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日清戦争前の極東情勢と現代が似ていると何度か書いてきましたが、ヨーロッパでも1913年頃と現代とが似ていると言う記事
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/753.html
投稿者 TORA 日時 2013 年 3 月 23 日 14:38:22: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu284.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日清戦争前の極東情勢と現代が似ていると何度か書いてきましたが、ヨーロッパ
でも1913年頃のヨーロッパと現代とが似ていると言う記事を紹介いたします。

2013年3月23日 土曜日

◆ヨーロッパで高まる戦争の予感? 3月18日 地政学を英国で学んだ
http://geopoli.exblog.jp/

ドイツが再び大戦争を勃発させる?
by ドミニク・サンドブルック

●世界は歴史の曲がり角に立っている。莫大な経済力が国際政治の風景を作り替えているからだ。イギリスでは首相が何度も迫る危機に翻弄されており、海外ではヨーロッパの中心からアジアの端にいたるまで経済力を持った大国が台頭している。そして歴史上最大の新しいドイツ帝国の誕生もささやかれているほどだ。

●上のような言葉は今日の新聞から抜き出してきたようなもののように聞こえるかもしれない。しかしこれは1913年、つまり今から100年前の世界の状況について描いた話なのだ。(中略)

●伝説的なアメリカの投資家であるジョージ・ソロスは去年行ったスピーチで、もしドイツ首相のアンゲラ・メルケルがドイツ以外の国々に今のままの経済面での要求をつづければ「ドイツが他の国々から帝国主義的な国だと見られて、嫌われて尊敬されることなく、憎しみと反抗の対象になるでしょう。なぜなら抑圧的な国だと見られてしまうからです」と述べている。

●イギリスの左寄りの雑誌であるニュースステイツマン誌は、メルケル首相のことを「ヒトラー以来の最も危険なドイツの指導者だ」としている。

●このような言葉は煽動的に見えるが、ユーロ内の地中海地方の国々は、ドイツがここ百年以内に三度目のヨーロッパ支配を行おうとしていると主張している。

●もちろんドイツ側は、ただ単に自分の能力以上に使いすぎてしまう国々の財政を安定させようとしているだけだと言うだろう。

●しかしドイツがヨーロッパの人々にたいしてさらに厳しい経済面での制限を行えば、外交面での孤立や紛争、それに政治における過激主義の台頭などは劇的なものになるだろう。

●われわれはすでにアテネやローマ、そしてマドリードなどで、ドイツの経済面での圧政にたいする血塗られたプロテストを目の当たりにしている。

●これはギリシャの超民族主義的で右派の「黄金の夜明け」党のような政党が伸びてくる最適な環境であり、暴力の増加と外国人労働者排斥にとって好都合な状態が毎週進んでいるのだ。

●そしてこの危機の争点になっているのは偉大な「ヨーロッパ統合」というプロジェクトそのものなのであり、傲慢な形で創設されたその経済体制そのものなのだ。しかしこれはいま破滅的な崩壊に直面している。

●ここ数年の間に、メルケルが楽しんでいたフランスの右派のニコラス・サルコジとの親密な関係は、莫大な公共事業に投資のによる経済復活を公約して政権についた社会主義者のフランソワ・オランドの登場によって消滅した。したがって、独仏間にはイデオロギー面での深い対立があるといえる。

●ナチスの制服を着ているアンゲラ・メルケル首相の人形が燃やされるギリシャの苦悩はよく報じられているが、ポルトガルも同じく厳しい状況にある。2011年の780億ユーロの救済措置の後にポルトガル国民は国からの福祉援助資金をカットされ税金が上がっており、いくつかの祝日がなくなったほどだ。

●スペインでは失業率が25%に上昇して街角では暴動が起こり、反ドイツ感情が盛り上がっている。昨年メルケル首相がマドリード訪問を終える時には数百人がプロテストに参加しており「メルケルはとっとと帰れ!」「ドイツのヨーロッパにノーをつきつけろ!」という横断幕がかかげられている。

●プロテストに参加したあるスペインの経済学者は、「ドイツの金融マフィアがスペイン人を人質状態にしているです・・・メルケルは政治的にドイツの少数支配層に属しているんですよ」と述べている。

●イタリアでも同じような怒りが大規模なプロテストとなって起こっており、右派の新聞であるイル・ジオルナーレ紙は、見出し写真でメルケルの顔の下に「第四帝国」と書いている。

●官僚出身でEUからの緊縮財政案を飲もうとしているマリオ・モンティ首相の党は、最近の統一選挙でたった9%の票しかとれていない。その代わりに注目を浴びたのは、コメディアンであるベッペ・グリッロ氏に率いられた反エスタブリッシュメントの党であるが、彼も連立政権を成立させるキングメーカーだとはみられていない。

●終わりの見えない政治危機のおかげで、ドイツはヨーロッパの「救済者」ではなく、「抑圧者」だとみられるようになっているのだ。

●もちろん1913年に戻って考えてみれば、ヴィルヘルム二世皇帝のドイツ帝国はいまよりもかなりあからさまな軍事的な野心を持っていた。つい最近統一した自国は、アフリカやアジアで植民地闘争のチャンスを逃しており、彼はイギリスとの高価な軍拡競争を開始し、これは数々の巨艦の建造に象徴されるようになる。

●その当時の多くの人々も、戦争が起こることを警告していた。すでに1906年の時点でデイリーメイル紙(まだ創刊して10年しかたっていなかった)はドイツがイギリス南部を侵攻するのは避けられないと予測して、後に大ベストセラーとなったウィリアム・ル=キューの小説を連載している。

●すでに世界の展望を見越すことができた人々は、女性の参政権や蓄音機や自転車の普及、それに有名人のゴシップなどの国内的な議論の背後に忍びよる世界が、きわめて危険な新しい時代に突入していることを感じていたのだ。

●ヨーロッパの端ではオスマン帝国が崩壊しており、いままでヨーロッパ大陸を平和的に保っていた同盟関係を不安定化させていた。1912年の第一次バルカン戦争では、ブルガリア、セルビア、ギリシャ、そしてモンテネグロがオスマン帝国に勝ち、バルカン半島を自分たちで分割していたのだ。

●1913年6月にはこの戦争の勝者たちが内紛をはじめ、ブルガリアが他の勝者たちとマケドニアをめぐって領土争いをはじめている。

●そしてその百年後の現在も、この紛争は民族紛争と不満が潜在的なヨーロッパの人々に破壊的な暴力をもたらすことを教えているのだ。

●もちろん表面的には、現在の状況はまったく異なるものだ。ドイツ首相のアンゲラ.メルケルはユーロの存在そのものがヨーロッパを戦争に突入させない保証になっていると宣言してきた。彼女によれば、このような手段こそが唯一「ヨーロッパの今後の半世紀の平和」を確実にすることができるというのだ。

●ところが実際のところは、ポルトガル、ギリシャ、フランス、イタリア、そしてドイツのように、それぞれ全く異なる種類の国家の経済を結びつけてしまうことは、古い敵愾心を燃え上がらせてしまうだけなのだ。(後略)


(私のコメント)


「株式日記」では、日清戦争前の極東情勢と現代の極東情勢が似ていると何度か書いてきましたが、ヨーロッパでも1913年頃のヨーロッパと現代とが似ていると言う記事を紹介いたします。もちろん違うところも沢山ありますが、ドイツの台頭に危機感を持つのは周辺諸国としては二度の世界大戦前を思い起こさせるのだろう。

極東にしても、当時はロシアの南下が一番の脅威であり、現代では中国の外洋進出が一番の脅威になっている。日本はまだ軍事的に弱体であり、清は英仏に侵略されロシアにも侵略されかかっていた。それでもまだ大国としての威信は持っていましたが、国内は腐敗しきっていた。当時の覇権国家は大英帝国でありましたが、ボーア戦争やクリミア戦争などで国力を消耗していた。

現代はアメリカが覇権国家ですが、アメリカもイラク戦争による疲弊やリーマンショックなどで財政は危機的な状況になり、パックスアメリカーナは崩れ始めて来ている。その結果危惧されるのはドイツの台頭と中国の台頭であり、周辺諸国の危機感は高まってきている。しかしアメリカのヨーロッパからの後退や東アジアからの後退は軍事的な空白を生みつつある。

EUの統合は統一ヨーロッパの第一歩であり、ユーロの共通通貨は経済統合を目指したもののはずだった。しかし上手く行っている時は良かったが、ギリシャなどの財政破綻はPIIGS諸国に影響が広がり、ユーロそのものの存続すら危なくなって来ている。先日はキプロスの問題を取り上げましたが、産業の無いキプロスでは預金から税金を取り立てるしか方法が無い。

PIIGS諸国の経済危機はユーロを揺るがすものであり、ドイツが何処まで救済に乗り出すかにユーロの命運がかかっている。しかしドイツの銀行も大量のPIIGS諸国の国債を買い込んでおり救済しなければドイツの銀行も危なくなる。イギリスはユーロ加盟どころかEUの離脱も模索し始めたところであり、ユーロを支えられる国はドイツだけだ。

しかしこのような状況は、周辺諸国にとってはドイツの金融帝国主義に見えるらしく、ドイツのメルケル首相はヒトラー呼ばわりされいる。PIIGA諸国はユーロのに採用された事で国債が発行しやすくなり財政が膨らみすぎた事が破綻原因になっている。見捨てれば見捨てたで非難されるし救済すればしたで逆恨みされてドイツは踏んだり蹴ったりだ。

アメリカ自身も大きな債務爆弾を抱えており、とてもユーロ救済に動ける状況ではない。PIIGS諸国にとってはドイツが三度目のヨーロッパ支配を行なおうとしていると思う。EUの失敗の原因は通貨の統合だけ行なって財政の統合を行わなかった事だ。PIIGS諸国は経済規模以上の財政の拡大を行なって国債の償還できなくなってしまった。その借金の付けをドイツに持ってもらおうと言うのでしょうが、それではドイツ国民が怒り出す。

ヨーロッパの統合は言うは安く実現は不可能に近いだろう。ドイツに借金の肩代わりをしてもらえばユーロは持ちますが、ドイツが厳しい要求を突きつけるのは当然の話だ。それに対してギリシャなど大戦中の賠償などを持ち出してごねている。スペインやポルトガルなどの経済破綻は失業率を見れば分かりますが、スペインの失業率は25%であり経済は破綻状態だ。

このような関係は、日本とアジア諸国との関係とよくにていますが、東アジア共同体はEUでも上手く行っていない事から実現は難しい。日本とドイツは立場が良く似てはいますが、地政学的に日本は島国でありドイツは大陸国家だ。だからイギリスの動向をよく見るべきであり、イギリスはユーロも加わらずにEUの離脱すら模索している。メリットが無いからだろう。

中国は一つの国家と言うよりも、EUのような国家連合体であり、言葉も違えば民族も違う。共通なのは漢字と通貨だけといったほうがいいだろう。それでも統一を保っていくには独裁権力が必要であり、中国はEUのような国家連合であり、ドイツ無きPIIGS諸国と言う事になる。

中国の韓国も輸出に依存した国家であり、欧米の経済破綻が直接影響する。韓国や中国が経済破綻すれば何処かが支えなければなりませんが、アメリカにその力は無く日本にお鉢が回ってくるだろう。そうなると日本の首相はドイツのメルケル首相のような立場に立たされますが、韓国や中国が大戦中の事を持ち出すのは、ギリシャと良く似ている。

韓国や中国の失業率は、3%4%台と低いのですが、政府の統計発表はあてにならず、実質的な失業率はスペイン並らしい。


◆政府統計で5.4%の潜在的失業率、調査方式変えたら21.2%  2011年10月27日 東亜日報
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2011102774148

韓国の失業率に関する統計調査を、国際労働機関(ILO)標準のアンケート方式で行うと、潜在失業率は21.2%に上るという主張が提起された。日本の労働力調査方式をもとにした統計庁の現行雇用動向調査では潜在失業率は5.4%に過ぎない。(後略)


 

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