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ヒグス粒子発見が研究者から展望を奪った!(Scientific American, 21 Nov. 2012)
http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/853.html
投稿者 脳天気な 日時 2012 年 12 月 19 日 19:08:28: Md.C3hMjrAb3Q
 

ブログ 法螺と戯言より
http://blog.livedoor.jp/oibore_oobora/archives/51824435.html
 自然界を支配する法則の新発見は難しい。観測に基づいて何がしかの法則的因果関係を発見する。次になされる観測は概ね其の法則に従う。しかし、そこから外れる現象がある。これぞ、自然認識を深化させる重要な手掛かりである。こうした過程を繰り返し、自然現象の理解が深まって来た。
 ところが、CERNによるヒグス・ボソン発見の実験は、そうした余剰現象がみつからなかったらしい。それが、素粒子研究者の落胆につながっているという。
以下は、Scientific American on-line 2012年11月21日号記事の紹介です。
+++++ヒグス粒子発見が研究者から展望を奪った!
総選挙があったりして、些か古いニュースとなってしまいましたが、7月のヒグス粒子存在が確認された結果、その後の自然界の認識深化の展望に陰りというか、絶望観が生じているという興味深い話を紹介します。それを以下に転載しておきます:
%%%%%LHC実験は標準理論の向こうを示唆するいかなる異常現象をも生成しなかったらしい(サイアンティフィック・アメリカ誌からの転載)
http://blogs.scientificamerican.com/observations/2012/11/14/new-higgs-result-bring-reliefand-disappointment/?WT_mc_id=SA_CAT_physics_20121121 
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New Higgs Results Bring Relief—and Disappointment
 ヒグス粒子の検出は、「ヤレヤレ」という気分と同時に「失望」をもたらしている
By Michael Moyer | November 14, 2012 | 32
Higgs to two-photon candidate event as seen by CMS in May 2012
2012年5月にCMSが見つけたヒグス粒子の2つの光子への変換(は何がしかを暗示する事象!
This past July, physicists at the Large Hadron Collider announced that they had discovered a new particle that looked much like the long-sought-after Higgs boson. In fact, the Higgs-like particle they found was nearly perfect—based on the available data, it looked almost exactly like what the Standard Model of Particle Physics predicts the Higgs to look like. This finding gave physicists encouragement that they had finally bagged the elusive Higgs, but it fed the dread that the LHC won’t come up with any shocking new observations to puzzle over. For if physicists don’t find anything that conflicts with existing theories, how will we deepen our understanding?
去る7月、大型加速器(LHC)の素粒子物理学者たちは、長く追求されてきたヒグス・ボソンに良く似た新しい粒子を発見したことを公表した。実際、彼らが見つけたヒッグズのような粒子は、完璧に実測データに基づいており素粒子物理学の標準理論が予言したそのものであるように見える。この発見はヒグス粒子を捉えるべく奮闘してきた物理学者たちを 大いに激励するものであったが、一方で、それは、LHCがいまだ追いついておらず、いずれは解かねばならない新しい衝撃的な観測を示唆しないという恐怖を提供するものでもあった。物理学者が既存の理論と矛盾するものを何も見つけないとすると、私たちはどのようにして新たな自然界の理解を得たらよいのか?
This week physicists working at the LHC are sharing the first batch of Higgs data since that initial announcement. The LHC can’t observe the Higgs directly, of course, since it quickly decays into other fundamental particles. Instead, physicists must count up the number of particles that detectors observe and tease out those that may have come from a momentarily existent Higgs. If the Standard Model is correct, physicists know how many of these daughter particles they should see. Any deviation from these expected numbers would indicate that something is happening beyond the Standard Model.
Alas, most of the Higgs results being presented this week at the Hadron Collider Physics symposium in Kyoto, Japan, have been well within our standard understanding. Physicists at ATLAS and CMS, the two largest particle detectors at the LHC, have about double the amount of data they did in July; this new data hasn’t dramatically changed the tentative conclusion that the LHC is seeing a plain-old Standard Model Higgs.
To be sure, these are still early days, and with time and data physicists could learn that the Higgs differs from Standard Model predictions, or even that there’s more than one Higgs to be found.
今週、LHCの研究者達が、あの7月の発表以来はじめてヒッグズ・データバッチを共有することとなった。勿論LHCはヒグスを直接に観測できない。なぜならそれは他の素粒子に短時間で崩壊してしまうからだ。その代わりに、物理学者は、検知器が観察する粒子の数を総計し、瞬間的に現存のヒッグズから来たかもしれないものを引き出さなければならない。標準理論が正確な場合、どれだけの崩壊粒子が生ずるかはわかっている。。これらの予期された数と観測される数とのずれが標準理論を越えてた何がしかを示していることになる。悲しいかな、京都(日本)でのハドロン・コライダー物理学シンポジウムで今週示されたほとんどのヒッグズの結果は、標準理論内のものであった。
ATLASとCMS(LHCの2台の粒子検知器)に携わった研究者達は7月に行った実験データの2倍の量を有している。これらのデータはさしあたり標準理論の地平にあり、さしあたりの結論に些かの変更を加えるものではない。なるほど、これらはまだ始まったばかりで、時間の経過とデータ解析が進む中でヒッグズが標準理論予測と異なる何かが見つかるかもしれない。
And that’s also not to say the new results lack intrigue. In July, physicists found that the Higgs decays into two photons slightly more often than it was expected to. Could this have been a hint of new physics? Possibly. It could also just have been a statistical blip that would wash away in the coming flood of data. But while ATLAS and CMS physicists have this week updated their results for many other Higgs decays, on the question of photon decay they have chosen to remain silent. This week, the most tantalizing observation is the one that doesn’t exist.
また、そうした新たな解析をもってしても結果はややこしい機構理解を欠いたものかもしれない。7月に、ヒッグズ粒子が2つの光子へ期待されたより高い頻度で崩壊することを発見している。これが素粒子物理学の新たな発見への糸口となりえるのだろうか?きっとそうだ。それは、これまでは、洪水のような夥しいデータの統計処理の結果に過ぎなかった。しかし、ATLASとCMSの研究者達が今週、多くのヒグス崩壊データを再解析した。それらは、それまで沈黙していた疑問に基づいている。その結果、今週、最も期待をかき立てるような観察は存在しないことがわかった。

%%%%%転載終わり
 

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コメント
 
01. 2012年12月19日 23:34:22 : 3tvoCYMTEI
また、計測ミスなのか?。

02. 2012年12月20日 05:57:54 : E4bT3Bpr2w

2014年と2015年のアップグレードでLHCの性能は驚異的に上がるそうだ。

新たな現象が観測される可能性はまだある。


03. 2012年12月28日 11:58:43 : WaxXbB3YAI

ヒッグスに関しては標準理論で十分説明できたということ

別に失望というほどのものでもない

科学では普通に起こっていることの一つ


04. 2013年1月07日 15:10:30 : NZEG1SHVSw
LHC での7Tev +8Tevの実験で125GEV ボゾンが発見された。
素粒子の世界的権威PDGの現時点での見解は、素粒子標準モデルSM ヒッグス粒子 で矛盾しない。
素粒子標準モデルを越えるモデルで可能性のあるものは多くある。

H→ γ γの崩壊確率がSM ヒッグス粒子より大きい測定結果はLHC だけでなくTevatronも同様だ。H→ γ γ ,H→ ZZ は125GEVボゾン発見のチャンネル。再解釈する前に、原データ公開 するべきだ。
H→ γγやH→ ZZ からはディラトン説、NMSSM 説、、がある。決着を望む。
再解釈はカンニングではないかな?


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