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グッドマン・スピーカーの世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1079.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 9 月 05 日 17:02:17: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 酷い音のインチキ・レプリカを量産して伝説の評価を落とした Goodmans Axiom80 投稿者 中川隆 日時 2017 年 2 月 11 日 15:19:57)

グッドマン・スピーカーの世界

Club SUNVALLEY-私のオーディオ人生-第9回
GOODMANスピーカー by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009

マニアの音の共通点とサウンド

オーディオシステムの音を過去から現代まで沢山のマニアの音を聴かせて頂きましたが一つの共通点が見えくる、その共通点とはオーディオを長くやっている人ほど音はけして高音質、大音量ではなく音楽を聴かせる音になっている。しかも真空管を採用したデバィスがほとんどで半導体アンプや今流行のデジアンプで鳴らした音は良かったことは一度もない、「電気臭い音の代表だ」半導体アンプは音が平板になりスピーカーの回りでしか音が鳴らない、
最近はSUNVALLEY AUDIOさんが出している樽スピーカーの真似事のような小型タイプも巷で見るが一度聴いてみると樽スピーカーを超える音にはならない、猿真似はあくまでも所詮猿真似である。
音に関して熟成したマニアの音は低域も高域も欲張らずバランスの取れたサウンドを聴かせてくれます。家庭の部屋でコンサートホールと同一の音などは再現することは不可能に近いが真空管アンプを使用すると不思議とコンサートホールの雰囲気感が出てくる、例えを上げますとかの有名なウェスタンエレクトリックのサウンドは現代から見れば特性は悪いはずですが真空管アンプで鳴らすと音楽を心地よくリラックスして雰囲気感を大切に聴かせてくれる響きを持っている。確かに(生の音)とは違う音ですが独特なサウンドで中域に密度がありコクのあるサウンド、現代の上も下も伸ばした中域の薄い貧弱なスピーカーとは方向性が違う、名器と名の付くスピーカーは「音楽を美味しく聴かせてくれる」楽器の要素が秘められている、英国のヴィンテージスピーカーもウェスタンに共通した部分が多少感じ取れる。オーディオを追求して行くと最終的にはクレデンザ、HMVなどの蓄音機などの電気臭くない音を意識するのではないだろうか
(この部分に賛同する方も異論のある方もいると思いますが長い期間オーディオを追求して行くと私の言っている事が理解できると思う、)
オーディオの再出発はスピーカーありき
オーディオを再出発するにあたって一番悩ますのはスピーカーです。スピーカーの選定でその人の聴くソースのオーディオ人生は決まるような気がする。1970年代に使用していたスピーカーはエレクトロボイスのユニットを使っていましたが再度同じスピーカーはほしいと言う気が湧きません。(もうコリゴリ)
既製の出来合いのスピーカーシステムの場合、改造が出来ませんから遊び心があまりなく面白みに欠ける部分がありますが失敗をしないのであれば選択の余地はありますが自分の求める音と違えば即売りになってくる。以前から私はフロアー型のスピーカーが自分好みでありました。デザイン的にはタンノイのコーナータイプが部屋の調度品になる素晴らしいデザインですがタンノイのスピーカーシステムはだけは価格が高く私としては手が届きません。特にあのオートグラフはほしいのだがリビングには置いてもらえない、置いたら私は家を追い出される、
クラッシックファンはタンノイで決まりは今の時代も同じですが、あのタンノイサウンドは下手に鳴らすと高域が多少ソリッド的でヒステリックになり低域がボーボーした傾向がある、俗に言うドンシャリ(上手く鳴らせば素晴らしい音ですが)中々良いタンノイサウンドには巡り合わないが私が聴いた中でお見事と言えるタンノイサウンドは皆さんご存知のSUNVALLEY AUDIOさんの試聴室のタンノイだけである、
皆さんが使用しているタンノイサウンドがブリテッシュサウンドの代表と思われているが私は違うと思う、他にも沢山のスピーカーの名器は有りますが英国のヴィンテージスピーカーでタンノイ以外は不思議と巷ではあまり見かけない、ヴィンテージの専門店の話によると「イギリス政府が本国のヴィンテージ品は外に出すな」とおふれがあったとかないとか事実だとすれば非常に残念でもある。
GOODMANと瀬川冬樹氏
GOODMANの名前をご存知のマニアは昔からオーディオと共に歩んで来られたと人と思われる。私が高校生の頃ある雑誌に瀬川冬樹氏の書いたレポートにこのような文章が書かれたのを今も記憶している。瀬川氏は「GOODMANを代表する海外のスピーカーは国産と違って音楽性がある」「海外のスピーカーは一日の長がある」このようなレポートを読んだとき音楽性?一日の長?この文章は到底理解できずこの意味は謎であったが最近になってこの意味がわかってきた、
この時代名古屋の納屋橋にヤマハビルの中にオーディオ売り場があり此処で海外の最新のシステムを見ることが出来た。今も鮮明に覚えているのはGOODMAN AXIOM−80、301、ワーフデールスーパー12RS/DDだ、
特にマランツ#7は雑誌の写真でしかお目にかかったことのない超高級品も展示してあった、このアンプはデザインも素晴らしく音質も第一級の芸術的なアンプで何時かは手に入れたいと夢でも思ったが価格は当時で15万円はした記憶がある。オーディオマニアなら誰でも手元に置きたい芸術的な逸品ですが、
この#7が発売されたのは1958年もう50年前になります。私が10歳の「鼻タレ小僧」の時代です。果たして当時の状態が維持できているのか「オレ流アンプの導入選択」でじっくりと解析します。マランツ#7の購入をご検討されている方はマランツ#7を自分なりに美化しない真実のコラムを書きますのでしばらく待ってください。
展示コーナーの片隅にシュリロ貿易が扱っていたGOODMANのカタログがあり日本ではスピーカーユニットと言えばパイオニアPAX−20A、コーラル8CX−7、松下8PW1の20cmクラスがマニアの自作の対象であったがこのGOODMANのAXIOM−80を見た瞬間一度は使いたいユニットの一つでもあった、真っ赤なアルニコマグネットが印象的でお粗末なフェライトマグネットを採用した現代のスピーカーとは違う、
瀬川冬樹氏こそGOODMAN AXIOM−80とマランツ#7を45アンプで鳴らされてこよなく愛された方でその魅力にハマッた一人ではないだろうか、
GOODMANスピーカー
前置きが長いぞ!早く本題に進めと聞こえてきそうですから本題に入ります。スピーカーの購入で夢にまで見たGOODMANスピーカーが候補にあがった、当時のパンフレットを見ますと「GOODMANスピーカーは音の世界をリードする!」マニアの心をくすぐる歌い文句だが、今の時代果たしてGOODMANスピーカーは手に入るのだろうか、1970年代でもまずはお目にかかることは無く音を聴くどころか持っている人も少ない、ヴィンテージショップですら見かけない、仮にあったとしてもGOODMAN=AXIOM−80、AXIOM−301ぐらいでその他のスピーカーは巷ではまず見かけない、
今の時代は本当に便利な世の中だ、インターネットで検索すれば見つかる、ネットで検索するとGOODMANでも見たことも無い大型のホーンスピーカーとツィーターが目に飛び込んできた、「俺はミーハーだから珍しいものなら買う」パンフレットにはない非常に珍しいユニットだ、型式はMidax400ホーンとTrebax100ツィーターで勿論アルニコマグネットである。
Midax100はカタログに載っていたがMidax400のユニットは
カタログには乗っていない、多分日本では発売されなかったレアーな製品ではないだろうか、イギリス本国では小ホールなどで活躍していたのかも? 写真を見てください、外径は幅400mm高さ200mm奥行き480mmのスロートの長いドライバー付きの大型ホーンユニットでマグネットは小さめですがいかにも音が良さそうな気がする、振動板は一般的なアルミ合金ではなくフェノール系の振動板を採用しているのがミソである、アルミ系の振動板はどちらかと言えば音質的に多少冷たい感じがしないでもないがフェノール系は心地よく耳に聞こえてくるのが特徴だ、
30数年前に使用していたエレクトロボイスのホーンドライバーやツィーターもフェノール系の振動板だがアメリカとイギリスでは音の作りは違う、
GOODMAN Midax400ホーンドライバー
ホーンはアルミダイキャストと思われるが1960年代の代物としては非常に作りが良い、インピーダンスは15Ωで使用帯域は600Hz〜7000Hzの帯域で使用とマニュアルに記載されている。
日本には小型のMidax100がカタログに載っているがイギリスのスピーカーではヴァイタボックスもホーンがあるが珍しいユニットの一つでもある。
長いスロートの奥にかすかに振動板が見える
長いスロートの奥にかすかに振動板が見えるTrebax100ホーンツィーター
このユニットはGOODMANスピーカーのマニアなら良くご存知でこのユニットだけで使用する方もいる、このユニットもフェノール系の振動板で非常にソフトな耳あたりの良いユニットです。
このタイプはホーン部分は樹脂ですが、まれにアルミダイキャスト製を見ることができます。樹脂とアルミでは多少音の傾向が違うらしい、「オーディオはこんなことで音が変わるとは不思議な世界だ」

低音用はGOODMANのAudiom-60の30cmスピーカーでこの上にAudiom−80(38cm)がありますが一般家庭では30cmのウーファーで十分だ、

GOODMANのスピーカーユニットをネットで検索して手に入れたのだがこれは私にとっては宝物である。一週間に一度は手にとってニヤニヤしながら眺めていると満足感がいっぱいになってくるがオーディオに興味のない人から見れば「あいつはアホか!」
と思われそうだが・・・・・「思いたければ勝手に思え!の心境だ」
果たしてどんな音になるのか夢が膨らむ、一度もイギリス製のスピーカーを使用したことも無いから尚更だ、
 購入後、数ヶ月たってから我慢が出来ずに一度だけラジカセのスピーカーに接続して中音ホーンだけを鳴らしてみた、出てきた音は「なんじゃこりゃ!」カラスがカァーカァー鳴くような音で音楽にもならない、そう言えば中音スピーカーはスコーカーと呼ばれている「鳥の口ばしと言う意味の通り」の音である。
GOODMANスピーカー購入での難題山積み
GOODMANスピーカーを購入したのは良いのだが、果たしてどんな音なのか、他では聴くことは出来ないのに本当にGOODMANらしい音とは?どんな音なのだろうか、AXIOM−301は一度マニア宅で聴いたことがあるが鳴らし方が悪いのか中域が粗く分解能が悪かったのを憶えている、昔はエレボイで苦汁を飲まされた記憶が蘇えって来た、せっかく買ったのにこのユニットを入れるボックスはどうするんだ!グッドマンスピーカーと言えば必ずARUが付くはずなのにそんな代物などまずは手に入らない、グッドマンスピーカーを3Wayで鳴らすには肝心なネットワークをどうするのか、難題山積みである。
現在使用中のGOODMANスピーカーシステム
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009

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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生/第10回 / SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋
by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-010

 第10回のコラム製作中にサンバレーの大橋氏がガイシホールの帰りに拙宅にお寄りくださいました、グッドマンスピーカーとWE−300Aの試聴
店主日記を見られている皆さんはもうご存知だと思います。9月6日の「Y下の300A」です。
鳴かせてみせるぞ!英国ヴィンテージスピーカー
第9回目はGOODMANスピーカーを紹介しましたが、購入したのは良いがすべてが未知数、スピーカーユニットは不思議な物で上手に磨けば努力次第で「ダイヤモンドにもなり」下手に磨けば「石コロにもなりうる」である、
英国スピーカーの挑戦は私にとっては未体験だ、特にグッドマン3Way、コアキシャルタイプのバイタボックス、ステントリアン等はタンノイと違って使っている人は極少数で知らない人が多いと思う、こんな超レアーが付くスピーカーを聴かれた方は少ないから情報がまずない、しかもオリジナルの音などあって無いようなものだ、タンノイなら周りを見れば持っている人は沢山いる、クラシックファンが10人いれば8人まではタンノイと言われている、ヴィンテージショップに行けば何時でもタンノイなら試聴できるから購入しても失敗がなく誰が鳴らしてもタンノイトーンになり安心感はある、
第1回のコラムで書きました戦国の武将の「鳴かぬなら、鳴かせてみようホトトギス」の心境でもある。またコラムがスピーカー編である以上GOODMANの次は店主日記で紹介されましたバイタボックスその次にステントリアンをご紹介させて頂きます。
GOODMANユニット
前回のコラムでGOODMANスピーカーを写真でご紹介しましたがあれは本当にGOODMANなのか?疑いの眼差しで見ている方もお見えかも知れません、また一度もGOODMANスピーカーを見たことも無いから「全体の写真を見せろ」と声が聞こえてきそうですから今回は中音ホーンのみボックスからユニットを外して再度写真でアップしました、(Club SUNVALLEY初公開)

 GOODMANの中音ホーンの写真です。開口部分は200×400で奥行は480あります。このホーンはスロートが長いので低い周波数帯から使用できます。英国のホーンスピーカーはあまり見かけません。

左側はウーファーでAudiam60になります。フレームを見ますと何となくタンノイのレッドによく似ています。このスピーカーはグッドマンでも初期タイプのウーファーでこれとよく似ていますのは同じグッドマンのAXiom−150になります。
真ん中の写真はこのスピーカーのネットワークになります。多少汚い配線ですが色々テストしたため雑になってしまいました、黄色の色の筒状になっているのはHOVLANDのMUSICAPコンデンサーで素材はフィルムになります。
右側の丸いユニットはツィーターで同じグッドマンのTrebax100になります。
オレ流の料理
オーディオで一番難しく奥が深いのはスピーカーシステムと言われています。このGOODMANをどのように料理するのか思案の為所であり腕の見せ所でもあります。もちろん個人の感性が特に入ってくる部分で「耳と頭」の悪い私ですが自分なりの構想を1〜7にまとめてみた、
1.
ヴィンテージスピーカーは現代のスピーカーと違ってエッヂがフィックスドエッヂを採用してあるため重低音は望めないのでエンクロージャーは出来るだけ大型にして低域を豊かにする。
2.
使用するエンクロージャーの材質は何が適材なのか、また吸音材を何にするか、
3.
リビングに設置する以上は見栄えも大切にしたい、
4.
エンクロージャーの形式は密閉型、バスレフ型、バックロード型、後面開放型、平面バッフルと色んな方式があるがどれが自分好みかをじっくり検討する。
5.
スピーカーユニットを生かすも殺すもネットワークと言われているこの部分に重点的に力を注ぎたい、3Wayのマルチも面白いがアンプが3台とチャンデバも必要になって予算オーバーになるので今回はL,Cの組み合わせのネットワークで行くことにした、特に使用するコンデンサー(C)で音がガラリと変わる体験をしているので自分なりに好みの合うコンデンサーを幅広く選択する必要がある。
6.
3Wayで使用するため二次、三次のクロスオーバーをどこに設定するか
7.
スピーカーボックスの外観はどの様な形にするのか、「この部分こそ好みの世界でもあり楽しみでもある。」
 自分なりにまとめた大筋の7項目ですが3と7の構想だけは音には関係ない気がしないでもないが毎日顔を突き合わせて音楽を聴く以上、工作技術が小学生以下の私が作ったみかん箱のようなみっともないボックスでは良い音でも悪く聴こえる「オーディオもセンスの問題で外観が悪いと音も悪い?」
構想その1
ヴィンテージスピーカーを上手く鳴らすには箱の容積を大きくしないと低域が弱くなってピラミッドバランスが崩れてしまう、ヴィンテージスピーカーのほとんどはエッヂがフィックスドエッヂになっているので低域の振幅が少ないため低域が出にくい傾向がある、それを補うためにはボックスの容積を大きくすれば豊かな低域が望めそうだ、
構想その2
昔はエンクロージャーの材質をラワン合板で製作した経緯があるがラワン合板の響きは付帯音がついて回り響きが悪い、「作り方が悪いのか耳が悪いのか」は記憶にないが良い響きでなかったのは頭の片隅に残っている。当時は特殊な合板は手に入らないからコストの安いラワン合板が簡単に手に入れることができたので自作マニアはラワン合板でスピーカーボックスを製作する人がほとんどであった、
 今は色んな材料が手に入る、米松合板、アピトン合板、フィンランドバーチなどの集成材はスピーカーボックスには良い音が出そうな合板が沢山出ている。昔から米松合板はアルテックのA5,A7に使用されているが確かに響きは良いがコストは高いけど実際はどうなのか未知数であるが今回は初めてアルテックに見習って米松合板を採用して見ることにした、板厚は25mmでチューニングしながら吸音材の量と補強を入れるべきかはやってみなければわからない部分でもある。
 オーディオは自分なりにやってみないとわからない未知の世界だ、自分の耳と技量で馬鹿馬鹿しいことでもやってみるのも面白い、ひょっとしたら良い結果が生まれるかも?ボックスの吸音材は安くて手に入るグラスウールを使用する予定ですが「あれは触るとチカチカする」のがマイナスだ、
構想その3と7
木工工作が子供の頃から得意?であったがフロアータイプのボックス製作は労力が必要だ、それよりも腰を痛めたら病院代の方のが高いものに付くから専門の業者にお願いした方のが無難である。久しぶりに買ったMJ誌に(レコードのスズキ)の広告に特注家具、「スピーカーボックスなど製作します」の文字が書いてあった、
場所は神奈川県の川崎市だが名古屋からは高速を使えば4時間ぐらいで行ける、せっかく作っていただく以上は一度面識を持つ必要もあるがオーナーがどんな人柄であるか不安もある、
事前にアポを取ってから東名高速を4時間かけて行ったのはよいが「レコードのスズキ」の場所がわからない、近所の方に場所を聞いても知らないとの返事
が返ってきたが周りをよく見るとレコード店や木工工房と言うより駐車場完備の木工所の建物がありそこに大きく鈴木産業の文字が目に飛び込んできた、
レコードのスズキ
初めてお会いした鈴木氏は非常に温厚なタイプでこちらの要望にも嫌な顔をせずに親切に対応してくれたのが印象に残る、ここの「レコードのスズキ」の工房の中に入ったらびっくり仰天、右を向いても左を向いてもスズキオリジナルのスピーカーボックスとスズキオリジナルの真空管アンプが所狭しに陳列してあるではないか、「ここはヴィンテージオーディオのご本尊だ、」関東地区のマニアの方は羨ましい、クラフトオーディオの宝庫である、このような工房は名古屋地区にはない、
 スピーカーボックスの打ち合わせで奥の事務所に案内されたが、この事務所も凄い!部屋の中は「真空管、真空管」どうしてこんなに大量にストックされているのか不思議でならない、
 早速スピーカーボックスの打ち合わせを開始すると奥から20代半ばの青年が打ち合わせに入ってきた、この青年は鈴木氏の息子さんで木工職人らしくお父さんとは似ていない中々のイケメン男だったのが印象である。(笑)
スピーカーの外観はタンノイのGRFメモリーに似たデザインで決定したのだがGRFメモリーとはどんな外観なのか正直言って知らなかった、すべて鈴木氏にお任せである、
 ボックスの材質は米松合板の25mm厚でツキ板はウォールナット仕上げに決定した、サランネットはタンノイに似たようなサランネットが気に入ったのでこれに決めた、出来上がりの納期は約1か月とのこと、その間に真空管アンプを自作すれば完成と同時に聴ける、どんな音で音楽が奏でるか楽しみだ!
構想その4
スピーカーのエンクロージャーを設計する場合、ボックスの構造をどのようなタイプにするのか、これ又頭を悩ます部分でもあります。外観などは予算との兼ね合いで決まりますがボックスの構造になるとどれが最適なのか実際に試聴してみないと結論は出ません。
 最初の案としてバックロードも考慮していましたが3Wayを一つの箱に納めるのはユニットの構造上難しいので断念しました、密閉型は相当な容積がないと低域が豊かになりません、その昔エレクトロボイスのスピーカーを密閉型にして試聴してみましたが低域のレゾナンスが高く期待通りの音ではなかった、
 後面解放型の場合はスピーカーボックスの後ろの部分が硬い材質でできた部屋でないと効果が出ない、日本の建築は最近の家の壁はブラスターボードの上にクロスが貼ってあるのがほとんどでどうしても低域が逃げてしまう恐れがあります。リスニングルーム専用の部屋にするなら床も壁も考慮して設計しますけど・・・・
 最後に残ったのはバスレフタイプになります、このタイプは単に箱に穴を明けてポートを付ければ完成とは行きません、バスレフタイプにする以上必ず位相反転しないと逆効果になってしまいます、最近は便利になったもので市販のパソコンのソフトを使ってデーターをプロットするだけでポートの径とダクトの長さが求められるが計算はあくまで計算であって最終的には耳で調整する必要がある、今回はバスレフタイプで製作することにした、
構想その5
スピーカーユニットを生かすも殺すもネットワークと言われています、ネットワーク回路は複雑でなくコイルとコンデンサーの組み合わせですから難しく考える必要はありません。何Hzでクロスさせるか減衰量を6dB、12dB、18dBにするかだけです。これもネットワークの計算式で求めることが出来ます。ただしスピーカーの能率の差がありますから必ずアッテネーターのボリュームを介してやらないと音量のバランスが取れません、コイルも空芯か鉄芯を使うか議論もありますが今回は深く考えないようにしました。問題はコンデンサーを何にするかこれが悪いと音に影響します大切な部分です。
 今回は4種類のコンデンサーを使ってヒアリングテストをしました、ただしあくまでも私個人の評価であってこれが一番とは言えません、使用するスピーカーのユニットで評価はひっくり返る場合もありますからあくまでも参考にして下さい。
1.
WEのオイルコンデンサー
2.
一般的なローコストのフィルムコンデンサー
3.
イギリスのTCC社のオイルコンデンサー
4.
HOVLAND,MUSICAPフィルムコンデンサー
リファレンス用コンデンサーはHOVLAND,MUSICAPでの比較試聴です。
1,
WEのオイルコンデンサーは価格的には非常に高価です、巷ではオイルコンはWEが最高と言われていますが、今回のテスト試聴では音全体がモャ〜とした感じで抜けが悪いような気がしました。
2,
音の傾向は少しきつい音で歪感が感じられ長時間聴いていますと聴き疲れする傾向があります。エージングすればと思いますがエージングだけの問題ではなさそう
3,
このコンデンサーも価格的にも高価なコンデンサーです。音の傾向は多少硬い部分もありますが長時間かけてエージングかければ評価も変わると思います。
4,
このHOVLANDのMUSICOPは不思議にも同じ定数でもこのコンデンサーは低域が伸びてきます。音は嫌味な音にならず歪の少ない爽やかな音の傾向になります。このコンデンサーの代理店でウェスタン・ラボの宮岡社長が絶賛していた通りのコンデンサーで私も大のお気に入りの一つになりそうです。
以上がテストをしたコンデンサーですが音の捉え方は人其々です、皆さんも実験して見るのも面白いかも知れません。
構想その6
最後は何処でクロスさせるかですが、GOODMANのユニットの取扱説明書を読みますと(英文)中音ホーンは600Hz〜6000Hzの範囲で使用と書いてあった、今回は安全を見込んで下は700Hz上は5000Hzの12dBでクロスさせることにした、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-010

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第12回グッドマンスピーカーの音と
英国ヴィンテージスピーカー by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-012

 SUNVALLEY AUDIOさんのコラムでの私の情報の発信の場として紹介させて頂いておりますが今回はグッドマンスピーカーと私が愛蔵しています英国ヴィンテージスピーカーの全容を写真付きで公開したいと思います。写真撮影とそれに付随する文面は素人です。その辺はご考慮をお願いしたいのと音に関しては私個人の主観ですから参考程度にしてください。
 最近入手した非常に珍しいスピーカー、このスピーカーに見憶えのある方は長くオーディオに携わった諸先輩の方と存じます。名前は○○製で12インチです、英国ヴィンテージスピーカー(パートU)で詳しくご紹介させて頂きます。
グッドマンを鳴らす真空管アンプ
 グッドマン3Wayを鳴らすには現代の半導体アンプでは鳴らない、このようなヴィンテージスピーカーは真空管アンプで駆動するのがベストである。このスピーカーに合わせて試作した出力管はチェコで生産されていたKRのPX−25ナス管を清水の舞台から飛び降りる気持で大奮発して購入したのはよいがこのPX−25は古典球ではなく現代の技術で製作されたらしいから鳴らすまでは未知数である。
 いよいよグッドマン3Wayシステムのユニットを実装しました、ネットワークは予め製作しておきましたのでスピーカーシステムは完成、さぁ?英国のスピーカーはどんな音色と音質なのか未体験ゾーンに突入であるが試聴する音源は安物のCDプレーヤーで出力をダイレクトにメインアンプに接続しての試聴方法です。
スピーカーは自分の個性が主張できる
 オーディオの音に関してはあくまで個人の主観になります。言葉や文章で色々書いても読まれた方は想像だけで終わってしまう、過去の名器でもひどい音の出し方を聴けばそれがそのスピーカーの能力と判断してしまえば大変残念なことになります。セッティングもデタラメでボックスも簡易型でアンプなら何でも良いではスピーカーが惨めになるだけでこの辺を弁えないと違った評価になってしまう、今まで色んなマニアの能書きを聞かされて耳にタコが出来たがよ〜く話を聞いていくと単なる個人の主義主張にしかならない、世のオーディオマニアは能書きは一流、音は三流になっているのが多い、もっと素直な気持ちになれば音も素直な音になるのにと思うこともある。オーディオの世界は不思議なもので20年30年経っても良い音がでなければ死ぬまで出ないと思う、どこかで方向を転換すれば道が開けるはずだが・・・・良い音を出そうと思ったら耳より性格を治す事と言いたい、(これは私にも言える)
 又スピーカーに限らずオーディオもそうだが他人まかせの評価を鵜呑みにせずにじっくり聴きこんで決めないと必ず後悔する。
グッドマンスピーカーの音
 グッドマンスピーカーとアンプを接続して少しづつ音量を上げてみる、出てきた音は言葉では言い表わせない音である。アメリカのスピーカーとはまったく違う音である、一言で言うと地味な多少暗さを伴った響きで個性の強い音色でもある。ホーンスピーカーなのにホーン臭さがなくアルテックのA5、A7とは明らかに音作りが違う、この答えではグッドマンスピーカーは理解できない、ここで比較対照できるスピーカーがなければ答えにならない、
 皆さんがお持ちのタンノイスピーカーと比較してみた、比較対照は私の友人が愛用しているタンノイのオートグラフで内蔵ユニットはモニターシルバーである、勿論部屋もアンプ違うから絶対的な評価ではないことを付けくわえさせていただきたい、
 タンノイのモニターシルバーの音は上質な木作りのコンサートホールの響きでゆったりとして雰囲気を大切にした音、それに対してグッドマンは宮殿のホールで聴くエレガントな響きになる、タンノイもグッドマンも同じヴィンテージスピーカーである以上は音の傾向として似たような色感だ、どちらも優劣を付けられないレアなスピーカーでもある。タンノイもグッドマンも音の共通点は品位があり中域に厚みとコクをプラスした音になっている。(これが英国の伝統あるサウンドなのか?)現代のタンノイスピーカーはこれに多少繊細感がプラスされ上も下も伸ばした音になっているが人によっては中域がうすいと言う人もいる(この部分が日本人好みかも)音のコクとか味は少なめな感じで料理で言えば薄味的な印象と感じとれるがタンノイが好きなマニアなら気にもならない、タンノイもグッドマンも同じ英国製ですから極端には音の方向性は違わない、なぜだろう?ヴィンテージマニアにこの点を指摘したら「タンノイはグッドマンにOEMで作らせていたから似たような音」「タンノイもグッドマンも同じである」と言われる「やっぱり」昔も今も同じなのか、そう考えると必死にタンノイを探さなくてもグッドマンでも十分ではないか、
 同じグッドマンでもAXIOM−80を聴いたことがあるが多少高域が煌びやかになるぐらいで大きな差はないが過去に聴いた記憶を紐解いてこちらの3Wayタイプと比較すると中音ホーンの抜けの良さや緻密さではAXIOM−80とは異なる音色です。
 グッドマンはもう過去の古いスピーカーになってしまったが、今このスピーカーを聴くと現代のスピーカーとは見劣りは感じられないぐらい良いユニットなのだが一般的には手に入りにくいのとユニットを実装して音楽を楽しむマニアが減少したのも原因ではなかろうか、中古ショップに出ているグッドマンもあってもAXIOM−301か80ぐらいでその他のユニットはあまり見かけない、売れた本数が少なかったかも知れない、
VITAVOX,DU−120
 VITAVOXと聞くと私以上の諸先輩はよくご存じですがこのスピーカーを知らない方に少し付け加えていただきます。VITAVOX(ヴァイタボックス)は戦前からある有名なスピーカーでロンドンウェスタン直系のスピーカーメーカーと聞いている。シアター用が専門ですが家庭用にも素晴らしいシステムも出していました、特に有名なのはVITAVOX191コーナーホーンとバイトンメィジャーがあります。191コーナーホーンはタンノイのオートグラフと二分するぐらい素晴らしいのが特徴で家具の調度品にはピッタリ当てはまるデザインでもあります。昔私がエレクトロボイスの3Wayでオーディオを楽しんだ時に京都のジャズ喫茶「ヤマトヤ」にこの191コーナーホーンが鎮座してあった、音は芳醇な響きで非常に奥ゆかしく鳴っていたのを記憶しています。この音を初めて聴いた時「オーディオは聴かせてくれる音」これこそ自分が求めていた音だったのかも知れません、その夢は30数年経っても忘れられないぐらい私に強烈なインパクトを与えてた、VITAVOXと聞くだけで私にとっては未体験な音に感じる不思議と謎の多いスピーカーである。今回ご紹介するDU−120はVITAVOXではコアキシャルスピーカーユニットでこのタイプ以外にDU−121もあるがこちらはフェライトのマグネットの2本しか発売されなかった、このスピーカーの詳細を少しご説明します。ユニットは多分1950年の後半から1960年の前半に発売されたものでマグネットは大型のアルニコマグネットを搭載、ツィーターは特殊なポリエステルフィルムの振動板になっておりツィーターの音だし部分はアルミのパンチングで保護されている。クロスオーバーは2000HZで低域側をカットせずにそのままスルーになっている、ネットワークはコンデンサー1本だけで高域のみのカットになっています。この時代の同軸はネットワークを使用せずにコンデンサーのみでのカットが結構ありましたが私に言わせればケチな方法と思う、本格的に使うならネットワークもアッティネーターも必要ではないだろうか、その点タンノイのユニットは高いだけあってしっかりしているがあのネットワークを収容してあるケースがプラモデルのイメージと重なるので少しマイナスだ、
 ヴァイタボックス12インチのコアキシャルスピーカーでフレームをよ〜く見ますとタンノイのモニターレッドによく似ています。マグネットは強力なアルニコマグネット
 スピーカーユニットの中心にツィーターが飛び出している。ツィーターの振動板はポリエステルフィルムで珍しい振動板でもある。
 マグネットカバーにVITAVOX−DU120のシールが貼ってある。スピーカーからの引出し線は私が一部改造した部分です。
ヴァイタボックスの音
 グッドマンのウーファーを外してこのユニットを実装しての試聴になりました、
出てきた音は「何んだ!こりゃ〜」こんなスピーカーの音は今まで聴いたことがない!ひどいのも限度がある、低音がまるでなく中高音はカミソリを振り回したような鋭い響きで音楽を聴くには耐えないスピーカーではないか、これがVITAVOXの音なのか!今回の購入は大失敗かも?言葉が出ない絶句である。昔はエレボイのスピーカーで苦汁を味わされて泣かされた経験が蘇ってきた、このスピーカーこそ名器ではなく迷器であるが考えようによっては良いスピーカーこそテクニックと苦労が必要ではないだろうか、上手く鳴らせば感動ものであるが今の時点では落胆の言葉がぴったりだ、
DU−120の改造
 このスピーカーを宿らせるにはこのままの状態では不可能のなで大手術が必要だ、病院に行ってユニットに点滴を打てば治る問題ではない、手術をすればきっと当時の音が必ず宿るはずの気持ちで早速改造に取り組んだ、改造はこれに合わせたネットワークを自作するのとボックスを新たに特注で作ってもらう事、吸音材の量を調整しながら耳で確認する方法しかない、ボックスはグッドマンは米松合板を使用していたから今回はフィンランドバーチで作っていただくことに決定した、
改造後のVITAVOX.DU−120
 ボックスが完成してユニットを取り付けて音だしで固唾を飲んでヴァイタの音を待った、出てきた音は最初に聴いた音とは似ても似つかない実に渋い音である。この時代のスピーカーの開発者は多分この世にはいないと思う、このスピーカーの本当の音などは私にもわからない、知っているのはスピーカーの開発者と当時携わった方だけだと思う、何十年も前のスピーカーに使用してあるカットオフ用のオイルコンデンサーははっきり言って塵である、オイルコンデンサーが当時の状態を維持しているはずはない、こんな塵コンデンサーでもオリジナル崇拝者は使っていると聞く、はっきり言って良い音を出す以前の問題では・・・・これはアンプにも言える、私に言わせればビンテージアンプもそうですが今の時代からすればパーツはすべて当時の状態ではないのにマニアはオリジナルを尊重している、これは一種の宗教のようなもので不思議なマニアが沢山いる、
グッドマンスピーカーとの比較
 同じ英国の伝統あるスピーカーなのに音の傾向はずいぶんと違う、グッドマンはどちらかと言えばふくよかさが前面に出していたがこのヴァイタボックスはより古典的なドライな音色を持っているがボックスの材質も違えば容積も違うから「これがヴァイタの音だ!」とは断言できない、クレデンザ、HMV,ウェスタンと発展してきた音響技術の延長線上にあるような大変地味な音でかの有名な191コーナーホーンの音に似た奥ゆかしく暗い響きを伴っている、大橋氏が日記に書かれた「石作りの教会で聴く音」と表現されていますが的を得た答えだと思う、

 最後にこのスピーカーの音の印象を大橋氏が店主日記で的確に表現されていますからこれを参考にして頂ければ幸いです。(2006年6月13日の第3試聴室現る?)の日記(店主日記は終了致しました。)です。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-012


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第35回GOODMANS AXIOM−80を鳴らす。by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-035


 大変長らくお待たせしました、このコラムももう35回目になりました、35回の節目としてマニアの間では究極のユニットとか伝説のユニットと云われているGOODMANS社のAXIOM−80フルレンジスピーカーを取り上げます。

 今回ご紹介するユニットはレプリカではなく1950年製の最初期オリジナルユニットになります。巷ではAXIOM−80はマニアを引き付ける麻薬的なサウンドで魅力的な音だとかこのスピーカーで聴く弦楽器の再生はこれ以上ない!とか云われ一度このスピーカーの虜になるとタンノイ、アルテック、JBL等では味わうことの出来ないスピーカーと云われていますが果たしてどれ程のユニットなのか実験を行いながら試聴しましたので興味がおありの方は最後までお付き合いください。


1950年前後の超レアなユニット、状態も大変よくコーン紙の補修もありません。

AXIOM−80
 AXIOM−80をネットで検索しますと色々な方が評価していますからあえて私が詳しく述べる必要はないのとAXIOM−80に関して自分はそれ程詳しくはありませんが使われた方のコメントを読みますとAXIOM−80は大変気難しく簡単には鳴らないと云われている、

 私のコラムでも以前に書きましたが故瀬川冬樹氏がこのユニットを使っていたと紹介しましたがこのユニットはオリジナルと復刻(レプリカ)がありその違いを比較したわけではありませんが今はないヒノオーディオでヒノ製のボックスに入ったレプリカのAXIM−80を聴いたことがあります。その時の印象として大変指向性が強よくて高域は耳に付くきつい音でこれが噂のAXIOM−80の音かとがっかりした覚えがある。
 皆さんもAXIOM−80を聴かれた方はオーディオショップがほとんどと思われますがショップの場合は適当にセッティングして展示してあるアンプを繋いでの音出しがほとんどですから本来の実力は見えてこないのとこのような簡易的な鳴らし方ではAXIOM−80が可哀そうに思える。ショップで鳴らすAXIOM−80は魅力が乏しく他のスピーカーのが良く聴こえて来る。残念ながら適当に接続してセッティングしたAXIOM80は本来の音とは程遠いサウンドでこれがAXIOM−80の実力かと思われるとこのユニットは哀れである。

AXIOM−80のオリジナルBOXは存在しない!

 色んな方のAXIOM−80のコラムを読みますとAXIOM−80をオリジナルボックスに入れて楽しんでいる方が沢山いますがGOODMANS社はユニットを装着したオリジナルボックスは存在しません。当時GOODMANSはシュロリ貿易が輸入元でこのユニットをヤマハがGOODMANS社からライセンスを受けて製作されたと聞いています。
 ヤマハボックスはAXIOM−80の図面を元に後面がコーナーになっていて前面にARUを取り付けて販売されていた、時々写真で見るオリジナルボックスはすべてヤマハが製作したものですがこのボックスは評判が悪く本来のAXIOM−80の良さが出ないボックスと云われている、 もう一度はっきり云わせて頂くとAXIOM−80のオリジナルボックスは存在しません。仮にオリジナルと称して本国からユニットを装着した物が入荷したのであれば英国の箱屋が作ってユニットを入れたものと思われる。

 タンノイの様なオリジナルボックス付きの場合100%失敗はしないがグッドマンズ社の場合はユニットだけの販売では一部マニアでしか使えない欠点がある。

 私が高校生の頃名古屋の納屋橋にありましたヤマハビルのオーディオ売り場にこのAXIOM80がヤマハボックスに収納されて展示してあったのを覚えています。またシュロリ貿易が出していたGOODMANSの総合カタログがありこれを目に通すと一風変わったユニットが載っていました、これが現代でも幻の名器と云われるAXIOM80で真っ赤なマグネットを装備した見た目にも高級感があったのを覚えています。当時の販売価格は1本26,000円ぐらいだったと記憶しています。またこのユニットを装着したヤマハボックスに入れたのを聴いていますが当時の耳のレベルでは凄いとは思わなかったが国産品しか知らない私でしたから外国製と云うことで魅力はありました。


センターのサブコーンは薄いベークライトのような素材を使ってあるのが本来のオリジナルになります。

AXIOM−80のレプリカ
 オリジナルとレプリカ、確か真空管の名器でマッキントッシュのC−22、マランツ#7もレプリカがありましたね、良質なオリジナルが無い為やむを得ずレプリカを購入された方が沢山いますがルックスは同じでも音質的にオリジナルとは似ても似つかない音ですがこれは仕方がないかも知れません。
 AXIOM−80もオリジナルとレプリカタイプが存在しますが今の時代良質なオリジナルを手に入れることは至難の業かも、ヤフオクで時々AXIOM−80が出品されていますがユニット単体で30〜40万ぐらいで落札されているのを見ますといかにこのユニットの人気があるのか伺えます。良質なオリジナルが手に入らなければレプリカになりますがこのレプリカも曲者で外観はAXIOM−80と同じ作りですが音質的にはまったく違います。
またオリジナルの場合も初期型、後期型が存在する事がわかりました、私が所有していますAXIOM−80は1950年代の初めのユニットですから完全な初期型になります。AXIOM−80の使いこなし
 今までステントリアン、ワーフェデール、グッドマン、パイオニア、コーラル、ヴァイタボックスなどのフルレンジユニットを使ってきましたがスピーカー遊びはフルレンジが一番面白いのとボックスに入れれば即鳴るのが魅力でしたがフルレンジ程上手く鳴らせないユニットはありません。オーディオはフルレンジ派もいればマルチ派もいます。あるマニアが云っていた事ですがマルチを追求して鳴らしている時に俺は音を聴いているのか楽を聴いているのか自己不信に落ちいって最終的にフルレンジに戻したと云っていましたが確かに3Way、4Wayの大型ホーンを使ったスピーカーの音を聴いていますと歪感の少ない良い音に聴こえますがじっくり聴きますと音の定位がバラバラで一つにならないのと楽器や人の声を聴きますと音像が大くなり不自然感は拭えません。音楽を楽しむと考えたらフルレンジ型やコアキシャルスピーカーが自然体で音楽が楽しめる。どちらも一長一短があるからオーディオは面白いのではないだろうか、

 早速ですが私なりにAXIOM−80の使いこなしになりますが良いスピーカーほど簡単には鳴らない、特にこのユニットは箱を選びアンプを選ぶ傾向があるのがわかった、ヤマハが販売したGOODMANSの指定箱では正直低域の量感が乏しくバランスがすべて上に行ってしまい高域がきつく疲れる傾向の音になってしまう、

 また解決策として低域の量感を増やす為ウーファを追加して2Wayでやられている方がいますが理論的には正しいのですがウーファとAXIOM−80の繋がりに問題があるはずです。AXIOM−80はフルレンジですからこのユニットを低域のみカットして使えば何処かの部分でディップが生じるのと音色が同じでない為不自然になってしまう、では同じGOODMANSのユニットを低域で使用すれば解決するのかと云えばこれは難しくカット&トライで挑戦するしかない、GOODMANSでもAXIOM−80は特別な音色を持ち合わせていますから音色は一致しない、

 今回は私の所有しているタンノイGRFタイプのボックスにこのユニットを実装して試聴しました、このボックスの容積は約250?、ボックスの材質はフィンランドパーチで板厚は19mmでバスレフタイプなります。

他の方が書かれたブログを読みますとAXIOM−80はバスレフ、バックロードではスピード感がなく付帯音がくっ付いて鳴らないと書いてありましたがそれは本当なのか実証してみたいと思いますがその辺はカット&トライでやって見たいと考えています。


マグネットは17000ガウスもある強力マグネットで現代のスピーカーでは考えられない強力なアルニコマグネットを採用しているのは脅威でもある。

AXIOM−80音出し
 早速このユニットを実装しての音出しですが取りあえずユニットのみ裸の状態で音出ししてみました、最初に出てきた音はどこにでもある特別な音ではなかったがこれをボックスに実装したらどんな音になるのか胸がわくわくしてくるのがわかる。世界の名器と云われたユニットが果たしてどんなサウンドを奏でてくれるのかスピーカーマニアならこの気持ちは理解していただけるのではないだろうか、折角鳴らす以上比較対称するものがなければ評価のしようがない、ここで片側の左側はAXIOM80を装着し右側をVITAVOXのDU−120コアキシャルを取り付けての比較試聴なら私の様な阿呆耳でもはっきりわかるはずだが未知の体験であるがため試聴には慎重にならないといい加減なレポートでは参考にならないとお叱りを受ける。

またこのAXIOM80は真空管アンプを選ぶらしいがWE−300Bを使えばきっと鳴るはずだが果たしてどうなのか、
早速であるが巷では最高の球と云われているWE−300Bシングルで試聴開始した、

試聴のシステム
プレーヤー
ヤマハGT−1000
トンアーム
GRACE G−565ロングアーム
カートリッジ
オルトフォンSPU−GとSL−15E
昇圧トランス
ゼンハイザー 1950年代のヴィンテージトランス
ブリアンプ
マランツ#7
WE−300Bシングルアンプ、メトロアンプ
試聴レコードとCD
ビバルディのバイオリンソナタその他
以上のシステムでの試聴になります。

全体で聴くAXIOM80は高域の透明感は見事なのだがいかんせん低域の量感が薄くバランスが上に持ち上げた音になる。シングルアンプの場合はトランスの磁化の影響で低音が出にくいのかもこれは300Bアンプが悪いとは思えない、
 答えはこのスピーカーにはシングルアンプは合わないではないか、250リッターのボックスを使っても低域不足は不満が残るが中高域の音色はロンドンウェスタン系の特徴のある個性のある音で巷ではこのスピーカーの虜になるのがわかる。音色を一言で云うならセピアカラーの音とHMVの蓄音器に近い一種独特のサウンドと云える。特にバイオリン、ピアノの響きと音色は特筆すべき良さが感じ取れる。ケフェレックのバッハのピアノ曲はスピード感のある付帯音の付かない切れ味の鋭い日本刀のようなサウンドだが長い時間聴いていると低域不足の不満が見え隠れしてくる。
 次にVAITAVOXのDU−120に切り換えると中高域はほとんど同じ音質と音色だが低域から中低域にかけてAXIOM80では出なかったふくよかさが出て品位の高さで差が出た、低域の量感は25pユニットでは難しいかも知れないがAXIOM80はVAITAVOXに劣らず品位の高い音でタンノイ、アルテックでは味合う事のできないマニアを虜にするサウンドだが大編成のオーケストラの場合は口径が小さい分無理の様な気がするがジャズトリオをかけるとあのクソ喧しい一般的なジャズサウンドとは違うしっとりとしたコクのあるサウンドに変身する、ジャズもボーカルもグッドだが低域がもう少し出れば文句なしだ、またバッハなどの室内楽、器楽曲を聴くとこれ以上望む必要がないぐらい味のあるサウンドになる。


サブバッフルを取り付けての試聴

メトロアンプで鳴らすAXIOM80
 WE−300Bシングルアンプで鳴らしたAXIOM80だがこのユニットを使っている方は良質のアンプを繋いで鳴らされていると思うがプッシュプルアンプを使うとどんな音になるのか、早速アンプを交換して再度試聴を試みた、
 このメトロアンプは前回のコラムで紹介したトランスは米国製のシカゴ・スタンダード(スタンコア)トランスを使った自分では最高のアンプと思っているがAXIOM80はアンプを選びトランスまでも選ぶスピーカーでこんな気難しいユニットは聞いた事が無い、今回は出力管はGECのKT−66に交換しての試聴になる。
接続後最初に出てきた音はWE−300Bでは出なかった低域の量感が豊かになり中高域は刺激のない味のあるサウンドでピラミッドバランスに変身したのは驚きであった、やはりこのユニットはシングルアンプでは簡単には鳴らないことを痛切に感じた、
多分このサウンドこそ本来のAXIOM80のサウンドかも知れない、AXIOM80はダブルコーンのため高域がきつくなるのが当たり前ですがこのメトロアンプではトランスの影響で長時間聴いていてもまったくきつくならずに疲れない、
その後VAITAVOXに切り換えて試聴したが好みとしてはVAITAVOXのが自分には合うように思えるのとVAITAVOXのDU−120は日本には10セットぐらいしか入って来なかったスピーカーですからある意味AXIOM80より貴重に感じる。
 最後に色々切り換えて試聴したがどちらがVAITAかAXIOM80かわからなくなってきた、どちらも特徴のあるロンドンウェスタン系のサウンドでよく似た音には間違いない、
 最後にAXIOM80を上手く鳴らすには容積の大きなボックスで材質はフィンランドパーチ、米松合板辺りを使い吸音材を調整しながらバスレフでの使用がベスト、またアンプはプッシュブルが適合で出力トランスは有名なトライアッド、ウェスタン、シカゴ、スタンコア辺りを使用すれば本来のAXIOM80の良さが出てくるような気がしますが国産のトランスを使ったマニアが作った自作のアンプではまずは簡単にならないことをご報告しよう、名ばかりの国産のトランスではAXIOM80の良さを十分に引き出すのは難しいのと世界の名器に対して失礼である。

あとがき
 今回はAXIOM80を取り上げての試聴でしたが私個人に云わせると巷で云う名器とは思わないのとこのユニットは価格がべらぼうに高くなってしまったがそれだけの価値は無いと思うがAXIOM80に恋こがれた方なら価格の問題ではない、AXIOM80もそうだが長年英国スピーカー遊びをしてきた私ですから特別凄いとは感じなかったが一般的に見ればこのユニットも名器の一つかも、

https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-035
 

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コメント
1. 中川隆[-11500] koaQ7Jey 2020年9月05日 17:18:10 : MiikQNbYFc : SExPd1N4T0pwU2M=[29] 報告

Goodmans+LEAK TL-12plus | VintageAudio
2012/02/07 2017/03/10
https://vintage-audio.jp/?p=926

先週の土曜日に九州は福岡まで、Goodmansの3WayシステムとLeak Tl-12plus+ヴァリスロープVを納品に行ってきました。

Goodmans 3Wayシステム
https://vintage-audio.jp/wp-content/uploads/2012/02/DSCF3807.jpg

私は基本的にどんなに遠くても、それ相応のシステムの納品の時には持って行く事にしています。システムが嫁いだ先がどうなっているのか?そんな興味もあります。やはり、今後も大切に使用して欲しいという気持ちが一番かも知れません。

今回のGoodmansは、英国ADキャビネット社が製造したGoodmansの指定箱に、12inの3Way仕様です。スピーカーと二人三脚を組むのは、LEAK TL-12plusの初期型です。LEAKの専門書に解説がありますので、敢えて隠しませんが、LEAK TL-12plusはシャンパンゴールドのタイプでも初期型と後期型があり、出力トランスの設定を変更しています。発売が1957年で1964年まで製造されています。年表から考えれば初期型はモノラル時代の最後に発売されていますので、ステレオ時代に入り音作りを変更したのだろうと推測できます。初期型の方が中音域に厚みがあります。後期型はフラットでワイドレンジな感じを受けます。モノラルで使用するのであれば、初期型の方がマッチすると思います。

このシステムを活かすも殺すも今後はオーナー様の腕次第という事ではありますが、オーディオが最も華やかだった頃の英国のHiFiです。しかも、英国の音を代表するGoodmansのシステムですから、使いこなせば必ず答えてくれるポテンシャルは持っています。特にクラシック系の音楽には、これ以上ない位の組み合わせですから、是非是非大切に使ってやって頂きたいものです。

システムの詳細は、後日アップ致します。
https://vintage-audio.jp/?p=926


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Goodmans社(グッドマン) 3Way Hi-Fi スピーカーシステム | VintageAudio
2010/12/27 2015/06/01
https://vintage-audio.jp/?p=728


Goodmans社(グッドマン) 3Way スピーカーシステム
https://vintage-audio.jp/wp-content/uploads/2010/12/1.jpg
https://vintage-audio.jp/wp-content/uploads/2010/12/8.jpg


■構成
・AUDIOM 60 ’12in BASS’
・MIDAX 650
・TREBAX
・X0-950/5000 ネットワーク
・A.R.U 172
・Variable Attenuator(カーボン抵抗タイプ)
・A.DAVIES & CO. HI-FI CABINETS

A.DAVIES社のエンクロージャーに納められた高級HIFIスピーカーとなります。

お客様からの予約があり、今回仕上げたモノをご紹介します。

Goodmans社はご存知の様に、基本的にSPユニットのサプライヤーであり、各社のからの仕様に合わせたユニットを製造販売しており、当時の英国系のオーディオメーカーは挙ってGoodmans社のユニットを使用しています。しかし、これだけのユニットを開発しながら、システムとしては殆ど製造していないので、優れたユニットを作りながら現在国内のオーディオマニアには本当の実力は知られていないのです。

実際、当時の英国製でGoodmans社のユニットを使用しているシステムや当時は箱屋といって、エンクロージャーを単体で製造していたメーカーが比較的多くありましたが、それらが製造したエンクロージャーも殆どありません。

今回は、そんなGoodmans社のHiFiユニットと当時の箱屋A.DAVIES社が製造したエンクロージャーを組み合わせてシステム化しました。

そのサウンドですが・・・

Goodmansの高級3Wayらしく、ワイドレンジでクリアーなサウンドです。ただ、Goodmansの凄さはクリアーでいて品があるのです。クリアーなサウンドを発するスピーカーは他にもありますが、この独特な品の良さはGoodmansにしか出ないサウンドなんですね。そして、特に英国は高級HiFiになればなるほど、クリアーで癖の少ないサウンドになります。HiFiを謳っているのですから、当然といえば当然なのですが!ただ、国内のオーディオマニアにはその理解力がない為に誤解されがちなのです。上手く理解して使用頂けるとその良さがわかるでしょう。LEAKの管球アンプを組み合わせると伺っておりましたので、LEAKのコンディション次第ではありますが、組み合わせ的には問題ないと思います。

また、エンクロージャーですが初期のパーチクルボードを使用しています。初期のパーチは混ぜ合わせている接着剤の量が少ないので、適度な内部損失があり後期のパーチ程、カチカチのサウンドにはなりません。ただ、結構脆いので、扱いやネジ締めには注意が必要です。このエンクロージャーは、ユニットがインラインで、上からTREBAX-AUDIOM-MIDAX-ARUという配置されています。音に広がり感を持たせる為に有効な手法なのです。

クラッシック、Jazz、J-popと何でもこなす能力があるのですが、やはりクラッシックは最高です。何とも言い難い上質な音楽は素晴らしいの一言。それも、特に編成の大きい作品はいいですね。分解能が高いのでディテールが見事に表現されます。封を切ったばかりの「独 ARH 14 328-0 リヒター  バッハ・ヨハネ受難曲」を聴きながらこの記事を書いているのですが、本当に素晴らしい!

このシステムは既に売約済みですが、同じモノはありませんが他にも在庫はありますので興味があれば、お問い合わせ下さい。

https://vintage-audio.jp/?p=728


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岡山県 玉野市 Vintage Audio(ヴィンテージ・オーディオ)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/458.html

岡山県 Vintage Audio 店訪問記 | 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12616010035.html

2. 中川隆[-11201] koaQ7Jey 2020年9月23日 16:37:29 : VumBhQdrYQ : a1FlQUZBTWNFVUE=[62] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋

オーディオ意欲が減退する SP ユニット 2018年09月15日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/9c795a8b4ace56ec3221fc45bceb3fd9


口径30センチのSPユニット「トライアクショム」(グッドマン)が我が家にやってきたのは忘れもしない8月31日のことだった。

         

それから2週間、このユニットとじっくり向き合ってきたがおよそ欠点らしい欠点が見当たらないのに驚いている。いや、けっして自慢するつもりはありません。ありのままの感想です(笑)。

オーディオ機器の中でもスピーカーやアンプなどは「あちら立てれば、こちら立たず」みたいなところがあって、長所と引き換えに短所には片目をつぶるのが「我が家における常識」だった。他家でどうかはいざ知らず・・。

とりわけ「音像定位」と「周波数レンジ」はなかなか両立せず、たとえばフルレンジは音像定位にとって理想的だが周波数レンジではどうしても劣るし、2ウェイとか3ウェイシステムは周波数レンジは確保しやすいが音像定位の面でどうしても劣る。

どちらを優先するかはそれぞれの好み次第だが、このトライアクショムは「同軸3ウェイ」だけあって「音像定位」と「周波数レンジ」が両立している。もちろん口径30センチのユニットだから重低音を期待するのは無い物ねだりというもの。

生演奏とは違って電気回路を使ったオーディオ機器に100点満点を期待するのは愚かなことだと、ずっと割り切ってきたつもりだがその常識がまさに覆されんとしている(笑)。

ただし、一方では困ったことが起きている。

これまで我が家では「一つのエンクロージャーで3つのSPユニット」を入れ替えながら楽しんできた。

          

左からJBL「D123」、グッドマン「AXIOM150 マークU」、ワーフェデール「赤帯付きマグネット」だが、それぞれに捨てがたい味があって日替わりメニューのように重宝してきた。

今回、これに4番目のユニットとして「トライアクショム」が加わったわけだが、この出現で他の3つのユニットの出番がまったく無くなってしまったのである。

まあ、気分転換という面では存在価値があるかもしれないが「いい音」の基準とされるあらゆるポイントで凌駕しているのだからどうしようもない。

ちなみに、そもそも「いい音って何?」という方に、とあるオーディオメーカーの主張を載せておこう。異論がある方もいると思うがどうか「ワンオブゼム」として受け止めていただきたい。

「原音に近づく正しい音とは」

1 ボリュームを上げてもうるさくない音で会話が楽にできる。

2 音は前には出ない。後方に広がり自然に消える。

3 音像は左右後方に定位し、左右フラットに定位しない。

4 小さな音でも明瞭度が下がらない。

5 スピーカーの近くでも離れても後方でも音質、音圧の変化をあまり感じない(音は空気の波紋である)

6 音は思っている程、迫力、パワー感のあるものではない。

7 試聴上、歪(物理特性ではない)が小さくなると音像が下がり、音階、楽器の音色が正しくなる。

8 長時間聴いても疲れない。連室でも音が邪魔にならない。

以上のとおり。

しかし、欠点が見当たらないユニットも考えもので、オーディオ意欲が減退して張り合いを失うのも事実である。

これははたして贅沢な悩みなのだろうか(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/9c795a8b4ace56ec3221fc45bceb3fd9


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ゲットした「究極のSPユニット(口径30センチ)」2018年09月06日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/efa3150409eedb9f02cffb5bc0137fef

先日のブログ「一つのエンクロージャーで3つのSPユニット(口径30センチ)を愉しむ」シリーズを連載したことを覚えておられるだろうか。

グッドマンの「棺桶型エンクロージャー」を改造し、3つのユニットをそれぞれ簡単に入れ替えが利くようにしたもので、その再掲画像がこれ。

     

左から「JBLのD123」、「グッドマンのAXIOM150マークU」、そして「ワーフェデールの赤帯マグネット付き」だが、出てくる音質にそれぞれ捨てがたい味があって日替わりメニューのように入れ替えて楽しんでいたが、いよいよ新たな決定版の登場でそれにも終止符を打つ時がやってきたようだ。

長年探し求めていた幻の「TRI AXIOM 」(以下「トライ・アクショム」)(グッドマン)がオークションに出品されたのだ!

             

解説文を見てみよう。

「Goodmans Tri Axiom Model T88 12インチ( 30センチ同軸 3way ) 16オーム アルニコマグネットです。

TRI AXIOM としては初期のもののようでおそらく1960年代後半頃と思われますが定かではありません。

これ以降のものはたまに見るんですがこれと同じものをほとんど見たことがなく十数年前に入手し使っていました。

エッジに補修跡があります、動作には特に問題ありませんが、あまりに細かいところはご容赦ください。しばらく使ってなかったのでツィーター用のアッテネーターはガリありですが回していれば取れてくると思います。」

以上のとおりだが、通常の口径30センチのユニットではせいぜいダブルコーン方式(2ウェイ)までだが、「トライアクショム」は同軸3ウェイとしてツィーターまで付いているのがミソである。

あの中高音域の艶やかさに定評のあるグッドマンだからさぞや素晴らしい音質だろうとはおよそ想像がつく。また、実際に所有しているオーディオ仲間からも「べた褒め」で、耳にタコができるほどその凄さを聞かされてきた。

やはり執念というものは恐ろしい、とうとう「トライアクショム」を見つけ出したのだから〜(笑)。

こういう希少な逸品ともなると、お値段を問う気にもならず「即決」(もちろん常識の範囲内だが)で落札した。さっそく自宅に届いたユニットを並べてパチリ。

           

輸送中の事故も無く致命的なダメージもないようだ。マグネットの形状が明らかに「アルニコ」タイプなのでひと安心。これが「フェライト」タイプになると平べったい形状になる。

そもそも「アルニコ」と「フェライト」とで音質にどのような違いがあるかは有識者の間でも論争があるところだが、我が経験ではこれまで「フェライト」タイプで気に入った音が出た試しがない。

早くバッフルに取り付けて音出しをしたいのでさっそく工作に取り掛かった。こういうこともあろうかと余分なバッフルを2ペアほど準備していたが、本体に取り付けるためのネジ穴合わせ、直径30センチの穴のくりぬき、そして塗装などたいへんだった。

午前9時から作業に取り掛かって、ようやく音出しができるようになったのが昼食をはさんで午後2時頃のことだった。猛暑の中の玄関先での作業だし、やはり老骨には少しこたえた(笑)。

先日お見えになったオーディオ仲間が一連の「SPユニットの工作」を見て「とてもそこまでは”やる気が起こらん。」と仰っていたが、やはり相当な熱意の後押しがないと無理のようですぞ。

          

ご覧のように、グッドマンにはおあつらえ向きの純正の「ARU」(背圧調整器)がエンクロージャーの下部に付いているので「おかしな音」の出ようはずがないが、こればかりは実際に聴いてみないと分からない。

それくらい、周辺機器とのマッチング次第でスピーカーの音は変わるが、取り分けグッドマンのユニットは繊細なのでアンプを選ぶことでも有名である。

さあ、いよいよ待望の音出しだ!

以下、続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/efa3150409eedb9f02cffb5bc0137fef


「トライ・アクショム」 VS 「アクショム80」2018年09月09日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/79b8c46396c68e1860ea86f10c76601a

前回からの続きです。

かねてから憧れの的だったSPユニット「トライ・アクショム」(グッドマン)を手に入れ、所定の作業も完了していよいよ音出しへ〜。

              

こういう瞬間は何とも言いようがない不安と期待が交錯する。おそらくオーディオ愛好家ならこの「はらはらドキドキわくわく」感がきっとお分かりのはずだろう(笑)。

日常生活ではめったに味わえない緊張の一瞬だが、じっと耳を澄ましてみるとノイズはしない代わりにやたらにハイ上がりの音が出てきた。慌てて付属のツィーターのレベル調整器を最低にしたところ、見事にバランスの取れた音が出てくれた。まずはひと安心で、後はじっくりと音楽鑑賞に浸った。

つまるところ「トライ・アクショム」は低音とか高音がどうのこうのというよりも「気品のある音」に尽きるようだ。

けっして舞台で大見得を切るような音ではなく、まるで渋〜いイギリスのゼントルマンを思わせるような音だが、こういう音じゃないと伝わらない音楽があることもたしかだ。

そういえば、同じ「AXIOM80」愛好家のSさん(福岡)から次のようなメールが届いた。

「おめでとうございます。私は、トライアクショムがグッドマンユニットの中においてアキシオム80と双璧だと思います。20年ほど前に、知人がイギリスから持ち帰ったトライアクショムSPをQUAD‖+22アンプで聴かせて貰いましたが、その時に受けた衝撃からブリティッシュサウンドの虜になった事を思い出します。

優雅な猫脚のキャビネットに入ったそのトライアクショムは、その後に肥後細川家次代当主の護光さん宅へ嫁いで行きました。もしも、単体ユニットで音楽を完結させたいのであれば、トライアクショムは史上最高のユニットなのではないでしょうか。〇〇さんは、またまたオーディオの歴史的遺産を手に入れられましたね。羨ましいかぎりです。」

Sさん、無断引用お許しくださいね。

ただし、こういう音が出てくれると他の3つのユニットの出番が当分回ってきそうにないのが悩みの種だ(笑)。

翌日、例によって近くにお住いのフルートの名手「Y」さんに来ていただいて試聴していただいたところ、一聴するなり「音の傾向はAXIOM80(以下「80」)と随分似通ってますね。」との第一声。

「そうなんです、爽やかな雰囲気が実に似てますね。これでもツイーターのレベルは最低に抑えているんですよ。」

次から次にいろんな試聴用のCDをかけたが、Yさん持参のCDの中に「佐藤久成」さんの演奏があった。

先年、亡くなられた「宇野功芳」さん(音楽評論家)が高く評価されていたヴァイオリニストだが、それに関連して話題になったのが可憐な「有山麻衣子」さんの歌声。

これも宇野さん一押しの歌手である。「プロの歌手からは絶対に得られない声」と解説にあるが、まったく心が洗われるような清純そのものの声である。

           

以後、これをテスト盤にしてアンプとの相性探しを愉しんだ。

         

左が「WE300B」(1988年製)シングルアンプ(以下「WE300B」)、右側が「6A3・300B兼用」シングルアンプ(以下、「6A3・300B」)である。

後日のためにアンプの概要を記しておこう。

「WE300B」アンプの前段管は「171」(トリタンフィラメント)、整流管は「274A」(STC)、インプット&インターステージトランスは「UTC」、出力トランスは「PSMプロダクト製」の手巻きによるもの。

次に、「6A3・300兼用」アンプの前段管は「AC/HL」(最初期版:英国マツダ)、整流管は「CV378」(細管:ムラード)、インプット&インターステージトランスは無名の国産もので、出力トランスは「タムラ」(特注品)。

なお、この「6A3・300B」アンプは半年ほど前にアンプ製作歴が40年以上になるKさん(大分市)にお願いして「インターステージトランス」(国産)を組み込んでもらったところ、音の解像力が見事に向上して我が家のエース級に昇格した経緯がある。

総じて我が家の真空管アンプの救世主は「インターステージトランスにある」といっても過言ではないほど。

さて、Yさんのご感想といえば「WE300Bでは有山さんがいかにも18歳の乙女らしい声がしますが、6A3では22歳くらいの少し艶めかしい声がします。どちらがいいとか悪いとかはちょっと判断がつきませんね。」

結局、原音に忠実な音となるとWE300Bアンプに軍配が上がり、音に色気を付け加えて聴きやすい音となると6A3アンプになるということで、いずれも甲乙つけがたし。

ただし、自分の場合は「音に色気が有ること」が「好きな音」の一番の判断基準になっている(笑)。

最後に、原点を確認する意味で「AXIOM80を聴いてみましょうかね」と、スピーカーを交換したところ二人ともアッと驚いた。

音響空間がまるで枠を取り払ったように際限なく広がったのである!

「音の透明度」の向上が如実に感じ取れたので、二人して「こういうシンプルなソースになるとAXIOM80の独壇場になりますね。編成が大きくなるとトライ・アクショムの出番ですから、これら二つのセットがあるともう鬼に金棒!」と、感嘆したことだった。

「トライ・アクショム」と「アクショム80」の両方を毎日愉しめるなんて、もうオーディオ冥利に尽きますわいなあ(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/79b8c46396c68e1860ea86f10c76601a

3. 中川隆[-9894] koaQ7Jey 2020年11月17日 09:10:01 : GmJ0HtwMbI : NzRCRVhEMHdYY1E=[1] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
信頼と安心のブランド 2020年11月17日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/47d94c5abb26e7a75ac08fbae05210d8

これまで、「自分の好きな音で大好きなクラシック音楽を聴きたい」との一心で、幾多のオーディオ愛好家と接しながらノウハウを真似たりご高説を拝聴してきた。

実にありがたいことだし大いに参考にさせてもらってきたが、それぞれの感性も違うし耳の構造も違うことから、一方的に鵜呑みにすることなく自分なりに咀嚼し消化することが大切だったと今にして思っている。

とはいえ、自分の耳に全幅の信頼を寄せているわけでもないので最終的に頼りになるのは常用しているオーディオ機器の「ブランド」かなとも思う今日この頃。

どなたにも衣食住の全般にわたって、「これさえ使っていればひとまず大丈夫」という「信頼と安心のブランド」が何かあるに違いないが、趣味のオーディオもその例に漏れない。

端的に言えば性能と精神安定剤が両立したようなもの、ですかね(笑)。

そこで、長年にわたって使ってきた中でその「信頼と安心のブランド」をさしあたり2点ほど挙げてみよう。ただし、あくまでも個人的な嗜好の範囲での話だからどうか真に受けられませんように〜。

1 赤帯マグネット付きのSPユニット

何といってもクラシックを聴くならイギリス製のスピーカーに尽きると思っているが、それも「赤帯マグネット」付きのユニットにはこれまで期待外れが一つもなかった。

SPユニットの性能のおおかたは「強力なマグネット」と「コーン紙」の軽さで決まると単純に考えているが、そのマグネットのうちでも色が「赤帯付き」になっているものを好んで使ってきた。なにしろ音声信号に対する反応が抜群でそのスピード感が凄まじい。

ちなみに、現用中の物はワーフェデールでは「スーパー12」「スーパー10」「スーパー3」だし、そしてグッドマンでは言わずと知れた「AXIOM80」だ。

次の画像の「スーパー10」(ワーフェデール)は口径25センチにもかかわらず「スーパー12」よりも、もっと大きくて強力な赤帯マグネットが付いている。

度々試聴に来てもらっているオーディオ仲間から「コーン型ユニットなのに音が飛んでくるようです。まるでホーン型みたいな鳴り方をしますね」といつも感心していただいている逸品。

まあ、結局自慢話に近くなるのでこのくらいにして次に行こう(笑)。

2 真空管「STC」ブランド

真空管ではイギリス勢の「STC」「GEC」「ムラード」などの銘柄はすべてハズレがなくて満足のいくものばかりだった。そういえば、古い年代のものばかりでいわゆるヴィンテージものになる。

アメリカ勢となると、言わずと知れた「WE」(ウェスタン)、「レイセオン」あたりかな。

ちなみに、こんなことを書くと顰蹙を買いそうだが「古典管の知識が無いままにアンプづくりをしている人が多過ぎる」と、ある専門家が嘆いていた。

古い文献には「古典管の使い方がきちんと詳述されているのに一向に研究しておらずあまりにも自己流が多すぎる」とのこと。そもそも英語が読めないと無理な話になるのだが(笑)。

余談はさておき、これらの中で現在最も恩恵を受けているのは真空管の「STC」(Standard Telephones & Cables)ブランドである。

別名、ロンドン・ウェスタンとも呼ばれ、ウェスタン社がロンドンに設けた支店のようなものだが、ある真空管専門家から伺った話では本家本元の「ウェスタン」よりもツクリがいい球があると驚嘆されていたほどだ。

もともと通信用の真空管なので故障しないように丈夫に作ってあり、使用者は軒並み「そろそろ飽いてきたので他の真空管に代えたいのだけれど、まったく故障しないし、劣化しないので困る」という嘆き(?)もちらほら聞く。

真空管は所詮は消耗品だが「丈夫で長持ち、そして音もすこぶるいい」となると、まさに「鬼に金棒」だ〜。

ちなみに我が家の「STC」の使用例を挙げてみよう。

左から「CV569」(=ECC35=6SL7)で「6098シングル」の前段管に使っているが、これ以外の球を使うと途端に音に一枚ベールがかかったように曇るのでたいへん重宝している。

左から2番目が「4274A」で整流管として「WE300Bシングル」アンプに使用している。これ以外の球を使うとたちどころに透明感が失われるので絶対に外せない。

ほか、順に「3A/109B」「3A/107B」「3A/110B」でいずれも「PX25シングル」アンプの前段管としてそれぞれ「μ=ミュー」(増幅率)の違いに応じて使い分けしている。

すべての球が故障知らずでおそらく我が命尽きるまで大丈夫でしょうよ。

「秋深き 真空管の次の持ち主は 誰?」と、ときどき物思いに耽ることがある今日この頃(笑)。

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4. 2022年1月08日 11:45:18 : bqPVjibXF2 : SGtOQXNyWEVOWEk=[2] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
「ん、鈍い音・・それがどうした!」
2022年01月05日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/d7fd4afcd4489dd490f7c6c5dec04b37


例年通り新年早々からオーディオに取り組んでいると、今さらだが感じたことがあったので述べてみよう。

およそ1か月ぶりにウェストミンスターの上から降ろした「スーパー10」(ワーフェデール)。

もちろんいいことばかりではなく一長一短ある。

たとえば従来はサブウーファーとの振動板の位置が合わせやすく「音像定位」がピタリと決まっていたはずだが、今回はサブウーファーと引き離したので定位に一抹の不安が残る。

ただし、それとは引き換えに「SPスタンド」効果によるユニット周囲の「開放性」にメリットがあって、それらの「足し算、引き算」を通じて今回は「開放性」に軍配を上げたい気持ちになり、しばらくこの状態で聴いてみよう。

ところが、この動きにまるで呼応したかのようにメル友さん(関東)から「グッドマンのトライアクショムをまだ使ってますか? よかったら譲ってくれませんか」と、オークションで落札した時以上の価格の申し出があった。

「えっ、それはまた難題ですねえ。しばらく考えさせてください」

7系統のスピーカーの中で「リチャードアレン」と並んで滅多に出番がやってこない「トライアクショム」だが、いざ譲るとなると相当な覚悟が要る(笑)。

「トライアクショム」にとっては、今の状態よりももっと使ってくれるところに行った方がいいに決まっているし、そちらの方が幸せだろうが。

「さあ、どうしようか」と、改めて試聴してみることにした。

「スーパー10に比べるとサウンドにベールが一枚も二枚も掛かった感じだなあ・・。ブリティッシュ・サウンド特有の翳りがあって、とても一筋縄ではいかない音だね、これは。しかしこういう音じゃないと聴けない音楽があることもたしかだし〜」

言い換えると、「しんねり・むっつり」して「音楽的な志向を求めるサウンド」であり、その一方「オーディオ的な志向を求めるサウンド」としては排除したくなる音といっていい。

「えっ、音楽的志向とかオーディオ的志向とかって、いったい何の話?」と訊かれても困るが、実際に我が家の7系統のスピーカー群を例に挙げて分類してみると分かりやすいかもしれない。

それぞれのSPの醸し出すサウンドを想像していただけるといいのですが。

<オーディオ的志向のサウンド>

「JBLの2ウェイシステム」、「AXIOM80(2セット)」

<音楽的な志向のサウンド>

「トライアクショム」、「PL100」、「リチャード・アレン」

<両者の中間帯のサウンド>

「スーパー10」

我が家では常に「音楽的」サウンドと「オーディオ的」サウンドの両者の緊張感を孕んだ「凌ぎ合い」が続いており、その結果として中間帯のサウンド「スーパー10」が安心感を持って受け入れられている・・、といった構図になる。

つまり「音楽的なサウンド」とは「音楽鑑賞を通じて人生の倫理観を問いかけてくる」ようなものだし、「オーディオ的なサウンド」とは「難しいことは抜きにして今を楽しもうよ〜」。

前者は噛めば噛むほど味が出てくるので短時間の試聴には向かないし、後者は短時間にはGOODだが長時間の試聴には不向きだし飽きやすい。

なお、極めて個性的な「AXIOM80」を「オーディオ的なサウンド」として分類するのは異論があるかもしれないが、我が家ではあまりにも明晰過ぎる音も「音楽的志向」サウンドの観点からは「?」なのである。

こうやって実際に書きながら気持ちの整理をしてみると、やっぱりグッドマンの「トライアクショム」は余生に必要そうなので手放せませんね〜。

「ん、鈍い音・・、それがどうした!」って感じかな〜(笑)。

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「いいスピーカー」とは
2022年01月08日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1841806762e120f2e687ff2837286c88


先日のブログ「ん、鈍い音・・それがどうした!」で話題にしたスピーカー「トライアクショム」(グッドマン)。

ブログで話題にした以上、義務感も手伝って(笑)ここ4〜5日じっくり聴き込んでみるとやっぱりいいですねえ!

「叩けば叩くほど良くなる法華の太鼓」ではないが、聴けば聴くほど音がこなれてくる印象があって、古典系スピーカーの本領を発揮させるためには最低でも2〜3日のエージングが必要みたいですよ。

というのも、じっくり鳴らし込んでみるといかにも内省的で陰りのある音が胸の奥深くにそっと忍び寄ってきて哀愁に置き換わってくる感じと言えばいいのか・・。

「いいスピーカーとは音楽が本来的に”哀しみ”を表現する芸術だということをわからせてくれる」という思いが唐突に湧き上がってきた。

そういえば、ユング心理学の泰斗「河合隼雄」氏(故人)が「一流の芸術はその底流に死を内在させている」と、宣うたが「哀しみは死に通じる」・・。

とまあ、外野席から「偉そうなことを言うな!」と声が飛んできそうだが(笑)。

とにかく、この「トライアクショム」は納める「箱」にずいぶん苦労した!

グッドマンの指定の箱に容れたり、自作の箱(板厚1.5cm)に容れたりしたがいずれもイマイチだった。今考えると、箱が大きすぎたみたいで音が籠り気味だった。

今回は画像のように小振りの箱の「板厚1.2cm」(下部に1.2cm×50cmの背圧の抜け道をつくっている)で、ようやく落ち着いたみたいだが、これは”たまたま”のことで運が良かったとしか言いようがない。まあ、「トライ&エラー」の繰り返しの産物ともいえるが。

さて、この素性のいいスピーカーだが当然のごとく弱点もある。

というのも、我が家のオーディオ環境ではという条件付きのもとで楽器の中で一番再生が難しいのが「ピアノ」だと思っている。

この楽器の周波数範囲は公称では「40〜6000ヘルツ」になっており、ちなみにヴァイオリンは「180〜1万ヘルツ以上」だが、ピアノの場合は高音域が十分に伸び切らない分やや音が籠り気味になりがち・・。

もちろん「トライアクショム」も例外ではなく、ヴァイオリンをはじめとする弦楽器群はまったくケチのつけようがないのに「ピアノ」の再生に少しばかり憾みを遺す。

もうちょっと「スッキリとした爽やか感」が出てくれるといいんだけどなあ。

「同軸3ウェイ」のフルレンジ(口径30cm)だから外部ネットワークの巧拙に支配されるわけでもなく、うまく再生できる資格は十分あるはずだけど。

というわけで、音の入り口から順番に機器の相性探しといこう。

ただし、どこかポイントを決めておかないと収拾がつかなくなるのでパワーアンプを一番無難な「WE300Bシングル」に定めた。

音楽ソースはネットラジオの「モーツァルト専門チャンネル」、必然的にDACは「A22」(GUSTARD)に限定。

となると、ほかに弄れるところといえば「プリアンプ」しかない(笑)。

一体化した「プリメイン・アンプ」と違って、プリアンプとメインアンプに分けて使っていると「音の組み合せ」がいろいろ出来て楽しい。

オーディオには「プリアンプとメインアンプのどちらがサウンドを大きく支配するか」という古くて新しいテーマがあるが、使用しているオーディオ環境の違いで変わってくるので一概には言えないと思っている。

我が家には現在3台のプリアンプがあるが今回は「安井式」プリアンプでいってみよう。

「熟練の手練れ」に作ってもらったアンプだが、ボリュームは「東京光音」製に取り換え、次いで「マイカコンデンサー」を要所に用いている。

構成はごく簡単で、お馴染みの「12AU7」が前段2本と後段2本の計4本が使ってあるが、この際とばかり前段の2本をいろいろ代えてみた。

「M8136=12AU7](ムラード)、「E80CC」(独:ヴァルボ)、「13D9=12AT7」(BRIMAR=STC)、そして「6072=12AY7」(GE)。

結論から言うと「6072」が一番良かった。中高音域に独特の艶が出てきて他の追随を許さず、ピアノの不自然感も大きく解消した。

「6072」なんてマイナーの象徴みたいな球で、手に入れた経緯もサッパリ覚えておらずこれまで一顧だにしなかったが、北国の真空管博士によると「これは私の好きな球です!」とのことで、大いに見直した。

ネットによると「μ(ミュー)=増幅度」が「44」とあり、丁度「12AU7」と「12AT7」の中間あたりに位置する球。

急いで「スペア」を確保しておこうとオークションを覗いてみたら、近代管ばかりがズラッと並んでガッカリ、一気に買う気が失せた。

まあ、あと1本だけスペアがあるのでいっか・・(笑)。

今回の実験を通じて、我が家では「プリアンプの球がサウンドを大きく支配する」ことを改めて肝に銘じたことだった。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1841806762e120f2e687ff2837286c88

5. 2022年1月11日 13:20:42 : oY1LNLle9o : emVhbVdPZ1BWZms=[9] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
快調だった「試聴会」の立役者
2022年01月11日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8613889925048f1dff5cc4368a8f42cb


久しぶりにオーディオ仲間のYさんに来ていただいて「新年初の試聴会」を開催した(9日)。

「別に他人に迷惑をかけるでもなし、自分が気に入ってさえいればそれでいい」というのが「オーディオ」だが、ときどき「別の耳」からのご意見を伺うと「なるほど、そういう聴き方もあるのか」と、向上のきっかけになることが多い、少なくとも我が家ではそう・・。

そのうえ、実際にフルート奏者として生の音に馴染んだ「Y」さんの耳はとても鋭いうえに(サウンドに対する)指摘も的を得たものが多い。

したがって、駄耳の自分とは意見が食い違うことが多いが(笑)、むしろ「”なあなあ”の関係よりもその方がいい」とさえ思っている。

そして、Yさんが我が家にお見えになる理由というか、お目当てはただ一つ。それは「AXIOM80」を聴くこと。

このSPは自分にとってはちょっと神経質すぎるサウンドで決して「手放しで良し」とはしていないが・・。

したがって現在「トライアクショム」を愛用している最中だが、Yさんのことだから試聴の途中できっと「AXIOM80を聴かせてくれませんか」と言い出すに決まっている(笑)。

そこで、前もって予防措置を講じることにした。

というのも、スピーカーをSPスタンドに載せたり降ろしたりの交換をしやすいように箱に「取っ手」を付けてみよう・・。

当日の午前中に「100均」に駆け込んで物色すると丁度よさそうなものがあった。2ペア用として計8個購入(440円)してすぐに取り付けた。

SPボックスの左側面上部に1つ、右側面下部に1つで両脇に1個づつ取り付けてみたところ、見違えるほど上げ下ろしが楽になった。何よりも手が滑って箱を落下させ貴重なユニットを破損させないで済むのがありがたい。

ただし、これは市販の豪勢な箱では無理だが、お粗末な「自作の箱」(板厚:1.2cm)だから出来る話(笑)。

そして、実際に試聴に入ったところ、案の定10分もしないうちに「これでは、まるで隣の部屋で鳴っているようなサウンドを聴いているようなものです。長く聴くには疲れないのでしょうが・・、ぜひAXIOM80を聴かせてくれませんか」。

そこで、「そういうことだろうと、前もって降ろしやすいように取っ手を付けましたよ」と種を明かすと「ワッハッハ」と、腹を抱えて笑われた。

「AXIOM80」の登場でようやく落ち着いてサウンドに没頭されるご様子。

本日持参されたCDは「ニコレ」(フルート)が吹くバッハ全集。やはりニコレのバッハとなると、他の追随を許さずゴールウェイやシュルツなどはお呼びでないそうで〜。

アンプは、はじめは「WE300Bシングル」だったが、このところ「2A3シングル」がお気に入りのご様子ですぐに所望があった。

このアンプの方が「AXIOM80」と相性がいいそうで、おそらく出力管が定評のある「VISSEAUX」(フランス:刻印)だからではないかと秘かに睨んでいる。

ニコレの次にモーツァルトの「ヴァイオリンとビオラのための協奏交響曲K364」を聴いていただいたところ「やはり弦楽器の再生にかけてはAXIOM80の右に出るユニットはありませんね、弓が弦に当たる感じを克明に再現してくれます。」

「そうですかね・・・」

ほかにも「PL100」「スーパー10」など、聴いていただきたいユニットが目白押しだったが、ここまでAXIOM80を絶賛されるとつい言いそびれてしまった(笑)。

3時間ほど、いろんな曲目を試聴していただいたが、お帰り際に「今日はことのほかAXIOM80の透明感と音色の艶が抜きんでていました。どこか代えたのですか。」

そこで「おそらくプリアンプの球を代えたせいではないかと思いますよ〜」と返事しておいた。

「特定の球を挙げて煽っている」と誤解されると、本意ではないので匿名にして仮に「Y球」としておこう。

北国の真空管博士によると「Y球は12AU7と12AX7などの汎用球と違って純粋にオーディオ用に開発された球です。たしかGEが開発したと思いますがオークションでもお値段が張って高いですよ。」

たしかに、頷ける話で「低ノイズ」に加えて、切れ味と艶があってさしあたり欠点が見当たらない。

仮に初段管を「庶民球」と「貴族球」に分けるとすると明らかに後者ですね〜。

もしかして、今回の試聴会の立役者はこの「Y球」だったのかな・・(笑)。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8613889925048f1dff5cc4368a8f42cb

6. 2022年2月11日 17:28:22 : 8fbxFIojGM : N1RjM3BBSXg1Yy4=[47] 報告
TwinAXIOM 10
http://www7b.biglobe.ne.jp/~ballds/spF8311.html


イギリスのユニット・メーカー、GOODMANSのフルレンジ・ユニット。 AXIOMでは、AXIOM 80とかAXIOM 301などが有名です。 301と同じようなダブル・コーン型の10インチ・ユニット。

301ほどマグネットは大きくありません。  今までの経験からすると、その分鳴らしやすいかもしれません。 大きなマグネットのものは、高域は綺麗ですが、中低域は厚みが出にくいので、よりパワーが必要なケースが多いようです。
仕様: 25cm フルレンジ・スピーカー (40Hz〜18KHz)
入力インピーダンス: 15/16オーム
出力音圧レベル: 不明

一本しかないので、これもモノラルで料理したいと思います。 本来は45Lくらいの箱が必要なようで
すが、マグネットが小さいので、大きくなくても鳴ってくれるかもしれません。 鳴らし込んでいたら、結
構低音も出てきました。 今のところ、モラルのJAZZが合いそうです。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~ballds/spF8311.html

7. 中川隆[-12411] koaQ7Jey 2023年8月04日 15:12:31 : QCrjsAhQk6 : Q1dGV1ZyNnVaWFk=[5] 報告
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「音楽&オーディオ」の小部屋
カチッと引き締まって小気味よく弾んでくる低音!
2023年08月04日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/4c720acfa9a9698ad0ad88583acf1337
先日のブログで「一軒にAXIOM80は二つも要らない」と記載していたことをご記憶だろうか。

「有言実行」あるのみ、さっそく行動に取り掛かった。

小ぶりの箱に入っていた「AXIOM80」(復刻版)を外し、オリジナル版が故障したときの予備として別途保管することにした。

さあ、取り除いた箱に何を容れようか・・。

まずは「同じ25cm口径」の「スーパー10」(ワーフェデール)がいちばんだろう。

御覧のとおりメチャ強力な赤帯マグネットの持ち主で、量感の方はイマイチだが、音声信号に対する反応スピードは抜群である。

そもそも、強力なマグネットに量感を求めるのは「比丘尼に陽物をもってする」ようなものだと、誰かが言ってたよなあ(笑)。

ところが・・。

これはこれで立派な音なんだが、肝心の中高音域に艶というか色気が足りない・・。

同じ英国製なんだけど「グッドマン」と違って「ワーフェデール」じゃ無理かもねえと、これは個人的な独り言(笑)。

で、第一段階は徒労に終わったが転んでもただで起きないぞとばかり、何としてもこの強力なマグネットを生かしたいので「中低音だけに使ったらいいかもしれない」ということで、眼が自然とJBLの2ウェイシステムに向かった。

「現在入っているJBLのD123(口径30cm)に不満はないがスーパー10にするともっと良くなる可能性がある、口径25cm用のバッフルを倉庫に直していたはずだが・・」

そして、とうとう半日がかりでやっちゃいました(笑)。

グッドマンの指定箱(ARU付き)に見事に収まりましたぞ。

従来通り、ムンドルフ(ドイツ)のコイルを使ってハイカットを700ヘルツ前後に設定した。

高音域は元のまま「175ドライバー」(JBL)を2000ヘルツでローカット(ウェスタン製のオイルコンデンサー)に設定。

「スーパー10」は「700×2=1400ヘルツ」まで「ー6db」の減衰、そして「175」は「2000×1/2=1000ヘルツ」まで「ー6db」の減衰だから両者が折り合う接点の帯域は理論上ではちょうどいい数値になるはずだが・・、とはいえオーディオは実際に聴いてみなくちゃ分からん(笑)。

ワクワク ハラハラしながら、耳を澄ましてみるとこれが何とまあ大当たり〜!

カチッと引き締まって小気味よく弾んでくる低音に思わず唸った。これこそ、我が理想とする低音なんだよねえ・・。

「スーパー10」(英国)と「175」(アメリカ)は相性が抜群ですな。

両者ともにユニットの能率が高いので組み合わせるアンプについて「オーバーパワー」だけは厳禁である。

で、「スーパー10」には「6AR6シングル」(三極管接続)を、「175」には「6FQ7(クリアトップ)プッシュプル」(出力トランスはTRIAD)と、それぞれ小出力アンプをあてがった。

また、音楽ソースはテレビの「You Tube」から引っ張り出した「テイラー スウィフト」の「You need to calm down」

大いに気に入ったので当分の間はこのシステムでいこう。

「小気味よく弾んでくる低音」は爽やかな空気感を醸し出す・・、「暑気払い」にはもってこいですな(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/4c720acfa9a9698ad0ad88583acf1337


「音楽&オーディオ」の小部屋
「音楽性」って何?
2023年07月03日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/983b1b8f00ffe6017af5449d91fadcb9

これまで、あの手この手でSPユニット、真空管アンプ、真空管などの入れ替えをしてきたが、上手くいった確率となるとどう「ひいき目」に見てもせいぜい半々ぐらい、かなあ・・。

最初のうちは「良くなった」と手放しで喜んでいても、時間の経過とともにしだいにアラが見えてきて「やっぱりダメだったか」・・、とまあ「ぬか喜び」に終わってしまう(笑)。

これまで数えきれないほどこういう経験を積み重ねてきたので、ことオーディオに関しては万事に懐疑的にならざるを得ない。

ただし、今回の「木製植木鉢」の活用に限っては違うような気がしている・・(笑)。

今のところ1週間ほど経つがいまだにアラが見えてこないし、ますます高揚感が増すばかり〜。

これは本物ですぞ!(笑)

というのも、こうやって裸同然で鳴らすことによって新たな発見が次から次に得られるのだからたまらない。

つまり、箱に容れたユニットと容れないユニットでは様相ががらりと変ってしまい、後者の方がはるかに「素のままの魅力」を発揮してくれるのだ。

さらには、比較することでよりいっそうその差が際立つ。

たとえば、手前にある「スーパー10」(ワーフェデール:口径25cm)は、周波数レンジも音のスピードも言うことなしだが、グッドマン勢に比べるとどうもちょっと物足りない。

それが何かといえば「音楽性」ですかね・・。

「音楽性」って何?

これはもうそれぞれの感性の世界だから、言葉で表現するのは難しいが、あえて言わせてもらうと「低音とか高音とか、透明感とか奥行き感とかの音質に対する表現が思い浮かばない・・、まるでスピーカーの存在を意識させずに自然に音楽に没入できる音」としか、言いようがない。

改めて「グッドマン」のハーモニーの表現力に驚嘆した。

そして、「150マークU」と「TRAXIOM」との比較に移るが、まったく似ているものの「オーケストラ」などの大編成には前者に軍配が上がり、小編成やボーカルなどは後者で、「大は小を兼ねる」からいけば、日常的に聴くのなら「150マークU」かな〜。

いやあ、「これこそ目指していた音だ、素晴らしい!」と、いつもの自画自賛(笑)。

ところで、あまりに気に入ったものだからつい増長してしまった。

というのも、良くなった原因の一つにはユニットをバッフルにネジで締め付けていないことにもあるんじゃないかな〜。

で、さっそく「AXIOM80」の「復刻版」の方で実験してみた。

先ずは箱の内側にマウントしていた「AXIOM80」を表からマウントしたが、これだけで効果絶大のはず・・、さらにバッフルの4つの隅にネジを打ち込み、ユニットのネジ穴にしっかりと針金を取り付けて4隅のネジに針金を伸ばして巻き付けた。

画像を御覧になればだいたい分かりますよね。

さあ、音がどう変わったか・・、ワクワク、ハラハラだったが、悪くない・・確かに良くはなったものの、「労多くして功少なし」かなあ〜。

もっと検討の余地がありそうで、とりあえずこの作業は「復刻版」だけに留めておくことにした。

そもそも現在「150マークU」で腹いっぱいの状態なんだから、もっと腹が空いてきたときに取り組んだ方が良さそう・・(笑)。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/983b1b8f00ffe6017af5449d91fadcb9

8. 中川隆[-12036] koaQ7Jey 2023年12月08日 21:50:48 : CVL7DDxomw : WmJoTHN0eVVxdnM=[6] 報告
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「音楽&オーディオ」の小部屋
オーデイオは博打だ!
2023年12月01日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/69cae8532d52c65bc3294458fde12ef5

オーディオはどこを弄っても大なり小なり「音」は変わるもの。

で、「現在、気に入った音が出ているのでどこも変えたくない・・」、それも結構。

しかし、そもそも「気に入った音がどういうものかわからない」という人がいるのも事実だね(笑)。

実は、自分がそれで常に「もっと気に入った音があるんじゃないか・・、いろいろチャレンジしてみよう」という希少人種に属している模様。

仲間からも、「貴方はどこかをしょっちゅう弄ってますね〜」と、やや呆れ気味に言われる。けっして自慢できる話ではないけどね・・(笑)。

とはいえ、たとえそのどこかを弄ったとしても、はたして気に入った音になるかどうかは保証の限りではないのがオーディオの面白くもあり、悲しいところでもある。

もちろん、ある程度理論的な根拠がないとチャレンジしないが、それでも出てくる音の複雑さはまだきちんと物理的に解明されているわけではない、なぜならそれぞれの機器の組み合わせや部屋の大きさなどの「変数」の複雑さも当然影響している。

そこで、長年培ってきた「カン」を働かせながら現象を実際に試すためにはどうしても実験が欠かせない・・、となるといかなるチャレンジもどこか「博打の要素」を帯びているというわけ。

つまり、「伸るか反るか、いっちょうやってみっか・・」、オーディオマニアという人種は博打好きが多い可能性がありますな(笑)。

今回のチャレンジもそうだった。

それは何の気なしにオークションに出品されたスピーカーを見たときに閃いた。

実に見事な箱の補強・・! (箱の)「剛性」も一段と強化されてきっと「いい音」が出るに違いないと思わせるものがある。

すぐに連想したのが5年ほど前に自作した「AXIOM80」用の箱。

市販の箱には無理な注文なので、「板厚」をわざわざ「1.5cm」と薄くして少しでも響きを良くしようという苦心の労作である。

ところが・・、いつのころからかどうも「箱の剛性」が足りないかもしれないという懸念が脳裡の片隅に芽生えてきていた。

そこで、たちどころにこのオークションの画像が背中を強く押したというわけ。

これほど立派な補強は自分のような素人には無理だが、せめて似たようなことは出来るはず。

いっちょう、やってみっか・・(笑)。

すぐに「ホームセルフ」の店に駆け込んで材料を調達した。

1mの棒を6本調達した。〆て「480円」なり〜(笑)。

これをどうすんの〜。

それぞれ適当な長さに切って、縦に2本、横に2本、きっちりと箱の内部に張り付けた。

「百聞は一見に如かず」でご覧のとおり。

少し斜めになっているけど、ハンマーで棒の端っこを横から微妙に叩いてガッチリ固定している。どうせ外からは見えないんだから見かけはどうだってよろし(笑)。

これで、きっと「箱の剛性」が一段と強化されたに違いない。

さあ、問題は出てくる音だッ、つうの・・。

まあ、悪く鳴(な)ったときは元に戻すだけだが、これまで幾度となくこの種の実験をしてきたものの、実は元に戻したことは殆んどない。

悲しいかな、人間の性(さが)で、どうしても新たにチャレンジした方に未練が残ってしまうのだ(笑)。

さあ、今回はどうなんだろう・・。

以下、続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/69cae8532d52c65bc3294458fde12ef5

空前絶後の「コスパ」
2023年12月02日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c47c545e1e76a45d32c27858830d3954

前回からの続きです。

オーディオ記事は、どちらかといえば(他の記事に比べて)不評なので、なるべく連続して投稿しないことにしている。「専門的過ぎてよう分からん」という声が多い・・。

ところが・・、前回の記事が予想外にも大好評!

ハイ、望むところです。それでは皆様のご期待に応えて続編といきましょう(笑)。

まずは、前回細工したスピーカーの映像を再掲しておこう。

縦に2本、横に2本の細い棒を縦と横にしっかり張り付けて箱の強度(剛性)を増したつもり。

とはいえ、逆に適度な「箱鳴り」が抑えられて、見るも無残な失敗に終わる可能性だって十分ありますな。

まあ、「伸るか反るかの大博打」である(笑)。

そして、わくわくハラハラしながら音出しへ・・、いわばオーディオの醍醐味の瞬間ですね〜。

そして、これは素晴らしい!!

音の透明感、歯切れの良さ、そして艶っぽくて色気に満ちた音色といい・・、これまでAXIOM80からまったく引き出せなかった魅惑の世界が目の前に広がった。それに、時折り感じてきたあの神経質くさい響きが完全に一掃されている!

不覚にもこの歳になって思わず目が潤みましたぞ・・(笑)。

いやあ〜、参った・・、天にも舞い上がる気持ち、そしてどうしてこの細工を早くからやらなかったのかという悔恨が入り混じって複雑な気持ちが交錯した。

それにしても、「AXIOM80」(初期版)が本領を発揮したらそれはもう凄いことになると実感した。

これまで、「オーディオ・フェア」でB&Wを始め各種の高級なスピーカーを高価なアンプでいくつも聴かせてもらったが、どんなに「いい音」が出ても所詮は「普通の音の域」を出ないものだった。

ましてや、一般家庭で出す音なんて・・。

ところが、この(適切な箱に入った)「AXIOM80」ときたら、もうまったく別次元の音になってしまい、これしか出せない音の世界へ誘ってくれるのだ。

まあ、どんなに口を酸(す)っぱくしても、理解してもらえないだろうから、一度聴いてもらうしかないだろうなあ・・(笑)。

で、読者の疑問は「なぜ箱の剛性を高めたことが、それほど功を奏したのか・・?」に行き着くはず〜。

「音響学」の専門家でもないので、あくまでも素人考えなのだが〜。

「箱は上下2枚の板、前後2枚の板、そして側板2枚の計6枚で構成されている。で、箱全体の剛性が高まると、これらの板が一斉に同じ振動(響き)になって全体のハーモニーに乱れが少なくなる」ということではないだろうか・・。

もちろん、厚い板を使っても箱の剛性は高まるが、これでは最初から板の振動(響き)が期待できない・・。アメリカ系のユニットならそれでいいのだろうが、イギリス系のユニットなるとそうはいかない。

で、実際に、現実のこととしてユニットと箱の見事な一体感がこれまでになく目立って感じたので、こういうコメントに繋がったわけ。

しかし、細工に使った「棒」の代金が「480円」で、こんなに目覚ましい効果が上がるなんてもう「空前絶後のコスパ(コスト パフォーマンス)」ですね。これは・・。

あまり大袈裟な表現は柄に合わないのだが、これ以外の言葉が浮かばない。

しかし、困ったことが出てきた・・、「AXIOM80」から、こんな音が出てくると、もうほかのスピーカーを聴く気がしなくて〜(笑)。

とまあ、以上のとおり「まるで熱病に浮かされた」ように縷々自分の感想を一方的に述べたわけだが、やはりここは冷徹な「第三者」の判断を仰いだ方がいいだろう。

さっそく、我が家のご意見番であり、「AXIOM80」の大ファンである「Y」さんに連絡してみた。

高齢者施設の理事長さん(常勤)なので、お仕事の邪魔をしないように平日は連絡しないことにしているが、今回ばかりは「驚天動地」の事態だから許してほしい(笑)。

すると・・、「ああ、ちょうど私から連絡するところでした。実はネットのサイト「ア〇〇〇」が全商品15%引きの一斉セールをやってましてね、実は今日(1日)でお仕舞なんです。

それでダントツの〇〇電機の「ブレーカー」をお宅用に購入しましたのであなたの家に付けて上げようというわけです。対象は200V用のオーディオ電源1個になります」

「エ〜ッ、それはご親切に・・、実にありがたいことですが、ブレーカーの交換は電気工事技師の資格が要るんじゃないですか・・」

「ハイ、私は施設の運営上、その資格を持っています。5分間ほどすべての電気機器を停電状態にして入れ替え作業をしますが、それで構いませんか」

「ハイ、別に構いませんけど・・」

そして、追い打ちを掛けるように「実は15%引きのセール期間なので、絶好の機会とばかり新しいDAC(SMSL)を購入しました。今日着いたばかりです。我が家のCDプレイヤーが故障して修繕に出していますので、ぜひお宅のAXIOM80で試聴させてもらいたいんですけど・・」

「ハイ、いいですよ、どうぞどうぞ・・」

これは、昨日(1日)のことだった。

メチャ忙しい午後になったわけだが、そこにはまったく想像を絶するような波乱万丈の展開が待ち受けていた・・(笑)。

以下、続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c47c545e1e76a45d32c27858830d3954


新生なった「AXIOM80」の魅力
2023年12月04日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c927f7a3db2f2f8ccfbc78fa204df2d0

前々回の「空前絶後のコスパ」の続きです。

我が家のオーディオの「レーゾン・デートル」とでもいうべきスピーカー「AXIOM80」の「血沸き肉躍る」改変劇です(笑)。

ちなみに、毎年、このブログで12月後半に「この1年を振り返って」というタイトルで、オーディオ対策として効果があったものから順に「ベスト10」を発表しているが、早くも「ベスト1」はこれで決まりです。

さて、連絡してから15分ほどでお見えになった「Y」さん。手には新しい「ブレーカー」と、比較的小振りの「DAC」を小脇に抱えられていた。

「一度先にAXIOM80を聴いてみますか?、それとも作業後に聴きますか?」

「ハイ、作業の方を先にやりましょう・・」と、さっそくブレーカーの交換に取り掛かられた。ありがたいことである。予定通り5分ほどで完了。で、これが外した「ブレーカー」。

何とまあ、銘柄を見たら絶対に交換した方がいいと評価されていた最悪のブランドだったのには驚いた。

で、このブレーカーのどこが悪いかといえば、電線の「入」と「出」の間に質の悪い抵抗が入っていて、それが電流に悪さをするという。

なるほど・・、これは「オカルト」なんかではなくて「れっきとした」物理的対策である。オーディオの大元は「電源」なので、ここが拙いと全体に影響してくる。電流にとって抵抗は必要悪であり、無ければ無いに越したことはない。

オームの法則「電圧=電流×抵抗」により、電圧が一定の「100V」とすると、抵抗は小さいほうがいい。

とはいえ「素人の生兵法」なので、間違ってたらゴメンね・・(笑)。

ちなみに、ネットワークに使う「コイル」のうち「ムンドルフ」(ドイツ)が、なぜいちばん良いかといえば抵抗値が「極小」だからである。

改めて、縁の下の「力持ち」の「ブレーカー」にまで注意を向ける「Y」さんのご慧眼(けいがん)には恐れ入るばかり〜。さすがに「電気工事技師」さんである。

(それはさておき、くれぐれも電気の大元の「素人工事」は絶対にしないようにね、下手すると感電とか火事になりますよ!)

そして、次は新たに購入されたDACを接続。置き場所がないので、仕方なく「エルガー プラス」(英国dCS)の上に置いて、「CDトラポ」からのバランス・ケーブルを接続した。ちなみに電源ケーブルはPADの「ドミナス」である。

固唾を呑んで見守る中、各種機器のスイッチをオン・・。

ゆっくりと静かにそして厳かに音が広がっていった・・、そして二人して、思わず息を呑んだ。

前々回に述べた音質以上の仕上がりで、何という魅力的な音なんだろう・・。

「くどい」のは嫌いなのでこれ以上は控えるが、あの「やかまし屋」の「Y」さんが、しばし寂(せき)として声無しの状態・・、およそ想像はつきますね(笑)。

そして、感極まった面持ちで「これまで聴かせてもらった中で最高の「AXIOM80」です。素晴らしいの一言です! オーディオ愛好家であれば好き嫌いは別にして一度は聴いておくべき音だと思います・・、これもブレーカーの交換と新しいDACが大いに貢献していますね」と、Yさん。

負けじと「それもあるでしょうが、箱の剛性を強化した効果が大きいと思いますよ」と、健気(けなげ)に応戦する自分。

なんだ、なんだ・・、手柄争いの様相を呈してきたな〜(笑)。

まあ、どちらでもよろし、AXIOM80さえうまく鳴ってくれればそれでいいんだから〜。

それにしてもこの新しい「DAC」は優れものだった。あの「じゃじゃ馬」の「AXIOM80」をこうまで破綻なく手なづけるのだから〜。

「15%引きセールは今日(12月1日)まででしたよね?」

「そうです。注文するなら今日中がタイムリミットですよ」

う〜ん、何とも悩ましい・・、価格も手頃だしねえ〜。

結果は読者のご想像にお任せするとしよう・・(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c927f7a3db2f2f8ccfbc78fa204df2d0


脳はマンネリを嫌う
2023年12月07日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/10f5bad7b2c4b49ba992054589a5c7e5

SPユニットと大切な共存関係にあるエンクロージャー(以下、「箱」)。

このほどAXIOM80が入っていた箱の剛性を強化したところ、見事に変身〜。これまでのAXIOM80はいったい何だったんだろう・・、あまりの変わりように「新生AXIOM80」と呼びたくなった。

もうほかのスピーカーは要らないんじゃないか、とまで思い詰めたが、「脳はマンネリを嫌う」ようで、たったの1週間ほどでほかのスピーカーを聴きたくなった(笑)。

ちなみに「音楽を聴く」といっても、空気の振動を耳の鼓膜で感知し、それを音楽に変換するのは「脳」ですからね〜。

それに加えて、大編成のオーケストラを心ゆくまで堪能できないというのも一つのネックである。

そこで、出番となったのがグッドマンの「TRIAXIOM」。

口径30cmの同軸3ウェイで、オークションでもめったに見かけない希少品で、AXIOM80に次いで「我が家の至宝」的な存在。

グッドマン社は幸か不幸かユニットを単独販売するだけで、タンノイみたいに箱を作らなかったが、それが様々な悲喜劇を引き起こした。

音作りはタンノイよりはるかに上なのに、今では正当な評価を受けないまますっかり忘れ去られているのが惜しい。

我が家も例に漏れず「TRIAXIOM」用に薄板(厚さ:1.2cm)の箱を作り、それに容れて楽しんでいたが、このほど格好の実例が登場したことになる。

つまりAXIOM80のときのように「箱の剛性」を強化すれば、きっともっと素敵なサウンドになるに違いないという確信めいたものが湧いてきたので、似たような補強をやってみた。

箱を自作する人間だけにもたらされる至福の楽しみといえる。

楽屋裏を見ても気持ちのいいものではないが、この通り。

ご覧のとおり、補強といっても細い棒を縦、横に1本ずつガッチリ張り付けるだけである。

左右両方の作業が済んで音出しへ〜。

あれまあ・・・、まさに期待通りのカチっと引き締まった「極上のサウンド」へと大変身〜。

AXIOM80の精緻で凝った作り(それとは裏腹に壊れやすい・・)、とは違うので大音量を入れてもビクともしないユニットである。大編成のオケでもオルガンでもなんでも来てくれ〜(笑)。

それにしてもグッドマンが醸し出す音にますます引き付けられてしまった。ちょっと表現が難しいが、人間の琴線にそっと触れてくるとでもいおうか・・、センチメンタルな人に向いていそう。

(ただし、フェライトマグネットの時代に入った「301」以降は「似て非なる」もの・・)

それに比べて同じ英国製なのに「ワーフェデール」は明らかに違うサウンドである。どちらかといえば、心情に訴えかけるというよりも、物理的な佇まいというか、やや冷めたサウンドだといえそう。

同じ英国製なのにね・・、やはり違う。結局、ユニットの製作者が音楽好きだったかどうかに由来しそうな気がするが〜。

グッドマンのユニットはほかにも「AXIOM150マークU」(口径30cm、以下「マークU」)を保管しているが、何とか出番を考えてやらないと宝の持ち腐れになってしまうと痛切に感じた次第。

で、このほど、この「マークU」がオークションに出品され落札されていた。ほんの一昨日(12月5日)のことだった。

ご覧のとおり重量級の堂々たるマグネットが付いていて、持ち上げるのに一苦労するほど。

落札価格は「5万8千円」だったが、安っ! 性能からすると2倍でもおかしくないほどで、落札者はいい買い物をされましたよ〜。

で、この「マークU」の我が家の活躍場所を求めると・・、もはや「TRIAXIOM」がこうなった以上、ウェストミンスターの箱に収めるしか方法がなくなった。

あ〜あ、早く「スーパー12」(ワーフェデール)が故障しないかなあ・・(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/10f5bad7b2c4b49ba992054589a5c7e5

9. 中川隆[-11636] koaQ7Jey 2024年2月11日 19:52:01 : n4p04CquLw : bG9tSjdBTFhRTk0=[16] 報告
<■79行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「音楽&オーディオ」の小部屋
「タンノイ」と「グッドマン」に思う
2024年02月10日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/b09091765cd15b924d513c70224d7035

「〇〇さん、タンノイのユニットに興味ありますか?」と、連絡があったのはオーディオ仲間のSさんからだった。

「ええ、無いことも無いのですが・・」と歯切れの悪い返事をしたところ、「現在オークションにタンノイの(モニター)レッドのユニットが出品されてますよ。あなたが好きな口径30cmです。しかも中央部があめ色で、これはレッドの初期バージョンです。シルバーの音に近いとされていますので特に人気がありますよ」

ほう・・、俄然色めき立った(笑)。

レッドとかシルバーとか「何のこっちゃい?」という方がおられるかもしれない。

クラシック音楽向けとされる英国のスピーカー「タンノイ」の歴史は古い・・、そしてユニットの変遷をいくつも重ねてきた。

古い順に、モニター「ブラック」、「シルバー」「レッド」「ゴールド」「HPD」・・といった具合で、この色彩の命名はマグネットのカバーに由来したものだ。

で、タンノイは古ければ古いほど音が良いとされている・・、何故かはわからないが、憶測すると真空管と同じで大衆に向けて広範に普及しだすと材質の吟味から細かなツクリまでメーカーはコストを念頭に手を抜きたがる傾向がある。

所詮は利潤を追求するのが生き残っていくためのメーカーの使命ですからね〜。

ちなみに、名管とされる「WE300B」の初期バージョンの「WE300A」は先年のオークションで「160万円」の高額で落札されたのはまだ記憶に新しいところ、たかが真空管だけどね・・(笑)。

で、「レッドの前期版」だが、さっそくオークションで見つけて「ウォッチリスト」に登録して見守ることにした。

で、途中経過の入札価格を見た途端に戦意を喪失した・・、20万円以下ならともかく、もうすでに越えている(笑)。

あとはどのくらいの額で落札されるかに興味が移った。

もったいぶらずに決着をつけると「落札日は2月7日」落札額は「459,300円」・・。

え〜っ、およそ46万円もする価格に驚いた。

さっそく「S」さんにご注進・・、「例のレッドは46万円でしたよ!」「ああ、それは安かったですね。業者の販売価格は60万円台ですからね・・」「ほう・・、それを知ってる人たちが殺到したんですね、まったく生き馬の目を抜く世界とはこのことですねえ・・」

ただし、これは私見としてズバリと言わせてもらうとタンノイは実力の割には買い被られている。つまり、お値段と実力が釣り合っていない。

これも「五味康佑」さんが「タンノイの回し者」とまで言われたように、あの独特の「音楽評論」とともにその素晴らしさを過剰と思えるほどに吹き込んだせいだ・・、愛読者はまるで魔法にかかったみたいに「タンノイ」が欲しくなるんだから〜(笑)。

実はこの自分がそうだった・・。

我がタンノイ遍歴を述べてみると「VLZ(イン・キャビネット)」に始まり、「インパルス15」そして「ウェストミンスター」へとグレードアップしていったが、結局今となってはバランス的に「VLZ」がいちばん良かったと思っている。

そして、今や「ウェストミンスター」の中身はすっかり原型を留めておらず、口径38cmのユニットは追放の憂き目に遭い、長大なバックロードホーンは自分好みに簡略化している。

そして、まことにお粗末な部品が使われているネットワークは即刻廃棄して、クロスオーバーを「1000ヘルツ」から「ハイカット100〜200ヘルツ(ムンドルフのコイル)の切り替え方式」にして、ようやく好みの音になってくれた。

仲間たちは「あのタンノイを改造するなんて度胸がありますねえ」と、一様に感心してくれるが、内心「こいつアホとちゃうか」と思っているかもねえ(笑)。

まあ、どう思われようといい・・、人生一度きりなんだからせめてオーディオくらいは心行くまで好き勝手にさせてもらおう。

ブランドとかオリジナルにこだわるのは「愚の骨頂」だと思っているが、はたから見るとどうなんだろうねえ・・。

で、タンノイにひきかえ、格上とされている同じ英国の「グッドマン」が、実力以下に過小評価されているのが残念でたまらない。

現在愛用しているのは「AXIOM80」(2ペア)、「TRIAXIOM」(口径30cm同軸3ウェイ)、「AXIOM150マークU」(口径30cm)の3つのユニットだが、独特の哀愁と翳りを醸し出す音ヅクリにぞっこんである。

グッドマンは例外が若干あるとしても、基本的に口径38cmのユニットに手を出さなかったところにメーカーとしての矜持と慧眼を思い知るのである。

で、これほど際立った能力があるのに「存続」という面でタンノイの後塵を拝したのはなぜか・・、やっぱり「エンクロージャー」を作らなかったせいかなあ〜。

レコードやDACなどの前段機器、増幅機器のアンプなどではどうしても解決できない次元の違うノウハウ的なものがエンクロージャーに秘められている気がしてならない、いわばオーディオの最後の砦・・。

つい、オークションの話からあらぬ方向へ発展してしまった。

はなはだ身勝手な独演会はこのくらいにして、違ったご意見もお伺いしたいところですね(笑)。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/b09091765cd15b924d513c70224d7035

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