日 21:58:42 : kopoXQ1qYU

 >18  zdmQ7KR69gさん 自民党憲法草案の批判文をありがとう。 

 社民党は正論を述べている。近頃は自分の信念をもたず、支配的な勢力や風潮に迎合して、自民党の憲法改悪草案のごとき邪論に与する連中が多数になったようだ。

 安倍ら憲法改悪勢力の狙いは9条だけではない、案1条で天皇を「元首」とし案3条で「君が代・日の丸」への尊重規定をおき、案6条で天皇は「内閣の助言と承認」無しで国事行為ができるようにし、案18条では「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」を削除した。

 案102条では天皇は「憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」の規定がなくなった。天皇を憲法の上に置くということだ。

 狙いははっきりしている。現憲法の「国民主権」「人権尊重」「戦争放棄」の三本柱を倒そうとし、そのための96条改悪だ。

 さらに案100条では、現96条の国民投票では「その過半数の賛成」を必要とする。を「その有効投票の過半数の賛成」と変えようとしている。おそらくそのときの国民投票では異常に無効票が増えるだろう。


28. 2013年5月14日 16:52:49 : 7N1sa7PvU2
96条改定の狙いは9条
日テレ系 穀田氏が指摘

日本共産党の穀田恵二国対委員長は11日の日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」に出演し、憲法改定について各党の政策責任者と議論しました。

 憲法96条にある改憲発議要件の緩和を自民党が表明していることについて、穀田氏は「(96条改定を突破口に)9条を変える狙いがあることを見なくてはならない」と指摘しました。そのうえで、諸外国も憲法の改定要件を一般の法律より厳しくしていることを示し、「立憲主義という憲法によって国家権力を縛る考え方に立っていて、ときの権力者が多数の力をもって憲法をすぐに変えられないようハードルを高くしている」と強調。「96条を改定したら、憲法が憲法でなくなる」と批判しました。

 自民党の高市早苗政調会長が「穀田さん。『自民党が一番狙っている9条』って、その言い方やめて」などと難癖をつけましたが、司会の辛坊治郎氏からも「この番組でも(自民党の)石破幹事長は96条改正について9条改正を念頭において、とまでいっている」とたしなめられる一幕もありました。

 また、穀田氏は自民党が主張する「集団的自衛権の行使」について、「日本の防衛とは全く無関係だ。(認めたら)海外でアメリカと一緒に戦争することになる」と指摘。高市氏が「軍という名前のものを持つことを日本だけがダメといわれる理由がわからない」などといって、憲法9条2項の「戦力不保持」と「交戦権の否認」を変えることを正当化したのに対して、穀田氏は「(憲法によって)戦争をしないと宣言した国際公約を破り、戦争することを内外に明らかにするものだ」と批判しました。

 最後に、「夏の参院選挙はどんな選挙になるか」と問われて、穀田氏は「自共対決選挙」とフリップで回答。「経済、消費税、TPP(環太平洋連携協定)、原発、歴史認識、憲法のいずれも自民党の対極にあるのが日本共産党。自民党と共産党の全面的な対決の選挙にしたい」と述べました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-12/2013051202_02_1.html

憲法96条改定を許すな
⁅☯⁆http://www.youtube.com/watch?v=NuroHJ4Ov-E


29. 2013年5月24日 15:35:59 : WwCiHBdIlA
2013/05/23 「『立憲主義』も知らないで議論に参加するな」 小林節氏、改憲狙う自民党に怒り 〜「立憲フォーラム」 第3回勉強会

 「庶民に民放、刑法が必要なように、権力者には憲法が必要だ」―。改憲論者でありながら、自民党の掲げる憲法96条改正に反対している小林節慶応大教授は2013年5月23日、憲法96条改正に反対する超党派の議員連盟「立憲フォーラム」の第三回となる勉強会でこのように述べた。

 自民党の憲法議論の場において、「立憲主義」も知らない議員がいると紹介し、「立憲主義は、学説としてとる、とらないじゃない。日本語と同じで、知ってて当たり前。日本語がわからないなら話し合いにならないのと同様、『立憲主義』も知らないで議論に参加するな。この知的レベルに私は本気で怒っている」と、自民党の実態を強く非難した。


□講師 小林節氏(慶応義塾大学教授)

※掲載期間終了後は、会員限定記事となります。

⁅☯⁆http://iwj.co.jp/wj/open/archives/80601


30. 2013年5月26日 21:16:25 : c0n20wrIvo
第61回(5月27日):照屋寛徳 議員
憲法から基本的人権が消える日

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/img/61teruya.jpg
5月23日「立憲フォーラム」勉強会にて、小林教授=右=の講演を聞く照屋=左手前=

 登山家三浦雄一郎さんが、80歳の世界最高齢で世界最高峰のエベレスト登頂を達成した5月23日、永田町で「憲法96条改憲」を巡る二つの重大な動きがあった。

 一つ目は、「憲法96条改憲」の先行実施に反対する憲法学・政治学の研究者らでつくる「96条の会」の発足会見である。結成された「96条の会」には、護憲派だけでなく、改憲派憲法学者の小林節慶応大教授らも参加している。

 「96条の会」発足会見で樋口陽一東大名誉教授は「憲法改正権(96条)によって、その条文自体を変えるのは、法論理的に無理な話」と述べ、山口二郎北海道大教授は「96条の争点化は前代未聞で、保守政治の劣化だ」と語っている(5月24日付東京新聞)。

 二つ目は、同日の超党派議連「立憲フォーラム」における改憲派憲法学者小林節教授の講演だ。小林教授は、講演で「憲法を語る基礎知識に欠ける人々が論争を先導してきた悲劇」を述べ「それを放置してきた護憲派の責任も重い」と鋭く指摘した。そのうえで、小林教授は「『憲法を国民に取り戻す』と言いながら、権力者が国民を利用しようとしている」と安倍総理を批判した。小林教授は、国民の義務規定を増やした自民党の憲法改正草案についても「憲法は国民ではなく権力者を縛るもの、という立憲主義を理解しておらず、議論にならない」と論破した。私は、小林教授の著書は読んだ事があるが、講演は初めて聞いた。5月23日の二つの動きを通して、今や、「憲法96条改憲」反対は、護憲派、改憲派を超えた感を抱いた。

 おっとっと、いつもの如く脇道にそれた。今日のテーマは、憲法と基本的人権だ。

 日本国憲法第97条は「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と基本的人権の本質を明定する。

 一方、自民党「日本国憲法改正草案」では、日本国憲法第97条が全文削除され、自民党のQ&Aでもその理由を明かさない。

 日本国憲法第11条は「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」と明定する。日本国憲法第11条と第97条は、基本的人権の定めとして不離一体のものである。

 とまれ、基本的人権の歴史やその固有性、不可侵性、普遍性などの観念については、機会を改めて書く。基本的人権が保障されていない沖縄の現状についても都度書くつもりだ。

 自民党「日本国憲法改正草案」を読む限り、「96条改憲」で立憲主義を破壊し、「97条全文削除」で基本的人権を否定し放棄するつもりらしい。嗚呼、恐ろしい。その日が到来すると、日本は世界の先進国と価値観を共有しえない独裁国家となるに違いない。

(2013年5月27日 社民党衆院議員 照屋寛徳)

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/61teruya.htm


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