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史上最強のウーファー JBL 150−4C
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1105.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 11 月 03 日 18:47:23: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: JBL パラゴン レプリカ 投稿者 中川隆 日時 2020 年 10 月 28 日 11:31:22)


史上最強のウーファー JBL 150−4C

JBL 150-4C - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=JBL+150-4C


JBL「PARAGON」のユニット
ハイファイ堂メールマガジン第723号 京都商品部
https://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/171208/index.html

JBLの名機「PARAGON」のユニットについて触れていきたいと思います。

「PARAGON」は約30年の販売期間中、ユニット構成・仕様の変更がいくつかありました。

おおまかに知られているユニット構成が3通りありまして、

まず初期が
ウーファー:150-4C
ドライバー:375
ツイーター:075
ネットワーク:N500H,N7000

中期が
ウーファー:LE15A
ドライバー:375
ツイーター:075
ネットワーク:LX5,N7000

後期が
ウーファー:LE15H
ドライバー:376
ツイーター:075
ネットワーク:LX5,N7000

という構成です。

JBL Paragon(パラゴン、D44000/D44000WXA)の仕様
http://audio-heritage.jp/JBL/speaker/paragon.html

しかしJBLではユニット自体の仕様変更も度々ありました。
そこでさらに深く調べてみると、もっとたくさんの年代の見分け方ができるように思われましたので、僕なりに推察したことを紹介していきたいと思います。

今回はウーファー編です。
ここはマニアの方々の間では「PARAGON」の値打ちを決める極めて重要なポイントになっていると思われます。

前述した通りウーファーは3種類あります。
初期の「150-4C」、中期の「LE15A」、後期の「LE15H」。

やはりこの初期の「150-4C」が特に人気です。
そもそも初期モデル時代は日本で販売されていなかったため、直接輸入するしか入手方法はなかったので、当然国内にある球数は少なくなってまいりますね。(今では昔に比べ入手しやすくなってきました)

そんな「150-4C」は「PARAGON」が発売される以前(1953〜1954頃)からJBLで販売されており、有名なものでは「HARTSFIELD」にも搭載されております。
そんな「150-4C」自体もやはり少しずつ変化があり、僕が調べた範囲でも、見た目上違うものが数種類ありました。

ターミナル部分が半田付のもの、ネジ式のもの、プッシュ式の赤黒の樹脂のもの(この頃の少し太めのこのターミナルは巷では「ファットターミナル」と呼ばれているようです)。

「JIM LANSING」のステッカーが貼られたもの。
フレームがマグネットと同様の縮緬塗装を施されたもの。
「JIM LANSING BY AMPEX」ラベルのもの。
ラベルがシールのもの、プレートのもの。

またそのプレートの中でも[!]マークの○の中が「L」のものと「JBL」のものがありました。

個人的な推測としては、「PARAGON」の発売された1957年時点での「150-4C」は、半田付・ステッカー・ネジ式ターミナルのものは本来「PARAGON」に搭載されていたものとは違うのでは?と推測しています。
それ以前のモデルと推測しています。

「L」マークもカタログ上やマニアの方のお話でも1955年モデルの象徴という話もあるので、そこから推察するに、「PARAGON」の初期の「150-4C」で確実なのは、「JBL」マークのものが間違いないのではと思います。
ただ意外と「L」マークの在庫が初期PARAGONに搭載されている可能性も否定しきれません。

「150-4C」の時代は資料が非常に少ないので確実な事はよくわかりませんので、こういった推察の域を出られません。
またそういうところも、魅力の一つなんだろうと思います。
下左:1955年カタログ表紙 下右:1956年カタログ表紙
LansingHeritageより
http://www.audioheritage.org/intro.htm

続いては中期モデルにあたる「LE15A」です。

JBL LE15Aの仕様
https://audio-heritage.jp/JBL/unit/le15a.html

この「LE15A」は1960年に発売された「LE15」の後継モデルで、1962年に発売されました。

一応、カタログやSTEREO SOUND誌などでは1964年モデルの「PARAGON」から中期モデルが始まるとされています。

この頃くらいから国内メーカーの「SANSUI」がJBLの総代理店になるので、国内の「PARAGON」はこの中期モデルから出回りだす事になります。
「150-4C」に比べるとコーン紙の形状(深さであったり、コルゲーションが付いたり)もエッジもマグネットも変わり全く別物です。

ただ「LE15A」は、後継の「LE15H」が発売される1980年までの約18年間という長い期間販売されており、それは「PARAGON」の販売年数の半分以上という事になるので、巷に出回っている大半の「PARAGON」がこの「LE15A」を搭載している事(一般的に認知されている「PARAGON」の音)になりますが、これはこれで長い販売期間のその間に幾度かの仕様変更がなされておるわけで、これもまた非常に興味深いウーファーになる訳です。

「LE15A」も分類すると、エッジがランサロイエッジ(黄色いゴムエッジ(発売当初はもっと白っぽい?)現在は硬化していたり、破損しているものも多いです)のものとJBL定番のウレタンエッジのもの。
抵抗値が16Ωのものと8Ωのもの。
そしてフレームがブルー・グレー・ブラックの3種類あります。

まず年代順に追っていくと、最初の「LE15A」はフレームがブルーフレーム/ランサロイエッジ/16Ωでした。

1965年発売の「C50 OLYMPUS S8R/S7R」の「LE15A」がグレーフレームしかないので、上記の1964年からのモデルという事から考えるとわずか1年程の個体にしか搭載されていないこのモデルがある意味一番レアです。
当社でも確認できたのはわずかです。
シリアルとしては1000番台〜5000番台が確認できました。

その後すぐにグレーフレームに変更されます。
(左列:ブルーフレーム/右列:グレーフレーム(1番上写真のエッジはウレタンエッジに交換されています))

それからまたすぐに大きな節目となる16Ω→8Ωへの仕様変更が1967年に行われます。
抵抗値が変わるのだから音への影響は大きいですね。
グレーフレーム/16Ωモデルも結局この約2年程(1965〜1967)の販売期間と思われますのでなかなかレアです。
(シリアル7000〜10000番台くらい?)

このマイナーチェンジでの見た目上ではプレートの表記(16Ω→8Ω)が変わりました。(グレーの色合いも少し変わったのかも?個体差?)

そして、それからしばらくしてターミナルの取り付け部分も移動しました。(この間もわずかです。シリアル10000〜12000番台と思われます)
その後シリアル13000〜29000番台まではグレーフレーム/ランサロイ/8Ωモデルと思われます。(ウレタンエッジに交換されているものも多数あります)


そしておよそ1970~72年頃にはフレームがブラックになり、エッジがウレタンエッジになり、この頃からかコーン紙の質感も変わったように感じます。
ガスケットもこの頃からかコルク素材だったものからウレタン素材のものに変わったようです。
シリアルとしては30000番台のものが該当するようです。

そしてとうとう「LE15H」に!と参りたいとこではありますが、寸前(1978年頃)マイナーチェンジしました。
見た目ではプレートが変わっただけですが、仕様としては結構な変更があったようで、それまでの最大入力が60W→120Wに。
能率も101dB→94dBに。
マグネットの重量も8.8kg→9.1kgになったようです。
シリアルはなぜか10000番台に戻っています。


そして最後のモデル「LE15H」です。

JBL LE15Hの仕様
https://audio-heritage.jp/JBL/unit/le15h.html

この変換も大きなポイントです。
今までアルニコマグネットだったものが、フェライトマグネットに変更されます。
この後期モデルも「PARAGON」全体で見れば少数なので希少なモデルになると思います。

価値としてはマニアの方はアルニコ支持者が多いですが、これはこれで現代的なソースなどにはマッチしやすく、良いウーファーだと思います。
https://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/171208/index.html


▲△▽▼


JBL史上最強のウーハー 150−4C
http://jazz-audio.music.coocan.jp/audio-23.html

今回、幸運にも非常に稀なウーハーを手に入れる事が出来ましたので、我が【C45 METREGON】のウーハーを取り替える事にしました。
その非常に稀なウーハーとは、かのハーツフィールド、最初期のパラゴン及びほんの稀にメトロゴンにも組み込まれていた15インチのウーハー、そうあの有名な【150−4C(16Ω)】です。
このウーハーにはノン・コルゲーションタイプの非常に硬いストレート・コーン紙が使われています。しかも軽くて指ではじくと“パーン!”という手ごたえがあり強度も相当高いものと想われます。マグネット (アルニコV)は130系と比べると1/2ポンド重く、非常に能率の高いウーハーです。ですからf0(最低共振周波数)は35Hzとかなり高く、現在のウーハーと比べれば最低域は出ないタイプのものです。 今、使用中の【LE15A】ウーハーのf0は20Hzですので、この点が少し心配といえば心配な点です。
また、コーンの頂角はかなり深いタイプで、130系のフレーム周縁にスペーサーを設けてこのコーンを取付ける事が出来るようにした合理的な考えで設計されたものです。
これら高能率のユニットは『マキシマム・エフィシェンシー(最高の能率)・シリーズ』と呼ばれており、【150−4C】もこのシリーズに含まれます。
【150−4C】のボイスコイルはショート・ボイスコイル(アンダーハング・ボイスコイル)で、エッジはコーン紙の延長を波型にした所謂フィクスド・エッジと呼ばれるものです。
ところで、JBLには1946年の創業間もない頃からウエスタン・エレクトリック(WE)に納められていた強力なユニット達が存在していました。その中のウーハーをコンシュマー・モデルとしたものが【150−4C】です。このWEに納入されていたユニットは、【T510A】という型名がつけられており、’50年代中頃のWEのシアター・システムに【375】ドライバーのWE版である【T530A】と共に幾つかのシステムが構成されていたそうです。
私の入手しました【150−4C】は真に極上品の超美品であり、左右のペアも真に揃ったこれまた非常に稀なものです。シリアル・ナンバーは左右連番の“10161”と“10162”です。
裏の銘板のJBLのロゴ・マークは一番最初のものが記されています。また、フレームにも『JIM LANSING』の流れるような美しい書体のロゴ・マークが記されています。
 
【150−4C(16Ω)】ウーハー
 

【150−4C】ウーハーと【375】コンプレッション・ドライバーを繋ぐネットワークは、この時のために長い間手元に置いておいた【N400】ネットワークを使用します。【N400】は型番からしばしばクロスオーバー周波数が400Hzと間違われますが、実際は500Hzです。(N500、N 500Hという型番のネットワークも存在していました。)
この【N400】の低域側は一応コイルだけは入っていますが、減衰量は6dB/octで非常に高い周波数で切っていますので、ウーハーの高域は殆ど切っていないに等しいものです。高域側の方は完全な12dB/octで大体500Hzぐらいから低域をスパッと切っています。
これは【375】と【H5041】ホーンとも関係してきており、ロード(負荷)が完全にかからない帯域までドライバーを動作させているために、その辺を今度はウーハーの方がうまくアシストして両方のユニットを繋ぐという感じです。
そのために、この時代のシステムをチャンネル・デバイダーを使って指定周波数で高域側も低域側もスパッと切ってしまうマルチ・アンプ方式で鳴らしても殆どの場合、うまく 繋がらないで中域が抜けてしまうという結果となってしまうのです。ですから、この時代のシステムはメーカー指定のネットワークを使用するのが一番と考えます。
私の所有している【N400】ネットワークのシリアル・ナンバーは、これまた左右連番の“1771”と“1772”です。
 
【N400(16Ω)】ネットワーク

以下に実際にウーハーを取替えた工程を示します。写真で見ると簡単そうに見えますが、実際には相当に気力と体力を要する作業です。
特にウーハーを取付けているボルトの取り外し、取り付けはスペースが少ないためにL形の特殊なドライバー(この場合はネジまわし)を用いて、片手を奥に突っ込んで行わなければなりません。これには相当参りました。
もう2度とウーハーの交換はやりたくないというのが今の心境です。
 

 

この度、私所有のメトロゴンから取り外されてしまった【LE15A】ウーハーは『リニア・エフィシェンシー・シリーズ』に含まれます。このLEシリーズでは能率は程々にして、その代わり再生周波数帯域を広げるようにしたものです。
コーン紙にはコルゲーションが入り、130系に比べてコーンの質量が重くなったため(これはコルゲーションの問題というよりも振動系全体の設計によるもの)能率は低下しました。
ボイスコイルはロング・ボイスコイル(オーバーハング・ボイスコイル)で、エッジはフィクスド・エッジではなく、初期はランサロインと呼ばれる材質、その後はウレタンに材質が変更となり形式はロール・エッジを採用して振幅が大きく取れる構造となりました。
これら全ての変更で低域特性を良くしており、f0は20Hzまで下がりました。
私の所有している【LE15A(8Ω)】のエッジは、おそらくウレタン・エッジであったために後からセーム皮に交換したものだと想われます。
以上でウーハーの交換は、殆ど丸1日がかりで何とか無事に終える事ができました。もう手も足も腰もガクガクでした。その後遺症はその後2日間ほど残りましたが、今はもう治っています。ですが、やはり歳には勝てないようですね。
ウーハーとネットワークの交換で、メトロゴンのスピーカー・システムとしての能率は相当上がったようです。コントロール・アンプのボリュームの位置が所定の音量を得るのに交換前と交換後では約3目盛程違っています。これで高能率の【375】も【075】も本領を発揮してくれるでしょう。今までは相当【LX5】ネットワークで能率を犠牲にしていたのですから・・・。
スーパー・ツィーターの出力音圧レベルも再度調整し直して、現在は98dBから100dBに設定変更しています。
ウーハーを交換した後の『音』の違いですが、やはり軽量コーンを使用した高能率型の【150−4C】ウーハーでは音の立ち上がりと立ち下がりが随分と速くなったようです。それに連れて音のスピード感も相当速くなったように感じます。【375】、【075】とのスピード感がやっと揃ったようです。今まではウーハーのスピード感が中高域に追いついていなかった事を正に実感いたしました。また、今まで聴こえていなかった微小な音もはっきりと聴こえるようになりました。
最低域の再生についてはf0が20Hzから35Hzに15Hzも上昇したので心配していましたが、聴感上は殆ど変わりません。部屋を揺さ振る低音もちゃんと再生してくれています。
中域も音が濃くなったように想います。【150−4C】ウーハーの高域が重なっているからでしょうか?
結論として、今回のウーハーの取り替えはまんまと“大成功”だったようです。
http://jazz-audio.music.coocan.jp/audio-23.html


 

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コメント
1. 中川隆[-10253] koaQ7Jey 2020年11月03日 18:52:15 : TuqvwFp9Ek : UFloSzJYUlNNUjY=[25] 報告
JBL 現行のスピーカーシステム
https://jp.jbl.com/premium-speakers

JBL 歴代スピーカーユニット一覧
http://audio-heritage.jp/JBL/unit/index.html
http://audio-heritage.jp/JBL/unit/index2.html

JBL 歴代エンクロージャー-キャビネット一覧
http://audio-heritage.jp/JBL/unit/index3.html

JBL 歴代スピーカーシステム(民生用)一覧
http://audio-heritage.jp/JBL/speaker/index2.html

JBL 歴代スピーカーシステム(プロフェッショナルシリーズ)一覧
http://audio-heritage.jp/JBL/speaker/index.html

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