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オバマ氏の「平和賞」不快 栗田慎一(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/09/warb2/msg/277.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 12 月 11 日 08:52:29: twUjz/PjYItws
 

http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20091210k0000m070135000c.html

記者の目:オバマ氏の「平和賞」不快 栗田慎一

 米国の軍事攻撃が続くアフガニスタンとパキスタンを取材エリアに持つ私は、オバマ米大統領のノーベル平和賞受賞を、とても不快な気分で眺めている。授賞理由は「対テロ」戦と関係ないにしろ、米軍の最高指揮官の受賞である。出口の見えない戦渦の中で、アフガンやパキスタンでは罪のない市民が空爆やテロに巻き込まれ、血と涙を流し続けている。この違和感を私は整理できないでいる。

 「頼むから聞いてくれ」。11月上旬、アフガンの首都カブール郊外にある国内避難民キャンプで、避難民たちが空爆で犠牲となった家族の遺体の写真を手に集まってきた。写真には、血だらけで地面に横たわる幼子らの姿がある。

 キャンプには、米軍と反米武装勢力タリバンとの激戦が続くカンダハル、ヘルマンドなど南部州から逃れてきた約1万人が暮らしており、戦争の長期化で避難民は増え続けている。タリバン発祥の南部州には、今でもタリバンのシンパが多く、家族や親類にタリバンと関係のない人を探す方が難しい。そんな地域から来て空爆などの被害を訴える人たちの言い分を、国際支援が集中して復興が進むカブールでは、軽視する風潮が少なからずある。

 私はカブールを訪れるたび、このキャンプに足を運んでいる。治安の悪化で取材活動にも命の危険が伴う今のアフガンで、戦争被害者から直接話を聞ける数少ない場所の一つだからだ。

 毎日新聞の世界子ども救援キャンペーン取材班として、初めてアフガンを訪れたのは02年。カンダハルに滞在中、結婚式場が米軍機に空爆され、被害者たちが運ばれた病院を取材した。胸部などに重傷を負った5歳の少年が、麻酔薬なしで手術を受けていた。骨折で痛みに泣きじゃくる女児を抱えた父親の、悲しげなまなざしに射すくめられた。

 「正義の戦争」などありえないと思うし、「この戦争は成功しない」と確信したのを覚えている。

 アフガンを管轄に持つニューデリー支局に赴任したのは07年。昨年10月に市民90人以上が死亡した西部ヘラート州の空爆現場を訪ね、同じような被害が続く現実におののいた。家族を失って孤児となり、家族の肉片を拾い集めていた少年は、11歳とは思えない厳しい視線を投げかけた。

 先月、ヘラート州の現場を再訪した。破壊された16軒の民家は再建されずに放置され、住民たちは米軍への憎悪に加え、米国の支援を得てきたカルザイ政権への反感をたぎらせていた。空爆で4歳の娘を含む家族12人を一度に失った警察官は、屋根の抜けた自宅跡地で涙を流し、「世界は(オバマ氏の)ノーベル平和賞をどう見ているのか」と私に問いかけた。

 パキスタン北西部の部族支配地域で続く米軍の無人機によるミサイル攻撃は、オバマ政権発足後に強化された。民家をまるごと破壊する攻撃スタイルに、市民の命への配慮はまったくない。米紙は、オバマ氏が南西部バルチスタン州にもミサイル攻撃を拡大すると報じている。

 今月1日に米軍3万人増派を柱にしたアフガン新戦略をオバマ氏が発表するまで、私は「平和賞効果」に期待した。市民を巻き添えにする戦争のあり方を見直す「何か」を語るのではないか、と。米国内には戦争を続ける大統領の受賞に異論もある。授賞が世界最大の戦争国家の政治指導者に「再考」を促すのでは、との皮肉な憶測もあった。

 しかし、戦禍に苦しむアフガン人への配慮もメッセージもなく、8年で市民数万人が命を失った現実に何の感想もなかった。ブッシュ前大統領と同様に、アフガン戦争の原点となった01年のニューヨークでの米同時多発テロの犠牲者数などに触れ、軍事作戦継続の必要性を訴えた。

 米国の事実上の主敵となったタリバンは、米軍撤退後の「再支配」をにらみ、アフガン34州すべてに影の州知事を置いて政治勢力としての地歩を固めている。政権時代に非難を浴びた極端なイスラム法の強制を見直し、女子教育の是認を議論するなど、妥協できるところは妥協している。タリバン幹部は「タリバンは8年で多くのことを学んだ」と言った。だが、米国は指導者が代わっても、同じ過ちを繰り返そうとしているように見える。

 ノーベル賞委員会は、オバマ氏が米国を単独行動主義から国連中心の多国間外交の舞台に引き戻し、「よりよい未来に向けて人々に希望を与えた」と授賞理由を挙げた。しかし、戦禍に苦しむアフガンやパキスタンの人々に希望は見えない。今回の平和賞が、「オバマの戦争」を事実上是認する一方で、アフガンやパキスタンの人々の命を軽視する風潮に拍車をかけないかと、私は恐れている。(ニューデリー支局)


毎日新聞 2009年12月10日 0時01分

 

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コメント
 
01. 2009年12月11日 09:35:27
いやぁ、さすがノルウェー。

ダイナマイトを発明しただけに

小浜大統領にのーべる平和賞は実に根のある賞だ。

まるでウサマ・ビンラーディンにあげてるような印象だよ。

平和の為に戦争を賛美する小浜は

テロリストを増産するすばらしい賞と

間接的に喜んでいるような印象かな。


02. 2009年12月11日 10:50:07
えーーーーーーーーーーーっ????????????

アフガニスタン侵略戦争を継続しているあの米国小浜大統領のノーベル受賞?

うそでしょう!!

信じられません。

わたしが狂っているのか、それとも、国際社会が狂っているのか?


03. 2009年12月11日 21:56:43
「私」が不快に思っているのか。
タイトルだけ見て、「オバマ氏」が内心不快に思っているのかと思ってた。
平和賞は、要するに欧州の政治家がアメリカの政治家を目下に見て、ようやく自分たちの政策の言うことを聞きそうなのが出てきたのを評価してやっているという態度だから、オバマ氏が不快に感じて辞退しても不思議はなかった。

04. 2009年12月11日 22:43:14
> 今月1日に米軍3万人増派を柱にしたアフガン新戦略をオバマ氏が発表するまで、
> 私は「平和賞効果」に期待した。市民を巻き添えにする戦争のあり方を見直す「何か」を語るのではないか、と。

期待するほうが無理です。

この記者氏、9/11に関する多くの疑問とかイルミナティとか
知らないんだろうなぁ。


05. 2009年12月11日 23:52:45
所詮、ノーベル賞とは、「西洋が、その行為に権威を与える、プロパガンダに過ぎない」との実証だと、今回、明白になった。

前回の、元アメリカ副大統領アル・ゴアの受賞で疑問を感じたが
今回の受賞で確信と変わった。

西洋がその他の国々を永遠に低開発国に押しとどめるために
マスコミを使った、情報操作の一部です。

早く、日本国民はその真実に気がついてほしいい。


06. 2009年12月12日 02:03:41
西欧が、

でしょう。アメリカ人でも受賞している党が偏っているし。
まあ例年は賄賂で出したりしているようだから、今年のオバマなんてまだましな方。


07. 2009年12月12日 12:23:53
おかしいと思っている人が大半だと思いますよ。
ノーベル賞に限らず。

08. 2010年2月26日 02:02:43
一番戸惑ったのは、ご本人のオバマ大統領だったと思います。又、オバマ氏のサポーターたちも、この件に対してはオバマ氏の今後の足かせになるのではと大変心配をしていたようです。彼には受賞を断る機会もあったでしょうが、最終的に受けてしまった。まぁ、ノーベル平和賞は、日本からも佐藤栄作氏が受けているのは、それ以上に恥ずかしい気がしますが、その程度と考えてもよいのかもしれません。 何とも皮肉なことではありますね。 

09. ちょホンリ 2012年4月13日 14:43:49 : gp9mAJ3iXvGR2 : 090sIvrjlY
現地を良く知っている記者だけあって、現場の内容がしkっかりと
伝わるのとともにアフガンの人たちの代弁を行なうには最適な内容の記事と
思う。

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