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司法官僚裁判所支配に触れた佐宗那皇氏の急逝(植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/09/senkyo74/msg/744.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 11 月 13 日 16:33:03: twUjz/PjYItws
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-91ff.html

2009年11月13日 (金)
司法官僚裁判所支配に触れた佐宗那皇氏の急逝


本ブログ11月11日付記事に


「新藤氏『司法官僚』が示す司法制度改革の原点」


を掲載した。


『司法官僚』


司法官僚―裁判所の権力者たち (岩波新書)
著者:新藤 宗幸
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

は、日本の司法制度改革を考察する際に、その原点を提示する基本書となるだろう。国民必読の書と言える。


「三権分立」を確保し、公正で適正な裁判を実現するためには、裁判官が


「良心に従い、独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」


ことが不可欠である。


日本国憲法は第76条第3項にこの規定を置いている。


この規定に沿った裁判官の行動が確保されて、初めて中立で公正な裁判が実現される。


ところが、日本国憲法第80条の条文が個々の裁判官による独立した職権の行使を妨げる可能性を生み出しかねない危険を内包している点に十分な留意が求められる。


日本国憲法第80条には以下の定めが示されている。


「下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。」


 この規定に関して、新藤氏は上記著書に重大な事実を指摘している。


「最高裁事務総局が裁判官人事に実質的に強大な権限をもっている法的根拠は、なによりも憲法八〇条一項の前段「下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する」にあるといってよい。そして、この憲法条文をうけた裁判所法は、第四二条において高裁長官ならびに裁判官の任命資格を列挙するとともに、第四七条において「下級裁判所の裁判官の職は、最高裁判所がこれを補する」とし、裁判官の指名、人事異動や昇任などの権限を最高裁に与えている。


これらの規定を「素朴に」解釈するならば、最高裁が裁判官人事のすべてを取り仕切ることになる。」(『司法官僚』197〜198ページ)


新藤氏は最高裁の裁判官人事に関する権限を次のように総括する。


「判事補・裁判官の任用と再任用、転勤、昇任、報酬、部総括指名、人事評価などは、実質的に最高裁事務総局の司法官僚の手ににぎられている。そしてまた、選任の基準はまったく不明のままだが、判事補段階において司法官僚のエリート候補生の選別が、最高裁事務総局によっておこなわれている。」(同197ページ)


つまり、裁判官の人事上の命運は、ひとえに最高裁事務総局という、司法官僚のエリート組織に完全に握られているのが、日本の裁判所の実態なのである。


さらに新藤氏は1974年9月に発生した台風16号による東京都狛江市の多摩川堤防決壊に伴う国家賠償法に基づく損害賠償訴訟についての重大な事例を紹介する。この訴訟では東京地裁が79年1月に住民勝訴の判決を示したが、87年8月に東京高裁は住民逆転敗訴の判決を提示した。


新藤氏はこの問題に関連して、1987年11月8日付朝日新聞が、83年12月2日に最高裁事務総局が全国の地裁・高裁の水害訴訟担当裁判官を集めて裁判官協議会を開催していた事実を報道したことを紹介する。新藤氏はこの裁判官協議会がクローズアップされた理由が、84年1月26日の大東水害訴訟最高裁判決直前の協議会であったことを指摘する。


これらの事実関係を踏まえて新藤氏は次のように記述する。


「朝日新聞のスクープ記事や多摩川水害訴訟の東京高裁判決を機として、最高裁事務総局がこれまでみてきた人事による裁判官コントロールにくわえて、法律の解釈や判決内容についてもコントロールしているのではないか、そしてこの二つは相互に密接に関係しつつ、下級審や裁判官にたいする事務総局「支配」の基盤となっているのではないかとの問題関心が、在野の弁護士を中心にたかまっていった。」


私が巻き込まれた2004年4月の品川駅冤罪事件の不当有罪判決を示したのは東京地裁判事の大熊一之氏であった。


この不当判決について、ジャ−ナリストの高橋清隆氏から、重要な情報が提供された。ワールドフォーラムを主宰されてきた佐宗邦皇氏が、東大の同窓ということであろうかと推察するが大熊一之氏と面識があり、大熊氏と酒席を共にしたときに大熊氏が以下の内容を示したとのことだった。


「私は長崎の五島列島の簡易裁判所が初任地だった。東京地裁は夢のようなところで、当局の意向に逆らうわけにはいかない。」


私は本年4月21日に開催された「ワールド・ブロガー協会設立記念講演会」に出席し、挨拶をさせていただいた。その動画映像がYOU TUBE映像で公開されている。挨拶に先立ち、佐宗氏が私を紹介下さったが、そのなかでこのエピソードを紹介された。ぜひ動画をご高覧賜り、佐宗氏の発言をご確認いただきたい。


私は本年8月から10月の身柄勾留期間に東京拘置所で、新藤氏の『司法官僚』を読んだ。この書によって最高裁事務総局による裁判官および裁判支配の核心を知ることになった。そこに書かれていた事実は、佐宗氏が挨拶のなかで触れられた大熊一之氏の述懐とピタリと符合するものであった。


10月に身柄を解放されて、私はかねてより内諾をいただいていた佐宗氏との会談を楽しみにしていた。その私に驚愕の知らせがあった。佐宗邦皇氏が8月9日に急逝されたとの報に触れたのである。


佐宗氏はご講演の最中に具合を悪くされて、そのまま回復せずに翌朝に逝去されたとのことである。あれほどお元気にされていた方が突然亡くなられて、いまでも信じられない気持ちでいっぱいである。


佐宗氏急逝の原因について確かなことを知ることができないが、記念講演会で極めて重大な発言をされた直後の急逝であるだけに、より詳細なお話を賜ることができなくなった現実には呆然とするしかない。詳細な内容をお伺いすることになっていただけに、口封じされてしまったとの疑念を拭い去ることができない。


 謹んで佐宗那皇氏のご冥福をお祈りするとともに、心からのお悔やみを申し述べさせていただく。同時に、佐宗氏の提起された重大な事実を手がかりにして日本の司法制度の闇を明らかにし、その根本的な変革を実現することが私たちの重大な責務であると確信する。


●関連記事:「植草一秀の『知られざる真実』」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-c753.html

2009年11月11日 (水)
新藤氏『司法官僚』が示す司法制度改革の原点


 官僚制批判、地方分権推進について説得力のある主張を展開されてきている政治学者の新藤宗幸氏が

『司法官僚』

司法官僚―裁判所の権力者たち (岩波新書)
著者:新藤 宗幸
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する


と題する著書を出版された。

 私は同書を身柄拘束中に読んだ。私の民事訴訟事件で弁護団を指揮下さり、完勝に近い勝利を獲得して下さった梓澤和幸先生がご恵送下さった。梓澤弁護士は東京新聞読書欄に同書の書評も掲載されている。

 私は日本の権力構造が三権分立ではないことを、拙著

『知られざる真実−勾留地にて−』

知られざる真実―勾留地にて―
著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する


にも記述した。

 議院内閣制は大統領制と比較して、「権力の抑制=チェックアンドバランス」よりも「権力の創出」の特性を持つ制度である。

 議院内閣制の下での内閣総理大臣は議会多数派勢力から選出される。内閣総理大臣は内閣を編成し、内閣が行政権を担う。他方、議会における決定権は議会多数派が確保する。議会多数派=与党は議会を支配すると同時に、内閣を構成する母体となり、政治的意思決定およびその実行が円滑に促進される。

 これに対して米国の大統領制の下では、大統領が所属する政党が議会で多数派である保証はない。大統領所属政党と議会多数派が異なることも多い。

 米国の大統領制は大統領に強い権限を付与しているが、大統領選と独立に実施される議会選挙によって大統領が所属する政党とは異なる政党が議会多数派を形成する機会を創出することにより、大統領の行政権限を議会がチェックし、けん制する機能が期待されている。

 この意味で日本の議院内閣制には、もとより権力が集中しやすい特性が内包されていると言える。

 このなかで、問題は司法制度である。

 日本国憲法は、裁判官について、

@最高裁長官は内閣が指名し、天皇が任命する(第6条)
A最高裁長官以外の最高裁裁判官は内閣が任命する(第79条)
B下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する(第80条)

 ことを定めている。

 つまり、内閣が裁判所裁判官の人事について、強い権限を有しているのである。

 私は「小泉政権の五つの大罪」について、上記拙著『知られざる真実−勾留地にて−』にも記述したが、そのひとつに

「権力の濫用」

を掲げた。過去の総理大臣の多くは、三権分立の大原則を踏まえ、憲法に規定された内閣および内閣総理大臣の権限行使に対して、一定の自己抑制を働かせてきた。しかし、この自己抑制を完全に排除した初めての総理大臣が小泉純一郎氏であったと考える。

 政府は政府の保持する強大な許認可権を行使することによって、「第四の権力」と呼ばれるマスメディアを支配してしまうことも不可能ではない。現実に、総務省からの圧力により、NHKを政治的な支配下に置く行動も取られたと考えられる。

 内閣総理大臣はその意思さえ持てば、司法を支配することも不可能ではないのである。日本国憲法が定めた制度設計に「権力の分立」ではなく、「権力の集中」、「独裁」を生み出す要因が内包されている点について、十分な再検討が求められていると考える。

 さて、問題は現在の司法制度である。警察・検察の「裁量行政」の問題も重大である。刑事取調べの適正化、取調べの可視化など検討が求められる課題は枚挙に暇がない。

 同時に、起訴された刑事事件の99%が有罪とされる日本の裁判制度には根本的な問題が存在するとの指摘が強い。被告人が否認しているケースでの有罪率はイギリスなどの場合、50%程度であるとも指摘されているが、日本では99%が有罪の判決を受ける。裁判制度が機能していないと言わざるを得ない。

 問題の本質は日本国憲法第76条第3項に規定された事項がまったく無視されているという現実にある。

 日本国憲法第76条第3項は以下の規定を定める。

「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」

 裁判官は本来、「その良心に従ひ独立してその職権を行ふ」ことを要請される存在である。裁判官は法の番人であって、「憲法及び法律にのみ拘束される」べき存在である。

 裁判官が独立に、その良心に従って憲法や法律を適正に適用して裁判を行えば、多数の悲惨な冤罪判決を生み出すことはないはずである。

 新藤氏は上記著書によって、日本の裁判制度を歪めている元凶を見事に抉(えぐ)り出している。その元凶とは「最高裁判所事務総局」である。

 最高裁は司法修習生時代に裁判所トップエリートを選出し、この一握りのトップエリートに最高裁事務総局の権限を担わせてきているのである。トップエリートは最高裁事務総局と主要各地裁判所判事、法務省官僚を歴任し、日本の裁判所裁判を実質的に支配している。

 裁判員制度が導入され、司法制度改革が進められているとの説明がなされているが、本質的な司法制度改革にはまったく着手すらされていないのが現状である。

 新藤氏の著書は、司法制度改革の本丸がどこに存在するのかを鮮やかに浮かび上がらせている。司法制度改革について、一般国民は本質的に重要な事項を何一つ知らされていない。職業裁判官と検察官がすでにお膳立てを終えた事案について、最終的に量刑を決定する際に一般国民が申し訳程度に関与する制度=裁判員制度は司法制度改革の名称を用いることのできる代物ではない。

 すべての国民が『司法官僚』を読んで、問題の本質のありかを知ることが司法制度改革の第一歩であると考える。


 

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コメント
 
日本の司法制度の問題の原点について大変なことを見落としていたのに気付かせられました。ご教授に感謝し早速岩波新書を購入して勉強します。 この問題は旧憲法での軍の統帥権問題と同じで重要なことだと思います。 有難うございました。 N.T
2009/11/13 17:04
 事務総局のトップエリートが最高裁判事になる割合が高い。これは、とりもなおさず裁判官経験年数が少ない連中が最高裁判事となるわけで。
 最高裁はアマチュア裁判官の比率が高いことになる。
2009/11/13 17:07
小泉元総理が強大な許認可権を行使して権力の集中を図りそれが今日のゆがんだ司法となっているように読めるが、政権を奪取した民主党政権が同じく強大な許認可権を行使して、正常な司法と健全で公平なマスメデイアの回復を目指すことはいかがでしょうか? 裁判官がその良心に従って上司の言うままに判決を決めると言うこともあるわけですね? 議会制度の原点は、横暴な王権の行使を規制するためのものだったわけで、現代の日本では横暴きわまる特権的官僚の行為を規制するものだと思います。 第四の権力であるメデイアについても、それを正すのは議会の権利であり義務でもあります。 それにはあらゆる問題をオープンな形で行うことが必要であり、裏口でこそこそと仲間を集めて誤魔化すようなやり方は排除しなくてはいけないということですね。N.T
2009/11/13 17:40
西川伸一教授 『裁判のベテランがひとりもいない最高裁』(1) … 国民審査スペシャルインタビュー
http://www.miso.txt-nifty.com/shinsa/nishikawa-int1.html
2009/11/13 22:22
三権分立なんて絵に描いたもちってわけですな

2009/11/15 02:58
> 佐宗氏急逝の原因について ... 口封じされてしまったとの疑念を拭い去ることができない。

JAL123便のことか。
http://blog.goo.ne.jp/adoi
上記ブログの管理人も身の危険を感じているようだ。
2009/11/18 02:37

07. 2012年8月17日 06:23:40 : VftN0Jq6hQ
故・佐宗氏の件が書いてありますが、
佐宗氏が殺害される1ヶ月程前に、当時の大宮の化学防護隊学校の校長先生をお招きして、7人程で、酒席を設け、JAL123便のお話を伺いました。
当方は、佐宗氏からお招きいただき同席していた者の一人です。
内容は以下です。
故・佐宗氏が、「プラザ合意に導くため米軍が攻撃したんでしょ」と、切り出すと、当時の化学防護隊学校の校長先生は、「いや、それが違うんだ」
ということになり、貴重なお話を伺うことができました。

要は、
なぜに、生存者の川上慶子さん(当時12歳)が米国人と結婚したかということです。
・ソ連軍機ベア
・自衛隊軍機及び核ミサイル
・御巣鷹では日中自衛隊の殺害部隊が生存者を惨殺
・米軍は及び国際部隊は最大限の救助を出すが全て自衛隊に撃沈されSR-71撃墜をはじめとする大打撃を受ける。
という事態を見ているのです。
それで、
米国以外は信用ならん、ということで、米国人と結婚することになったわけです。

日本人の生存にとって米国及び米軍が如何に重要であるかということが如実に示されたのがJAL123便の案件です。


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