【モスクワ西田浩雅】プロ野球創成期に活躍した旭川ゆかりの投手、ビクトル・スタルヒン（１９１６〜５７年）の生涯を映画化する計画が、故国ロシアで進んでいる。１８日には撮影班が来日。スタルヒンが少年期を過ごした旭川で、当時を知る人々に取材する。完成後は米国やロシアでの上映を計画しており、死去から半世紀余りを経て、波乱の生涯に注目が集まりそうだ。

　ロシアの大手映像制作会社、トリー・キタ（モスクワ）などが制作する。プロデューサーのアンドレイ・クリモフさん（３７）ら撮影班は１９日から２２日まで旭川に滞在。スタルヒンが在学した旧制旭川中（現旭川東高）時代のチームメートや友人らに取材する。

　故人の名を冠した旭川スタルヒン球場では、地元少年野球チームの試合も撮影。本人が通った銭湯や、２０１１年に命名された「八条スタルヒン通り」でもロケが行われる。

　引き続き東京で、長女ナターシャ・スタルヒンさん（６２）＝東京都在住＝や、現役時代を知る元投手の金田正一さん（８０）に取材。当時の記録映像も交え、スタルヒンの生涯をドキュメンタリーの形にまとめる。

　２年ほど前にスタルヒンの生涯を知ったクリモフさんは「ロシアでは知られていないが、調べれば調べるほど物語が出てくる。新たな遺跡を発掘したようなもの」と制作の動機を説明する。＜北海道新聞１０月１４日朝刊掲載＞

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/entertainment/497865.html
　

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