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Re: テスト
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投稿者 上葉 日時 2010 年 2 月 06 日 09:33:53: CclMy.VRtIjPk
 

(回答先: Re: テスト 投稿者 上葉 日時 2010 年 2 月 06 日 09:31:47)

「量」より「質」で石油を語ろう! オイルサンドも深海油田も「割に合わない」エネルギー JBpress(日本ビジネスプレス)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2707


「量」より「質」で石油を語ろう!
オイルサンドも深海油田も「割に合わない」エネルギー
2010.02.05(Fri) 山本 達也

 国別の原油の確認埋蔵量世界一はサウジアラビアで、全体の約19.9%を占める。では、2位がどこかご存じだろうか?

 答えはカナダだ。イラン、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)などの湾岸諸国を遥かにしのぐ埋蔵量を誇る。

 「カナダに油田?」と首をかしげる人がいるかもしれないが、その正体は西部のアルバータ州にあるオイルサンド=鉱物油分を含む砂岩だ。量にして約1780億バレル。今のペースで生産し続けても、189年は無くならない計算だ。(石油連盟「今日の石油産業2009」 8ページ参照)

 「189年分」と聞いて安心するなかれ。実は、石油の問題を考えるにあたって、「量」はさほど重要ではないのだ。その理由を説明しよう。


■石油は大量にある。しかし、その全てを使うことはできない
 地球上にはまだまだたくさんの石油資源が眠っている。正確な数字は分かっていないが、9兆バレルとも、10兆バレル以上とも言われる。

 人類が過去に消費した石油は約1兆バレルなので、潤沢な資源が残っているような錯覚にとらわれるが、実は、我々がその全てを使うことは2つの理由で不可能だ。

 第1の理由は、技術的制約。現在の技術レベルでは、油田から取り出すことができるのは35%程度で、残りの約65%は地中に残ってしまう。

 もちろん、技術革新によって、将来、より多くの石油を回収する技術が確立されるかもしれない。しかし、仮に飛躍的な技術革新で、ほとんどの石油を回収できるようになったとしても、実際に回収されることはないだろう。

 それは、第2の理由である、石油の「質」の問題だ。この点を理解するために、油田から石油を取り出すプロセスについて知っておく必要がある。


■老朽油田からの採掘には莫大なエネルギーが必要
 通常、油田開発はボーリングをして油井を設置する。若い油田であると内部の圧力によって石油が押し出され、勢いよく自噴する。これが1次回収である。

 埋蔵量が減ってくると、徐々に内部の圧力が弱まり自噴の勢いも弱まる。そうなると、海水などを押し込んで人工的に圧力を高め、埋蔵されている石油を取り出す。当然、産出される石油にも海水が混じるため、産出後に海水を取り除く作業も必要になる。これが2次回収である。





 さらに、最近では3次回収として、水蒸気を注入しその圧力で石油を取り出す技術も実用化されているが、水蒸気を生成するためには大量のエネルギーが必要となる。

 つまり、初期の頃は、ほとんど穴を掘るだけのエネルギーで石油を手に入れられたのに、油田が老朽化すると、同量の石油を取り出すために必要なエネルギー量も増えることになる。

 このような資源のエネルギー効率の違いを表すのが「EPR」(Energy Profit Ratio:エネルギー利益率)と呼ばれる指標だ。EPRは、「得られるエネルギー÷そのために必要なエネルギー」という単純な計算式で求められる。

 例えば100リットルの石油を取り出すのに1リットルの石油が必要だとしたら、EPRは「100/1=100」。EPRの値が大きければ大きいほど少ないエネルギーで多くのエネルギーを取り出せることになり、それだけエネルギーの「質」が良いと評価できる。


■ウサギを深追いし過ぎて、エネルギー浪費する愚行

 問題は、EPRの値が「1」を切る場合だ。例えば、1リットル石油を取り出すのに2リットルの石油が必要だとしたら(EPRは1÷2=0.5)、取り出した石油にもはやエネルギーとしての意味はない。

「ラビットリミット」という言葉がある。ウサギ狩りをする時に「深追い」しすぎて、ウサギから得られるエネルギーよりも多くのエネルギーを消費してしまっては生命を維持することはできない。家で待つ妻がいる場合にはEPRが2以上でなければ意味がない。大家族ならさらに大きなEPRが必要だ。

 つまり、食料となり得るウサギが何羽残っているかという「量」が重要なのでない。そのウサギがエネルギー効率的に捕まえるだけの意味を持っているのかどうかという「質」が重要なのだ。

 石油も同じことだ。仮に9兆バレル、10兆バレルの石油が地中に眠っていたとしても、「深追い」し過ぎてEPRが1を切ってしまっては意味がない。実際のところ、「ラビットリミット」的に意味のある石油は残り約1兆バレルと見積もられている。1兆バレルとは、富士山を器に見立てて、その約10%強の量に過ぎない。


■残された油田は低効率なものばかり

 人類は採掘しやすい石油から採掘してきた。後に残るものほど採掘が難しく、EPR値も低くなる。サウジアラビアやアメリカで発見された初期の陸上油田は、穴を掘るだけで勢いよく原油が噴き出した。その頃のEPRは100以上だったと見積もられているが、老朽化し生産ピークを過ぎた油田は10あるいはそれ以下になると言われている。最近の極地や深海での油田開発も、EPR値が1ケタ台というケースもあるようだ。

 カナダのオイルサンドのEPRも低い。オイルサンドから石油を抽出するためには、大量の水蒸気を必要とする。そのためには、大量の水(それも貴重な淡水)と天然ガスなどのエネルギー源が使用される。EPR値は、最良のケースでも1桁台であり、1.5程度という見積もりも出ている。

 さらに、オイルサンドは露天掘りで行うため大規模な環境破壊を懸念する声もある。「EPR値1.5」には、環境修復に必要なエネルギーは考慮されていない。環境修復までを含めると、1を切る可能性が高い。





■高く、希少な石油をいかに使うか?

 EPR値の低下は、我々の暮らす社会に重大な影響を与える。このことを視覚的に確認してみよう。図は、「正味エネルギーの崖」(the net energy cliff)と呼ばれるグラフである。グラフのうち青い部分が我々の社会が使うことのできる正味のエネルギー量であり、赤い部分がエネルギーを取り出すために必要なエネルギー(=社会が使うことのできないエネルギー)である。

 EPR値50は、全体の2%をエネルギー採掘に使い、残りの98%を社会が使うことを意味する。エネルギー採掘に必要な割合は、EPR40で2.5%、EPR30で3.3%、EPR20で5%と、初めのうちは、EPRが低下してもさほど大きな影響を受けない。

 しかし、EPRが10を切るようになると、突如「崖」の存在に気がつく。EPR10で10%、EPR5で20%、EPR4で25%、EPR3で33%、EPR2で50%と、絶壁の如く、社会で使える正味のエネルギー量が急速に減少する。

 我々が直面している問題は、石油の「量」が少なくなってきていることではない。「量」だけならまだ大量に残っている。

 問題は、石油を取り出すためのエネルギー的コスト(金銭的コストではない!)が増大し、エネルギーの「質」が悪くなってきていることにある。両者を混同してはならない。

 石油を「安く大量」に使える時代は終わりに近付いている。「使うことが可能な限られた石油」を、いかに有効に活用していくかを考えなければならない。無駄は禁物。これまでのように浪費するだけの余裕などないのである。

 対策を先延ばしにすればするほど、EPRの値はますます低くなり、社会が使える正味エネルギー量も減少していく。金銭的コストも増大するだろう。最悪の場合、次の時代へシフトするだけの余裕を失ってしまうかもしれない。そうなったら最後、崖から転がり落ちることになる。脱石油社会を目指すにしろ、そのためのインフラを整備するためにはエネルギーが必要だし、日本はエネルギー資源産出国ではないことも認識しておかなければならない。

 日本が崖の向こう側に転落しないためにも、我々は今こそ現実を直視し、エネルギーの問題と真剣に向き合う必要がある。


【編集部おススメ関連記事】 石油供給はすでにピークを迎えている〜石油ピーク論「民主党経済成長戦略の『非現実』」「やっぱり期待はずれの『世界エネルギー展望』」/油田発見・開発も需要拡大に追いつかない「相次ぐ油田発見、需要満たすには不十分?


 

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