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失はれた日本(昭和の日に)   西岡昌紀
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/349.html
投稿者 西岡昌紀 日時 2010 年 4 月 29 日 12:38:28: of0poCGGoydL.
 

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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1473935335&owner_id=6445842


−−「何が失はれた美しさで、何が新しく得られた美しさであるかを考える事」(柳田國男)−−


今から30年以上も前の事です。

昭和53年(1978年)か昭和54年(1979年)の事と記憶します。当時、私は、東京大田区の久が原と言ふ町に住んで居ました。(私が生まれたのは、大田区の山王と言ふ場所ですが、当時は、久が原と言ふ町に住んで居ました。)久が原は、池上の近くの町で、静かな町で、今も比較的緑が多い所です。

その久が原に、或る神社が有りました。その神社は、さほど高い場所に在る訳ではありませんでしたが、東の斜面に面して居て、神社の東側には、少しばかり、東の方を見下ろす様な景色が見られました。そして、見下ろす様な風景の先には池上本門寺の緑と、そこに立つ本門寺の五重の塔が遠望されました。

神社の境内には、古い大きな木が数本立って居ました。そして、私がそこに移り住んだ頃、そこには、素晴らしい物が有りました。

それは、境内に立つ古い社(やしろ)でした。当時、私がそこで読んだ説明に依れば、その社は江戸時代に建てられた物で、茅葺(かやぶき)の古いその社が、大きな木の下に静かに立って居るその光景に、私は、心を打たれました。

久が原に引っ越した当時、私は、高校生でした。それから、私は、引っ越して来た家のすぐ近くに在ったその神社に、度々足を運ぶ様に成りました、特に、当時飼って居たシェパードと二人で毎日の様にその神社に散歩に行った事は、私の大切な思ひ出です。


犬と二人で訪れたその境内で、私は、私は、その古い社の前に立ち、その茅葺の屋根を見上げました。雨上がりの光景など、今も良く覚えて居ます。雨がやみ、青空が広がり始めた時、雨に濡れたその茅(かや)の屋根が日の光を浴びて光る光景などが、今も私の心に残って居ます。その古い社を見つめ、周囲の古い木々を見上げて、私は、その土地の遠い昔に思ひを馳せました。全く無名の場所でしたが、本当に素晴らしい場所でした。


しかし、数年後、その茅葺の古い社は、失なはれる事に成りました。私が久が原に越して来て数年後に、その美しい茅葺きの社は、トタン屋根の社に建て替えられてしまったのです。神社が書いた説明に依れば、そうした茅葺(かや)の屋根をふき替える職人が居なく成って来た事、費用と労力が掛かる事などから、そうせざるを得なく成った、との事でした。

本当に残念な事でした。もちろん、私にはどうする事も出来ません。私はに、犬と一緒にその工事を見つめ、新しい社が建てられるのを見て居る他は、何も出来ませんでした。ところが、それから暫く経った頃、私は、その失はれた社(やしろ)について、或る話を聴く事に成ります。


数年が経った頃と記憶します。当時、私の家の近くに、或るドイツ人の一家が住んで居ました。Aさん一家と呼んでおきましょう。その一家の長であるAさんと、二人で、その神社に来た事が有りました。

Aさんは、そこで、新しく建てられたトタン屋根の社を苦々しい顔で見ながら、「Das war   viel schoener.(あの方がずっと美しかったのに)」と言って、少し前までそこに立って居た江戸時代からの茅葺きの社を懐かしがりました。私は、Aさんが、私と同じ事を感じて居る事を知って、ドイツ人である彼も同じ気持ちだったのだなと思ひました。すると、Aさんは、神社の東側に広がる風景を前にして、こんな話を語ったのです。

「戦争中、ここに住んで居たドイツ人の男性が居ました。彼は、戦争中、ドイツ学園の教師として、日本に住んで居た人です。」

ドイツ学園と言ふのは、日本在住のドイツ人の子供たちの学校です。ドイツ学園は、今は横浜市に移転しましたが、戦前は、大森駅に近い山王に有りました。(戦後も永く山王に在り続けました)そこ(久が原)からドイツ学園までは、私の感覚では、歩いたら、かなりの距離(東に3キロか4キロくらい)ですが、戦争中、そのドイツ人の教師は、久が原の自宅から、職場であるドイツ学園まで、毎日、徒歩で通って居たのだそうです。


Aさんは、神社の東に遠望される本門寺の五重の塔を前に、私にこう語りました。

「私は、ドイツで、そのドイツ人に会った事が有ります。彼は、この神社をとても懐かしがって居ました。毎朝、早朝、ドイツ学園に歩いて行く前に、彼は、この神社に寄ったそうです。その頃(戦争中)、この神社の前には、畑(Feld)が広がって居て、その畑が広がる光景の向こうに、あの塔(本門寺の五重の塔)が立って居るのが見えたのだそうです。毎朝、この場所で見たその光景がいかに美しかったを、彼は、私に語りました。」

Aさんのその話に、私は、戦争中、誰も居ないその神社の境内で、一人立って、神社の前に広がる当時の田園風景を見つめるそのドイツ人教師の姿を思ひ浮かべました。そして、今は住宅や建物でひしめくその風景が、一面の畑と、その彼方に見える丘の上の五重の塔であった当時の光景を想像しました。かつて、そんな光景と、そこに立ってその光景を見つめるドイツ人の姿が、私が立って居る同じ神社の境内に有ったと言ふのです。

Aさんは、こう言ひました。

「彼は、そして、あの古い建物(社)をとても懐かしがって居ました。」

私は、何も言へませんでした。

Aさんは、そして、こう言って、その話を終えました。

「ドイツで会った時、彼は、私に『あの場所は、今、どう成って居る?』と尋ねたのです。」


当時、既に、そのドイツ人教師は高齢だった筈ですから、今はもうこの世に居ない事でしょう。しかし、私は、ドイツに帰ってからも、久が原のその神社を懐かしがり続けたその教師に、Aさんは何と答えたのだろうと、今も思ふ事が有ります。

日本は、どれだけ多くの美しい物を失って来た事でしょうか。

平成22年4月29日(木)
昭和の日に

               西岡昌紀(内科医)

http://archive.mag2.com/0000248573/00000000000000000.html
http://nishiokamasanori.cocolog-nifty.com/blog/

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コメント
 
01. 2010年4月29日 13:11:41: AUp5UVgIjE
君の名前はどうも見覚えがあるような気がして、検索したところ君は文春に「ユダヤ人のホロコーストは無かった」との捏造記事を書いた男じゃないか。

この記事も捏造した作文だろう。
君も五十位にはなっているのだろうから、もっと大人になれよな。


02. 2010年4月30日 10:55:09: Y2oLNk5DIo
誰が言ったか忘れたが、
『「大人」とは、自分の意見よりも、社会的権力に迎合する者のことである!』
だってさ!
大人ばかりで、国は滅びるか!
だったら、永遠の子供でいたいものだ!
ホロコーストの真相を知りたい人に良い参考書を紹介しよう!
勿論、ホロコーストは、ユダヤ財閥とヒトラーの共同作業だったんだがね。
ちなみに、ヒトラーはロスチャイルド家の血をひくユダヤ人だったんだ!
イスラエル建国の最大の功労者だったのだ!

参考図書:鬼塚英昭著『二十世紀のファウスト』上下巻、成甲書房刊


03. 2010年5月01日 18:43:55: zWCshxv6jA
正確な題名は忘れたが「ホロコーストの真実?」であったろうか?大変に説得力ある本であった。多くの人が、まずは「偏見」を捨ててこの本を読むべきであろう。
しかし、阿修羅に登場する西岡氏の投稿にはいつも「衒学」的不自然さを感じている。一つは「旧仮名遣い」である。西岡氏が小中学校で受けた国語教育世代は「失われた」であり、「失はれた」では無かったはずだ。
そして、今般の投稿。若くしてドイツ語に堪能であったことを誇示するかのごとくである。
私は、阿修羅に登場する西岡氏を好きになれない。

04. 2010年5月10日 19:40:10: B5offegeiY
阿修羅さんへ
「ホロコーストは無かったとは言わないが、ガス室は無かった」ですよね。
以前読んだ記事にはそう書いてありました。私もその意見に同意です。

1番さん訂正お願いします。

迎合する人は恐怖する人、迎合しない人は恐怖の克服の術を知っている人。

3番さん、検索に引っかからないようにしていることも考えてあげて。だって、1番さんのような人がつけ回すのですから。


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