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福井日記 No.133 競馬とステークス
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投稿者 BRIAN ENO 日時 2012 年 12 月 17 日 14:04:42: tZW9Ar4r/Y2EU
 

会社は、株主のものではなく、ステーク・ホルダーのものだと最近よく耳にするようになった。

 株主は、ストック・ホルダー、シェア・ホルダーと呼ばれているので、スターク・ホルダーとは、確かに株主を表す言葉ではないのだろう。

1998年版のランダムハウス英語辞典では、ステーク・ホルダー(stakeholder)には、「(事業・産業への)投資者(グループ)」という説明がある。しかし、これは、もともとのスターク・ホルダーの使い方からすればかなり変形されたものである。

 ウエブスター辞典によると、この言葉は、名詞としては、あるものに対する法的権利、レースの出発点または最終点を表す印、火あぶりの刑で責められること、掛け金に供されたカネ、等々の意味である。

 動詞としては、次の使われ方をしている。「私はこのことに自分の評判を賭ける」、「私はこの馬に賭けてみる」、「道標を立てる」、「山羊の首輪を締める」、「刺し殺す」。

 「あるものへの法的権利」という意味なら、現在のステークの使われ方とほぼ同義である。「道標を立てる」とか、「首輪を締める」などは、同じく権利の確保を表し、「法的権利」を指すのに使われている。

 その他、「賭ける」という意味がある。こちらの方が古い使われ方であろうと森弘之「すぐに使える日常英語」(http://allabout.co.jp/study/basicenglish/closeup/CU20051114A/)は説明している。

 「火あぶりの刑で責められること」の意味がステークにあるというのも不思議である。"at stake"は、「審議に賭けられる」という意味であるし、"burn at stake"は、「責め苦を受ける」という意味である。ともに、火あぶりから派生した言葉である。

 火あぶりの刑といえば、カトリック教会が異端者をこの刑に処してきたと理解されているが、それは間違っている。この刑は、ローマ帝政が、キリスト教徒たちを迫害するために多用したものである。カトリックがそれを模倣した。

 1184年のベローナ宗教会議(the Synod of Verona)は、異端者を罰する好適な処刑が火あぶりであるとまで決議している。しかも、1215年第4回ラテラノ公会議(the Council of the Lateran)がこれを追認している。ラテラノはローマ法王が居住する宮殿である。1229年トゥールーズ宗教会議(The Synod of Toulouse)でも同じく追認された。

 14、5世紀、スコットランド、イングランド、スペイン、オーストリア、スイス、ドイツでよく行われた魔女裁判で、400万人は火あぶりの刑に処せられたのではないかとされている。

この刑に賭けられた著名者は、ヤン・フス(Jan Hus)(1415年)、ジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno)(1600年)である。

 イングランドのメリー女王(Queen Mary)の治世下(1553-58年)では、277人が火あぶりの刑で殺された(Wikipediaより)。

 火あぶりがステークと関係していたことはひとまず差し置いて、経済的な用語のステークホルダー(stake holder)に限定しよう。

この言葉は、もともとは、賭け金、ないしは、賞金を勝者に手渡すまで保管する人という意味であった。

 それが、1990年代に入ってから、「利害関係者」、つまり、「権利を同じくする人たち」という意味で使われるようになった(Wikipedia")。

 Wikipediaによると、組織に関わるすべての利害関係者とは、組織の事業主、雇われ人、顧客だけでなく、事業所が存在する地域の人々を含む。

 ステークが、ステークスと複数になれば、競馬のステークス競走になる。

 これは、イングランド生まれの言葉である。馬術競技には、本来、様々なものがあったはずなのに、単純に駈けっこをするだけの競馬レースがイングランドで発祥したのは、イングランドに騎馬の伝統が乏しかったので、単純な競走だけで、貴族たちは喜んだからであるし、そもそも、賭けを罪悪視しないイングランドの風土があった。それで、賭け金を獲得する競馬が流行したのであろう(http://homepage3.nifty.com/hr-univ/class/history/race.htm)。

 ステークス・レースというのは、各馬主が出馬登録料を持ち寄り、そのカネを勝ち馬の馬主に渡すというレースのことである。

 ここで、ステークス(当然、単数はステーク)は、馬主、つまり、貴族たちが、差し出す出場料のことである。初期の競馬は、貴族だけが参加していた。それを王室競馬というが、リチャード1世の創設といわれている。1634年の「ニューマーケット・ゴールドカップ」がそれである。ニューマーケット競馬場で春秋2回の開催であった。

 チャールズ2世も競馬好きで、彼の愛称「オールド・ローリー」は、彼の持ち馬であった優勝馬の名からきている。いまでも、ニューマーケット競馬場の直線は、「ローリー・マイル」と呼ばれている。

 アン女王も、皇室所有のアスコット競馬場で1711年に競馬を開催した。これが、ロイヤル・ミーティングという貴族の社交場になったのである。年4回開催であった。

 ステーク・ホルダーは、まさに賭け金の所有者、または、賭け金をもらう資格のある人を意味していたのである。現在のもっともモダンな経済用語の出自は、古い英国貴族の競馬の賭けにあった。つまり、アングロサクソン出自とした言葉なのである。

http://blog.goo.ne.jp/motoyama_2006/e/19347d8bc91753e1ce07b9c61fb6ee42

 

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